記録ID: 1647413
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ハイキング
日光・那須・筑波
【三峯五禅頂のみち⑰】一之宿と竜巻山(2224p)
2018年11月11日(日) [日帰り]
thoughtmay
体力度
5
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 13:35
- 距離
- 23.0km
- 登り
- 1,860m
- 下り
- 1,697m
アクセスを調べる
標高グラフを拡大コースタイム
日帰り
- 山行
- 8:24
- 休憩
- 5:12
- 合計
- 13:36
5:00
29分
神橋
5:54
6:29
19分
一之宿探索
7:03
7:38
19分
北の殺生禁断境石
8:30
9:10
4分
寂光石探索
9:37
9:48
5分
3等三角点「黒岩」
10:02
10:21
1分
宇賀神と水場
10:22
10:47
7分
水呑の石標
12:39
12:46
6分
黒岩
14:07
14:33
11分
箱石金剛
14:44
14:56
33分
竜巻山(2224p)
18:36
羽黒尾根取付
これは池田正夫『全踏査 日光修験 三峯五禅頂の道』(随想舎 2009年刊行)の記述を辿るシリーズ山行です。
池田氏が踏査の手掛かりとされた主な古文書は以下の通り。
冬峯『冬峯手鑑』
華供峯『華供峯副大宿手日記』
夏峯『補陀洛順峯入峯次第私記』
五禅頂『禅頂先達秘密記(善如寺沙門大輪坊厳因)』
いづれも『日光市史史料編』を底本とされているようです。
殺生禁断境石・寂光石を探すにあたり、烏ヶ森さん、たそがれオヤジさんの記事に多くを助けられています。
ありがとうございました。
http://karasugamori.web.fc2.com/631hagurokuroiwa.htm
https://blog.goo.ne.jp/mailaddress-1234/e/e1f7da16419388329effc0fd53f126d0
【通過した三角点】
3等：「黒岩」1397.97m 白49 正常
池田氏が踏査の手掛かりとされた主な古文書は以下の通り。
冬峯『冬峯手鑑』
華供峯『華供峯副大宿手日記』
夏峯『補陀洛順峯入峯次第私記』
五禅頂『禅頂先達秘密記(善如寺沙門大輪坊厳因)』
いづれも『日光市史史料編』を底本とされているようです。
殺生禁断境石・寂光石を探すにあたり、烏ヶ森さん、たそがれオヤジさんの記事に多くを助けられています。
ありがとうございました。
http://karasugamori.web.fc2.com/631hagurokuroiwa.htm
https://blog.goo.ne.jp/mailaddress-1234/e/e1f7da16419388329effc0fd53f126d0
【通過した三角点】
3等：「黒岩」1397.97m 白49 正常
| 天候 | 晴れのち曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年11月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
自転車
|
| ファイル |
この日の山行のポイントを、ウェイポイントにまとめてみました。
（更新時刻：2018/11/23 18:42） |
写真
神橋からスタートし、本宮・輪王寺・新宮を抜けて黒岩尾根に向かった。
輪王寺に着くと、人だかりがしている。
輪王寺に着くと、人だかりがしている。
トレランの大会とのことだった。第3回日光国立公園マウンテンランニング大会。
30kmコースは外山から大山・丸山を周回するらしい。
1
11/11 5:12
トレランの大会とのことだった。
第3回日光国立公園マウンテンランニング大会。
30kmコースは外山から大山・丸山を周回するらしい。
第3回日光国立公園マウンテンランニング大会。
30kmコースは外山から大山・丸山を周回するらしい。
日の出前の行者堂に到着。画像左に写っている五輪塔の四方に彫られた種子は、阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就という、金剛五仏のものだった。
彫られていない大日如来が、その中心にあるということだろうか。
3
11/11 5:30
日の出前の行者堂に到着。
画像左に写っている五輪塔の四方に彫られた種子は、阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就という、金剛五仏のものだった。
彫られていない大日如来が、その中心にあるということだろうか。
画像左に写っている五輪塔の四方に彫られた種子は、阿閦・宝生・阿弥陀・不空成就という、金剛五仏のものだった。
彫られていない大日如来が、その中心にあるということだろうか。
行者堂の登山ポストに、稚児ヶ墓の蜂に注意との警告板があった。
実際にこの日の稚児ヶ墓にて、スズメバチを目撃する。
実際にこの日の稚児ヶ墓にて、スズメバチを目撃する。
さてここで、カシミール3Dで書きだした地図を掲げる。一之宿に関する池田さんの記述が、矛盾を抱えた文章だった。地形図を見ながら『全踏査』の一之宿に関する記述を追うと、意味が分からないのだ。
分らないなりにこの辺であろうと、山行前に仮定した一之宿比定地の位置が画像に示したものである。
赤線は現在の黒岩ルート登山道で、磁北線の間隔は400mとなる。
長くなるが、308頁から310頁の『全踏査』の文章を以下に引用する。
なおこの引用箇所は夏峯における部分にあたるので、記述の行路はこの日の僕の歩き方(五禅頂)とは逆順になる。
「滝尾ノ上とは、行者堂に下る手前の八五五峰を指していると推察される。(中略) 手がかりになるのは明治三十五年刊の"日光名所圖會"である。"滝の尾行堂より西北に方り三町許、阿弥陀ヶ峯の南、多寶山の麓にあり"とある。(中略) この記述は一之宿が行者堂を基点にして、西北の方角にあったことを示している。"圖會"の(記述を)忠実に辿って検証してみた。
行者堂のすぐ裏手には導水施設があり、八五五峰の滝尾ノ上から小曽根が分断されている。行者堂の方位は、北にある。西北の方角は、この小曽根の方角と一致している。約二百メートルの登りで八五五峰の滝尾ノ上に出る。(中略) "山頂許"というのは、行者堂から一之宿までの距離である。(中略) 約三百メートル余である。すでに、行者堂からこのピークまでに"二町"程西北に来たことになる。
一之宿の所在地は、ここから西北に"一町"程先に位置していることになる。」
一言でいえば、文章の内容と855pの位置とが整合しない。
頭が痛くなるばかりなので、あとは現場を眺めながら考えることにする。
1
さてここで、カシミール3Dで書きだした地図を掲げる。
一之宿に関する池田さんの記述が、矛盾を抱えた文章だった。地形図を見ながら『全踏査』の一之宿に関する記述を追うと、意味が分からないのだ。
分らないなりにこの辺であろうと、山行前に仮定した一之宿比定地の位置が画像に示したものである。
赤線は現在の黒岩ルート登山道で、磁北線の間隔は400mとなる。
長くなるが、308頁から310頁の『全踏査』の文章を以下に引用する。
なおこの引用箇所は夏峯における部分にあたるので、記述の行路はこの日の僕の歩き方(五禅頂)とは逆順になる。
「滝尾ノ上とは、行者堂に下る手前の八五五峰を指していると推察される。(中略) 手がかりになるのは明治三十五年刊の"日光名所圖會"である。"滝の尾行堂より西北に方り三町許、阿弥陀ヶ峯の南、多寶山の麓にあり"とある。(中略) この記述は一之宿が行者堂を基点にして、西北の方角にあったことを示している。"圖會"の(記述を)忠実に辿って検証してみた。
行者堂のすぐ裏手には導水施設があり、八五五峰の滝尾ノ上から小曽根が分断されている。行者堂の方位は、北にある。西北の方角は、この小曽根の方角と一致している。約二百メートルの登りで八五五峰の滝尾ノ上に出る。(中略) "山頂許"というのは、行者堂から一之宿までの距離である。(中略) 約三百メートル余である。すでに、行者堂からこのピークまでに"二町"程西北に来たことになる。
一之宿の所在地は、ここから西北に"一町"程先に位置していることになる。」
一言でいえば、文章の内容と855pの位置とが整合しない。
頭が痛くなるばかりなので、あとは現場を眺めながら考えることにする。
一之宿に関する池田さんの記述が、矛盾を抱えた文章だった。地形図を見ながら『全踏査』の一之宿に関する記述を追うと、意味が分からないのだ。
分らないなりにこの辺であろうと、山行前に仮定した一之宿比定地の位置が画像に示したものである。
赤線は現在の黒岩ルート登山道で、磁北線の間隔は400mとなる。
長くなるが、308頁から310頁の『全踏査』の文章を以下に引用する。
なおこの引用箇所は夏峯における部分にあたるので、記述の行路はこの日の僕の歩き方(五禅頂)とは逆順になる。
「滝尾ノ上とは、行者堂に下る手前の八五五峰を指していると推察される。(中略) 手がかりになるのは明治三十五年刊の"日光名所圖會"である。"滝の尾行堂より西北に方り三町許、阿弥陀ヶ峯の南、多寶山の麓にあり"とある。(中略) この記述は一之宿が行者堂を基点にして、西北の方角にあったことを示している。"圖會"の(記述を)忠実に辿って検証してみた。
行者堂のすぐ裏手には導水施設があり、八五五峰の滝尾ノ上から小曽根が分断されている。行者堂の方位は、北にある。西北の方角は、この小曽根の方角と一致している。約二百メートルの登りで八五五峰の滝尾ノ上に出る。(中略) "山頂許"というのは、行者堂から一之宿までの距離である。(中略) 約三百メートル余である。すでに、行者堂からこのピークまでに"二町"程西北に来たことになる。
一之宿の所在地は、ここから西北に"一町"程先に位置していることになる。」
一言でいえば、文章の内容と855pの位置とが整合しない。
頭が痛くなるばかりなので、あとは現場を眺めながら考えることにする。
行者堂にて日の出を待って、山行をスタート。登山道は行者堂裏手の尾根を巻いて登っていくのだが、その尾根筋には滝尾発電所の設備がある。
池田さんの文章にある導水施設だ。
11/11 5:44
行者堂にて日の出を待って、山行をスタート。
登山道は行者堂裏手の尾根を巻いて登っていくのだが、その尾根筋には滝尾発電所の設備がある。
池田さんの文章にある導水施設だ。
登山道は行者堂裏手の尾根を巻いて登っていくのだが、その尾根筋には滝尾発電所の設備がある。
池田さんの文章にある導水施設だ。
僕は巻道の途中から登山道を離れて、その尾根筋を登り上げてみた。尾根をたどると尾根肩にある小さなピークを乗越して、この指導標で登山道に復帰する。
この小ピークを振り返ってみて、あることに気付いた。
このあたりは地形図上では尾根肩の平坦部として描かれており、この小ピークは等高線未満の小さな起伏であり、地形図上は描かれていない。
このピークを「八五五峰」と考えると、池田さんの記述の辻褄がほぼ合うのだ。
池田さんは855pを誤認されているのではないか？
11/11 5:57
僕は巻道の途中から登山道を離れて、その尾根筋を登り上げてみた。
尾根をたどると尾根肩にある小さなピークを乗越して、この指導標で登山道に復帰する。
この小ピークを振り返ってみて、あることに気付いた。
このあたりは地形図上では尾根肩の平坦部として描かれており、この小ピークは等高線未満の小さな起伏であり、地形図上は描かれていない。
このピークを「八五五峰」と考えると、池田さんの記述の辻褄がほぼ合うのだ。
池田さんは855pを誤認されているのではないか？
尾根をたどると尾根肩にある小さなピークを乗越して、この指導標で登山道に復帰する。
この小ピークを振り返ってみて、あることに気付いた。
このあたりは地形図上では尾根肩の平坦部として描かれており、この小ピークは等高線未満の小さな起伏であり、地形図上は描かれていない。
このピークを「八五五峰」と考えると、池田さんの記述の辻褄がほぼ合うのだ。
池田さんは855pを誤認されているのではないか？
踏跡のない斜面を、北西めがけて下ると、赤いビニールテープマークがあった。これは『全踏査』探索を通して見かけるマークで、我が意を強くする。
2
11/11 6:03
踏跡のない斜面を、北西めがけて下ると、赤いビニールテープマークがあった。
これは『全踏査』探索を通して見かけるマークで、我が意を強くする。
これは『全踏査』探索を通して見かけるマークで、我が意を強くする。
斜面を下ると、そこにあったのは広々とした平坦地だった。
棚状になった場所がいくつもある。
棚状になった場所がいくつもある。
その中にひときわ目を引く大きな岩があった。
岩の周囲も棚部となっている。
岩の周囲も棚部となっている。
岩のある棚部は、画像右手に張り出した尾根に抱かれるように守られていた。
この岩は＿＿
この岩は＿＿
池田さんの記述にあった岩で間違いなかった。308頁写真の撮影位置を特定できた。
池田さんが比定された一之宿は、ここで間違いない。
2
11/11 6:14
池田さんの記述にあった岩で間違いなかった。
308頁写真の撮影位置を特定できた。
池田さんが比定された一之宿は、ここで間違いない。
308頁写真の撮影位置を特定できた。
池田さんが比定された一之宿は、ここで間違いない。
広々とした平坦地には、一升瓶のカケラも残っている。
飯場でもあったのだろうか？
飯場でもあったのだろうか？
この岩、池田さんは310頁にて「巨岩」という表現を用いているが、実際には中振りの庭石、といった大きさだ。ストックの長さは115cm。
池田さんの記述にはこうした誇張が多い。
1
11/11 6:18
この岩、池田さんは310頁にて「巨岩」という表現を用いているが、実際には中振りの庭石、といった大きさだ。
ストックの長さは115cm。
池田さんの記述にはこうした誇張が多い。
ストックの長さは115cm。
池田さんの記述にはこうした誇張が多い。
また、この平坦地は滝尾神社のすぐ対岸にあった。天狗沢を挟んだすぐ向こうに、それが見える。「この一帯には、かつて僧坊が立ち並んでいた」と言われても信じられそうな風景の中を僕は彷徨っている。
2
11/11 6:08
また、この平坦地は滝尾神社のすぐ対岸にあった。天狗沢を挟んだすぐ向こうに、それが見える。
「この一帯には、かつて僧坊が立ち並んでいた」と言われても信じられそうな風景の中を僕は彷徨っている。
「この一帯には、かつて僧坊が立ち並んでいた」と言われても信じられそうな風景の中を僕は彷徨っている。
一之宿比定地・大岩の傍らから、北から南を一望したところ。池田さんの記述通り、この棚部は東に向けて開けている。
なお『全踏査』311頁にはこの棚部に木炭片が露出していると書かれているが、僕には見つけられなかった。見落としただけかもしれないが＿＿。
1
11/11 6:23
一之宿比定地・大岩の傍らから、北から南を一望したところ。
池田さんの記述通り、この棚部は東に向けて開けている。
なお『全踏査』311頁にはこの棚部に木炭片が露出していると書かれているが、僕には見つけられなかった。見落としただけかもしれないが＿＿。
池田さんの記述通り、この棚部は東に向けて開けている。
なお『全踏査』311頁にはこの棚部に木炭片が露出していると書かれているが、僕には見つけられなかった。見落としただけかもしれないが＿＿。
さて、名残惜しいがこの比定地を後にしよう。分かりにくい画像だが、左の斜面が下ってきた小ピーク(あそこが多寶山だったのだろうか)のもので、右の斜面が855pに向かう斜面となる。
小ピークに戻らず、大岩の北側に張り出していた尾根を伝って直接855pに向かう。
11/11 6:27
さて、名残惜しいがこの比定地を後にしよう。
分かりにくい画像だが、左の斜面が下ってきた小ピーク(あそこが多寶山だったのだろうか)のもので、右の斜面が855pに向かう斜面となる。
小ピークに戻らず、大岩の北側に張り出していた尾根を伝って直接855pに向かう。
分かりにくい画像だが、左の斜面が下ってきた小ピーク(あそこが多寶山だったのだろうか)のもので、右の斜面が855pに向かう斜面となる。
小ピークに戻らず、大岩の北側に張り出していた尾根を伝って直接855pに向かう。
尾根に乗ってみると、よく踏まれた踏跡が残っていた。一之宿が確かに今の場所だったとすると、夏峯においてはこの尾根を歩いて宿に下りたのだとしても不思議はない。
その際は「サテ滝尾ノ上ニテ着螺立也(p.308)」とされる滝尾ノ上の地点も法螺貝を吹いた場所も、先ほどの小ピークではなくなってしまうが。
1
11/11 6:33
尾根に乗ってみると、よく踏まれた踏跡が残っていた。
一之宿が確かに今の場所だったとすると、夏峯においてはこの尾根を歩いて宿に下りたのだとしても不思議はない。
その際は「サテ滝尾ノ上ニテ着螺立也(p.308)」とされる滝尾ノ上の地点も法螺貝を吹いた場所も、先ほどの小ピークではなくなってしまうが。
一之宿が確かに今の場所だったとすると、夏峯においてはこの尾根を歩いて宿に下りたのだとしても不思議はない。
その際は「サテ滝尾ノ上ニテ着螺立也(p.308)」とされる滝尾ノ上の地点も法螺貝を吹いた場所も、先ほどの小ピークではなくなってしまうが。
殺生禁断境石が見えてきた。
多気山修験による、五禅頂の碑伝あり。
多気山修験による、五禅頂の碑伝あり。
"殺生禁断境石"の6文字が明確に残るが、ほかに銘は見当たらない。手計りで幅90cm強・奥行70cm強・高さ280cmほど。
1
11/11 6:51
"殺生禁断境石"の6文字が明確に残るが、ほかに銘は見当たらない。
手計りで幅90cm強・奥行70cm強・高さ280cmほど。
手計りで幅90cm強・奥行70cm強・高さ280cmほど。
尾根の先を睥睨するように立つ境石を後にし、今日はもう一本の殺生禁断境石を探しに寄り道していく。
少し登山道を進んだが、踏跡は特に見当たらなかったので"烏ヶ森"さんの地図を頼りに斜面に入る。
防火帯のような場所に出た。
防火帯のような場所に出た。
先ほど見た石柱と全く同じ造り・材質・書体の"もうひとつの殺生禁断境石"。
大きさも誤差程度しか変わらない。
大きさも誤差程度しか変わらない。
「傍らに御料局境界標石"界四八六"が埋まる(p.338)」とあるのだが、標石を見つけるまでにけっこう時間がかかった。標石はほとんど土の中に隠れていたのだった。
この数年は誰も掘った者がないかのように埋もれている。
2
11/11 7:34
「傍らに御料局境界標石"界四八六"が埋まる(p.338)」とあるのだが、標石を見つけるまでにけっこう時間がかかった。
標石はほとんど土の中に隠れていたのだった。
この数年は誰も掘った者がないかのように埋もれている。
標石はほとんど土の中に隠れていたのだった。
この数年は誰も掘った者がないかのように埋もれている。
かなり深く埋もれていて、僕の老眼では銘がよく読めない。撮ってきた写真に期待していたが、自宅で見返しても「四八六」なのか「四八八」なのか判然としない。
それにしても＿＿ここにこの標石を埋めた明治人たちは、殺生禁断境石の底を見たのだろうか？
2
11/11 7:29
かなり深く埋もれていて、僕の老眼では銘がよく読めない。
撮ってきた写真に期待していたが、自宅で見返しても「四八六」なのか「四八八」なのか判然としない。
それにしても＿＿ここにこの標石を埋めた明治人たちは、殺生禁断境石の底を見たのだろうか？
撮ってきた写真に期待していたが、自宅で見返しても「四八六」なのか「四八八」なのか判然としない。
それにしても＿＿ここにこの標石を埋めた明治人たちは、殺生禁断境石の底を見たのだろうか？
石柱から50mと離れていないところで御料局境界標石を見つけた。
こちらは見出標が付けられている。
こちらは見出標が付けられている。
その文字は「界四八五」
するとやはり、先ほどの標石は「四八六」かな。
するとやはり、先ほどの標石は「四八六」かな。
コンパスを頼りに進んで、登山道に合流できた。
登山道を横切るようにして防火帯が続いている。
登山道を横切るようにして防火帯が続いている。
左面銘文はほとんど読み取れなくなっている。全踏査339頁より「奉造立 地久 宥□ 成現 道俊 拾二人」
奉造立と拾二人は読み取れる。
1
11/11 8:06
左面銘文はほとんど読み取れなくなっている。
全踏査339頁より「奉造立 地久 宥□ 成現 道俊 拾二人」
奉造立と拾二人は読み取れる。
全踏査339頁より「奉造立 地久 宥□ 成現 道俊 拾二人」
奉造立と拾二人は読み取れる。
右面に「せん □□右衛門 治兵衛 四良兵」「新蔵 小左衛門 久左衛門 □□右門」「八月日」のうち、何人かはそれと読み取れる。金剛堂にこれほど多くの町人の名が刻まれたものは、僕はこれまで見ていないのではないか。
1
11/11 8:04
右面に「せん □□右衛門 治兵衛 四良兵」「新蔵 小左衛門 久左衛門 □□右門」「八月日」のうち、何人かはそれと読み取れる。
金剛堂にこれほど多くの町人の名が刻まれたものは、僕はこれまで見ていないのではないか。
金剛堂にこれほど多くの町人の名が刻まれたものは、僕はこれまで見ていないのではないか。
種子の写真はうまく撮れていなかった。
ア字に見えるのだが、どうだろう？
ア字に見えるのだが、どうだろう？
地蔵菩薩。石材は同質だが、この首がオリジナルかどうかはちょっと微妙な感じもする。
左手に宝珠、右手はどんな印を結んでいたのか。
よく見ると、左手がものすごくデカい。
11/11 8:00
地蔵菩薩。
石材は同質だが、この首がオリジナルかどうかはちょっと微妙な感じもする。
左手に宝珠、右手はどんな印を結んでいたのか。
よく見ると、左手がものすごくデカい。
石材は同質だが、この首がオリジナルかどうかはちょっと微妙な感じもする。
左手に宝珠、右手はどんな印を結んでいたのか。
よく見ると、左手がものすごくデカい。
苔に埋もれた個所を除けば、こちらの銘は大方読める。「實蔵坊圓昌 観徳坊貫雄 永観坊□道 通勝坊亮裕 正住坊常因 乗音坊嚴界 道福坊弟子 大藤辨海 (p.341)」
刻まれている坊号は、いづれも江戸期八十坊のうちの一。
11/11 8:00
苔に埋もれた個所を除けば、こちらの銘は大方読める。
「實蔵坊圓昌 観徳坊貫雄 永観坊□道 通勝坊亮裕 正住坊常因 乗音坊嚴界 道福坊弟子 大藤辨海 (p.341)」
刻まれている坊号は、いづれも江戸期八十坊のうちの一。
「實蔵坊圓昌 観徳坊貫雄 永観坊□道 通勝坊亮裕 正住坊常因 乗音坊嚴界 道福坊弟子 大藤辨海 (p.341)」
刻まれている坊号は、いづれも江戸期八十坊のうちの一。
行者堂の警告板に書いてあった通り、稚児ヶ墓で一匹のスズメバチを見かけた。オオスバメバチっぽい。
頭部の仔細な写真が撮れなかったので、同定は叶わず。
1
11/11 8:00
行者堂の警告板に書いてあった通り、稚児ヶ墓で一匹のスズメバチを見かけた。
オオスバメバチっぽい。
頭部の仔細な写真が撮れなかったので、同定は叶わず。
オオスバメバチっぽい。
頭部の仔細な写真が撮れなかったので、同定は叶わず。
界四八〇。
今日は宮標石を追っている時間はないので、目に付いたものだけウェイポイントとして位置を記録するに留めた。
今日は宮標石を追っている時間はないので、目に付いたものだけウェイポイントとして位置を記録するに留めた。
標高1160mを越えてすぐ、登山道脇に切出された石を見つけた。「稚児ヶ墓を過ぎて程なく、道端に、ほぼ正方形の平たい面を有する石がある。岩質は安山岩、楔型があり、明らかに切り出し石である。(p.341)」
石切場によくある、クサビ跡の残った大岩を想像していたのだが、埋もれたのかクサビ跡はもう見えない。
整形された石だった。
1
11/11 8:18
標高1160mを越えてすぐ、登山道脇に切出された石を見つけた。
「稚児ヶ墓を過ぎて程なく、道端に、ほぼ正方形の平たい面を有する石がある。岩質は安山岩、楔型があり、明らかに切り出し石である。(p.341)」
石切場によくある、クサビ跡の残った大岩を想像していたのだが、埋もれたのかクサビ跡はもう見えない。
整形された石だった。
「稚児ヶ墓を過ぎて程なく、道端に、ほぼ正方形の平たい面を有する石がある。岩質は安山岩、楔型があり、明らかに切り出し石である。(p.341)」
石切場によくある、クサビ跡の残った大岩を想像していたのだが、埋もれたのかクサビ跡はもう見えない。
整形された石だった。
この石は大きな石の上に乗せられるような形で置いてあり、全体の形状も鑑みると、もしかしたら祠などの造立物が載っていた礎石だった可能性はある。
11/11 8:18
この石は大きな石の上に乗せられるような形で置いてあり、全体の形状も鑑みると、もしかしたら祠などの造立物が載っていた礎石だった可能性はある。
そのあとも気にかけて歩いたのだが、342頁にある4つの切出石が見当たらない。見つからないままに寂光石のある笹原までたどり着いてしまった。
1
11/11 8:24
そのあとも気にかけて歩いたのだが、342頁にある4つの切出石が見当たらない。
見つからないままに寂光石のある笹原までたどり着いてしまった。
見つからないままに寂光石のある笹原までたどり着いてしまった。
構わず登山道から、地形図にマークしてきた地点に向かってまっすぐ歩く。
『全踏査』には惣禅頂一行がこの岩を拝している写真が載っている。ところが当然あるだろうと思っていた、碑伝が無かった。ここは池田さん個人の比定地だったのか、それとも「寂光石」たる口伝が残っている場所なのか、僕には判別はできない。
1
11/11 8:36
『全踏査』には惣禅頂一行がこの岩を拝している写真が載っている。ところが当然あるだろうと思っていた、碑伝が無かった。
ここは池田さん個人の比定地だったのか、それとも「寂光石」たる口伝が残っている場所なのか、僕には判別はできない。
ここは池田さん個人の比定地だったのか、それとも「寂光石」たる口伝が残っている場所なのか、僕には判別はできない。
寂光石の周囲にも踏跡は感じない。旧道はどこだろう、そして旧道のこの先はどうなっていたのだろう？
ここからこの尾根に乗っていたのかなあ、という感じで空を見上げる。
11/11 8:38
寂光石の周囲にも踏跡は感じない。
旧道はどこだろう、そして旧道のこの先はどうなっていたのだろう？
ここからこの尾根に乗っていたのかなあ、という感じで空を見上げる。
旧道はどこだろう、そして旧道のこの先はどうなっていたのだろう？
ここからこの尾根に乗っていたのかなあ、という感じで空を見上げる。
「寂光石を目指すには、右側のカラマツ植林帯の中に残る窪みを辿ればよい。旧道は、窪みとなって、ほぼ直線状に斜めに上がっている。(p.342)」とあるのだが、ここまで登山道を歩いてくる過程ではそのような踏跡の分岐は見つけられなかった。ここから登山道方向を見下ろすと、カラマツの樹間に道があるように見えたので、そこに向かって歩いみることにした。
11/11 8:38
「寂光石を目指すには、右側のカラマツ植林帯の中に残る窪みを辿ればよい。旧道は、窪みとなって、ほぼ直線状に斜めに上がっている。(p.342)」とあるのだが、ここまで登山道を歩いてくる過程ではそのような踏跡の分岐は見つけられなかった。
ここから登山道方向を見下ろすと、カラマツの樹間に道があるように見えたので、そこに向かって歩いみることにした。
ここから登山道方向を見下ろすと、カラマツの樹間に道があるように見えたので、そこに向かって歩いみることにした。
下ってみて、カラマツ林の中から寂光石方向を見上げる。
ここまで踏跡はなかったのだが＿＿
ここまで踏跡はなかったのだが＿＿
寂光石から150m程度下ると、踏跡が出てきた。
ただし、とても薄いし、ほぼ窪んでいない。
辿ることはできたので、それを下って＿＿
ただし、とても薄いし、ほぼ窪んでいない。
辿ることはできたので、それを下って＿＿
登山道と合流した。画像右の笹原から出てきたが、旧道の入り口としてはほとんど判別できないと思う。
周囲を見渡すと、画像左の低木の陰に切出石を見つけた。
11/11 8:50
登山道と合流した。
画像右の笹原から出てきたが、旧道の入り口としてはほとんど判別できないと思う。
周囲を見渡すと、画像左の低木の陰に切出石を見つけた。
画像右の笹原から出てきたが、旧道の入り口としてはほとんど判別できないと思う。
周囲を見渡すと、画像左の低木の陰に切出石を見つけた。
まず1つ、登山道のすぐ脇に見つけた。
想像していたものと、雰囲気が違うなあ。
そしてこの向こうに＿＿
想像していたものと、雰囲気が違うなあ。
そしてこの向こうに＿＿
307頁掲載の写真は、1つ目の石を這いつくばって撮ったのだと思う。
残りの2つはすぐには見つからなかった。旧道分岐のやや下側の茂みのなかに、2つ並んだ切出石を発見。
307頁掲載写真と、同一の地点から撮影出来た。
1
11/11 9:01
残りの2つはすぐには見つからなかった。
旧道分岐のやや下側の茂みのなかに、2つ並んだ切出石を発見。
307頁掲載写真と、同一の地点から撮影出来た。
旧道分岐のやや下側の茂みのなかに、2つ並んだ切出石を発見。
307頁掲載写真と、同一の地点から撮影出来た。
次は3等三角点「黒岩」を目指そう。
画像真ん中あたりが、水場分岐。
画像真ん中あたりが、水場分岐。
水場に立ち寄る。
「水場があるのは、左右二筋の内の左の沢の源頭部である。(p.343)」
ここは天狗沢の源頭部のひとつとなる。
「水場があるのは、左右二筋の内の左の沢の源頭部である。(p.343)」
ここは天狗沢の源頭部のひとつとなる。
湧水地点。画像上部は水が流れておらず、この地点で湧水している。
ごく緩やかだが流れはあるので、フィルターを使えばいい水場になると思う。
11/11 9:17
湧水地点。
画像上部は水が流れておらず、この地点で湧水している。
ごく緩やかだが流れはあるので、フィルターを使えばいい水場になると思う。
画像上部は水が流れておらず、この地点で湧水している。
ごく緩やかだが流れはあるので、フィルターを使えばいい水場になると思う。
登山道に復帰し、斜面を登る。水場分岐付近の稜線からの開けた眺めを同定してみた。
これまで歩いてきた数々のピークや稜線を望めることが、とてもうれしい。
11/11 9:26
登山道に復帰し、斜面を登る。
水場分岐付近の稜線からの開けた眺めを同定してみた。
これまで歩いてきた数々のピークや稜線を望めることが、とてもうれしい。
水場分岐付近の稜線からの開けた眺めを同定してみた。
これまで歩いてきた数々のピークや稜線を望めることが、とてもうれしい。
近づくと、丘の南側は岩壁になっていた。
地形図からは分らない様相で、驚く。
地形図からは分らない様相で、驚く。
3等「黒岩」1397.97m 白49 正常。
標石は古い字体のものだった。
標石は古い字体のものだった。
「黒岩」の古い点の記を閲覧すると、そこには以下の記述がある「所在 上都賀郡日光町大字日光字八風石室 俗稱黒岩」
「所有者 栃木縣廰」
選点は明治41年。
2
11/11 9:39
「黒岩」の古い点の記を閲覧すると、そこには以下の記述がある
「所在 上都賀郡日光町大字日光字八風石室 俗稱黒岩」
「所有者 栃木縣廰」
選点は明治41年。
「所在 上都賀郡日光町大字日光字八風石室 俗稱黒岩」
「所有者 栃木縣廰」
選点は明治41年。
石祠があってもちっともおかしくない風景なのに、見当たらない。
ちょっと残念。
ちょっと残念。
途中で小さな広場を見つけた。
寂光滝ルートにもこういう場所があったなあ。
どういう理由でこうなっちゃうんだろう？
寂光滝ルートにもこういう場所があったなあ。
どういう理由でこうなっちゃうんだろう？
水呑碑。多気山修験の碑伝あり。
正面には「水呑」とだけ大書きされている。
この場所については、池田さんがブログで詳しく説明されている。
https://ameblo.jp/mt-masao/entry-11600493499.html?frm=theme
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11/11 9:55
水呑碑。
多気山修験の碑伝あり。
正面には「水呑」とだけ大書きされている。
この場所については、池田さんがブログで詳しく説明されている。
https://ameblo.jp/mt-masao/entry-11600493499.html?frm=theme
多気山修験の碑伝あり。
正面には「水呑」とだけ大書きされている。
この場所については、池田さんがブログで詳しく説明されている。
https://ameblo.jp/mt-masao/entry-11600493499.html?frm=theme
右面には「龍門寺慧忍」とあるそうなのだが、これはもう、ほとんど読めなくなっている。龍門寺慧忍の名は、このあと落葉松金剛でも登場するだけに残念。
11/11 9:56
右面には「龍門寺慧忍」とあるそうなのだが、これはもう、ほとんど読めなくなっている。
龍門寺慧忍の名は、このあと落葉松金剛でも登場するだけに残念。
龍門寺慧忍の名は、このあと落葉松金剛でも登場するだけに残念。
水呑碑から50m強、西へ歩くと、谷の手前に石祠を見つけた。宇賀神だ。
『私記』にも『秘密記』にもその名は記載されておらず、この呼び名がどこに伝わっていたものなのか、僕は知らない。
11/11 10:02
水呑碑から50m強、西へ歩くと、谷の手前に石祠を見つけた。
宇賀神だ。
『私記』にも『秘密記』にもその名は記載されておらず、この呼び名がどこに伝わっていたものなのか、僕は知らない。
宇賀神だ。
『私記』にも『秘密記』にもその名は記載されておらず、この呼び名がどこに伝わっていたものなのか、僕は知らない。
石室正面の「山中 光永坊 □□卯六月日」も風化が進んでいて、よく読めない。
宇賀神から見下ろせる谷に下りると、湧水があった。
ここは根通沢の源頭の一にあたる。
ここは根通沢の源頭の一にあたる。
水の汲みにくい流れが続くが、やや下るといいポイントがある。
旨い水だった。
旨い水だった。
水呑碑に戻り、今日最初の休憩。午前10時半だが昼食を摂った。
こうして歩いてみると、この碑が道標として建立されたものであることがよく分かった。
2
11/11 10:26
水呑碑に戻り、今日最初の休憩。
午前10時半だが昼食を摂った。
こうして歩いてみると、この碑が道標として建立されたものであることがよく分かった。
午前10時半だが昼食を摂った。
こうして歩いてみると、この碑が道標として建立されたものであることがよく分かった。
"白樺金剛"に到着。
『私記』『秘密記』で"若多(護法)"とされている拝所が、ここらしい。
『私記』『秘密記』で"若多(護法)"とされている拝所が、ここらしい。
「道筋右側のササの中にぽつんと一つ露岩がある。(中略)この小岩の上に(中略)金剛堂の屋根部位のみが乗っていた。(p.344)」現状は画像のように、二つは別々におかれている。
屋根の下に指をやると、その先にあたる固いものがあった。
土中から探し当てた台座(p.304)は今また、屋根の下に埋もれて再び土中に消えようとしている。
多気山修験の碑伝あり。
11/11 10:54
「道筋右側のササの中にぽつんと一つ露岩がある。(中略)この小岩の上に(中略)金剛堂の屋根部位のみが乗っていた。(p.344)」
現状は画像のように、二つは別々におかれている。
屋根の下に指をやると、その先にあたる固いものがあった。
土中から探し当てた台座(p.304)は今また、屋根の下に埋もれて再び土中に消えようとしている。
多気山修験の碑伝あり。
現状は画像のように、二つは別々におかれている。
屋根の下に指をやると、その先にあたる固いものがあった。
土中から探し当てた台座(p.304)は今また、屋根の下に埋もれて再び土中に消えようとしている。
多気山修験の碑伝あり。
標高1600m。
眼前に、突き出した尾根先が見える。
そこは岩稜となっている。
眼前に、突き出した尾根先が見える。
そこは岩稜となっている。
「実際に"荷負"が待ち受け、一行の"中食"を用意した場所は、(八風)標識の立つ上部の露岩帯ではなく、それより下がった尾根の先端であったという。(p.346)」とあるのは、この突き出た岩稜の上か？＿＿
11/11 11:14
「実際に"荷負"が待ち受け、一行の"中食"を用意した場所は、(八風)標識の立つ上部の露岩帯ではなく、それより下がった尾根の先端であったという。(p.346)」
とあるのは、この突き出た岩稜の上か？＿＿
とあるのは、この突き出た岩稜の上か？＿＿
岩稜の上に乗る。
登山道を示す指導標を無視して尾根先に出ると＿＿
登山道を示す指導標を無視して尾根先に出ると＿＿
「"一宇の亭"が立つだけの余地(p.346)」のある平場があった。『全踏査』346頁掲載の、中川住職が法楽をあげている写真はここで撮られたものだと思う。
本来、八風と呼ばれた場所はここだったのかもしれない。
かつてあったとされる一宇の亭では、大宿から担ぎ上げた神酒と粥とを山神に捧げた、と『秘密記』にある。
1
11/11 11:20
「"一宇の亭"が立つだけの余地(p.346)」のある平場があった。
『全踏査』346頁掲載の、中川住職が法楽をあげている写真はここで撮られたものだと思う。
本来、八風と呼ばれた場所はここだったのかもしれない。
かつてあったとされる一宇の亭では、大宿から担ぎ上げた神酒と粥とを山神に捧げた、と『秘密記』にある。
『全踏査』346頁掲載の、中川住職が法楽をあげている写真はここで撮られたものだと思う。
本来、八風と呼ばれた場所はここだったのかもしれない。
かつてあったとされる一宇の亭では、大宿から担ぎ上げた神酒と粥とを山神に捧げた、と『秘密記』にある。
さらにその先、尾根の先端にもう一枚の平場があった。
礎石らしいものは見つけられなかった。
礎石らしいものは見つけられなかった。
岩稜先端から八風まで、他にも棚状になった尾根を確認して歩いていたのだが＿＿
こんなものも見つけてしまった。
よけいな仕事増やしやがって＿＿
よけいな仕事増やしやがって＿＿
清涼飲料水らしき無銘のビン。
調べたけれど、仔細の分らないノーブランド品だった。
また埋め戻してあげた。
調べたけれど、仔細の分らないノーブランド品だった。
また埋め戻してあげた。
三ノ宿と大木戸・丸山
火戸尻と六郎地
白鬚・大滝と横根山
そして石裂
火戸尻と六郎地
白鬚・大滝と横根山
そして石裂
夕日・薬師と桐生の山々。
(横根山と根本山と書いてしまった。誤記)
(横根山と根本山と書いてしまった。誤記)
そこそこのペースで歩いてきたと思うのだけれど、もう正午となっていた。やっぱり探索登山は時間がかかるなあ…。
休憩している間に、頂上付近に雲がかかってきた＿＿。
11/11 11:50
そこそこのペースで歩いてきたと思うのだけれど、もう正午となっていた。
やっぱり探索登山は時間がかかるなあ…。
休憩している間に、頂上付近に雲がかかってきた＿＿。
やっぱり探索登山は時間がかかるなあ…。
休憩している間に、頂上付近に雲がかかってきた＿＿。
稲荷川の日向砂防ダム。
左岸のピークが1346p。
この尾根の向こうがヒネリギ沢だ。
左岸のピークが1346p。
この尾根の向こうがヒネリギ沢だ。
一方、短い時間の間に山頂部の雲の厚みが増してくる。右に見える丸いピークが赤薙山。
左の、尾根を塞ぐようにそびえるピークが1983p。
1
11/11 11:52
一方、短い時間の間に山頂部の雲の厚みが増してくる。
右に見える丸いピークが赤薙山。
左の、尾根を塞ぐようにそびえるピークが1983p。
右に見える丸いピークが赤薙山。
左の、尾根を塞ぐようにそびえるピークが1983p。
実は僕は、今まで一度も七滝を目にできていない。
今日もダメか！
黒岩を巻く登山道を離れ、尾根筋を進んだ。
今日もダメか！
黒岩を巻く登山道を離れ、尾根筋を進んだ。
"落葉松金剛"に到着。白樺金剛にしろ落葉松金剛にしろ、そのような名の付いた拝所は無い。これらは日光山岳会が立てた標識らしいが、詳しい経緯はまだ分らない。
2
11/11 12:11
"落葉松金剛"に到着。
白樺金剛にしろ落葉松金剛にしろ、そのような名の付いた拝所は無い。これらは日光山岳会が立てた標識らしいが、詳しい経緯はまだ分らない。
白樺金剛にしろ落葉松金剛にしろ、そのような名の付いた拝所は無い。これらは日光山岳会が立てた標識らしいが、詳しい経緯はまだ分らない。
『私記』には若多護法と箱石金剛との間の拝所は書かれていない。『秘密記』では八風の次は七滝金剛とされている。落葉松金剛堂は詳細不明の石祠だが、かつては黒岩金剛堂の名で呼ばれていたという。
1
11/11 12:24
『私記』には若多護法と箱石金剛との間の拝所は書かれていない。『秘密記』では八風の次は七滝金剛とされている。
落葉松金剛堂は詳細不明の石祠だが、かつては黒岩金剛堂の名で呼ばれていたという。
落葉松金剛堂は詳細不明の石祠だが、かつては黒岩金剛堂の名で呼ばれていたという。
石室右面に「明和丁亥四歳 慧忍」と読める。
この名が水呑碑の奉造者と同一なわけである。
明和4年は1767年にあたる。
この名が水呑碑の奉造者と同一なわけである。
明和4年は1767年にあたる。
これは扉ホゾのない金剛堂だった。石室内に書かれた種子は、おそらくウーン。
手元の辞典によれば、阿閦如来・愛染明王・降三世明王・青面金剛・金剛波羅蜜菩薩がそれに当たるという。
本によっては、軍荼利明王もこれだ書いてある。
【 2018.12.18訂正→】これ、降三世(もしくは阿閦)のウンだと思われます、失礼しました。
3
11/11 12:26
これは扉ホゾのない金剛堂だった。
石室内に書かれた種子は、おそらくウーン。
手元の辞典によれば、阿閦如来・愛染明王・降三世明王・青面金剛・金剛波羅蜜菩薩がそれに当たるという。
本によっては、軍荼利明王もこれだ書いてある。
【 2018.12.18訂正→】これ、降三世(もしくは阿閦)のウンだと思われます、失礼しました。
石室内に書かれた種子は、おそらくウーン。
手元の辞典によれば、阿閦如来・愛染明王・降三世明王・青面金剛・金剛波羅蜜菩薩がそれに当たるという。
本によっては、軍荼利明王もこれだ書いてある。
【 2018.12.18訂正→】これ、降三世(もしくは阿閦)のウンだと思われます、失礼しました。
「黒岩南斜面中腹の落葉松金剛堂のある棚部には金剛堂の屋根のみを残して、母屋、台座のない金剛堂の部位が残っている。(p.348)」画像中央左の岩がそれに当たる。
2
11/11 12:27
「黒岩南斜面中腹の落葉松金剛堂のある棚部には金剛堂の屋根のみを残して、母屋、台座のない金剛堂の部位が残っている。(p.348)」
画像中央左の岩がそれに当たる。
画像中央左の岩がそれに当たる。
黒岩からの眺め。
画像中央当たりのせり上がった尾根先は1733p。
画像中央当たりのせり上がった尾根先は1733p。
以下、奥村隆志『日光四十八滝を歩く』を参考に同定してみる。
画像右の水流が鉱泉滝か。
画像右の水流が鉱泉滝か。
1733pのすぐ西に落ちている滝。
このへんから西の滝はすべて七滝に含まれるなるのかな？
このへんから西の滝はすべて七滝に含まれるなるのかな？
このあたりから左に見える滝は間違いなく七滝。
だんだんクローズアップしてみる。
だんだんクローズアップしてみる。
その左にある2筋の滝。
大きな釜を持った、右の流れは枯れている。
左の滝は音を続けて落ち続けていた。
大きな釜を持った、右の流れは枯れている。
左の滝は音を続けて落ち続けていた。
女峰雨量観測所。【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
1
11/11 12:42
女峰雨量観測所。
【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
その向こうに見える小さな滝の名前は載っていない。
1603pと1491pを結ぶ尾根の斜面を落ちる。
1603pと1491pを結ぶ尾根の斜面を落ちる。
雲の厚みが均質に濃くなってきた。
前女峰はもう、絶望的なガスがかり。
前女峰はもう、絶望的なガスがかり。
遥拝石にて。
多気山修験の碑伝と、栃木しらかば山友会一〇周年記念銘板・昭和45年10月建立。
多気山修験の碑伝と、栃木しらかば山友会一〇周年記念銘板・昭和45年10月建立。
「苦しけりされど登りたし」看板あたりで、登山道は稜線を避けて左へ巻きだす。
僕はせっかくなので稜線を歩くことにした。
僕はせっかくなので稜線を歩くことにした。
歩きやすい尾根なので驚いた。
2020m級・2030m級でそれぞれピークを成す。
2020m級・2030m級でそれぞれピークを成す。
2020m級のピークは、岩稜帯となり少し藪めく。
踏跡は続いているので歩きにくくはない。
踏跡は続いているので歩きにくくはない。
2020級ピーク付近にて拾得、回収した。ナルゲンボトル以外は自宅で廃棄したが、ナルゲンボトルに心当たりのある方はご連絡を。
今年いっぱいは保持しておきます。
1
11/11 13:29
2020級ピーク付近にて拾得、回収した。
ナルゲンボトル以外は自宅で廃棄したが、ナルゲンボトルに心当たりのある方はご連絡を。
今年いっぱいは保持しておきます。
ナルゲンボトル以外は自宅で廃棄したが、ナルゲンボトルに心当たりのある方はご連絡を。
今年いっぱいは保持しておきます。
2020p手前の大岩。このあたりは赤みのある大岩が群居しており、「赤倉」を連想させられた。
抖�悗僚臠屬鮃佑┐譴仞Г箸靴砲�いのだけれど。
この岩場は直登推奨。
右も左も、たぶん切れ落ちてると思う。
2
11/11 13:33
2020p手前の大岩。
このあたりは赤みのある大岩が群居しており、「赤倉」を連想させられた。
抖�悗僚臠屬鮃佑┐譴仞Г箸靴砲�いのだけれど。
この岩場は直登推奨。
右も左も、たぶん切れ落ちてると思う。
このあたりは赤みのある大岩が群居しており、「赤倉」を連想させられた。
抖�悗僚臠屬鮃佑┐譴仞Г箸靴砲�いのだけれど。
この岩場は直登推奨。
右も左も、たぶん切れ落ちてると思う。
＿＿そして息も絶え絶えで箱石金剛に到着。
ここでコーヒー休憩を入れる。
もうみなさん下山している時間帯…。
ここでコーヒー休憩を入れる。
もうみなさん下山している時間帯…。
箱石金剛の金剛堂。
銘は一切なし。石室に扉を入れたホゾ穴は切ってある。
銘は一切なし。石室に扉を入れたホゾ穴は切ってある。
石室内の種子。
調べたが読めなかった。
似ているのはマウや焰摩天のエン。
調べたが読めなかった。
似ているのはマウや焰摩天のエン。
箱石金剛から一息登ると、竜巻山標識と御料局境界標石がある。
番号は＿＿
番号は＿＿
界四二九。ここに山頂標識がある謂れが、よく分からない。
東向きに伸びる支尾根の起点ではあるが、どう見ても山頂に見えない。
この場所を遠望しても、山頂として認知されていた地点だとは思えない。
11/11 14:33
界四二九。
ここに山頂標識がある謂れが、よく分からない。
東向きに伸びる支尾根の起点ではあるが、どう見ても山頂に見えない。
この場所を遠望しても、山頂として認知されていた地点だとは思えない。
ここに山頂標識がある謂れが、よく分からない。
東向きに伸びる支尾根の起点ではあるが、どう見ても山頂に見えない。
この場所を遠望しても、山頂として認知されていた地点だとは思えない。
ピーク手前でやや藪るが、藪としては楽な方。
ここを抜けると＿＿
ここを抜けると＿＿
残念ながら山銘板は無かった。
標高点とはややズレていたように思うが、この結ばれた布があるのみ。
眺望もないので先へ進んだら＿＿
標高点とはややズレていたように思うが、この結ばれた布があるのみ。
眺望もないので先へ進んだら＿＿
唐沢小屋と、その東側にある薙。
思うんだけれど、かつてこの薙はいい水場だったんじゃないだろうか？
思うんだけれど、かつてこの薙はいい水場だったんじゃないだろうか？
前女峰を望む。
自分が今立っている場所の地形が不安になってくるような造形。
自分が今立っている場所の地形が不安になってくるような造形。
竜口金剛堂を探しに向かう。「火口壁稜線の鞍部付近に金剛堂の屋根および台座の部位のみを残した石祠がある。(p.350)」とあったので、竜巻山(2224p)と前女峰の間にある2カ所の鞍部を探してみようと考えていた。
1
11/11 14:53
竜口金剛堂を探しに向かう。
「火口壁稜線の鞍部付近に金剛堂の屋根および台座の部位のみを残した石祠がある。(p.350)」とあったので、竜巻山(2224p)と前女峰の間にある2カ所の鞍部を探してみようと考えていた。
「火口壁稜線の鞍部付近に金剛堂の屋根および台座の部位のみを残した石祠がある。(p.350)」とあったので、竜巻山(2224p)と前女峰の間にある2カ所の鞍部を探してみようと考えていた。
もう前女峰の取付に入ってしまう。
焦る目に飛び込んできたのはピンクテープ(画像中央左寄り)だった。
焦る目に飛び込んできたのはピンクテープ(画像中央左寄り)だった。
そこは分岐のマークだった。
登山道に向かって明瞭な踏跡がある。
少しだけ前女峰に足を踏み入れて行こう。
登山道に向かって明瞭な踏跡がある。
少しだけ前女峰に足を踏み入れて行こう。
竜巻山からここまでの間、ずっとブロッケン現象が追従してくれていた。それにしても、これは「太陽営業終了のお知らせ」である。
もう下山しなくちゃヤバい。
5
11/11 15:15
竜巻山からここまでの間、ずっとブロッケン現象が追従してくれていた。
それにしても、これは「太陽営業終了のお知らせ」である。
もう下山しなくちゃヤバい。
それにしても、これは「太陽営業終了のお知らせ」である。
もう下山しなくちゃヤバい。
前女峰に足を踏み入れるも、もう引き返すべき時間帯。
すぐそこに竜口金剛堂がある気がして、後ろ髪魅かれた。
すぐそこに竜口金剛堂がある気がして、後ろ髪魅かれた。
竜巻山方向へ踵を返し、下山す。
先ほどのピンクテープ分岐から登山道に下りて＿＿
先ほどのピンクテープ分岐から登山道に下りて＿＿
唐沢小屋に到着した。
唐沢宿として機能していた当時、ここには間口五間・奥行き二間半の建物があったという。
唐沢宿として機能していた当時、ここには間口五間・奥行き二間半の建物があったという。
297頁に「元禄七戊 八月吉日 山口圓□」とあるが、読み切れない個所も多い。
元禄7年は1694年。
元禄7年は1694年。
同じく「奉建造不動明王□諸願成就□」も読み切れない。
"明王"のあとは"一躰"に見える。
"明王"のあとは"一躰"に見える。
この金剛堂、扉ホゾの形状が変わっていた。
回転させて開閉するのでなく、落とし込む方式の扉だったのかもしれない。
回転させて開閉するのでなく、落とし込む方式の扉だったのかもしれない。
日没が近い。一目散に山を下りる。
馬立に向かうこの尾根にも"山"印のある境界標石に交じって、御料局境界標石があった。
山林境界標石として併用されているのかもしれない。
目についた宮標石だけウェイポイントを採った。
1
11/11 15:52
日没が近い。
一目散に山を下りる。
馬立に向かうこの尾根にも"山"印のある境界標石に交じって、御料局境界標石があった。
山林境界標石として併用されているのかもしれない。
目についた宮標石だけウェイポイントを採った。
一目散に山を下りる。
馬立に向かうこの尾根にも"山"印のある境界標石に交じって、御料局境界標石があった。
山林境界標石として併用されているのかもしれない。
目についた宮標石だけウェイポイントを採った。
暗闇の裏見滝・寂光滝分岐を通過。モッコ平は暗闇でも踏跡がしっかりしているので(道も分っているし)歩きやすかった。
ここから下は踏跡が不明瞭になりがちで、しばしばコンパスを使って歩く。
1
11/11 17:20
暗闇の裏見滝・寂光滝分岐を通過。
モッコ平は暗闇でも踏跡がしっかりしているので(道も分っているし)歩きやすかった。
ここから下は踏跡が不明瞭になりがちで、しばしばコンパスを使って歩く。
モッコ平は暗闇でも踏跡がしっかりしているので(道も分っているし)歩きやすかった。
ここから下は踏跡が不明瞭になりがちで、しばしばコンパスを使って歩く。
作業道を横断したのは五回だったかなあ。
その度に踏跡が分からなくなる。
画像は四本目の作業道、の意。
その度に踏跡が分からなくなる。
画像は四本目の作業道、の意。
若子神社付近の地形をすっかり忘れていて、ゴール付近は青くなりながら読図した。
無事、若子神社を通過。
無事、若子神社を通過。
撮影機器：
感想
久しぶりの女峰山を、三峯五禅頂目線で歩いてきました。
探すべき対象をここまで完全に見つけられたのは、
シリーズ山行を通してもあまり記憶がありません。
事前の計画段階では、一之宿については諦め半分の心境もあったので
会心の探索山行となりました。
唐沢小屋から下山しているにもかかわらず、
沿面距離も累積標高も
なかなかタイトなものになっています。
前女峰が目標だったので、山行中は残念がる気持ちが強かったのですが、
こうして数字を見れば仕方がなかったなあと思います。
黒岩尾根を歩くのは3度目になります。
やっと七滝を見ることができて、嬉しかったです。
ずっと憧れていたブロッケン現象も経験できたわけですが、
日没を知らせるお日様からの最終通告でもあったわけで
心中穏やか、というわけにはいきませんでした。
頭の中で「蛍の光」が流れてましたもん。
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berokumanya さん
一之宿って、何ですか〜？(*^^*)
山小屋があったんですか？
遅い時間まで、お疲れ様でした！
まさかのブロッケン現象。
昔の人も、ブロッケン見てびっくりしたのかなあ〜？(о´∀`о)
ソヤノさん、こんばんは。
宿(しゅく)っていうのはこの場合、修験者たちが抖擻の途中で寝泊まりした場所のことです。通常は常設の小屋があり、もし(現在でいうところの)ビバークに近いシチュエーションで峰中に泊まった場合、そこは「柴宿」と呼ばれたようですね。
僕はそんな理解でいます。
一之宿（もしくは壱之宿）は夏峯の際には8泊ものあいだ逗留した、大事な宿でした。
はっきりした場所は不明のままで、今回僕が見つけたのは、池田正夫さんが比定した場所を確認したものです。
大峯奥駈道で、修験者たちが立ち止まって祈りを捧げる場所（拝所）を靡といいますが、その中にいくつも宿の名を冠した場所があります。
ブロッケン、すごいねえ！
びっくりしたよ。
今は「御来光」なんて言って、山頂からの朝日を拝みに行く行為になってるけれど、もともとは「御来迎(来向)」と呼ばれた行いが変化したという説があります。これはブロッケン現象を体験しに行く行為でした。
中世の宗教観が強く反映されているんだと思うけど、宗教的霊感として、太陽との一体感を体験しに行ったんだと思います。中世は一体感に対する希求力が、とても強い印象があります。今とは真逆で、太陽を背負う行為だったんだよね。
当時の人でも、いくらなんでも自分の影だと分かるだろうし、日輪を光背のように背負う自分の影姿は、本当に尊かったんじゃないだろうか。
お疲れ様です
これだけ詳細に調査しながらの山歩きはたいへんだったろうと思われます
たくさんの宮標石から、この稜線が御料地の境界だったことがわかりますね
山標石も同様に扱われており、国有林（＝御料地）の境界に設置されています
僕にはとても歩けないところなので、このデータをパソコンで繋いで御料地の推定を机上でしております
貴重なデータに感謝いたします
熊鷹さん、こんばんは。
最近調べ始めたことなので、以下は付け焼刃な知識なのですが…。
既知のことでしたら申し訳ないです。
御料林が国有林に吸収される形で統合された、いわゆる林政統一が為されたのは、戦後のGHQによる対日方針に伴うものだったようで、昭和22年3月の出来事だったようです。
その半年前に新規採用さえしている帝室林野局は、煙のように消えてしまいました。
明治22年ごろから始まった、官有原野を組み替えることで誕生した御料林は60年足らずでその姿を失ったことになります。
栃木県はその組み換えを渋ったらしく、明治23年に(一年頑張った)御料地編入が決まっています。
栃木県県西環境森林事務所で手に入る管内図などで、現在の国有林境は見ることができるのですが、実際に山で見かける宮標石がこの国有林境と一致しないのは、上記のような歴史的背景があるようです。御料局と山林局とが別々に管轄していた山林が、同じく国有林として統一されたためですね。
環境森林事務所管内図を見ると、僕がこの日に唐沢小屋から荒沢出合で見かけた宮標石と山標石は、二荒山神社の社有林との境に立っているもののようです。対して、黒岩尾根側の宮標石は、現状の国有林境とは関係無い場所に並んでいます。入合地境だったのかなあ？
なかなかに面白いテーマなので、僕も味わいながら調べてみたいです。
なにか分ったことがあったら、お話しできると嬉しいと思っています。
楽しみなコメント、ありがとうございました。
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