御池岳〜微力ながら お役に立ちたくて〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 812m
- 下り
- 816m
コースタイム
〜13:00鞍掛峠方面へ下山〜14:40鞍掛峠分岐〜15:20大君ヶ畑登山口〜国道歩き
〜16:30鞍掛橋 下山完了
天候 | 曇り/雪 強風、 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
御池谷の沢沿いは崩落個所も多く大変危険な状態になっています。 登山ポスト登山口にあり |
写真
感想
《御池岳方面》
〜実際は鈴北岳とテーブルランドの端までです。
2月25日(土)
・天気予報によると2/25は雨、2/26曇/晴れ とあり2/25は情報収集にと三重県いなべ市へ廻る。
・国道ゲートへ向かう 岐阜ナンバーのワンボックスカーが1台あり
・藤原岳 坂本簡易駐車場
・大貝戸 登山口休息所へ〜捜索情報のお願いポスターが掲示版にある。
やぶこぎネットの「グ-さん」という方と出合い少しお話をする。警察に今迄捜索が済んだ箇所のマップがあるかもとのこと、先週の捜索ボランティアに参加しようと思ったが今回の件で“単独行者”への風当たりが強くなっているので躊躇しているとのことでした。
お互いハンドルネームを名乗って別れる。
・三重県警 いなべ署へ行く 土曜日の窓口は閑散としており 担当の警官に応対いただく「藤原〜御池岳」のほぼ全域を去る1/19に滋賀県警、山岳会とうのボランティア 総勢100人の体制でローラーをかけたが発見にいたらなかった。
経過時間、捜索状況等より総合的に判断し一旦捜索打ち切ったとのことでした。
全域捜索済みであり捜索マップはないとのこと、不明者の特徴を書いたメモを頂き明日滋賀県側から入山することを伝え自分の免許書の写しと携帯番号を大まかな登山計画を告げる。「登山届の提出と単独行はできるだけやめてください」と強く言われたが生返事をして警察を後にする。
2月26日(日)
鞍掛橋から御池谷へ ここからしばらくは植林帯の登山口まで沢沿いを歩く
前回来た時は1月22日は天候も良く積雪も少なめでした。
今日は何か雰囲気が違うと思っていたら、崩土で登山道がふさがれていて その後も至る所で崩落、雪崩、土砂崩れ 7〜8個所は危険個所があり登山道も2回ほど渡渉し谷奥へ進みます。
この沢歩きは踏み抜きも多く苦戦を強いられる、前回登頂に成功した時とはすっかり様子が変わった御池谷で崩落の恐怖を感じながら登山口への取付きを探してもわかりません。雪崩か崩落で消えてしまったのか?
結局わからないので なるべく傾斜が緩いところを選び とにかく上を目指します。
しかし緩い雪の急斜面はなかなかの高度が上がりません、少し進んでは進路を検討し左右に巻いたり あれこれ工夫しながら 出来る限り安全をキープし登っていきます。
何とか尾根に這い上がり 記憶にある登山道へ合流 最初の植林帯を抜け一息つきます。
ここからは周囲を見回し遭難者の方の黄緑色のジャンパーを探しながら歩く。滋賀県側に来られる可能性は低いけど0%でない限りはと探し続ける。もう一回植林帯の急峻を登りきってようやく県境尾根に出ました。かなりのロスをしています。
この時点で11:00を廻っており、吹雪も強くなる。ガスも出ており条件も悪化、鈴北岳のピークへ立ち周囲を目視するが全く手掛かりがありません。
今日は「遊び」の山行ではないからと 一眼レフもバーナーもラーメンも無し
冷え切ったゼリー飲料を適当に流し込み真の谷方面へ進んでみる。山頂付近の雪は固く踏み抜きもなし、しかし風が強くガスもだいぶ出てきて寒さも半端ではありません。12:30を過ぎ引返すことにする。
周囲を見回しながら元来た道を引返すが 御池谷の崩落した沢を下りるのは避けたいので鞍掛峠へ下りようと思うがルートがよくわからず鈴北岳ピークを過ぎたところで どうしようかと思案していると50歳代ぐらいの4人組のグループが来られる。
4人組は 三重県の山岳会の方々で捜索のボランティアできているとのこと、今日も山岳会等のボランティアが60人体制で捜索をしておられるそうです。 自分も昨日三重県警に届出して微力ながら捜索をと思い入山したが結局何もできないまま下山をするところですと説明する。
三重県側のゲートは捜索隊用に開けられて国道を車で上がりコグルミ谷から入山しここまで来たが今のところ発見の情報もなく手掛りもないといわれる。
その方々もトンネルの方へ下りると聞きついて行くことにする。無線を使って情報交換しながら4人で広がったり狭まったりしながら捜索しておられるのを見て「やっぱり組織的に行動するべきだなぁ」と 単独行動で何の計画や装備もなく取りあえず来ました的な自分が恥ずかしく思えてきました。
鞍掛峠の地蔵のところで二手に分かれ 二人の方と私は滋賀県側へ進みましたが途中捜索の方が大君ヶ畑登山口へのルートが分からなくなり 3人で思案し お二人は元の道を戻り三重県側へ行かれるとのこと、私は滋賀県側へ向かうと告げて別れます。
杉の植林帯は積雪も多く何となくの勘で進みます。ふと見ると杉の伐採跡の切り株の上に石が積んであり ケルンであることに気が付きました。 あとはケルンに導かれ 無事にトンネル脇の登山口に到着しました。ケルンを置かれた先行者に感謝するとともに 誰ともわからない後続者のために赤テープやケルンなど手間をかけて跡を残して行ったり、会ったこともない遭難者を捜索するために休日なのにボランティアとして危険な冬山に入られたりする「山登り」の精神を改めていいものだなと感動していると 鞍掛トンネルの向こうから「お〜ぃ」と声が聞こえてきました。「あとの二人は三重県側へ戻られました〜」と叫びますが よくわからないらしく 捜索隊の方が一人トンネルを通ってこちらへ来られました。あとのお二人は三重県側へ戻られたことを説明し自分が無事に下山したことを伝えてくださいと言って お別れの挨拶をする。 ボランティアの方から「ご苦労さま」と言われて少し救われた気がしました。そしてトンネルからゲートまでの長い長い国道を歩き家路に着きました。
〜〜僕の大好きな「御池岳」で悲しい出来事が起こっていてヤマレコユーザーが巻き込まれていると思うと どうしてもじっとしていられなくて微力ながら御役に立ちたくて入山しました〜〜
〜〜今日の御池岳は 簡単には近づくことを許してくれませんでした。
テーブルランドの端だけでしたが 寒さも厳しくガスも多く発生していました。
しかし、初めて見た霧氷、エビの尻尾はとても美しく 厳しいながらも魅力を忘れることはありません。〜〜
多くの人が懸命に捜索をしていますが 未だに発見されていないようです。
一日も早く発見されることを願います。
〈注意〉 御池谷の様子は大きく変わっていました。これからまだまだ崩落個所も増えて行くと予想されます。また気温が上がり雪が緩むとさらに危険度が増します。滋賀県側からのアプローチは他のルートをお勧めします。
コメント
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事が事なだけに、内容が内容でなだけに写真に拍手するのは不謹慎だと思いましたが、美しかったので拍手してしまいました。
大君ヶ畑までのルートを下山するのは去年俺も非常に怖いと思いました。
やはり下山では危険なルートですよ。
御池岳は広すぎます。
その上、御池岳だけでなく藤原岳からの縦走路の範囲を入れてしまうと見つけ出すのは至難の技です。
それに滑落の可能性を考えると、発見に至るまでにはまだ時間がかかってしまうかも知れません。
捜索するにも危険が生じてしまいますからね。
だけど一刻も早く家族の元に帰してあげたいです。
yuconさん、ほんとうに捜索お疲れ様でした。
アップが遅くなってごめんなさい・・・。
山行の途中に何度か実況メールを試みましたが電波状況が悪くて1件ぐらいしか届いてないと思います。
何しに行ったのか分からないような山行でしたが ボランティアの方々にお会いできて よかったと思います。(下山ルートもわかりましたし)
まだ発見されません どうなっているのでしょうか、テントの設営場所も特定できていないそうです。そこがわかれば ある程度の範囲を絞れるのだとか、
はやく発見されて また元の静かで美しい「御池岳」に戻ってほしいものです。
PS 前日「藤原岳」の登山口へ初めて行きましたがなかなかよい雰囲気で 雪解け後にご一緒する山行の候補に入れようと思います。では春を楽しみに待ちましょう!
一人で危ないことしてないか心配しましたよ。
何事もなくほっとしました。
鞍掛峠尾根もNさんが何度か通っている道だけに可能性はありますね。すでに何度も捜索はされているみたいですが、見落としは必ずあると思います。滋賀県側の斜面は植林帯が多く見通しが悪いので歩き慣れないと迷いやすいですね。
しかし、この日も捜索隊の組織の方達、個人的に捜索されてる方達、普通に登山されてる方達、合わせれば100人以上はこの山域に入っていると思うのですが、私はこの日306号では数人の方と合いましたが山中で誰一人会うことはなかったです。声は聞こえてくるのですが。
登山道を歩いてなかったのもあるのですが。一度登山道を外れると、100人もいる人に出会えない。一人の特定の人に出会う可能性は限りなく低いことに呆然としてしまいます。
しかし、何処にいるのでしょう。意外とまだテーブルランドのどこかにいるのでしょうか。なんとか雪のあるうちに連れ帰ってあげたいですね。
yuconさん、決して無理なさらないで下さいね。
山にいる時に限らず、常に危機意識を持って危険予測を怠らないように。その意識の差は大きいですから。
ありがとうございます。
二重事故だけは 避けようと 慎重に入山しました。
出来る限りの準備や安全策は取ったつもりですが 100%はあり得ませんよね
100名以上が入山しているとは思えないほど鈴北周辺も静かでした。
驚いたのは 1月に比べて激しく荒れていた
御池谷の登山道です。崩落がかなりあって崩壊途中のところもありました。これから雪解けが進むと更に危険度が増すように思います。
2月初旬の大雪によるものですが改めて山の状況は常に変化し人間の都合に合わせて変化することはないと感じました。
「危機意識」大事だと思います。常に危険を予測して判断をして行く・・・。
山登りはいくつもの判断を重ねていくことだと思います。
一日も早い発見をお祈りします。
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