扇山、山ガールと富士山を期待して登ってみたが
- GPS
- 05:38
- 距離
- 15.1km
- 登り
- 935m
- 下り
- 1,007m
コースタイム
10:45 梨の木平
12:07 扇山山頂
12:51 発
13:54 犬目の車道に出る
14:38 大野ダム貯水湖
15:25 JR四方津駅
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
到着:JR四方津(しおつ)駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険箇所は無し。ぬかるみ、凍結もほとんどなく、困るのは落ち葉が厚くてその下が分からない事ぐらい。 |
写真
感想
<テーマ>
高尾エリアから時々登る対象を広げようとしている。
今回は中央本線でそんなに遠くない扇山。富士山のビュースポットとして、また山ガールにも人気の山との評判も聞いたので、ぜひ登ろうと思っていました。登った印象は、なかなかに山も人も優しいところで、また登ってみたいと思います。
<道すじ>
扇山への道すじを事前に見ると駅からほぼ登り2時間下り2時間ぐらいかと見当をつけていた。前日が冬至で高尾山ではこの時期、日没がダイヤモンド冨士になるとのことなので、朝早く出れば扇山に登ってそのあと高尾山でダイヤモンド冨士も見れるかもしれない、と欲張りなことを考えていた。天気は3連休中で金曜が一番よさそうなので扇山と高尾山で2度富士山を見て、合わせて山ガールも鑑賞できればよろしかろう、と。
しかし出だしからつまずく。前夜からどうものどが痛い。風邪の前兆かもしれない。朝6時前に目覚ましをかけたが起きてみるとまだ痛い。もう一眠りするか、と1時間ちょっと寝て起きると大体直っている。ということで8時前に出かけたが、電車の乗り継ぎも悪く鳥沢に着いたのは10時前になってしまっていた。中央線の高尾行きは、特快をはずすと通過待ちで進みが遅くなるようだ。そのうえ、雲行きが期待した快晴ではなく「晴れ時々曇り」、ぐらい。富士山の西南の方向にはやや分厚い雲の塊がうごめいている。
鳥沢の駅には山登りの格好をした人が10数人降りた。しかし、山おじさんが中心で、ガールはほとんどいない。みんなが扇山ではないだろうが、まあ数人前後していくことになるか、と思ったがいざ歩き出してみると通常のコースを歩いているのは私だけ。皆さんどこへ行ったのだろう。
扇山は鳥沢の駅から見て北側の正面、線路に直角の方向に名前の通り柔らかな曲線を描いて待っている。この前登った三つ峠と比べるとひとまわり小柄な感じだが、同じような配置で、山頂に向かって大雑把に言うとほぼ直線に登っていく。
アプローチ部分は最初人家の中の車道で、中央高速をくぐったり上から見たりしながら、くねくねと進んでゆき、大月カントリーの左側に沿ってくねくねと登り、ゴルフコースの上のほうに回りこんでちょうどコースの時計で言えば12時のあたりに梨の木平という登山口がある。ここまでちょうど1時間ほど車道歩きとなる。11月までは鳥沢からここまで山登りバスもでるようだ。
<梨の木平から登る>
梨の木平の登山道口にはトイレ、ベンチのほか「扇山管理委員会」という大きな看板のかかった事務所の建物がある。閉まっていたがハイシーズンには活動するのだろう。鳥沢の駅でトイレを使おうと思ったがひとつしかない大のほうに盛大に撒き散らした御仁がいて使用不能になっていた。ここのトイレを使わせてもらえて助かりました。
身軽になって少しベンチに座って休憩し、小さいドーナッツを食べていると年配のご夫婦連れがやってきた。もぐもぐやっている私を見てご主人が、「もう下りてこられたんですか?」「いや、これからです」「じゃあ、腹ごしらえですね」といってそのまま登っていかれた。私も食べ終わってそばにあった案内図をしばし眺めた後、後を追いかけた。11時少し前である。
登り始めのあたりの道は結構広く、傾斜もそれほどではない。きれいに整備されているが階段などの人工物はほとんど無い。もともとが大きな土盛りのような印象の山で岩が露出しているところも少なかった。高尾山もコースによっては岩肌が出ているし、先日の三つ峠も岩がちのところが結構あった。高尾も三つ峠も修験道の山でそれなりの険しさがあるが、この山はそんな硬さとは無縁の優しい山である。女性に人気があるのはそのあたりにも理由があるのだろうか?
少し登ったところにベンチがあって、先ほどのご夫婦が休んでおられた。ご主人は扇山は10年ぶりだという。10年前に比べると格段に道がよくなって幅も広くなっている、とのこと。「管理委員会」皆さんのご苦労があるのかもしれない。そこっでは休まず、お先にをして上り続ける。木の間からちらちらと見通しが開けるところがあるが、結構雲が多く、富士山は難しいかな、という印象だった。
中腹あたりに水場があった。ベンチもあるので一休みしてお茶を飲んだ。するとさっきのご夫婦が追いついてこられまた少し話して先に行かれた。ほとんどペースが小生と一緒である。少し遅れて付いていった。するとおふたりが立ち止まって何か見ておられる。「何ですか?」「シモバシラの華ですよ」「シモバシラ?」「霜柱が上がって枝に付くんですね。高尾山の奥の北側の道にはたくさんできるんですよ。」「そうですか。今度見てみます。」
その近くに小さな南天のような赤い実がたくさん丸くなっているものも有った。名前をお聞きしたが忘れてしまった。ラッパのような花が咲いた後この実がなるんだという。そのまま少しご一緒した。徐々に斜面の傾斜が急になり、九十九折りの道が続く。ご主人が立ち止まって「老人はゆっくり行きますから、おさきにどうぞ」とおっしゃった。それでは、と先に行かせて貰ったが小生もそろそろ初老の域に近い。この九十九折りがもうすぐ稜線かな、と思えてから結構続く。息が上がりかかった状態で粘ってようやく尾根にたどり着く。そこに左百蔵山(ももくらやま)、右扇山、の道しるべ。ここから尾根をさらに少し登ったところが扇山の山頂。百蔵山と扇山をつなぐコースを歩く人も多そうだ。
<扇山山頂>
ここまで先ほどのご夫婦にしか会わなかったが、扇山山頂には全部で10人強の人がいた。その中に山ガールは2人連れが1組いただけでしかもまもなく下山してしまった。あとは大体年配の方たちである。簡単なベンチが2つほどある以外は、山頂の広場の縁のあたりにほそい丸太が何本かおいてある。そこに座って昼食をとることに。日差しは照ったり曇ったりだが照るとぽかぽか陽気とでは行かないが結構暖かく、雪もほとんど見当たらない。
座った方向に本来富士山が見えるはずだが残念ながら雲がかかってお姿は見受けられない。山ガールも富士も期待通りとは行かないか、と思いながらバーナーで湯を沸かす準備。そのころ先ほどのご夫婦が到着されて近くに席を取られた。また一組大学の山サークルと思しき6,7人の若い男性グループがやってきて、やはり近くに円陣を組み、昼食に準備を始めた。
湯を沸かしてカップそばとコーヒー、それにサンドイッチパンというお昼を平らげていると、大学サークルの連中が新人にガスバーナーの使い方を教えている。ここにガスが入っていて、これをまわすとガスが出て、火をつけると云々と懇切丁寧に説明しているのにはつい聞き入ってしまった。ひとつのバーナーで肉まんあんまんを人数分蒸しているようだ。
食事が終わってまた先ほどのご夫婦とお話をした。ご主人は山の経験が豊富な様子で、色々と教えてもらった。「富士山は見えませんね」というと、10年ぶりにもかかわらず、「あの木のあの方向に見えるはずだが、ちょっとすそのところが見えてますね、あそこですよ。」と指し示してくれた。なるほどすそがちょっとだけ見えている。使い込んだ1/25000地図を持っておられて、色々書き込んである。10年前には四方津の駅に降りたが、今日はもと来た道を帰る、という。「僕は四方津に行くつもりです。」というと、くだりのどこどこがちょっと急で気をつけろ、とか、ストック持ってるから大丈夫でしょう、とか心配してくれた。10年前の記録を見られて、「1時間40分で駅まで行ってるが、このときは走っていたからね。」
奥さんにリンゴや紅茶をご馳走になり恐縮していると、「あ、頭が見える」とおっしゃる。振り返ると確かに富士山のてっぺんだけが雲の上にすこし出ている。「ちょっとだけよ、ですね。」と小生が下らんことを言うと奥さんは、「ああたまを,くうもおの、うえにいだあし・・・」とちょっと歌われた。山ガールには会えなかったが、いい夫婦にお会いできました。
<犬目に下る>
さて、山頂を出てくだりにかかったのが12:50過ぎ。高尾山のダイヤモンド富士は4時に高尾山頂に行ってないといけないのでとても無理。まあ、富士山も見え無そうなのでどちらにしても難しい。落ち葉を踏みしめながらゆっくり犬目を目指して下りていった。途中ですれ違ったのは登ってきて一休みされている同年輩の男性と中腹まで下りたところで後ろから追いぬいてきた弁慶ふうのがっしりした30代くらいの男性だけだった。
犬目のバス停に出てくると後は車道を四方津駅まで歩く。バスは4時台に一本あるだけ。すぐに犬目の宿場街だったところを通過この道は旧甲州街道である。少し行って安達野というところで分岐を右に下りていく。長い車道をゆっくり下っていく。
向こうから消防団のはっぴを来たおじさんが歩いてくる。小生の格好を見て、「扇山ですか?」「ええ」「寒かったでしょう」「いや、そうでもありません。日が照るとぽかぽかしてました。でも富士山は見えず、残念でしたが」「そうですか、今頃はちょうど中腹まで雪になってきれいなんですがね。ま、またおいでください」、「ハイ、ありがとうございます」短い会話だったが、地域のコミュニティを支えている気概のようなものが感じられる人で、思わず背筋が伸びた思いがする。
中央高速をまたぐ橋を渡って大野ダムのそばを通る。春のさくらの名所だそうで、確かにさくらの木がたくさん湖畔に張り出している。このあたりで3時前だが山の端に日が沈みかかっている。
四方津駅に着いたのは15:25扇山山頂から2時間半かかってしまった。車道をのんびり歩いたせいである。
高尾山での修行から少し浮ついた気分で扇山に登ったが、山ガールにも富士山にも恵まれず、消防団のおじさんの「また来てください」の一言が妙にこころに残った山登りだった。
初めまして、fujinohideと申します。
23日、私も扇山山頂に12:32に着き12:50まで居ましたのでお会いしていますネ。
私が扇山出発しようとしていた時に、私が休憩していた前を通り犬目方面に下山していった単独校の方がおられましたがそれがOKchanさんだったんですネ。
その時は分らなくてもヤマレコユーザーさんと山頂で同じひと時を過ごしていたことが分かると嬉しくなりコメントさせて貰いました。
fujinohideさん、コメント有難うございます。
プロフィール拝見しますと山の大ベテランでいらっしゃいますね。小生は今年思い立って高尾の周りを歩き出したまさに新参です。
これから時々アドバイスいただければたいへんありがたいと思います。
今年もお元気で山の活動に活躍されることを期待します。
今後ともよろしくお願いします。
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