毛無山(伊那山地)喬木大島ルートと菊目石(球状花崗岩)
- GPS
- 04:45
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 631m
- 下り
- 579m
コースタイム
沢白沢河川公園<EL.730m>12:18 ===== 中口沢砂防堰堤<EL.771m>12:25/12:28 ----- 菊目石公園<EL.816m>12:38/12:41 ----- 菊目石露頭<EL.868m〜917m>(周辺露頭観察)12:52/13:39 ---- 菊目石公園<EL.816m>13:49 ----- 中口沢砂防堰堤<EL.771m>14:01
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
中央自動車道 飯田ICより 18.3km 約40分 毛無山への駐車場:能登沢河川公園に3台 菊目石への駐車場:公園に5台程度 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●毛無山へのルートは下山に使用した廃道に近い登山道をお薦めします。入口は砂防堰堤より上です。砂防堰堤の下の橋を渡るルートは途中より踏み跡もありません。 ●菊目石公園へは途中より舗装はありませんが車で入れます。菊目石の露頭へは歩いて約15分です。落石には十分注意して下さい。 |
写真
感想
伊那山地(地元では「伊那山脈」と呼ぶ。)の前衛、喬木村の毛無山<EL.1,129.8m>へ約20年ぶりに喬木大島ルートより登りました。登山道の入口の標識は無く、登りは尾根に沿って登り途中より従来の登山道と合流し登頂。頂上より葉が落ちた木々の間より風景を楽しみ、かすかな踏み後を頼りに廃道に近い登山道を下山しました。
もう一つの目的は「菊花石」球状花崗岩の露頭観察。ここへは中学生の頃友人と見に来たことがあり約40年ぶりに訪れました。現在は入口に駐車場、四阿やトイレもありキャンプもできそうです。
●「菊花石」(球状花崗岩)とは
正式名称は球状花崗岩ですが、この地域の人たちは菊の花のような美しさから「菊目石」と呼んでおり、1975年(昭和50年)長野県天然記念物に指定されています。
この露頭の位置は喬木村9115-7番地村有林毛無山の中腹(EL.850m)の天竜川水系加賀須川(かかすがわ)中口沢支川下幕岩沢左岸に、幅2mの帯状に山頂に向かって約10mの高さで露出しており、その層は薄く、母岩(生田花崗岩)より球状体(球状花崗岩)は分離しやすい状況です。
この発見時期は1922年(大正11年)下伊那地質誌に関し調査中の当時飯田中学校教師北原寛氏が加賀須川で転石より菊目石を見つけ、上流にたどってこの露頭に達したと言われています。
球状の部分(菊花の部分)は、正長石、斜長石、石英の無色鉱物(珪長質鉱物)と角閃石、黒雲母などの有色鉱物(苦鉄質鉱物)が放射状に並んでいます。球状の直径は2〜7cm位で普通は4〜5cm位です。
球状部の母岩(生田花崗岩)は白亜紀前期の古期花崗岩で花崗岩は地下深い所で花崗岩マグマがゆっくり冷えて結晶ができ花崗岩になりますが、球状花崗岩についての成因はまだよく分かっていません。、初期に結晶した鉱物や取り込まれた岩石を核として、斜長石や角閃石などが放射状に結晶したものと考えられています。いずれにしても花崗岩マグマと苦鉄質マグマの混合の過程でなぜ球状になったかが今後の課題です。
菊目石はその美しさから、昭和40年代前半、心ない建設会社が無許可でダイナマイトで爆破させ採取するなどしたため1971年(昭和46年)3月喬木村重要文化財、1975年(昭和50年)9月には長野県文化財に指定され全面採取禁止になりました。
現在10m程の高さの露頭のうち球状花崗岩が良く見えるのは写真のとおり極わずかですので大切に保護したいものです。
参考文献 下伊那郡誌(地質編)、現地の案内看板
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