西岳から編笠山へ 編笠山敗退!


- GPS
- 06:20
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,218m
- 下り
- 1,206m
コースタイム
09:35三つ目林道交差点09:40
11:10西岳山頂11:20
12:20青年小屋12:40
13:25西岳山頂13:30
15:05駐車場
歩行時間5時間40分
天候 | 晴れ後曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
スキー場の駐車場を通り過ぎると ゴルフ場の横に駐車場あり、 隅に停めさせてもらいました 終日他に車なし |
コース状況/ 危険箇所等 |
四つ目の林道交差点付近から積雪量が増えるが、数センチ程度 樹林帯の急坂はアイゼンがあった方が安心 岩場が増えてくると逆に歩きにくい 西岳山頂付近で積雪10センチほど 西岳から青年小屋までの樹林帯の尾根道は吹き溜まりで30センチほど 数日前に降った雪がトレースを覆っていて足跡なし 青年小屋から編笠山へ登り上げる大きな岩の重なる地帯、 雪に覆われていてルートがはっきりせず、踏み跡なし 岩の間に落ちる危険性があるので、ここで涙を飲んで撤収 登山者はいませんでした 下山後の温泉は、スキー場の近くに「鹿の湯」 入浴料600円、広々ゆったり。 |
写真
感想
週末の天気は絶望的、そして昨日は稀にみる快晴
その狭間で窓から見える青空に心は揺れ、仕事が手に付きませんでした。
こうなれば、僅かに残った有休を使って行動するのみです。
目指す山は(こともあろうに、この厳冬期に)以前から気になっていた「西岳」
編笠山に登った時が酷い天候だったので
いつか編笠山〜西岳をと思ってはいたのですが、どうして今なのか?
自分でも訳がわからないまま決断。
思わぬ落とし穴が待ち受けていました。
駐車場から登山道は緩やかな登り、緩やか過ぎて、単調過ぎてやや退屈。
今日は寒さに備えて今季初、ハードシェルの登場です。
ですが、汗が出る前に暑くて着ていられなくなりました。
仕方がないので腰に巻きつけますが、結構もたつきます。
普段、フリースだけでも寒くないので、やっぱりハードシェルは向かないのかも。
それに、天気は下り坂だったものの、殆ど無風状態の有難い日でした。
アイゼンは「子檀嶺岳」で訓練済み、装着時間も短縮できるはずです。
どんなに凍結していようが快適に歩けると思っていましたが
思ったより凍結は酷くなく、結局アイゼンなしで歩き通してしまいました。
岩場では邪魔になるため、着脱時間を取られるのはもったいなく感じます。
もちろん安全が最優先ですが。
西岳から青年小屋までの「源治新道」には
トレースの窪みが僅かに残るくらいで、靴跡はなく、一瞬ひるみました。
その時も、何が私を駆り立てていたのでしょうか?
ともかく歩きだしていました。
転々とついている足跡は、キツネ、それともウサギ?
不思議にもその足跡は青年小屋まで途絶えることなく続いていました。
まるで道案内をしてくれていたようでした。
おかげで、木に付けられたテープを探すこともなく小屋まで歩けたのです。
青年小屋と西岳の間を郵便屋さんのように往復している動物たちを想像し
なんだか気持ちがとても和みます。
確か、そんな童話をいつか山道を歩きながらラジオで聞いたような…
こんな気の小さな登山者が不安な雪道を歩けるのはなぜ?
「金松寺山」での体験を思い出します。
山に生きている動物たちの世界にほんのちょっとお邪魔させていただく、
そうして彼らの痕跡に、冬の生活の厳しさに思いを馳せると
自然の中に一人取り残されているという感覚は湧いてこないのです。
いつものことですが、話が脱線してしまいました。
青年小屋は戸閉めされていて全く人の気配はなく、前庭に靴跡もありません。
編笠山山頂まで後30分、もう山頂は見えています。
岩をぴょんぴょん飛び越えていけばと軽く考えて向かいましたが
とんでもない誤算でした。
大きな岩の間にぎっしり詰まった雪は恐ろしい迷路を作り上げていました。
何度か岩の間の奈落の底に足を落としそうになり、恐怖心にかられ
この岩場の通過を潔く諦めました。現時点での私の技術では不可能です。
「押手川」に合流する下山ルートを使って「押手川」から再び登り、
山頂に立ち、不動清水へ下る方法もありますが、時刻は正午を過ぎています。
時間的に余裕がありません。決断を迫られます。
自分で半ラッセルをした道を戻るのが最良と判断しました。
ようやく西岳山頂に戻りました。
昭文社地図の「源治新道」の時間がタイトに感じます。
アップダウンが左程なく登山シーズンにはもっと速く歩けるのかもしれませんが。
南の方面は雲に閉ざされています。先刻までの青空は嘘のよう
アイゼンを着ける時間を惜しんで山頂を後にします。
今にも雪が降り出しそうです。
鋸岳稜線は既に吹雪いているように見えます。
三つ目の林道交差点から下った辺り、
目の前30メートル先を二頭の鹿さんが優雅な跳ね方で下って行きました。
最近、熊鈴を三つも着けているのでなかなか会えない動物たち、
久しぶりに嬉しくなりました。
足も久しぶりに本格的登山で疲れた感じです。
「鹿の湯」は広々、しかも平日で空いていました。
休憩室で、地図を広げ一人反省会。経験不足を実感です。
多分、これからの山歩きに
今日の失敗が何かで生きると思うのですが…
そういうことにしましょう。
kyom4さん、初めまして。
私も仕事の日に青い空を見ると、もったいない気持ちで一杯?になってしまい、天気の良い日には、少しの時間でもやりくりして、山行に時間を割いています。
私も2度ほど編笠山に登り、そのうち一度はkyom4さんと同じように、富士見高原スキー場から西岳を経由してのコースでしたが、青年小屋裏の大石のゴ−ロ帯は、私も難儀しました。
雪が積もっていれば、幾つもの落とし穴を抜けて行くようなものですから、kyom4さんの判断は正しいと思います。安全第一ですね。
ちなみに編笠山の頂上から、富士見高原に抜ける登山道にも樹林帯に入るまでは、ゴーロ帯がありました。
青年小屋からの編笠は、雪が無くても嫌な登りです。
反対側も同じようです。
時間が有れば権現まで行かれた方が安全ですが…
権現からの赤岳、阿弥陀は素晴らしいですよ。
こんばんは。
敗退の報を聞き、早速レコを拝読いたしました。
さすが2500m級の山、夏でも大変なのに想像以上に厳しそうですね。赤ちょうちんの小屋で一杯とはいきませんね。
「岳」の三歩の言葉ではないですが「kyom4さん、よく頑張った。また、山においでよ。」次のチャンスがあると思います。
小生は夏の北アルプス縦走を目指し、今週末は御在所で足腰を鍛えてきます。
kymo4さん はじめまして
昨年末、同じルートを(西岳ー編笠)回ったもので
つい昨日のことのように思い出しながら、レコを拝見いたしました。
源治新道の足跡は実に楽しい雰囲気が伝わっても来ました。自身だけのトレースを着けるのは楽しいですよね
私が訪れた時より小屋のあたりの積雪は多いようですから
引き返すのも正解かも知れませんね。でも…その気になれば…きっと…蓼科の山頂付近と対して変わらないかもです
…いえいえ無事下山することがSSS様が仰るように安全第一・一番大切だと思います
次回こそ、目指した頂で最高の景色をご堪能ください
陰ながら、そのレコが綴られることを祈念しております
kyom4さん、こんにちは
いい雪山歩きされてますね
かなりの標高を歩いたんですね
しかもソロで?
(ますます行動にも共通点を感じるのですが
樹林帯の中で動物の足跡に心がなごむシーンは多いですよね。
見つけるとついて行きたくなります。
ただ彼らにとっては人間のルートは意識の外で、ついて歩くうちに登山道をはずれたことが数度あります。
南アルプスの山
夏には何とかして登りに行きますよ
コメントありがとうございます。自分の決断が正しかったのか、
すっきりしませんでしたが、落ち着きました。有難うございます。
富士見高原の下りにも同じ個所があったのですね。
山頂まで辿り着いたとしても下りにもと思うとやはり正解でしたか…
前回、観音平からの往復で、全く把握できていませんでした。
やはり夏道を知らないルートを冬、というのは危険、良い教訓になりました。
ところで、sssさんのプロフィールの写真は、ひょっとして樋口一葉ゆかりの寺の
桜ではありませんか?寺の名前は忘れてしまったのですが。
それと、昨年秋に雨飾山に登られた折、池田町の大峰高原の七色の紅葉を紹介しておられましたが、地元なのに全然知らず、今年は是非行ってみたいと思っております。
いつもきれいな写真にうっとりしています。
これからも楽しみに拝見させていただきます。
コメントありがとうございます。
編笠山の最後の登りの難しさを今回思い知りました。
無雪期に、しかも通った経験のないルートを軽く考えていたのが間違いの元でした
自分の浅はかさに気付かされ、良い経験でした。
権現は天女山から登りましたが、ピストンでしたので
その先は未踏です。垂壁の梯子があるようですね。
八ヶ岳をきちんと縦走していないのでそろそろと思ってはいるのですが…
アドバイス頂ければ嬉しいです
早速私のドジな記録を読んで下さって有難うございました。
わざわざ、遠くの飲み屋まで行ったのに、門前払い…の図です
でも、闘志湧いてきましたから、三度目の正直をやりたいと思っております。
またその時は読んでくださいね
sugi-chanさんの北アルプス縦走のレコも期待しています。
早く、シーズンになってほしいですね
暮れに行かれた記録を参考にさせていただきました。有難うございました
蓼科山は登山者も沢山いて(無論あくまでも自己責任ですが)、心強かったのですが、
動物の足跡しかない世界では、事故があった時の恐怖心に捉えられました。
三度目の正直目指し、再挑戦しようと思います。
話は変わりますが、以前naotosasさんの「甘利山から千頭星山」の記録を拝読、
参考にさせていただいて、千頭星山に行ってみたいと思っております。
できれば、そこから鳳凰山…なんて、かなり長い歩きになるのでしょうね
毎回何かしらやらかしている突拍子もない登山者ですが、
本人はこれで結構様々に楽しんでおります
monsieurさんとその辺がとても似ていて、親近感を覚えるのでしょうか?
以前は山の会に所属し、一人歩きはしなかったのですが
最近、一人で歩く楽しさにすっかりはまりこんでおります
気楽といえば気楽、危険といえば危険ですが、でもどこにも危険はありますし、
本来、のんきな性格だからでしょうか
動物の足跡は見ていて楽しく、見飽きませんね。冬山独特の楽しさ発見です
不思議なことに今回だけは私を青年小屋迄導いてくれるように足跡が付いていました。ラッキーだったかも
南アルプス、静かで好きです。
今年は烏帽子から子兎岳を歩きたいと思っていますが
なかなかのロングトレイル…
訓練、訓練
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