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Yamareco

記録ID: 1639604
全員に公開
ハイキング
御在所・鎌ヶ岳

錦繍のヒロ沢から上谷尻谷へ【聖域のコリカキ場で一夜を明かす】

2018年11月03日(土) 〜 2018年11月04日(日)
情報量の目安: S
都道府県 三重県 滋賀県
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
30:41
距離
19.1km
登り
1,256m
下り
1,244m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
4:05
休憩
1:51
合計
5:56
距離 9.0km 登り 814m 下り 529m
7:24
11
7:35
7:36
51
8:27
8:37
45
9:22
9:36
20
9:56
10:05
31
10:36
11:00
50
11:50
12:28
5
P843手前の展望地
12:33
12:42
10
12:52
12:54
5
12:59
13:03
17
2日目
山行
3:11
休憩
0:56
合計
4:07
距離 10.1km 登り 446m 下り 728m
9:57
22
10:19
10
10:29
10:53
7
11:00
11:02
21
11:23
11:37
52
12:29
12:42
67
13:49
11
14:00
14:03
1
14:04
ゴール地点
天候 11/3:晴れ 朝明駐車場:11℃ コリカキ場:14℃(夕食後:11℃)
11/4:雨  上谷尻谷散策時:12℃ 中峠:12℃ 朝明駐車場:15℃
過去天気図(気象庁) 2018年11月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
朝明駐車場を利用(1泊の場合は隅のスペースに誘導されます。)
有料:一泊の場合でも500円です。一回/500円のシステムでしょうか?
コース状況/
危険箇所等
愛知川の水量はさほどでもなく、徒渉に大きな障害は有りませんでしたが
重いザックを考えるとヒロ沢出合、大瀞共にすんなりとはいかず、
徒渉ポイント探しにてこずりました。

【ヒロ沢出合〜お金峠】バリエーションルート
ヒロ沢出合の愛知川左岸から西へ延びる尾根を登りました。
踏み跡は殆ど無く、テープも疎らです。
小ぶりで急な尾根ですが、明確な尾根芯を外さず忠実に辿りました。
北から尾根を併せ、南西へ向きを変える800m辺りで、
石楠花の茂みが現れ尾根芯が曖昧になります。
逆コースの場合はP843を過ぎたこの辺りと、愛知川左岸に降りる辺りで
左に派生する尾根の分岐に要注意です。

【コリカキ場〜上谷尻谷中流】バリエーションルート
上谷尻谷の右岸から南へ向かいます。
右岸が迫って逆くの字描く辺りで一旦右岸へ移りしばらくすると
再び右岸が少し狭まった感じで西側へ向きが変わると
すぐに枯れた谷が南から降りてきます。ここがワサビ谷出合で
古びた分岐テープが見られますが、手前で紅葉に誘われて左岸の台地に入ったため見過ごしてしまいました。
右岸や左岸にはゆったりとした気持ちの良い台地が広がり、
好きなように歩けますが、ワサビ谷を目指す場合は右岸重視です。
『一日目』
朝明渓谷はまさに紅葉まつりだ。
2018年11月03日 07:34撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/3 7:34
『一日目』
朝明渓谷はまさに紅葉まつりだ。
猫谷の岩壁
2018年11月03日 08:06撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 8:06
猫谷の岩壁
静かな羽鳥峰峠で一休み。
2018年11月03日 08:28撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 8:28
静かな羽鳥峰峠で一休み。
《ヒロ沢を下る》
鈴鹿では珍しい羽鳥峰湿原。
2018年11月03日 08:38撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 8:38
《ヒロ沢を下る》
鈴鹿では珍しい羽鳥峰湿原。
ヒロ沢の源流部。
2018年11月03日 08:42撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 8:42
ヒロ沢の源流部。
カエデとシロモジの競演が始まりました。
2018年11月03日 08:48撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/3 8:48
カエデとシロモジの競演が始まりました。
なかなか先へ進めません。
2018年11月03日 08:50撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 8:50
なかなか先へ進めません。
一旦左岸へ移ります。
2018年11月03日 09:02撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/3 9:02
一旦左岸へ移ります。
錦繍の季節到来。
2018年11月03日 09:04撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 9:04
錦繍の季節到来。
二股のナメがこの下で滝となって落下する。
2018年11月03日 09:14撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/3 9:14
二股のナメがこの下で滝となって落下する。
《ヒロ沢出合》
石の登山靴には結婚記念のプレートが付けられています。
2018年11月03日 09:21撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 9:21
《ヒロ沢出合》
石の登山靴には結婚記念のプレートが付けられています。
以前はここに避難小屋が有りました。
2018年11月03日 09:22撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 9:22
以前はここに避難小屋が有りました。
白滝谷と天狗滝の分岐
2018年11月03日 09:54撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 9:54
白滝谷と天狗滝の分岐
《天狗滝》
下流の廊下
2018年11月03日 09:59撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 9:59
《天狗滝》
下流の廊下
愛知川の水を一気に吐き出す滝。
2018年11月03日 10:00撮影 by  Canon IXY 180, Canon
7
11/3 10:00
愛知川の水を一気に吐き出す滝。
落ち口から淵を覗き込む。
2018年11月03日 10:07撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/3 10:07
落ち口から淵を覗き込む。
上流の岩壁を飾る紅葉。
2018年11月03日 10:08撮影 by  Canon IXY 180, Canon
8
11/3 10:08
上流の岩壁を飾る紅葉。
七丈淵ってどこだろう?
2018年11月03日 10:23撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 10:23
七丈淵ってどこだろう?
上流にはなだらかな岩盤が。
2018年11月03日 10:23撮影 by  Canon IXY 180, Canon
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11/3 10:23
上流にはなだらかな岩盤が。
ヒロ沢出合を愛知川左岸に渡り、道標裏の茂みを抜けて、
2018年11月03日 10:59撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/3 10:59
ヒロ沢出合を愛知川左岸に渡り、道標裏の茂みを抜けて、
《クラシ北尾根に繋がる尾根》
尾根に乗った。
2018年11月03日 11:05撮影 by  Canon IXY 180, Canon
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11/3 11:05
《クラシ北尾根に繋がる尾根》
尾根に乗った。
この登りは応えるな〜。
2018年11月03日 11:09撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 11:09
この登りは応えるな〜。
石楠花の茂みを抜けて南西へ向かうが、曖昧だな〜。
2018年11月03日 11:39撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 11:39
石楠花の茂みを抜けて南西へ向かうが、曖昧だな〜。
P843手前の唯一の展望地にて、
三池岳、釈迦ヶ岳〜県境稜線を望む。
2018年11月03日 11:49撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 11:49
P843手前の唯一の展望地にて、
三池岳、釈迦ヶ岳〜県境稜線を望む。
岩のテラスで国見岳、御在所岳方面を望みながら昼食にしよう。
2018年11月03日 11:54撮影 by  Canon IXY 180, Canon
7
11/3 11:54
岩のテラスで国見岳、御在所岳方面を望みながら昼食にしよう。
P843
2018年11月03日 12:27撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 12:27
P843
P843の様子。
2018年11月03日 12:28撮影 by  Canon IXY 180, Canon
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11/3 12:28
P843の様子。
「キツネ峠」が見やすいように直しておきました。
2018年11月03日 12:39撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/3 12:39
「キツネ峠」が見やすいように直しておきました。
黄金色。
2018年11月03日 12:39撮影 by  Canon IXY 180, Canon
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11/3 12:39
黄金色。
岩陰にひっそりと付けられた「塔ノ峰」。
2018年11月03日 12:53撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 12:53
岩陰にひっそりと付けられた「塔ノ峰」。
お金峠に到着。さあー、コリカキ場へ下ろう。
2018年11月03日 12:58撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/3 12:58
お金峠に到着。さあー、コリカキ場へ下ろう。
きれいだな〜。
2018年11月03日 13:06撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 13:06
きれいだな〜。
荒れた谷を急降下。
2018年11月03日 13:10撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/3 13:10
荒れた谷を急降下。
平坦地に出ると当時の名残があちこちに見られる。
2018年11月03日 13:20撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/3 13:20
平坦地に出ると当時の名残があちこちに見られる。
《コリカキ場》
本日の目的地に到着。
2018年11月03日 13:25撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/3 13:25
《コリカキ場》
本日の目的地に到着。
北谷尻谷に架かる小滝が、お金明神明神参拝の禊が行われた神聖な場所だ。
2018年11月03日 13:26撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 13:26
北谷尻谷に架かる小滝が、お金明神明神参拝の禊が行われた神聖な場所だ。
2018年11月03日 13:30撮影 by  Canon IXY 180, Canon
1
11/3 13:30
北谷尻谷出合の紅葉。
2018年11月03日 13:31撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/3 13:31
北谷尻谷出合の紅葉。
お隣は常連さんのようです。
2018年11月03日 14:09撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/3 14:09
お隣は常連さんのようです。
コリカキ場を眺める一等地。
2018年11月03日 14:32撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/3 14:32
コリカキ場を眺める一等地。
夕食前に周辺を散策。
2018年11月03日 14:33撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/3 14:33
夕食前に周辺を散策。
夕食1
2018年11月03日 15:11撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/3 15:11
夕食1
夕食2
2018年11月03日 15:37撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/3 15:37
夕食2
『二日目』
《雨の上谷尻谷》
2018年11月04日 07:28撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 7:28
『二日目』
《雨の上谷尻谷》
これが記録で見かける車輪かな。
2018年11月04日 07:29撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 7:29
これが記録で見かける車輪かな。
本流が西向きに変わったようだ。
2018年11月04日 07:33撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 7:33
本流が西向きに変わったようだ。
紅葉に誘われて台地を彷徨う。
2018年11月04日 07:42撮影 by  Canon IXY 180, Canon
8
11/4 7:42
紅葉に誘われて台地を彷徨う。
沢筋を戻ろう。
2018年11月04日 07:42撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 7:42
沢筋を戻ろう。
ワサビ谷出合いの目印になるかな?
2018年11月04日 08:16撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 8:16
ワサビ谷出合いの目印になるかな?
支谷の分岐にテープが有った、ワサビ谷出合だ!
2018年11月04日 08:20撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 8:20
支谷の分岐にテープが有った、ワサビ谷出合だ!
台地の紅葉に誘われて見過ごしてしまったようだ。
2018年11月04日 08:23撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 8:23
台地の紅葉に誘われて見過ごしてしまったようだ。
雨は止みそうもないので、予定を変更してお金峠へ上がろう。
2018年11月04日 10:05撮影 by  Canon IXY 180, Canon
1
11/4 10:05
雨は止みそうもないので、予定を変更してお金峠へ上がろう。
今回二度目のお金峠。
2018年11月04日 10:16撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 10:16
今回二度目のお金峠。
《お金明神》
天狗様はいつ見ても不思議だな。
2018年11月04日 10:33撮影 by  Canon IXY 180, Canon
10
11/4 10:33
《お金明神》
天狗様はいつ見ても不思議だな。
2018年11月04日 10:43撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 10:43
磐座:お金の塔
2018年11月04日 10:47撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/4 10:47
磐座:お金の塔
2018年11月04日 10:50撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 10:50
《愛知川左岸登山道》
合流。
2018年11月04日 11:00撮影 by  Canon IXY 180, Canon
2
11/4 11:00
《愛知川左岸登山道》
合流。
コバで微笑むお地蔵様。
2018年11月04日 11:20撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/4 11:20
コバで微笑むお地蔵様。
大瀞分岐手前のコバ。
2018年11月04日 11:20撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 11:20
大瀞分岐手前のコバ。
《大瀞》
愛知川の景勝地です。
2018年11月04日 11:25撮影 by  Canon IXY 180, Canon
5
11/4 11:25
《大瀞》
愛知川の景勝地です。
下流は深い廊下だ。
2018年11月04日 11:25撮影 by  Canon IXY 180, Canon
4
11/4 11:25
下流は深い廊下だ。
なんとか岩伝いに徒渉できました。
2018年11月04日 11:28撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 11:28
なんとか岩伝いに徒渉できました。
2018年11月04日 11:40撮影 by  Canon IXY 180, Canon
1
11/4 11:40
下水晶谷を辿る。
2018年11月04日 12:14撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 12:14
下水晶谷を辿る。
霞む中峠に到着。やっと雨も止んだようだ。
2018年11月04日 12:30撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 12:30
霞む中峠に到着。やっと雨も止んだようだ。
幻想的な紅葉。
2018年11月04日 12:45撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 12:45
幻想的な紅葉。
滝壺から曙滝を見上げる。( 落差:20m? )
2018年11月04日 13:07撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 13:07
滝壺から曙滝を見上げる。( 落差:20m? )
朝明川出合いでコーヒータイム。
2018年11月04日 13:24撮影 by  Canon IXY 180, Canon
3
11/4 13:24
朝明川出合いでコーヒータイム。
雨になったけど、紅葉の盛りを歩けて楽しかったな〜。
2018年11月04日 13:56撮影 by  Canon IXY 180, Canon
6
11/4 13:56
雨になったけど、紅葉の盛りを歩けて楽しかったな〜。
撮影機器:

感想

予てから紅葉シーズンになったらコリカキ場でテント泊をしたかった。
先週は晴れ続きで愛知川の徒渉も問題ないだろうと計画を実行したが、
日曜は生憎の雨で、ワサビ峠からイブネに向かう二日目の予定は
諦めて、愛知川周辺の紅葉を楽しむ事にしよう。

【一日目】11/3
久しぶりに肩に食い込むザックの重さにペースが上がらないが、
幸い朝明渓谷の紅葉はピークを迎えていた。
黄葉、紅葉を愛でながらゆっくり行こう。

猫谷から羽鳥峰峠を越えてヒロ沢に入ると、カエデとシロモジの競演が
始まっていた。頼りないヒロ沢の流れが幅を広げるにつれて艶やかな
紅葉が多くなる。中腹の700m前後が盛りを迎えたようだ。

谷間の紅葉、ヒロ沢の渓流美を楽しみながら下り、二股の急なナメが
創り出す滝の高捲きを終え、しばらくすると左岸の平坦な台地に出て
愛知川と出合う。
出合いの渓谷美を楽しむのは後にして、早速天狗滝へ向かう。
重いザックはデポして、最低限必要な荷物のみをポーチに詰めて、
ヒロ沢右岸の岩壁を攀じて愛知川右岸の高みに付けられた
薄い踏み跡を辿る。

高みから愛知川の渓谷を覗き見しながら白滝谷分岐まで来ると轟音が
耳に入る。古びたロープを掴んで下った岩壁から切り立った廊下や
淵を目がけて落下する天狗滝を眺めてヒロ沢出合へ戻る。

広い河原でまったりした後、愛知川を飛び石伝いに左岸へ徒渉し、
道標裏から茂みを潜って西向きの尾根に取付く。

小さな尾根だがとにかくきつい。重いザックを恨みながら枯れ葉で
滑る急尾根をゆっくりゆっくり高度を稼ぐ。
やがて石楠花の茂みが尾根芯を隠し曖昧になってくるが、
強行突破すると傾斜が尽きて幹に巻かれた分岐テープを見る。
まずは一安心だ。南へ向きを変えた尾根を忠実に辿ると突然
岩のテラスに出て展望が開ける。お金峠に至るまでの唯一の展望地だ。
時間も良いのでここで昼食にしよう。
竜ヶ岳から御在所岳に続く県境稜線を眺めながらオニギリを頬張る。

煩わしい倒木や潅木を避けながらキツネ峠、塔ノ峰を越えると
小さな鞍部に出て踏み跡が交差するお金峠となる。
時間も早いのでお金明神を往復するか迷ったが、ゆっくりしたいので
コリカキ場へ下る事にする。

ガレで荒れた急な谷を一気に下るとやがて瀬音が聞こえて
谷尻谷のゆったりした台地が広がってくる。
シロモジの林を彷徨うように右岸へ降りると目的地、北谷尻谷出合に
小滝を懸けるコリカキ場に到着だ。

右岸に広がる平坦地は絶好のテント場だ。
落ち葉を避ければ整地は終了。小滝を眺める一等地にテントを張れば
もうすることは無い。夕食前の散歩と洒落込もう。

寝袋に入る前に外へ出ると、満天の星 ではなく疎らに輝く程度で
快晴の二日目は望めないかな?

【二日目】11/4
目覚めると5時だ。あれ?フライをポツポツとたたく音がする。
テントの前室を覗くと、雨水が浸みているではないか!
パンとコーヒーで簡単な朝食を済ませてしばらく待ってみるが
止みそうもないので、イブネ行は中止に決定。

小降りになったので上谷尻谷の散策に出掛ける。

右岸を樹林を抜けるとすぐにゆったりと広がる台地をのんびりと
流れる浅い谷になってきた。
広い台地の黄葉、紅葉は見頃を迎えたようだ。誘われるままに
右岸や左岸を散策するうちに流れは西向きに変わっていた。
今しばらく彷徨いたいが、広い谷間が僅かに狭まってきたようなので
引き返そう。

今度こそワサビ谷出合を見逃さないように右岸に沿って戻る。
支谷が出る度、地形図と合わせるが目的の地形と一致していなかった。
やがて流れの向きが変わるのが見えてきた辺りで見つけた放置された
ドラム缶の先で枯れた谷と出合う。観察してみると古びた分岐テープや
ビニール紐の目印が付けられていた。出合いから谷を眺めていると
お隣さんがやって来た。ワサビ峠からタケ谷方面へ抜けて朝明へ
戻ると言う彼らを見送ってテント場に戻ると僅か15分の距離だった。

ひどくも小降りにもならない雨に嫌気がさし、気分直しに二度目の
朝食を摂り、片付けにかかる。

雨を含んだテントをザックに収めるとズシリと重い。
往きよりも重くなったザックを背負って荒れた谷をお金峠へ登り返す。
ヒロ沢へ戻るのはつまらないので見所の多い中峠経由で帰ろう。

お金明神、大瀞を過ぎ下水晶谷を中峠まで戻るとやっと
雨も止んだようだ。 霧に霞んだ景色も幻想的だなどと強がって
ひっそりと静まり返った峠道を朝明へ下る。

【初めて訪れた上谷尻谷は素晴らしい場所だった。
鈴鹿の奥に広がる空間を散策目的でのんびり過ごす山行も
贅沢だろうな〜。次は是非のんびり山行を計画してしよう。】

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コメント

いつかは行きたいコリカキ場
onetotaniさん こんばんは
計画を拝見して、2日目のお天気を心配しておりました。
午前中はもつと思っていましたがイブネは残念でしたね。
それにしても紅葉の中のコリカキ場にお金明神、大瀞と鈴鹿の奥地は趣きがあっていいですね。
昔(中学生の頃)大瀞に鉄橋があった記憶があります。今はないのですね。
その頃お金明神までは友人たちと行った思い出があるのですが、コリカキ場は知りませんでした。
つい先日、その時の友人から聞いたのですが明神様にお参りする前の禊の場だったそうですね。
またいつか行こうという話にはなったんですが、如何せん飲み会の席での話なので覚えているかな?
2018/11/6 0:09
Re: いつかは行きたいコリカキ場
sugi-chanさん 今晩は。

数日前は二日とも晴れ予報だったのに・・・。
止みそうもないので、予定を変更して紅葉の上谷尻谷散策に切り替えましたが、
素晴らしい雰囲気で、ただ通過するには勿体ない場所でした。

愛知川を越えて更に奥になるので、日帰りではのんびりできないのが
残念ですが、また一つお気に入りの場所が増えました。
2018/11/6 19:03
コリカキ場
近江鈴鹿の真っ只中、静かで神聖な一夜を過ごされたことでしょう。
かつて佐目谷からお金明神を目指した時、コリカキ場に何とか辿り着いたとき、とても神々しい雰囲気を感じました。
昔から、多くの方が山を越え谷を越え、ようやく着いたコリカキ場なんだなと思うと、感無量でした。
そんなコリカキ場でのテン泊、とても凄いことに感じます
二日目は雨で残念でしたが、紅葉真っ盛りの近江鈴鹿にじっくりと浸ることができたのではないでしょうか?
今回のレコは、いつもと違った雰囲気を感じました。
私の心もちょっとだけ清くなったような
2018/11/6 7:09
Re: コリカキ場
totokさん 今晩は。

滝の音以外は何の音も無いほんとに静かな夜でした。
以前歩いた時から是非泊まりたい場所でしたが、上谷尻谷には素敵な
テント場がいっぱいでした。

予定通りワサビ谷を上がっていたら、この素敵な空間を通過するところでした。今度は上谷尻谷散策だけを目的にまた訪れてみたいと思わせるほど
魅力的な場所でした。
2018/11/6 19:22
こんにちはonetotaniさん
 自分で歩いたつもりになって拝見させていただきました。
 天狗滝・コリカキバ・上谷尻谷は行ったことがなく、ぜひまた真似をさせて頂きたいと思います。
 2年前に行った佐目峠テント泊の際、お金峠からコリカキ場に下ってから遡行し、ワサビ峠に登り返そうという計画だったのですが、上から覗いたら谷がとんでもなく急で、荷物の重さに悲鳴をあげていた事もあり、あっさり断念してしまいました。そんなこともあり、いつかまた機会を設けて行ってみたい場所なんです。

 おでんと牛丼いいですね!
蛇足ですが、昨日のNHK百名山で、大福餅を割って水溶きし、火に掛けてお汁粉にして食べるというのがありました。他の人の食事はとても参考になります。

興味深いレコありがとうございました。
2018/11/6 9:30
Re: こんにちはonetotaniさん
teppan2013さん 今晩は。

計画ではワサビ谷からクラシ、イブネへ向かう予定でした。
ワサビ谷出合はワサビ峠から眺める急な谷とは違い緩やかな登りでした。

平坦な台地に囲まれた紅葉の上谷尻谷は、いたる所に絶好のテントサイトが
在りました。歩かれるならたとえ1時間でも散策時間を設けて
計画して下さい。きっと満足していただけると思います。
2018/11/6 19:42
onetotaniさん、こんにちは。
愛知川源流の雰囲気は、一度ご案内いただいた折、
とても心地よく感じました。
今回は、さらに奥深い場所、しかもテント泊とは
お見事ですね。
お天気があいにくでしたが、
この時期ならではの景観と空気感を
感じ取らせていただきました。
2018/11/8 22:44
Re: onetotaniさん、こんにちは。
komakiさん 今晩は。

愛知川の支流になる上谷尻谷は素敵な場所でした。
落葉して明るくなった谷も、新緑がまばゆい谷もきっと素敵なんだろうと
思います。いっぺんにお気に入りになりました。

日帰りではゆっくり歩けないのが残念ですが、またテントを担いで
出掛けたいと思います。

まだまだ奥が深いですね。
2018/11/9 19:31
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