飯豊山(大くら尾根〜主稜〜梶川尾根)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 27.4km
- 登り
- 2,539m
- 下り
- 2,538m
コースタイム
- 山行
- 9:54
- 休憩
- 0:23
- 合計
- 10:17
過去天気図(気象庁) | 2003年11月の天気図 |
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アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
未だ暗いうちに飯豊山荘に到着した。ゲート手前に車を停める。車内で朝食を食べながら明るくなるのを待つ。案内所に登山計画書を置いて6時ちょうどに出発する。温身平までは玉川沿いの林道を歩く。周辺のブナはすでに落葉し冬支度を済ましている。大きな砂防ダム付近から山道となりる。玉川の左岸をへつるように進み、吊り橋をわたって大クラ尾根に取り付く。気温はさほど高くはないに関わらず、いきなりの急登と久々の重荷なので汗がしたたりおちる。また、両足の踵に靴ズレが出来そうである。しばらく山から遠ざかっていると、ちょっと登っただけですぐに体が悲鳴を上げる。この尾根唯一の水場(長坂清水)を視察するため、30mくらい稜線から下るも、水は殆ど流れていない状態である。敢えて飲もうとするならばストローが必要だ。周囲にはムカデがたむろしており、気分悪くなったので早々に引き返す。急坂の途中にカモシカを見る。カモシカは急な道でも平気のようだ。僕が必死で登るのを見てあざ笑うかのように、ゆっくりと道を横切って森の中に消えていった。ようやく辿り着いた休場の峰は360度の大展望台だ。眼前にくさいぐら尾根〜烏帽子岳の絶景がある。また、北側の大高地山には日が当たっており、山腹のブナやダケカンバが光り輝いて見える。しかし、これから向かう宝珠山や飯豊山は厚い雲に被われていた。ここからの登路はやや緩くなるが、アップダウンが多い岩場の道が続く。これほど長距離の登りは何年ぶりだろうか。宝珠山に着く頃にはバテバテだ。幸いも雲は晴れ、宝珠山の岩稜帯を越えた辺りからようやく飯豊本峰がその姿を現した。「どうだ、手強いだろう」と言わんばかりに、その頂はまだまだ先である。疲労に加えて、高度を上げるにつれて風も強くなり、条件は厳しくなるばかりだ。少し進んでは呼吸を整え、また進んで・・・を繰り返しながら、ヘロヘロになって山頂に至る。風は非常に強いものの、幸いに快晴であり展望は非常によい。福島県側の川入方面、新潟県側の大日岳、これから向かう北俣岳方面がすべて見渡すことが出来た。ここから向かい風の主稜線上を歩くことになるが、急な登り坂はもう無いので、安心して景色を楽しみながら御西小屋へと向かう。御西小屋は二階建ての小さな小屋である。1Fの扉が閉ざされており、梯子をよじ登って2Fの窓?から入る。部屋の中は暗い。誰もいない。しかし割と清掃の行き届いた板間になっているので、登山靴を脱いでお邪魔する。2Fの一角に陣取って一息つく。近くの水場は雪渓が消滅しているので枯れていた。小屋の外のトイレは汚い。まあ、山小屋なんてこんなもんさ。窓から夕日を垣間見ながらワインにて乾杯。ラジオを聴きながら就寝。
11月8日
風は止むことなく一晩中吹き続けた。昨日の晴天が嘘のように思える濃いガスに包まれていた。小屋の前のトイレで用足しし烏帽子岳方面へ進む。主稜線上は風が強く、風下側に切れ落ちている箇所も少なくなくて、バランスを崩せば危険な場所がいくらか存在するが、、登山道は風の影響の少ない風下側斜面に付けられているので、全般に安心して歩くことが出来た。視界が殆ど得られないまま、烏帽子岳を経て梅花皮小屋に到着する。この辺りの小屋では最も大きく、最も新しい小屋である。扉を開けてびっくり、天井が高く、明るい部屋、ワックス塗りの奇麗な板間、小屋の中にある水洗トイレなど、とても山小屋には思えなかった。ここに泊まれれば良かったな。北俣岳を経て門内小屋へ到着。門内小屋は規模、見た目の雰囲気は御西小屋とほぼ同じである。部屋の片隅にノートが置いてあったので、飯豊登頂の証として感想を記入する。小屋を出た途端に突風にあおられてよろめきながら分岐に至る。不思議なことに分岐は無風であった。その後梶川尾根を忠実に下る。標高を下げるに従い、ガスはやがて雨になる。ずぶ濡れになりながらブナ林の中の急坂を慎重に下る。
飯豊山荘はすでに閉鎖されていたので、車で10分程度の国民宿舎梅花皮荘山にて温泉に入り、冷え切った体を温めた。
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