黄葉の北八ヶ岳(北横岳~亀甲池~双子池)
- GPS
- 06:29
- 距離
- 15.5km
- 登り
- 1,071m
- 下り
- 1,055m
コースタイム
天候 | 曇りのち快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
毎時00/20/40分 往復1,800円 駐車場は広いので、満車になることはないと思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
大石川林道は落石に注意が必要です。特に見晴らしのよい開けた場所は、落石ポイントでもあります。 雨後は登山道に水溜まりができてしまうようです。 大きな石がゴロゴロしている登山道で、下りはかなり歩きづらいです。 登山ポストは、ロープウェイ山頂駅にあります。 |
写真
感想
本当は前日からテント泊するつもりだったが、雨が激しそうなので翌週に延期しよう。
そう考えていたら、翌週末も今一つの天気予報。
一方、日曜日は思ったより早く天気が回復しそうということで、急遽日帰りで出かけることにした。
日帰りなので、朝早く登り始めたい。そうなると車で行くしかない。
マイカー移動には懲りていたが、この天気を逃すわけにもいかない。
現地に到着する頃には前線も通過していて晴れるかなあ、などと考えながら車を飛ばした。
しかし、残念ながらロープウェイ山麓駅はガスに包まれていた。
始発のロープウェイに乗り込み、あっという間に山頂駅に到着。すでに標高2,240メートル。
山頂駅もやはりガスに包まれていて、しかも風が強い。
まあ北横岳山頂に着く頃に晴れればいいかと期待し、登山客の先頭を切って歩き始める。
道中はガス混じりの冷たい風が吹きつけていたが、最近買ったアンダーウェア(モンベルのジオライン)が威力を発揮してくれた。
長袖シャツとの組み合わせだけで、殆ど寒さを感じなかった。
話は逸れますが、やはり専門メーカーの衣料は優れものですね。
今までユニクロやミズノの安物でお茶を濁してきましたが、高いお金を出した甲斐がありました。
これほど保温力があって、しかも吸い取った汗を短時間で乾かしてしまうとは驚きです。
北横岳山頂に到着すると、遮る樹木がないため、ミゾレ混じりの強風が容赦なく吹きつけてきた。
さすがに堪らなくなり、レインウェアを着込む。
三百六十度ガスで、展望はゼロ。早々に退散して、亀甲池へと下る。
ロープウェイで高所まで来てしまうため、一時間弱かけて北横岳に登る以外は、下りがメイン。
山登りに来たつもりが、山下りに来たみたい。
北横岳からの下りは石がゴロゴロしていて、とても歩きにくい。それに、前日の雨で湿っていて滑りやすい。
下り始めてすぐ、左足首に鋭い痛みが走る。
慣れないハイカットの靴を履いてきたため、靴紐で圧迫されたベロが足首の腱を刺激しているようだ。
しばらく左足を庇いながら歩いていると、やがて痛みが引いていった。
おそらく歩き方がよくなかったのでしょう。だげど、どうにも足首を固定した歩き方が苦手で。
しばらく下り続けていると、木々の隙間から青空が覗き始めた。
北八ヶ岳らしい苔むした地面に、スポットライトのように光が差し込んでいる。
亀甲池に着いたときにはすっかり晴れ間が広がり、緑色の湖面が小波に揺れてキラキラと輝いていた。
木々に取り囲まれた山上湖は、まるで秘密基地のようだ。
山の上の雲が急ぎ足で駆け抜けて、青空を残してゆく。
亀甲池をあとにして、双子池へと向かう。
三十分ほど歩いて到着した双子池(雌池)は、まさにこの日求めていたものだった。
湖畔に広がる黄葉、透明な湖水。澄んだ空気に、青々とした雲一つない空。溜息が出る。
ここにテントを張れるなんて!
ここにテントを張って、日が暮れるまで眺めていたい。そんな光景が広がっていた。
木々の隙間からキラキラ光る水面を眺めながら、池の縁を縫うようにして進む。
雌池に別れを告げると、すぐに双子池ヒュッテと雄池が姿を現す。
雄池の水は飲用にできるほどで、さらに透明で美しい。またしても溜息。
双子池ヒュッテの前で昼食をとり、さてこれからどうしようかと思案した。
当初は大石川林道を通って雨池に向かうつもりだったが、北横岳山頂の眺望を逃してしまったので、大岳経由で帰りにもう一度登ろうか。
そう決めて、歩き始めた。
しかし登り始めてすぐ、どうも体調が優れないことに気づく。
何がどうというわけではないのだが、睡眠不足のせいか全身がだるい。
やはり林道を通って楽に行こう。双子池に引き返すことにした。
大岳の山腹を巻く大石川林道はほとんど傾斜もなく、ゆったりと歩くことができ、変化に富んだ様々な景色を見ることができた。
前後に登山客の姿もなく、一人きりの静かで贅沢な時間を過ごした。
それは秘密の場所に続く道のようで、初めて見るのにどこか懐かしい光景だった。
名前は知らないけれど、多種多様な樹木たち。
明るいけれどどこか物憂げな秋の陽光を浴びて風に揺れる木の葉。
クリスタルのように澄み切った風が吹き渡る。
コメツガの艶やかな緑と、ダケカンバの優しい黄色。ナナカマドの紅、縞枯れ模様を描くシラビソ。
あらゆるものが渾然一体となって、まるで絵画の世界に迷い込んだようだ。
無常の一瞬が切り取られ、固化され、原初の記憶が呼び覚まされる。
果たしてこれは現実の風景だったのだろうか。夢を見たのか。
ダケカンバの陽光に透けた黄葉が、脳裏に焼きついて離れない。
雨池分岐に到着し、再び思案する。雨池を往復するか。
いや今日はもう止めておこう。指導標に従って、雨池峠に向かって登り始める。
前日の雨によって、登山道は沢になっていた。大きな石と石の間に水溜りができていて、足の置き場に迷う。
登りだからいいようなものの、これは下りは大変だなと思いながら進んだ。
雨池峠に到着して、またしても思案。まだ時間も早いし、縞枯山を往復しようかな。
しかし、どうも全身のだるさが消えないので、結局、雨池も縞枯山も止めて、そのままロープウェイ山頂駅に帰って来た。
折角なので、坪庭も散策してみた。観光客ばかりだが、ロープウェイの出発まで時間があれば、見て回ってもよいかもしれません。
ロープウェイのガイドさんによると、この日は風速十から十五メートルだったそうで、このぐらいの強風は普通のことだそうです。
また、八ヶ岳にはブナの木が生えていないので、動物の食物に乏しく、熊は生息していないということ(いいですね)。
急遽日帰りで行くことを決めた北八ヶ岳だったが、晴天に恵まれ、池も黄葉も堪能できて大満足♪
高山から眺める雄大な景色もいいけれど、自然や植物をからだ全体で感じる穏やかな山歩きもいいですね。
八ヶ岳は本当に素晴らしい。様々な表情を見せてくれる。
今度は冬の北横岳に来よう♪ いやその前に、もう一度チャンスがあればテント泊で…。
何はともあれ、八ヶ岳が大好きになってしまった。来年はもう全部歩いて回りたい。
geraniumさん、こんにちわ。
私も、この夏に、亀甲池、双子池を歩いたものです。また、先週は、紅葉/黄葉のなか、大石川林道、雨池、白駒池を歩きました。
geraniumさんの、紅葉/黄葉の双子池の写真から、溜息がでるようなすばらしい雰囲気が伝わってきました。また、大石川林道の、”絵画の世界に迷い込んだよう”、同感です。私も、先週、贅沢な時間をすごすことができました。
この時期の北八ツの湖と林道は、すばらしいですね。
PS.
木からぶら下がっている、綿のようなものは、サルオガセ(猿麻薯)と言うようです。
たとえば、
http://www.ootk.net/cgi/shikihtml/shiki_31.htm
参照。
geraniumさん こんにちわ
晴天に恵まれての、亀甲池、双子池等、
すごく、キレイですね。。。
私は、雪のシーズンに逆回りで、楽しみましたが、
この時期にも是非行ってみたいです
冬は、池の上を歩いて横断できましたよ。。
totoro_sanさん こんばんは。
レコ拝見しました。
雨池もよさそうですね。やっぱり行けばよかった(笑)。
秋の北八ヶ岳は本当に素晴らしいですね。
地元にお住まいとのことで、羨ましい限りです。
綿のようなものはサルオガセというんですね。
ネットで調べても分からなかったので、教えていただいてありがとうございます。
植物のことを知ってゆくのも、山歩きの楽しみの一つですね。
Jack-chanさん こんばんは。
紅葉と池の組み合わせはゴールデンコンビですね。
Jack-chanさんは冬に行かれたんですね。
スノーシュー、是非やってみたいです。
(初心者なので、無理しないようにですけど。)
武尊山の紅葉も綺麗ですね。
参考にさせていただいて、行ってしまうかも♪
geraniumさん、はじめまして。
日曜日の朝の強風は怖かったですね。
双子池に同じ時間に到着しましたよ。双子池の雰囲気素敵ですよね
depor021さん はじめまして、今晩は。
双子池にテン泊されたんですね。しかも二泊も! うらやましいです。
朝の池はまた違った雰囲気で、素敵ですね。
私が雄池の近くで昼食をとっているときに、ヒュッテに到着されたのですね。
何となく記憶にあるような、ないような(笑)。
充実した山行だったようで、お疲れ様でした。
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