下の廊下 黒部ダム→欅平 (旧日電歩道、水平歩道)


- GPS
- 11:05
- 距離
- 41.8km
- 登り
- 8,216m
- 下り
- 9,088m
コースタイム
7:58黒部ダム-8:14黒部川渡る-8:58内蔵助谷出合-11:00黒部別山沢-12:15十字峡-13:08半月峡-13:40東谷吊橋-14:05人見平-14:58阿曽原温泉小屋
10月8日(土)
5:08阿曽原温泉小屋-6:29砂防堤内トンネル-7:12大太鼓-7:27志合谷トンネル-8:39水平歩道終点-9:13欅平
天候 | 10月7日(金):朝のうち小雨、昼前曇り、午後晴れ、弱風 10月8日(土):晴れ、微風 両日とも行動中は寒さを感じず。 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
・扇沢→黒部ダム:トロリーバス利用。平日の始発便だったが混んでいた。 ・欅平→宇奈月:トロッコ電車利用。昼くらいからの宇奈月行きの便は全て予約でいっぱい。午前中の早い時間なら空席が目立った(=ガラガラ)。 ・宇奈月温泉→魚津:富山地方鉄道利用 ・魚津→信濃大町:JR北陸本線、大糸線利用 ・信濃大町→扇沢:バス利用 *欅平から扇沢まで各種乗り物乗り継ぎ所要時間8.5時間ほど。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
*10月7日に発生した地震のため、登山道の一部が崩落し黒部ダム→阿曽原温泉小屋のルートは利用できない模様。予定のある場合は事前に関係各所に要確認。以下は、7日に崩落が起きる前の状況。 <全般> ・初日の行程(黒部ダム→阿曽原温泉小屋)には落石箇所多数。しかも最近落ちたと思われる箇所が非常に多く見られた。このルートの核心部は内蔵助谷から十字峡あたりまでと感じたが、この辺りの落石が最も多かった。 ・阿曽原温泉小屋では、8日以降このルートの利用を控えるよう登山客に伝えていて、実際、7日に欅平から入山したパーティの多くは翌日同じルートで欅平に戻っていた。 ・落石の危険のない、安全な休憩箇所が極端に少なく、長時間(2時間程度)休憩なしで歩き続けた(内蔵助谷出合から十字峡まで)箇所もあった。ルート全体が落石危険箇所と言っても過言ではなかった。ヘルメットがあれば持参すべき。 ・2日目のルート(阿曽原温泉小屋→欅平)には落石箇所は少ないがゼロではないのでやはり気が抜けない。この区間は送電線の巡視路(関西電力の新北陸幹線)と重なっており、視界に鉄塔や送電線が入ることが多い。間違って巡視路に入らぬよう。 ・"水平歩道"の名が示すとおり、ルートはほぼ水平で登り下りは極端に少なく体力的にはきつくないが、落ちたら危険な箇所が連続するため、精神的にかなり疲労する。 ・雨が降っていても降っていなくても、登山道上に"滝"ができていたり、トンネルを歩く際に水滴が落ちてきたり、壁沿いに水滴がしたたり落ち、体やザックが濡れるため、ザックカバー等の防水対策が必要。雨具もジャケットくらいは着た方がベターと思う。 ・両日共に登山道上に積雪・凍結はなし。 <各所> ・黒部ダム→内蔵助谷出合:一般的な登山道に近く、ワイヤ(針金)はない。川に近いためか、登山道が湿っていて滑りやすい。特に岩の上は要注意。(一度丸い岩で滑って川に落ちそうになった...。) ・内蔵助谷出合→十字峡:このルートのハイライト。川幅狭く、崖高く。落ちた時のことは考えたくない。この間はほぼずっとワイヤが張ってあり、それを片手で掴みながら進むことになる。この間には落石の可能性が低い休憩適地(ザックを下ろして休めるところ)がほとんどなかった。 ・十字峡→阿曽原温泉小屋:半月峡のあたりはまだ急崖だが、それ以降は比較的歩き易くなる。関電人見平宿舎では建物内を5分程歩く。宿舎を過ぎた後、一旦10分程きつい登りをこなし、水平道を歩き、急な下りをこなすと阿曽原温泉小屋に到着する。小屋は遠くからは全く見えない。 ・阿曽原温泉小屋→欅平:小屋から15分程の急登をこなした後は水平道の歩き。ずっと遠くまで見通せるルートが多い。トンネルを数カ所くぐる。特に志合谷は3〜4分真っ暗なトンネルを歩くため、ヘッドライト等が必要。また、トンネル内は狭いので、すれ違いは難しいかもしれない。水平道の終点から欅平までは急坂だが、時間にして30分もかからない。 <ストック> 内蔵助谷まではダブルストックで歩いたが、以降東谷吊橋までは2本とも仕舞った。片側の手(黒部ダムから歩く場合左手)はほとんどの時間ワイヤを掴むため、少なくとも片手は開けるべき。東谷吊橋→水平道終点までは1本のみ使用。欅平駅までの最後の下りは普通の登山道なので2本使って歩ける。 <阿曽原温泉小屋> ・温泉は時間帯によって男女が入れ替わる。露天風呂までは下って5分、登って10分ほどなので、サンダルなどではなく登山靴で行った方がよい。 ・水が豊富。トイレは何と水洗式。 ・テント場は大変よく整地されていて、テント場に水場、トイレともにあるので大変便利。標高がアルプスにしては比較的低いため、10月初旬でも朝晩の冷え込みは穏やか。(テントのフライシートが凍ったりはしなかった。) <携帯電話> ほぼ全ルートで使用不可能、使えるのは黒部ダムと欅平の周辺のみと思われる。阿曽原温泉小屋でも使用できず。 |
写真
感想
・ピークを踏んでいないため、分類は「ハイキング」としたが、行動時間・距離共に長いため、ハイキングの装備ではなくしっかりとした登山の装備が望ましい。
・阿曽原温泉小屋に着いた後、地震のため登山道が崩落したことを知った。(行動中は地震に気付かなかった、、、。)自分が落石等に巻き込まれなかったのは、単に運が良かっただけと思う。小屋に着いて聞いたところでは、自分が通過して30分程度後に大規模な崩落があったらしい。今年は黒部ダム→欅平の通り抜けはできないかもしれない。
・途中、落石に巻き込まれて怪我をした登山者を見掛けた。事故発生から時間が経過し、既にレスキューを呼んだ後であり、落石頻発の箇所に多くの人間が止まることを危険に感じ、そのまま行動を続けたが、それで良かったのか自問自答しながら歩いた。(現実的に自分にできることは何もなかったのだが、、、。)
・ルートは所々落石や土砂崩落で崩れていた箇所もあったが、通行に問題がないところがほとんどだった。整備をしている方達には感謝の言葉もない。
・コースに大きなアップダウンはなく、体力的には余裕があったが、距離は大変長いので、最後まで集中力を切らさずに歩くことが肝要と思った。
・紅葉はまだまだだった、と思う。落石が怖くて紅葉をよく見る余裕はなかった。
・GPSは、当初予想したとおり、谷底を歩くため、衛星の取得状況が悪く、結果、トラックがあちこち飛んでいた。一部修正したものをアップしているが、修正しきれない。
・登山地図等のコースタイムは少し厳しめ。黒部ダムからの場合、始発のバスを利用しても、ゆっくり歩いていると日のあるうちに小屋までたどり着けないと思う。
・帰りに利用したトロッコ電車は、風が直接当たるので寒く感じた。これからの時期は特に防寒着を着込んでの乗車必須。
はじめまして、hidekazuさん。
間一髪でしたね。
その場に留まらなかったのは賢明な
判断だったとかんじます。
下の廊下は、無理としても
水平歩道は紅葉の時期に行きたいものです。
と、なると来週あたりがピークでしょうか?
宜しければ教えてください。
satoru-ktさん
紅葉ですが、今回は落石が怖くてゆっくり確認している余裕が
ありませんでした。撮影した写真を見直しましたが、
まだほとんど始まっていないようです。
よって、来週はまだ少し早い気がしますが、こればかりは
何とも言えません。
情報ありがとうございます。
確かに、周りをキョロキョロしながら歩いていたら
危ない道ですね。
hidekazuさん、はじめまして。
記録と写真を拝見して、たぶん十字峡のところでお会いした方ではないかと(間違っていたらゴメンナザイ)。
それにしても崩落に遭遇するか否かは本当に運次第だったんだなあと、阿曽原温泉に浸かりながら、通過してきた方と話をしたりしてました。
私は翌日、裏剱方面に登ったんですが、降雪のおかげで紅葉は今イチでちょっぴり残念でした。
kazさん、はじめまして。
十字峡通過時刻や阿曽原温泉小屋着時刻も大体符合しますので、
間違っていないと思います、恐らく。
今回は落石事故や崩落と色々あり、本当に運が良かったと
実感しています。運に頼らない山行をしたいですが、、、。
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