会津駒ケ岳


- GPS
- --:--
- 距離
- 10.5km
- 登り
- 1,232m
- 下り
- 1,223m
天候 | 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
「夏の思い出」
会津駒ヶ岳
夏が来れば 思い出す
はるかな尾瀬 とおい空
きりの中に 浮びくる
やさしい影 野の小路
みず芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている 水のほとり
しゃくなげ色にたそがれる
はるかな尾瀬 とおい空(後略)
作詞:江間 章子
作曲:中田喜直
尾瀬を初めて知ったのは中学1年の夏休み。
国営放送の「新日本紀行」を見て課題を書いたからよく覚えている。
日曜日 7:30 - 8:00の放送だったと記憶する。
映像ではトレッキングをしながら景色や尾瀬に咲く花の案内が主であった。
シャクナゲ色にたそがれるなんてまだわからないガキの頃。
山にも花にも興味もなかったはずなのに何故だか
ニッコウキスゲの咲き誇る木道の映像にはトキメキを感じた事を思い出す。
そんな尾瀬の麓にようやく50歳を超えて来れたというのだから、
なんとも尾瀬は私にとっても
遥かに遠い空だったのだと思う。
今回の連休のターゲットは13日に男体山を登る計画で12日早朝から中禅寺湖入りで朝食を取ってしばし待機も、翌日の天候回復が見込めないと判断し早めの中止を決定した。
遠いところ来たけれども明日はガスの状態で登るようになる。
今回は男体山に呼ばれなかったと思った。
決断すると観光もせず、いろは坂を下って日光へ向かう途中でふと口にでた「夏の思い出」で尾瀬方面へ向かう事にしたのだ。
前日の豪雨で土砂災害で通行止めもあって
迂回をしながらも湯西川温泉経由で100キロ程北上した。
尾瀬のニッコウキスゲは時期的に終わっていた。
ならば今回のターゲットは手前の100名山、
予備としてターゲットに選択していた会津駒ケ岳に決めた。
尾瀬の燧ケ岳に登る前には登っておきたいところだった。
運良く雨の栃木から移動中に徐々に晴れてきた。
尾瀬檜枝岐の道の駅で車中泊して翌日登ることにした。
この時は天気もよく翌日の入山する登山口まで行ってチェックした後は道の駅にあるアルザ尾瀬の郷にある露天温泉風呂でまったり。
敷地内はWi-Fiも通じたので、PCで登山保険と登山届けをネット更新する。
17時頃は風もなく快適な中で早くからの晩酌タイム。
空を眺めながらのビールを飲んでいると西の空の駒ケ岳付近から鱗雲が出てきた。
「明日は雨が降るな」
午後には荒れると予想して普段より早めに登る事を決めた。
翌日5時からアタック開始
登り始めて予想通り思ったよりも早く小雨が降り出す。時間は6時過ぎだった
しかし6合目あたりから時々晴れ間がみえて
雲海状態。
想像していた通りの直登ルート
想定外だったのは湿度が高く早くから汗が止まらず珍しく苦しい出だしだった。
体調が思わしくない。
この感覚は以前に経験したような・・・
と思いながら急登を登っていた。
ノンストップの足が重い。
ペースが落ちて、4人目に追い越されてやっと思い出した。
震災前の磐梯山登山で味わったシャリバテという状況だ。それ程酷いものではなかったが、思い出せば昨夜は酒以外は缶詰には手を出さず、チャーシュー、カシューナッツ、ワンタンスープのみだったし、当日の朝に食べたのがパン1つと珈琲のみ。コンビニ等が近くになくておにぎりも買えなかったのが誤算だった
珍しくハイドレーションに入れた1・5ℓ入れた全て飲み干した。
自分のミスでちょっとは重い足取りだったが1歩1歩を楽しんだ。
私にとって登山道は思考の場
山によってその道は変わりその時の思考も変化する。ヤマは悩んでる問題で選ぶ事ができる。
晴れ渡る空を見たくてとか
登った達成感を得たいとか
この時にはまったくなかった。
ただひさすら考えたくてここにいる。
木道が古く壊れ滑りやすい
駒ノ小屋を経由して山頂を目指す。
9時50分に山頂についた。
周りは曇って見えなかった
駒ノ小屋まで降りてようやく昼食を摂る。
おにぎりなしのラーメンと珈琲のみ
これでも当然足りない。
つくづく、たんぱく質の有り難みを思い知らされた。
曇った空を眺めての食事中に西側の遠いところで雷が鳴り始めたので早々に下山開始。
たまに電波が通じてラインで天気の注意のフォローをもらった。
ずぶ濡れになりながら激しい雨と時々鳴る雷を背にして下った。
油断すると滑る。
激しく降る雨に木の幹が多いこの登山道はとにかく滑りやすかった。
帰り道があれほど遠いものだとは思わなかった。
こんな思いをしてもやっぱりここを選んで良かった。失敗は全て糧になるし、天候に関わらずスキルだけは必ず自分の経験値となる。
だから仕事も人生も小さな1歩を大切にしなければと思う。
「夏の思い出」にあるように
まなこつぶれば、ほろ苦い夏の思い出として
この日の登山は記憶に残るだろう。
次回は遠い空が見える頃に
尾瀬を訪れたいものである。
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