錦繍のヒロ沢から上谷尻谷へ【聖域のコリカキ場で一夜を明かす】


- GPS
- 30:41
- 距離
- 19.1km
- 登り
- 1,256m
- 下り
- 1,244m
コースタイム
- 山行
- 4:05
- 休憩
- 1:51
- 合計
- 5:56
天候 | 11/3:晴れ 朝明駐車場:11℃ コリカキ場:14℃(夕食後:11℃) 11/4:雨 上谷尻谷散策時:12℃ 中峠:12℃ 朝明駐車場:15℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
有料:一泊の場合でも500円です。一回/500円のシステムでしょうか? |
コース状況/ 危険箇所等 |
愛知川の水量はさほどでもなく、徒渉に大きな障害は有りませんでしたが 重いザックを考えるとヒロ沢出合、大瀞共にすんなりとはいかず、 徒渉ポイント探しにてこずりました。 【ヒロ沢出合〜お金峠】バリエーションルート ヒロ沢出合の愛知川左岸から西へ延びる尾根を登りました。 踏み跡は殆ど無く、テープも疎らです。 小ぶりで急な尾根ですが、明確な尾根芯を外さず忠実に辿りました。 北から尾根を併せ、南西へ向きを変える800m辺りで、 石楠花の茂みが現れ尾根芯が曖昧になります。 逆コースの場合はP843を過ぎたこの辺りと、愛知川左岸に降りる辺りで 左に派生する尾根の分岐に要注意です。 【コリカキ場〜上谷尻谷中流】バリエーションルート 上谷尻谷の右岸から南へ向かいます。 右岸が迫って逆くの字描く辺りで一旦右岸へ移りしばらくすると 再び右岸が少し狭まった感じで西側へ向きが変わると すぐに枯れた谷が南から降りてきます。ここがワサビ谷出合で 古びた分岐テープが見られますが、手前で紅葉に誘われて左岸の台地に入ったため見過ごしてしまいました。 右岸や左岸にはゆったりとした気持ちの良い台地が広がり、 好きなように歩けますが、ワサビ谷を目指す場合は右岸重視です。 |
写真
感想
予てから紅葉シーズンになったらコリカキ場でテント泊をしたかった。
先週は晴れ続きで愛知川の徒渉も問題ないだろうと計画を実行したが、
日曜は生憎の雨で、ワサビ峠からイブネに向かう二日目の予定は
諦めて、愛知川周辺の紅葉を楽しむ事にしよう。
【一日目】11/3
久しぶりに肩に食い込むザックの重さにペースが上がらないが、
幸い朝明渓谷の紅葉はピークを迎えていた。
黄葉、紅葉を愛でながらゆっくり行こう。
猫谷から羽鳥峰峠を越えてヒロ沢に入ると、カエデとシロモジの競演が
始まっていた。頼りないヒロ沢の流れが幅を広げるにつれて艶やかな
紅葉が多くなる。中腹の700m前後が盛りを迎えたようだ。
谷間の紅葉、ヒロ沢の渓流美を楽しみながら下り、二股の急なナメが
創り出す滝の高捲きを終え、しばらくすると左岸の平坦な台地に出て
愛知川と出合う。
出合いの渓谷美を楽しむのは後にして、早速天狗滝へ向かう。
重いザックはデポして、最低限必要な荷物のみをポーチに詰めて、
ヒロ沢右岸の岩壁を攀じて愛知川右岸の高みに付けられた
薄い踏み跡を辿る。
高みから愛知川の渓谷を覗き見しながら白滝谷分岐まで来ると轟音が
耳に入る。古びたロープを掴んで下った岩壁から切り立った廊下や
淵を目がけて落下する天狗滝を眺めてヒロ沢出合へ戻る。
広い河原でまったりした後、愛知川を飛び石伝いに左岸へ徒渉し、
道標裏から茂みを潜って西向きの尾根に取付く。
小さな尾根だがとにかくきつい。重いザックを恨みながら枯れ葉で
滑る急尾根をゆっくりゆっくり高度を稼ぐ。
やがて石楠花の茂みが尾根芯を隠し曖昧になってくるが、
強行突破すると傾斜が尽きて幹に巻かれた分岐テープを見る。
まずは一安心だ。南へ向きを変えた尾根を忠実に辿ると突然
岩のテラスに出て展望が開ける。お金峠に至るまでの唯一の展望地だ。
時間も良いのでここで昼食にしよう。
竜ヶ岳から御在所岳に続く県境稜線を眺めながらオニギリを頬張る。
煩わしい倒木や潅木を避けながらキツネ峠、塔ノ峰を越えると
小さな鞍部に出て踏み跡が交差するお金峠となる。
時間も早いのでお金明神を往復するか迷ったが、ゆっくりしたいので
コリカキ場へ下る事にする。
ガレで荒れた急な谷を一気に下るとやがて瀬音が聞こえて
谷尻谷のゆったりした台地が広がってくる。
シロモジの林を彷徨うように右岸へ降りると目的地、北谷尻谷出合に
小滝を懸けるコリカキ場に到着だ。
右岸に広がる平坦地は絶好のテント場だ。
落ち葉を避ければ整地は終了。小滝を眺める一等地にテントを張れば
もうすることは無い。夕食前の散歩と洒落込もう。
寝袋に入る前に外へ出ると、満天の星 ではなく疎らに輝く程度で
快晴の二日目は望めないかな?
【二日目】11/4
目覚めると5時だ。あれ?フライをポツポツとたたく音がする。
テントの前室を覗くと、雨水が浸みているではないか!
パンとコーヒーで簡単な朝食を済ませてしばらく待ってみるが
止みそうもないので、イブネ行は中止に決定。
小降りになったので上谷尻谷の散策に出掛ける。
右岸を樹林を抜けるとすぐにゆったりと広がる台地をのんびりと
流れる浅い谷になってきた。
広い台地の黄葉、紅葉は見頃を迎えたようだ。誘われるままに
右岸や左岸を散策するうちに流れは西向きに変わっていた。
今しばらく彷徨いたいが、広い谷間が僅かに狭まってきたようなので
引き返そう。
今度こそワサビ谷出合を見逃さないように右岸に沿って戻る。
支谷が出る度、地形図と合わせるが目的の地形と一致していなかった。
やがて流れの向きが変わるのが見えてきた辺りで見つけた放置された
ドラム缶の先で枯れた谷と出合う。観察してみると古びた分岐テープや
ビニール紐の目印が付けられていた。出合いから谷を眺めていると
お隣さんがやって来た。ワサビ峠からタケ谷方面へ抜けて朝明へ
戻ると言う彼らを見送ってテント場に戻ると僅か15分の距離だった。
ひどくも小降りにもならない雨に嫌気がさし、気分直しに二度目の
朝食を摂り、片付けにかかる。
雨を含んだテントをザックに収めるとズシリと重い。
往きよりも重くなったザックを背負って荒れた谷をお金峠へ登り返す。
ヒロ沢へ戻るのはつまらないので見所の多い中峠経由で帰ろう。
お金明神、大瀞を過ぎ下水晶谷を中峠まで戻るとやっと
雨も止んだようだ。 霧に霞んだ景色も幻想的だなどと強がって
ひっそりと静まり返った峠道を朝明へ下る。
【初めて訪れた上谷尻谷は素晴らしい場所だった。
鈴鹿の奥に広がる空間を散策目的でのんびり過ごす山行も
贅沢だろうな〜。次は是非のんびり山行を計画してしよう。】
コメント
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onetotaniさん こんばんは
計画を拝見して、2日目のお天気を心配しておりました。
午前中はもつと思っていましたがイブネは残念でしたね。
それにしても紅葉の中のコリカキ場にお金明神、大瀞と鈴鹿の奥地は趣きがあっていいですね。
昔(中学生の頃)大瀞に鉄橋があった記憶があります。今はないのですね。
その頃お金明神までは友人たちと行った思い出があるのですが、コリカキ場は知りませんでした。
つい先日、その時の友人から聞いたのですが明神様にお参りする前の禊の場だったそうですね。
またいつか行こうという話にはなったんですが、如何せん飲み会の席での話なので覚えているかな?
sugi-chanさん 今晩は。
数日前は二日とも晴れ予報だったのに・・・。
止みそうもないので、予定を変更して紅葉の上谷尻谷散策に切り替えましたが、
素晴らしい雰囲気で、ただ通過するには勿体ない場所でした。
愛知川を越えて更に奥になるので、日帰りではのんびりできないのが
残念ですが、また一つお気に入りの場所が増えました。
近江鈴鹿の真っ只中、静かで神聖な一夜を過ごされたことでしょう。
かつて佐目谷からお金明神を目指した時、コリカキ場に何とか辿り着いたとき、とても神々しい雰囲気を感じました。
昔から、多くの方が山を越え谷を越え、ようやく着いたコリカキ場なんだなと思うと、感無量でした。
そんなコリカキ場でのテン泊、とても凄いことに感じます
二日目は雨で残念でしたが、紅葉真っ盛りの近江鈴鹿にじっくりと浸ることができたのではないでしょうか?
今回のレコは、いつもと違った雰囲気を感じました。
私の心もちょっとだけ清くなったような
totokさん 今晩は。
滝の音以外は何の音も無いほんとに静かな夜でした。
以前歩いた時から是非泊まりたい場所でしたが、上谷尻谷には素敵な
テント場がいっぱいでした。
予定通りワサビ谷を上がっていたら、この素敵な空間を通過するところでした。今度は上谷尻谷散策だけを目的にまた訪れてみたいと思わせるほど
魅力的な場所でした。
自分で歩いたつもりになって拝見させていただきました。
天狗滝・コリカキバ・上谷尻谷は行ったことがなく、ぜひまた真似をさせて頂きたいと思います。
2年前に行った佐目峠テント泊の際、お金峠からコリカキ場に下ってから遡行し、ワサビ峠に登り返そうという計画だったのですが、上から覗いたら谷がとんでもなく急で、荷物の重さに悲鳴をあげていた事もあり、あっさり断念してしまいました。そんなこともあり、いつかまた機会を設けて行ってみたい場所なんです。
おでんと牛丼いいですね!
蛇足ですが、昨日のNHK百名山で、大福餅を割って水溶きし、火に掛けてお汁粉にして食べるというのがありました。他の人の食事はとても参考になります。
興味深いレコありがとうございました。
teppan2013さん 今晩は。
計画ではワサビ谷からクラシ、イブネへ向かう予定でした。
ワサビ谷出合はワサビ峠から眺める急な谷とは違い緩やかな登りでした。
平坦な台地に囲まれた紅葉の上谷尻谷は、いたる所に絶好のテントサイトが
在りました。歩かれるならたとえ1時間でも散策時間を設けて
計画して下さい。きっと満足していただけると思います。
愛知川源流の雰囲気は、一度ご案内いただいた折、
とても心地よく感じました。
今回は、さらに奥深い場所、しかもテント泊とは
お見事ですね。
お天気があいにくでしたが、
この時期ならではの景観と空気感を
感じ取らせていただきました。
komakiさん 今晩は。
愛知川の支流になる上谷尻谷は素敵な場所でした。
落葉して明るくなった谷も、新緑がまばゆい谷もきっと素敵なんだろうと
思います。いっぺんにお気に入りになりました。
日帰りではゆっくり歩けないのが残念ですが、またテントを担いで
出掛けたいと思います。
まだまだ奥が深いですね。
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