剱岳 早月尾根、無理やり日帰り暗闇下山
- GPS
- 16:24
- 距離
- 17.7km
- 登り
- 2,516m
- 下り
- 2,516m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
整備されてますが、気を抜くとどこもかしこも滑落の危険 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
靴
ザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
笛
ヘッドランプ
予備電池
ファーストエイドキット
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ヘルメット
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感想
9月の頭からずーっと狙ってましたが雨ばかり。
ですが、貴重な晴れ間に憧れの剣岳にようやく行けました。
前夜、夜11時半頃に馬場島へ到着。
車中泊し、4時前頃に起きました。
馬場島の公共駐車場はほぼ満車。
4時頃、多くの方が用意をしておられ、5時頃にかけて多くの方が出発。
自分も5時ピッタリに出発。
まだ暗かったので皆さんライト点灯でのスタートです。
5時前、用意をしてたら少し年配の方に、
「暗いうちから出発したことないから、少しだけご一緒しませんか?」
と声をかけられました。
まあ、自分も暗いうちに歩いたことがないため、日が昇るまでの2、30分くらいなら、ということでスタートしました。
でもこれが大失敗!
話してみると5時間で山頂へ到着目指すとのこと。
そしてこのおじさん、歩きはじめたらめっちゃ早い。
私は約20分でギブアップです。
松尾平までで体力を多く消耗。
山登りは最初の1時間がウォーミングアップと考えてます。
ここで無理すると駄目ですね。
やはり山は自分の体力、能力、ペースを貫かないと仇にしかなりませんね。
ということで、やはりいつも通りマイペースで。
しかしここでのダメージは、この後の山行に影響することに。
早月尾根は北アルプス三大急登と言われていますが、確かに序盤からなかなかの急坂です。
黙々と歩き続けて高度を上げていきました。
序盤のハイペースも手伝って、早月小屋まで3時間半くらいで来れました。
このペースだと日帰り楽勝。
早月小屋辺りの景色が思ってたより絶景でほっこりしてると一気に序盤の無理の疲れが出た。
しかし時間との戦いのため、再出発。
しかしここから足が重くて一向にペースが上がらない。足が前に出ません。
こりゃアカンな。
少し上がると早月小屋を見下ろせる場所に来た。
そろそろ高い木もなくなってきた辺り。
正直、まだ時間的にはギリギリ行けると思ったが、足が進まず、立ち止まってばかり。
完全にへばりました。
足が止まり、気力が沸かず、「撤退」が頭をよぎります。
自分は決して早い方ではないのですが、今回はCTの0.85くらいを想定し、約12時間を想定していました。
しかし思ってたより疲れていたのか、早月尾根を舐めていたのか、この日は何か登れる気がしない。
しかし、ここでこの日の救世主が現われる。
富山から来ておられた男女のハイカーさんです。
早月小屋のテラスでお会いした方です。
私より1時間早い4時に馬場島を出発されたとのこと。早月小屋は私の方が少し早く出発しました。
ということは、早月小屋までは私の方が1時間早かったことになりますが、早月小屋からは私より少し早く歩かれています。
お話をし、ペースが合う範囲でご一緒することにしました。
相変わらず自分のやる気は復活しないまま少し歩きましたが、森林限界を超え、立山の景色が見え、そしてこのお2人のおかげで復活してきました。
その後もご一緒させてもらい進みます。
ペースも私に合わせて下さったのか、少しゆっくり目で今日の自分には合っている。
正直、今日の体力とペース考えると下山時間が少しやばいか、微妙だな、とは思いましたが、12時半頃到着で長居せず急いで下山すれば何とかなると考え、山頂を目指しました。
理論上は確かにそうなんですが、この危険な登山道と今日の調子を考えると冷静に判断するなら早月小屋で泊まるか、2600m付近で撤退ですよね。
しかし目の前にそそり立つ岩峰を見上げると、しんどかったですが、続行しました。
さあ、では話しを前向きに。
2600mからがこの早月尾根は面白い。
ここからが岩登りや鎖が出てくるため、ストックをしまい、ヘルメット装着です。
早月小屋(2200m)を超えたら景色は絶景続きのこのコースですが、やはり2600m辺りからは劔も近くなり、登山道もよりダイナミックになる。
これはたまりませんね。
岩場が続きますが、危険箇所(?)には鎖。
鎖がない箇所も十分危険だと思いましたが(笑)
というわけでどこも慎重に通過することを心がけ、進みます。
岩場は3点支持で慎重かつ、さっさと通過。
鎖はどこも太めでしっかりした物が設置されており、しっかりしています。
何ともいえない緊張感が続きます。
2800mまでくると山頂が視野に。
しかしそそり立つ岩壁は大迫力。
早月尾根のコースは、200mおきに標高標識がありますが、急坂の割にはなかなか次の200mが出て来ない。
遅いからかな(笑)
いやぁ、地図見ながら登っててもなかなか進まないわ。
でもここまで来ると険しいとか言ってられない。
頑張るぞ♪
難所と言われるカニのハサミが現れましたが、この辺りは普通に通過できました。
事前情報通り、1本ボルト(?)もありましたが、想定してた物よりも大きく、何てことはありませんでした。
これは槍も穂高も同じで、事前情報で身構えていたから、想定よりも難易度は低く、意外に普通に通過出来ました。
まあ、冷静に考えれば危険箇所に変わりはないのですが、そんなに心理的に恐ろしいということはありませんでした。あくまで私の感想ですので悪しからず。
それよりも、岩場は落ちたら終わり、な箇所がいっぱい。
特に下りはザレ場、ガレ場、浮き石も多く足下も滑りやすく、鎖場よりは鎖のない岩場の方がよっぽど危険な箇所が多いと思います。
そういう意味では、一瞬たりとも気が抜けない険しい山、という印象です。
いやぁ、ここまで来るともう劔の虜。
前半の疲れとやる気のなさは一体どこへ?(笑)
最後まで緊張感と戦いながら山頂を目指しました。
そしてようやく祠が見えた。
足下の悪いガラガラの岩を駆け上がり、いよいよ山頂へ
3人で安全重視で目指した山頂に到着!
3人で声を上げて喜びました(笑)
いやぁ、これが憧れ続けた劔岳か♪
晴れた空、
目の前に広がる立山連峰、
そして北アルプス一望の絶景、
遠くに槍ヶ岳も見える、
後立山連峰、白馬岳も綺麗だ。
もう言葉にならない絶景とここまでの過程を考えるとより感動です♪
到着した時間は12時半。
休憩と軽めのランチ。
そしてあまりの好天の山頂。
居心地良過ぎ(笑)
さあ、時間も推してきました。
写真撮りまくり、山頂を堪能したらいよいよ下山です。
3人で安全第一での下山。
ここまでCTの約0.8で登ってきた。
0.8で下りて休憩時間20分としても19時くらい。
しかしこれまでの経緯や疲れや休憩時間を考慮すると、少し無理かな。現実的にはCTの1.1。
ということはやはりCTか、その1,1と考えると・・・
下山は確実に8時半は過ぎそうですね(笑)
さ、私もかなり疲れてるし、3人で楽しくのんびり安全重視で行くか。
ここからは痙攣し、つまずきそうな足で下山。
ここまで来れば、とことん安全重視でと決めた。
ゆっくりと安全第一で危険箇所を通過していきます。
途中からはガスで真っ白になりかけ。
しかし運良くガスはこちらを避けてくれました。
こまめに休憩し、景色を楽しみながらゆっくり下山。
早月小屋へ到着時刻は16時半。
もう日没アウトは確実です。
30分のんびり休憩し、再出発。
暮れ行く富山の景色を楽しみながら日没を迎えました。
途中、何度も休憩しながらライトの灯りで急坂を下っていきます。
早月小屋からは4時間程かな、と思いましたが、結局5時間かかりました。
疲れと暗い登山道で足を滑らさないように慎重に行きました。
途中、3人で決めたのは、ここまで来たら徹底的に安全第一。
そして9時半頃、
ようやく馬場島へ到着しました。
いやぁ、長かったぁ〜〜〜!
無事安全に下山完了です。
3人で愚かな(笑)達成感を共有し、無理矢理ではありましたが日帰り出来たことを喜びました。
試練と憧れ、
岩と雪の殿堂、
剣岳はそれなりに険しかったですが、今まで登ったどの山よりも達成感いっぱいです。
もう少し体調コントロールしておけば、もっと早い時間に日没前に下山出来たかも知れませんが、今日はスタートでもミスり、ましては事前準備も不十分だった。
自らの愚かさが生んだ結果です。
しかし、今日はそんな愚かな私を富山から来られてたお2人に助けられた。
おかげで好天の剣岳山頂に行けた。
お2人には感謝しかない。
そしてもうあまり経験したくはないが、暗闇をヘッドライトでの下山。
結果論ではありますが、大幅な日没後下山になったことは反省です。
それでも、足に来てる状態でしたので、可能な限り安全第一にペース配分重視で下りたことは良かったと思います。
この暗闇下山もご一緒して下さったお2人のおかげで安心して下りることが出来ました。
お2人の足も引っ張ってしまったと思いますが、お2人には本当に感謝しています。
良くも悪くも思い出の劔となりました。
普段、単独の山行の自分にとっては、人の有り難みが身にしみたな。
でもまた必ず早月日帰りのリベンジはしてみたい。
そして別山尾根からの挑戦もしてみたい。
来年の目標が出来ました♪
そしてまたこのお2人とご一緒してみたいです。
今回も無事安全な山行に感謝。
そしてお付き合いありがとうございました♪
kyotojoeさん、はじめまして!
お天気最高の日でしたね 私も本当に行って良かったと思います。
しかし同じ場所で撮影したはずなのに、どうしてこんな美しい写真ばかり撮られてるのでしょうか。自分のはクソばっかりなので羨ましいです。
私は絶対に挨拶する人なので、どこかで挨拶を交わしていると思いますが、また何処かでお逢いしましょう。
yoshi119 さん、
こちらこそ、はじめまして!
本当に最高の登山日和でしたね♪
初めての劔でしたが、思う存分に楽しめました。
時間からすると、yoshi119 さんの下山時刻と私の登頂時間を比較したところ、2,800m〜2,900mの間のどこかですれ違っているはずです。
どんくさそうに登ってた青色のモンベルのシャツに赤色のヘルメットが私です(笑)
写真の件はありがとうございます♪
またお会いしましたら、よろしくお願いします。
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