四阿山


- GPS
- 06:10
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 693m
- 下り
- 829m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
ガイド地図
コンパス
笛
筆記具
保険証
飲料
ティッシュ
三角巾
バンドエイド
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
ストック
水筒
時計
非常食
ファーストエイドキット
医薬品
カメラ
|
---|
感想
2月4日にスノーシューで登ろうとして断念した四阿山(あずまやさん)に2月25日の土曜日に再チャレンジしてきました。
前日のGPV天気予報では北アルプスや新潟県境には雪雲が残りそうですが、概ね天気は良さそう。
長野県とはいえ、立春を過ぎれば雪が降っても根雪になることは無い。標高が高くても季節は移ろっているので2月中には四阿山の登っておきたい。
と言うことでこの土曜日に行くことにした。
そしてその土曜日、前と同じく5時頃には登山口を出発する予定だったが、なぜか目覚ましが鳴らなかったのか気が付かなかったのか寝坊した。
出遅れてしまったが空を見ると天気は上々。
登山道入り口に来てもその状況は変わらず、登山日和だ。
前回の反省を踏まえて今回は新兵器を導入
急傾斜地とトラバースに苦労したのでTUBBS FLEX VRTを購入した。
日本の山ではヨーロッパ産のMSRを選択する人が多いみたいですが、あまりにも使っている人が多いのでTUBBSにしてみた。
Boaクロージャーシステムで着脱するのはとても簡単。
簡単なのはとても便利なことですが、この時点ではこのあとトラブルにこのシステムに助けられることになろうとは、想像もしていませんでした。
06:10 予定の1時間遅れで登山口から登りはじめます。
06:12 前日まで天気が悪かったので枝には雪
06:13 菅平牧場から見る北アルプスは残念ながら、雲の中
06:19 目指す四阿山方面はわずかに朝日を浴びて赤らむ雲がある程度。
06:21 出遅れてしまいましたが、今日も動物以外のトレースなし。
06:22 ちょっと怖い岩の横のトラバースを通り過ぎ、
06:25 沢を渡り、
06:27 前回苦戦した急坂を駆け上るが、TUBBS FLEX VRTは雪面をしっかりと捉え、非常に登り易い。
06:35 多少の坂もヒールリフターを使わなくても楽々登れるので、前回より快適。
07:00 ここから夏場の登山道が分からなくなるので、ヒールリフターを使って直登します。
標高が上がってきたので耳を澄ますと誰かの声がするが姿はなし。
登山道入り口で車が数台おいてあったので、別ルートで登っているのかな?
07:14 さて、どこを登っていこうかな。
07:24 林の中を登っていると、前回景色を眺めた場所にたどり着いた。
盛んに煙を上げる浅間山が見えてきた。遠くには富士山も。
北アルプスは見えませんが、南の眺めは前回と同じくらい良く見えます。
こうした眺めはやはり嬉しいなあ。
07:27 森の中を直登すると、前回リタイアした小四阿山が見えてきた。
前回より雪庇が大きくなっているような気がする。
実は先週の雪かきで無理をして背中を痛めてしまったのでとても不安だったのですが、ここまでの行程では特に痛みも無いので、今日は登頂できるかも。
そんな自信がわいてきた瞬間でした。
07:29 前回よりも立派に成長した雪庇
その上をゆっくりと登っていくと、
真っ青な空に映える根子岳と
煙吹く浅間と南の山々
ここで引き返しても満足できそうな風景が目の前に広がり、ちょっと安堵
前回はカモシカの番を目撃したのだが、
今回は小動物の足跡のみ
またあのカモシカに会えれば良かったと思いつつ前に進むと、
不思議な穴があった。
獣臭もする。
小動物が潜っているかと思い、近づくが、
かなり深くて奥が見えない。
残念ながら何かが住んでいるわけではないようだ。
後ろを振り向くと動物たちに混じっておいらの足跡
前は動物の足跡のみの雪面と目指す四阿山
ここから先は少し標高が下がるのでちょっともったいない気がしますが、最後にパノラマ撮影をして前に進みます。
(拡大してね)
07:41 少し進むとそこは真っ白な樹氷と雪に覆われた場所だった。
思わず息を飲むくらいに美しい。
氷と青空のコントラスト
樹氷越しの白き根子岳
わずかに残る雪面の乱れとウサギの足跡が頼り。
枝、きらきら光る
07:47 緩やかな雪面歩きは楽しい
08:00 20分も歩けば先ほどまで居た小四阿山はあんなに遠くなった。
08:02 ようやく夏の登山道らしき場所に合流
看板も発見
四阿山までは2.1km
行程の半分を過ぎたようだ。
08:07 雪面には人の歩いた無数の足跡
ここは風が弱いせいか足跡がしっかり残っている。
でも今日の足跡では無いようだ。
締まった雪面はスノーシューが無くても登れるくらい。
08:18 その締まった雪面を登っていくと次第に足跡は薄くなる。
そして中四阿山(2,106m)らしきピークが見えてきた。
08:20 中四阿山は小四阿山のように雪庇は無く、岩肌が見えている。
スノーシューでは岩肌の出ている稜線は歩けないので、斜面をトラバース。
TUBBSのスノーシューのおかげでトラバースは苦労することは無く、心強い。
かなり高度感が出てきた。
標柱は無いが、中四阿山のピークの岩場で小休憩
08:25 カロリーメイトと、
チョコを、
凍ったアクエリアスで喉に流し込んだ。
ピークで景色を眺めながら、ゆっくりと腰を下ろして休むことが出来てありがたい。
風が穏やかな日でよかった。
風の穏やかな中四阿山から先は、小四阿山と同じく少し下りになる。
その先に看板があった。
小四阿山からは1.1km
下って稼いだ標高がもったいない気持ちもあるのだが、ここから先の景色は未知のものでワクワク感で気にならない。
さっきまであったトレースは何処に行ってしまったのか、獣しか歩いていない雪面を独り占め。
08:35 見た目はソフトクリームのように盛り上がる雪
思わずかじりつきそうになった。
08:36
08:37 鞍部の標識発見
08:36 スノーモンスターに成りきれなかった木々
08:38
四阿山のピークは何処だ?
登山道を示すものは何も無い中、GPSを頼りに先を行く。
08:42 エビの尻尾と雲の少なくなった北アルプス南部
木の横に見えるは常念か
08:46 標識はあるので道は間違いないのだが、
08:49 何処を歩いていけば良いのか不安になるが、
とにかくTUBBSスノーシューの登坂力を生かして正面突破あるのみ!
08:51 突破してもその先はまた森
08:57 結構な坂だけどここも正面突破!
突破後に後ろを振り返ると良い景色だったが、写真撮るの忘れた・・・
09:09 しばらく進むと傾斜が緩やかになって、標識があった。
09:11 人も居たよ!
思わず嬉しくなって声をかける。
あずまや高原からの入山者かと思っていたが、おいらと同じ菅平牧場からの入山者だった。
何処を通ってきたのか、聞きたかったが先を急いでいるようなので諦めた。
小四阿山、中四阿山をまいて南側を歩いてきたのかな?
09:11 一番乗りは無理だと思ったが、この先のピークにも人が歩いてるなあ・・・
09:12 ここから先は風が強い場所なので、スノーモンスターも少なくない。
BCのスキー跡
09:19 煙もくもく浅間山と富士山が見える。
緩やかな雪面は登るのは楽なんですが、ここまでの急斜面で体力を削られているので、前行く人とは徐々に離される。
09:30 さっき見えたのは偽ピーク
その先は急な下り
山頂まではあともう少し。
09:34 あらあら、いつの間にか先行く登山者が増えているぞ。
ピーク手前は急登、少し進んでは休みと、亀のように進み、
根子岳を見下ろす。
09:45 ヒーヒー言いながら登りつめると山頂が見えた!
09:46 あらあら、狭い山頂にいっぱい人がいるじゃありませんか。
10時前に山頂に立てました。
山頂は360度のパノラマ
想像したとおりの景色が目の前に広がる。
分かる山の名前を入れてみた。
春が近いので遠く山は霞んでよく分からなかった。
いつものようにカップラーメン
食後は、
登山者同士で写真を撮りあった。
たまたま一緒になった新潟からのはるばるやってきた人は奇遇にも同じ登山口から登り始め、おいらのトレースを辿って登ってきたとのことだった。
上信越地方の冬山に結構登っているようで、いろいろな話が聞けてよかった。
四阿山に一番簡単に登るにはパルコールつまごいスキー場のゴンドラを使うらしいが、浦倉山方面は両側が切れているので結構怖そう。
抜けるような四阿ブルーの空にさよならするのは惜しいのですが、早めに帰らなければならなかったので、後ろ髪を引かれつつも下山します。
この時点では来た道を戻るだけだったので、心配すること無く下山し始めたのですが、まさかあんな事態になるとは想像もしていませんでした。
その想像もしなかった、この続きは次回に。
登頂してしまえば、あとは下るだけ。
しかも積雪期ならスノーシューを使えば何処からでも登れるし、下れる。
でも、来た道を下るのが一番楽かなと思って下り始めました。
10:34 偽ピークを過ぎ、
10:38 根子岳への縦走コースの分岐点、発見
そして何も考えずに根子岳方面へ進んでしまった。
進んだ先には山頂で会話した新潟からのお兄さんがいて、流れでそのまま一緒に根子岳方面に進むことに。
縦走コースはこの時期歩く人は殆どいない。
よってトレースも無い。
でも、下りだから何とかGPSを頼りに林間を突き進む。
夏道を探しながら進んでいるのだが、雪に覆われていれば何処歩いてもあまり変わりは無かった。
そういえば新潟のお兄さんも同じTUBBSのスノーシューを履いてるので、突破力は同じくらいのようだ。
10:57 雪の木々は綺麗なんですが、GPS無ければ何処にいるのか分からんぞ。
11:02 鞍部に出たようだ。
行き先の分からない森の中とうって変わって見通しの良い手付かずの雪原が広がる。
新潟からのお兄さんはこの先に見える根子岳の頂を目指すが、おいらは左に折れて直接、菅平牧場へ向かうことにした。
お互いの安全を祈ってここでお別れ。
登山道は無いけれど、雪面にはわずかに残るシュプールがあるから大丈夫だろうと思って沢へと下っていった。
見渡す限りの雪原と好天に気分良く歩いていたのだが、
11:24 さきほどまであったはずのシュプールの痕跡はまったく無くなくなった。
それどころか獣の足跡も無くなった・・・
もしかしてこれはやばいかも・・・
11:25 登り返すにしても根子岳は遥か彼方。
仕方なく大明神沢沿いを下る。
沢の右岸と左岸を行き来しながら下り続ける。
11:26 小さな沢は左右の行き来は簡単だ。
ここまで下ってきても空が綺麗だ。
調子よく雪の沢を下っていきますが、なだらかだった沢は次第に険しさを増す。
12:03 後ろを振り返ると雪面に残るのはおいらの足跡のみ
だんだんと沢の幅が狭くなり、
V字になって、傾斜がきついのでデブリも見られるようになってきた。
それでもGPSで確認するとこの沢を下れば、もと来た登山道に合流するはず。
そう思いながら前に進んで行き、あと数百メートルで登山道と合流というところで小さな滝になっている沢に出くわしてしまった。
左岸は5mくらいの垂直の壁、左岸は傾斜60度ほど。
沢の水は水深30cmほどあり、一部は雪で覆われている。
左岸も右岸もデブリが押し寄せていてなかなか登れそうには見えない。
一息ついて傾斜の緩い左岸に取り付く。
クラスト状の雪にスノーシューを食い込ませると、崩れる。
その上の雪のスノーシューを置いても、崩れる。
果てしなく雪が崩れる。
2mほど登るのだけでも体力が削られる。
そうしてようやく3mほど上の木に取り付いて、その先へ進んだ。
右に回りこんだ斜面の左記を見るとさらに傾斜が増している。
およそ75度といったところか。
その斜面までは1mほど距離があるので、トラバースするのはちょっと無理、回りこむには飛び降りるしかなさそうだ。
雪面が安定していればそのまま駆け下れば下れそうだが、さっき登ってきた雪面のように不安定なら、そのまま突き刺さっておしまいになりそうだ。
仕方なく右岸を見るが同じように不安定な雪面が左岸以上に上まで行かないとこの沢を迂回できない。
仕方なく水の流れる沢を見る。
水深は30cm以上あるが、右岸側は浅そうに見える。
そこから沢の上のスノーブリッジに乗れれば超えられるかもしれない。
でも、沢から登れなくなったらアウトだ!
左岸で沢を眺めながらしばし考える。
一息ついて、バックする。
しかしスノーシューはバックできない。
仕方なく取り付いた木で足を入れ替えて後ろを向く。
これだけでも一苦労。
一気に駆け下り、沢に飛び込み、浅瀬に寄り、すばやくスノーシューを外し、スノーブリッジに投げて、スノーブリッジの雪面に手を掛け登る!
しかし、手が滑って登れない。
目の前に沢の水を引くパイプを支える鉄の棒に手を掛け、登るがそれでもだめ・・・
それどころかその鉄の棒はとても冷えていて、手袋が瞬間的に凍ってくっついてしまった。
右手を外そうとして左手で触れると今度が左手が凍結し外れない。
仕方なく鉄の棒を使うのは止めにして、スノーブリッジの雪面に渾身の力を使って、手を突き刺し、足を掛けて登り切った。
このスノーブリッジが崩壊したら元もこも無いのでスノーシューを装着して左岸に逃げた。
TUBBSのスノーシューの着脱が非常に簡単だったのでなせる業だったが、おかげでブーツのへの浸水も最小限にとどめられた。
12:24 下流側から見れば何てこと無い沢なんですが、こんなに苦労するとは思いませんでした。
12:28 登山道に戻れました。
ここからは登り、さきほど体中の力を使ってしまったのでゆっくりゆっくりと登ります。
12:39 ようやく菅平牧場に戻ってきました。
ほんの少しで車に戻れるのですが、眺めの良いここで少し休憩。
TUBBSのスノーシュー、良い買い物でした。
おかげで命拾いしました。
迷ったらよく沢に下らずに登り返せと言われますのが、身にしみてこの言葉の大切さが分かりました。
これで四阿山への再チャレンジは終了しました。
参考になるかわかりませんが、GPSログを最後に載せておきます。
登山口からの一部ログが表示できませんでしたが、それ以降はすべて表示してあります。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する