八ヶ岳ツルネ / 東稜ルートを目指すも手前敗退
- GPS
- 07:00
- 距離
- 12.4km
- 登り
- 502m
- 下り
- 494m
コースタイム
08:50 天女山方面との分岐点(標高1590m)
09:25 林道分岐点(標高1650m)
09:35 川俣川岸に到着
11:10 出合小屋到着(標高1850m)
11:20 赤岳沢との分岐
12:20 撤退決定地点。帰還開始(標高1930m) 以上往路所要4時間00分(標高差455m)
12:45 出合小屋
14:10 林道到着
15:20 美し森駐車場帰還 以上帰路所要3時間00分
合計所要時間7時間00分
天候 | 天気/ 雪時々曇り 気温/ -3℃(出発時)〜-7℃(帰着時) 風 / 無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
以後は道なりに清里に向かう。途中の道はかつて有料道路だったが現在は無料化している。 清里トンネルを出たらすぐに側道に分岐。「美し森」方面に左折。 突き当たりをまた「美し森」方面に右折。 約1kmで「八ヶ岳高原ライン」との交差点「美し森交差点」を通過。その先約300mで左側に広い無料駐車場。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
[美し森駐車場] 観光案内所や売店すべて閉鎖中。トイレも「凍結のため閉鎖中」ですのでご注意を。 [美し森駐車場〜林道] 積雪約10〜20cm。全行程で圧雪状態。アイゼンなくても歩ける。 [川俣川〜出合小屋] 積雪約20〜30cm。トレースはほぼある状態。 一部トレース不明瞭な場所ではルートを外れて歩いてしまったことも。 赤テープを確認しながら進みたい。 [出合小屋〜ツルネ東稜ルート手前] 積雪約50〜80cm。まったくトレース無く、赤テープがあるものの道は不明瞭。 [登山ポスト] 出会小屋の入口脇にありましたが、ここまで行きつかない可能性も・・・。 |
その他周辺情報 | [コンビニ] 高原大橋手前の「高原大橋入口」交差点角にセブンイレブン。 [日帰り入浴] 清里 丘の公園内「天女の湯」 http://www.okanokouen.com/aqua/onsen.html 北杜市営「たかねの湯」 http://www.okanokouen.com/takane/ [写真] 下の写真はすべて地図上に撮影ポイントが落としてあります。写真番号と合わせてご覧下さい。 |
写真
感想
あまり雪と戯れることにならなかった前回の「西岳」でちょっと欲求不満が残ったのですが、さりとて私に八ヶ岳周辺で「赤岳」「阿弥陀岳」「権現岳」などというそうそうたる山に登れるはずもなく、かといって同じ山には登りたくなし、と思い迷っていたところでSirius様のレコが目にとまりました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-163377.html
「ツルネ」って何(?)、と思い調べてみれば赤岳と権現岳の間にある小ピークらしい。その標高は約2550m。編笠山と同等です。
これだ!これなら行けるかも。もちろん権現など周回せずピストンで充分です。
そう、例によって甘い考えで嬉々として起点となる美し森駐車場に向かったのでした。
天候はあまり気にしません。家から見ていれば八ヶ岳はいつでもガスってましたから。
案の定、美し森駐車場ではこんこんと雪が降ってます。八ヶ岳なんて全然見えません。
駐車場の上にある林道に取り付いてその先の「ツルネ東稜ルート」という登山道を目指します。
林道の入口にはゲートがありますが、時々車両が通るらしく雪がわだちの形になっています。
凍り付いた雪面が滑りやすいので最初から軽アイゼンを装着。
林道は見た目にはほとんど傾斜がないくらい緩傾斜。平地を黙々と歩くという感じです。
いくつかのターンを越えてやがて林道は川俣川の岸に出ます。ここまでで距離約3kmですが、標高はたったの175mしか上っていません。
しばらくは川の岸を歩いているようですが、何しろ一面の雪でどこまでが岸でどこから河原なのか判然としません。
最初のうちは砂防ダムの脇を超えて行くのに、上っていくとダムが真正面に出現し、歩いている所はいつの間にか河原の中のようでした。
ダムは次々と出現。その壁面に赤ペンキ矢印で巻く方向が書いてあるので助かります。ダム壁が高い箇所ではハシゴも架かっていました。
ダムをかれこれ10箇所ほども越えて上るとついにダムがなくなり、川幅も狭くいかにも谷川らしい風情になって来ます。この辺は「地獄谷」というらしい。
しかし、この先が大変でした。
もはや踏み跡はまれで、かろうじて見えるわずかな凹みが登山道らしい、という程度です。
樹木に巻かれた赤いテープは次々と現れるので道に迷う心配はないのですが、次の赤テープまでどうたどって良いのかわからない始末。
また、川の流れによって登山道は何回も徒渉を余儀なくされます。
しかし川というのが一面の雪で、水が流れているのか氷が張っているのか、どこに足を乗せればいいのか皆目わからない。
沢の流れに落ちないように慎重に足場を選んで一歩ずつ進まざるを得ません。
一回の徒渉に5分くらいもかかりました。
また先に進むにつれ積雪深くなり、場所によっては膝上まで。ラッセル開始です。
何回か深みを踏み抜いた足が抜けなくなって焦りました。
sirius様のレコによれば「出合小屋まではゆっくり歩いても2時間で着ける。」とのことでしたが、雪が深すぎて結局3時間近くかかってしまいました。
出合小屋の扉はヒモで結わえてあり凍えた手ではほどくのも面倒だったので入らずじまい。でもくたくただったので小屋の前で休憩と軽食だけを取ります。
ただ全行程の距離からみると小屋までで全体の8割方来た感じです。
標高差では全行程約1000mの半分以下。まだたったの400mしか上っていません。
う〜ん・・・・。
小休憩で鋭気を養い歩き出したものの、小屋の先はさらに困難でした。
積雪量は一気に増え、踏み跡などどこにも見あたりません。
登山道とおぼしき窪みさえないのです。
もはや赤テープだけを目印に道に見当をつけて進んでいきます。
すぐに右に赤岳沢と分岐し、本谷に進みます。
そこからさらに進むと「ツルネ東稜」という道標が現れました。
地図で確認すると出合小屋からここまで約500mほど。
しかし一時間を費やしています。「分速8m」に愕然!!。
ツルネ東稜ルートに取り付けば樹林帯だとのこと。
そこまでたどり着けばこんなに雪深くはないだろう、と推測し、なんとか取り付きまで進もうと考えます。
しかし、もはや私には無理な状況でした。
雪はますます深くなり時に股下まで埋まります。目の前の樹木に赤テープが巻いてあるのにそこまで行く気力も体力も失せきったようでした。
時間がなくなり撤退したことはありましたが、気力をなくして撤退するのは初めてです。トホホ・・・。
結局この日登った標高差はわずかに450mほど。信じられない惨敗でした。
しかし結果、この時の撤退は好判断でした。
いつもなら上りの半分ほどの時間で下れるものですが、大した傾斜もなく相変わらずラッセル、徒渉の繰り返しですから、帰路も往路と大して変わらないエネルギーと時間を消費。
最後の林道など楽勝のはずなのに一歩一歩がつらいほどの疲労で、この時は心底「あそこで引き返して良かった」と思ったことでした。
[教訓]
標識の古さからして「ツルネ東稜ルート」は相当古いルート。今はあまり顧みられていないルートなのかも知れません。
自分も知らなかっただけに「面白そう!」と飛びつきました。
思惑通りに存分に「雪遊び」は堪能できましたが、結局「東稜ルート」には取り付く所にさえ行き着きませんでした。
改めて地図を眺めてみればこのルートは林道と河原歩きの部分が相当長く、大して標高が稼げないまま単調な道を延々6km以上歩かなければならないのでした。
出合小屋付近から見えた赤岳の、のしかかるような姿からも後半の東稜ルートがいかに急登であるか思い知らされました。
sirius様のレコにあるように出合小屋で一泊して登るのが適当と思われるコースです。特に冬場であれば。
また夏場なら林道終点まで自転車で乗り付けて歩き出す手もあるかも知れません。
ともあれ、今回は苦労しましたが、得難い経験であったということで良しとしましょう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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pasocomさん、こんばんは。
>雪の下の状況がわからないので右を巻くことにしました。
>地形から登山道を推測して
などなど、緊張しながら拝読しました。
私なら04)で迷って撤退確実(笑)。
あちこちに判断のヒントがあって参考になりました。
sirius様のレコは私も大好きです。
ただ、うちのチームの場合sirius様のだいたい2倍の時間がかかる
ことが最近わかりました・・・。
mmg様、いつもコメントありがとうございます。
今回はsirius様のレコ(ルート図と写真)を印刷し、クリップボードに貼り付けて胸にぶら下げて歩きました(笑)。
所々でその資料と現場を重ねて確認しながら行ったので随分と心強く進むことができたものです。
(地図をリュックに入れずに手に持って歩くのは鉱物採集で山中を迷い歩いた経験からの私の鉄則です。)
ただ誤算だったのはsirius様のレコよりも雪が深かったらしいこと(^^)。
それにしてもsirius様の健脚ぶりには恐れ入りますが。
このレコをアップした後、このページにある「関連する記録」にkaito様の真夏の記録が出たので拝見しましたが、まるで別世界。同じ場所とは思えない光景でびっくりしました。
さらにkaito様のレコには
「ツルネ東稜は難しいところはありません。問題は取り付きまでです。ほとんど沢登りと云う感じです。
出会小屋で二人の男性にお会いしましたが、小屋までの道で懲りてしまい、天狗尾根に向かうのを取りやめ戻ってしまいました。」
「ツルネ東稜は一般ルートではありません、標識も無いに等しく・・・」
とありました。
これ読んでたらいかなかっただろな・・・、て遅いですね。
pasocomさん、おはようございます。
ご丁寧にメッセ−ジいただきありがとうございます。
私の記録お役にたちましたでしょうか。
あんな記録でも役に立つのであれば幸いです。
ちょうどあの日は南岸低気圧がくる直前でした。
下山後に本格的な降雪になりました。
あの日が日帰りのギリギリのラインだったのかもしれません。
やはり厳冬期は難しいかもしれないですね。
ツルネ東稜はバリエ−ションをやった人が帰路に下降路として利用するらしいですよ。
確かにあの急登は登るより下ったほうがいいです。
頷けます。
まあ、ル−ト自体は目印が豊富なので迷うことはないと
思います。
次は赤岳天狗尾根!なんて考えてましたがどうやら難しそうですね。
積雪状況が気になっていたので参考になりました。
ありがとうございます。
それではまた。
sirius様、初めまして。
今回の山行きは本文に書いたようにsirius様のレコを拝見したのがきっかけのものでした。
sirius様のコース図、写真を印刷して胸元にぶらさげて(実に変な格好ですが)、現地で照合しながら行きましたので実に心強かったです。
これってこのヤマレコの本来の使い方とも言えることでしょうね。
私は初心者ですのであまり「ピークハント」にこだわる必要も無く、おかげさまで結構楽しく深雪を堪能できました。
たしかにあの東稜コースは登るのには急そう。下りに使うのは理に叶っていそうですね。
次回はあたたかい季節に周回する機会を持って歩いてみたいと考えています。
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