秋田駒ヶ岳
ちゃってぃ
2ton
- GPS
- --:--
- 距離
- 10.0km
- 登り
- 898m
- 下り
- 898m
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標高グラフを拡大| 天候 | 曇り |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2010年05月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
写真
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感想
2010年5月16日、この日は残雪の秋田駒に行ってきました。
午前六時三十分。国見温泉登山口に着きました。
県道が開通して初めての日曜日なので、もっと大勢の人がいるかと思ったら車はわずかに3台が停まっているのみで、あたりに人影はありません。
ちょっと拍子抜けしました。
登山者には会いませんでしたが、温泉に泊まっていた人に見送られて出発！
（山に登るの？ 物好きだねぇ…感バリバリでした）
最初の急坂には、雪はほとんど残っていませんでした。
…が、100mも行くと一面の雪原となりました。
トレースがたくさん着いているので、まずは一安心。念のための用心と、練習を兼ねてコンパスの当て方を一から復習したりしながら進みます。
夏の登山道のイメージからは想像できない広々とした風景です。
どこでも歩けるためか、先に行くほどトレースが分散して薄くなっていきます。
不安感が増します（←ビビリすぎ）
樹林帯を抜けると、横長根が目前に見えてきました。
ここも夏とはまったく印象が違いますね〜。
帰り、ここの斜面は楽しそう
1時間弱ほどの時間をかけて、無事に横長根分岐点にたどり着きました。
コンパスの方角もばっちり合っていましたし、なにより標柱が顔を出していたことで
大きな安心感を得ました。
一安心したので、周りの景色が目にはいるようになってきました。
ふと気配を感じて振り返ると鳥海山がくっきりと見えていました！
貝吹岳に登ったときに続いて、またしても鳥海の遠望が叶いました！
いや〜、テンションあがるわ〜鳥海はやっぱり美しい姿をしてますね！
未だ雪を冠した和賀の山々もくっきりと…。
標高1500mクラスの山塊とは思えぬほど、存在感がありますね〜。
雪が多いからなのでしょうか？
2500mクラスの山々と言われても、写真で見たら信じてしまいそうです。
地熱で雪が溶けた女岳は、早くも黒々とした地肌を覗かせていました。
あそこだけ季節が早送りで進んでいるようです。
小休止をしたら、いよいよ横長根の雪渓を進んでいきます！
横長根分岐付近では、夏期は灌木に覆われているため行く先は見通せないのですが今は灌木はすっかり雪の中に埋もれているので、これから辿る道筋全てを見通せます。
夏は背の低い樹木のトンネルを、腰をかがめながら歩くのですが残雪期は樹木・地形お構いなしに直線的に進めます。
ハッキリ言って夏より楽です(笑
ただし、ところどころ夏道に戻らないと先に進めない部分があり上手く行き来できる場所を探さないと激藪こぎを強いられます。
トレースに騙されてはいけません(笑
藪が薄そうな所を自分で見当をつけて突破する野生の感が求められます(笑
小岳分岐に到着しました。ここはすっかり雪が溶けてしまって、本来の夏道が顔を出しています。さて、いつもならここは左に行ってムーミン谷方面へ向かうのですが今回は大焼砂をまっすぐに登ることにします。
今の時期、ムーミン谷から男岳方面へ直登するにはアイゼン・ピッケルの世界なので我々には無理。女岳の雪の大斜面はまたの機会にとっておいて、今回は秋田駒の最高峰を目指します。そう言えば、大焼砂を登りに使うのは、今回が初めてでした。
大焼砂に入ると、先ほどまでの穏やかな無風状態が一変します。
横殴りの暴風すさまじく、まっすぐ立っていられない程です。
少し前まで暑いと思っていたくらいなのですが、一気に極寒の世界に…。
長く留まっていたら低体温症になりかねません。
ピッチを上げて登っていきます。
ムーミン谷を一望できる地点までやってきました。
もちろん今の季節、ムーミン谷は雪に閉ざされています。
でも、綺麗ですね〜。非日常の景色が眼前に展開しています。
暴風の大焼砂を、なんとか突破！
ハイマツ帯に入りますが、こんな背の低いハイマツでも有ると無いとでは大違い！
体に当たる風がかなり軽減されました。
このハイマツの影に座り込んで休憩をとります。
わずか数メートル先では風がうなりを上げていますが、ハイマツに囲まれた窪地は静かで暖かなエスケープゾーン。
風から身を守ってくれる物の存在が、こんなに素晴らしいものとは…。
町に暮らしているだけでは、なかなか分かりませんね、この感覚は。
小休止後、最後の一登り。
横岳の肩にあがると、岩手山や乳頭山方面への縦走路が見えてきます。
岩手山の雪解けも、だいぶ進んできたように見受けられます。
登山口から二時間強で横岳にたどり着きました！
横岳から尾根沿いに進み、阿弥陀池へ降りられる斜面を探します。
正面には田沢湖と、トトロ岩がお出迎え。
結局、夏道の分岐点とほとんど変わらない場所から下降することができました。
雪庇とか、極端な雪の壁とかが無かったので苦労しなくて済みました。
横長根は黄砂で汚れた古い雪だったのですが、このあたりの雪は真っ白。
どうやら、数日前に降雪があったようです。
綺麗だな〜と感動したんですが、実はこれがくせ者でした。
このうっすらと降った新雪のために、その下にある雪の状態がわからないのです。
おかげで、アイスバーンになっている部分に知らずに突入してしまい、すっ転びそうになりました。
ちょっとしたトラブルはありましたが、無事に阿弥陀池に到着。
秋田側から人が入っているかな？と思っていましたが、この日阿弥陀池に一番乗りしたのは、どうやら我々ヘロヘロ隊だったようです。誰もいない、静寂の阿弥陀池です。
とりあえず、避難小屋はスルーして男女岳を目指します。
夏道の木道と階段は、途中までは顔を出していますが、どうやら最後に残雪帯が横たわっているようです。
そして、ついに男女岳の山頂に到着！
残雪期、ヘロヘロ隊単独1500m越え達成の瞬間です！
登山口から3時間半弱、まずまずのタイムと言っていいのではないでしょうか。
山頂からの眺めも格別でした。
どっちを向いても素晴らしい眺望が広がっており、夢中でシャッターを切り続けました。…でも、そういう時ってあまり良い写真が撮れないものです。
帰って画像を確認したら、なんじゃこれ？的な写真ばかりでした。
もう少し精進せねば…。
一生懸命登ってきた山頂で、素晴らしい眺望に出会うたびに
「ああ〜、このままここに居たいなぁ、下りたくないなぁ」
と思うのですが、そういうわけにもいきません。
体も冷えてきたので、頃合いを見て下山の途に着きました。
頂上直下の急斜面。
後から登ってきて、先に下りていった二人組の登山者が居たのですが小さなソリを持ってきていて、それで滑り降りていきました。
…楽しそうだなぁ…。来年は、アレを用意して来よう(笑
こちらはソリもスキーもないので、二本の足で下りていくしかありません。
とりあえず、登ってきた時に危険がない事を確認したので
うっひょおおおおおお！！！
思いっきり駆け下ってみました
これ、今の季節しかできませんよね〜。
夏山でこれやったら絶対に転んで大けがです(笑
阿弥陀池小屋の前でランチにします。
無事に登頂成功したので気分も晴れやか。
山頂を極め、ランチを済ませたらあとは下山するしかありません。
名残惜しいですが、西から黒い雲が広がってきて天気が怪しくなってきたので、あまりグズグズしていられません。下山はひじょ〜に楽でした。
まず大焼砂をてってけて〜と軽快に下り、横長根の雪渓地帯もタッタカタ〜と駆け抜けます。
下降点の横長根分岐も見落とすことなく見つける事ができました。
って、標柱も赤テープもばっちり見えているので楽勝です♪
おまけに、後からたくさんの登山者が登ってきていたのでトレースも着きまくっていて、まったく迷う要素がありませんでした。
国見までの下降は、登山道を少し右側に逸れたあたりを一直線に駆け下ります。
登山道を忠実になぞるよりも木が少なくて歩きやすいです。
ただ、なんだか沢筋っぽい感じだったので、雪解けが進むと踏み抜きの危険がありそうな…。
あと、登山道に復帰するポイントを見失うと、別な場所に下山してしまいそうなので
そこら辺も注意が必要かも知れません。
そして午後二時、無事に国見温泉に下山することができました。
ヘロヘロ隊初の残雪期単独登山、大成功のうちに終了です♪
やった！ ちょっと自信がつきました！
いや〜、秋田駒はいい山だ〜。
もともと好きな山ですが、また好きになってしまいました。
花の季節になったら、また登ろうっと♪
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