富士山遠望の最北の山ー日山へ


- GPS
- --:--
- 距離
- 4.6km
- 登り
- 406m
- 下り
- 379m
天候 | 晴れ |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
当時、富士山を遠望する最も遠い山とされていた、日山への記録。 |
感想
5月3日、日山に登ってきました。連休も2日までは快晴の天気だっ
たのですが、私は2日夕まで仕事が入ったため、夜9時過ぎに東京発。
日中の数十キロの大渋滞がうそのようなスカスカの東北道を走って、郷
里の福島市に3日午前1時すぎに帰り、朝、家族4人と母の5人で日山
の登山口をめざしました。
福島市から国道114号を走り、川俣町で349号へ乗り換えて、岩
代町で国道(県道?)459号に入りました。町立の旭中学校を左手に
見送るとすぐに、右手の橋のたもとに「日山キャンプ場入り口」の道標
が立っています。右折して口太川を渡り、舗装された道を上がりまし
た。途中、百目木からの道を合わせて、さらに上がると、標高650
メートル付近にキャンプ場の施設があらわれ、「日山 富士山が見える
日本でもっとも北にある山」という趣旨の道標が立てられています。
ここからは牧場の中の舗装された車道をすすんで、トイレのある駐車
場を右手に見送り、畜産農家(農業団地?)の大きな施設が建てられて
いるところで、登山口の標識にいきあたりました。標高715メートル
あたり。路側に車8〜9台が入る駐車場があり、すでに満杯です。ここ
まで、福島市内から75分。身づくろいをして、午前10時53分に登
り始めました。母は足を痛めているので、周辺で散策です。
「頂上まで1・4キロ」という案内が登山口にありました。ずいぶ
ん、近い。牧場の中の切り分け道をぐんぐんと高度を上げていきます。
ギボウシ、ナルコユリが芽吹いて葉を広げだしています。牧場を抜けき
るあたり(標高810メートル)では、木の芽がまだほころびだしたと
ころで、樹林の中でも見とおしがききます。頂上から南へ伸びてぐるり
と西へ湾曲する大きな尾根が登山道の右手に眺められ、その西尾根の北
面に大きな木が密生しています。登山道からの距離は700〜800
メートルくらい。遠目に見ると、どうもその枝ぶりが、ブナの、しかも
古くて大きな木のよう。それが尾根の北側の斜面を埋めていますから、
なかなかの規模です。阿武隈山地では何ヶ所かブナ林の存在が紹介され
てきましたが、日山にブナの大木の林があるのを知り、びっくりし、う
れしくなりました。
900メートルまで上がると、登山道の東側にも、白い幹の樹木がナ
ラの木のなかに混じり出しました。やはりブナの樹林ですが、向こうの
西尾根のものに比べると規模が小さく、若い木が大半です。こちらは尾
根上で季節風を受ける場所なので、ブナに限らず、樹木は大きく育てな
い様子。5月初めだというのに、木の芽はまだ堅いつぼみの状態で、さ
すが東北の1000メートル級の山です。イワウチワの光沢のある葉が
あり、トリアシショウマも小さな陽だまりを選んで顔を出しています。
あと半月もすれば、淡い緑につつまれた、色彩豊かな尾根筋になるので
はないでしょうか。
先行した子どもたちが、歓声を上げています。私と妻もピッチを上げ
て、ひょっこりと小広い草地に飛び出しました。日山の山頂です。11
時26分、なんと、33分で登ってきてしまいました。
5、6パーティーが、草地の思い思いの場所でお弁当を広げていまし
た。山頂にはうわさの通り、3つの社と鳥居がありました。一角に草地
よりも一段高い場所があり、社の一つはここに建てられています。その
高みが、1057メートルのピークでした。草地には、3階建てくらい
の高さの展望やぐら(木造)が組んであります。階段をあがってこの展
望やぐらに立つと、信さんが報告していた通り、パノラマ展望図と写真
が掲示されていました。富士山が見えるはずの位置は、これも既報のよ
うにカシミールの作図結果とは違って、移ヶ岳の真上に指示してありま
した。無料で操作することのできる大型の固定双眼鏡も、やぐらに据え
付けてありました。
途中、雨がぱらつくような天気でしたから、展望はまず無理と思って
きたものの、至近の安達太良、吾妻連峰がもやの彼方だったのは、やは
り残念でした。壁に貼られたパノラマ写真によると、どちらも堂々たる
山並みです。阿武隈山地の主峰の大滝根山、そして蔵王、那須連山も撮
影されていて、日山が展望の山としても一級クラスであることを知るこ
とができました。
下山は、同じコースで。子どもたちは、走るように下っていきまし
た。若芽の芽吹きなどにカメラを向けながら、ゆっくり歩いて、26分
で登山口に下り立ちました。途中、小さな子どもをまじえたハイカー
に、何組もすれ違いました。日山からの展望が、だんだんと知れわたっ
てきているのでしょうか。そういう私も、つい2ヶ月ほど前に、この山
のことをFYAMAPで知ったばかりですが…・。阿武隈山地の山の
てっぺんに立ったのも、霊山に続いて、この山がまだ2つめでした。
帰路は、キャンプ場の下で、コゴミやタラの芽を見つけました。大き
な延齢草で、花が淡い桃色で、たいへん美しいタイプのものも見つか
り、撮影は大忙しでした。あんな印象的な姿、色彩のものに出会ったの
は初めてです。ヤブの中に数株しかありませんでしたが、群落を広げて
ほしいものです。
車道の登り口周辺の農家や段段畑、裏山のたたずまいは、小川の音、
鳥の鳴き声、耕運機を動かす発動機の音などもあいまって、心が和むも
のでした。山里そのものの風景といったらいいでしょうか。芽吹きの色
の山を背に、大きな鯉のぼりがたなびき、畑で遊ぶ子どもたちも、元気
いっぱいでした。川俣町からずっとそういうのどかな景色が続きます。
途中の道々も、なかなか楽しめる日山でした。
山の展望と地図フォーラムの方々、アドバイスありがとうございました。
**********************
阿武隈山地は、雪が少ない地域ですけれど、冬場はけっこう厳しい条
件になるかもしれないな、と思って、下りてきました。富士山を見る
チャンスがある時期に行くのは、天気や積雪によっては、用意がいりま
すね。道路の除雪や通行の可否、車の足回りなどによっても、アプロー
チには大きな差がでそうです。完全に樹林が隠れるほどの積雪はないと
ころなので、上部はスキーも使えません。降雪直後なら、道路部分はス
キー、上部はスノーシューが良さそうでした。カメラ機材も入れたら、
重荷は避けられませんね。雪の残り方にもよりますが、雪がない12月
初旬までと、3月以降なら、行きやすいのかもしれません。
今度は真冬に行こうと思っています。事前に情報をとって、天気のタ
イミングもみて、行くつもりです。
日山の山頂は、周囲の山々から、完全に抜きん出ているといった状態
で、富士山が脇に遠望できる隣りの移ヶ岳などは、目の下という感じで
した。晴れた日の霊山からの吾妻の展望も、一度、体験したいですが、
日山からの安達太良、那須の山々も、たとえ富士山が見れなくとも、見
に行く価値はあると感じてきました。
日山は、下見のつもりでいったら、とてもいい山で、楽しめました。
今度は,季節をかえて行こうと思っています。
今回は、天気に恵まれず、福島での滞在時間はわずか32時間だった
ので、墓参り、日山登山、温泉泊、畑の苗の荷造りと積み込みとあわた
だしい動きになってしまいました。
でも、薄いかすみの彼方に、ときおり吾妻,安達太良が眺められたし、
りんごの花は盛りだったし、日山の帰りで山菜にも恵まれたし、短いな
りに楽しめました。
梨の花は、もう終わっていましたね。さくらんぼの花ももっと前に終
わっていました。
ところで、箕輪山の雪ウサギですが、報告した天気のような状態だっ
たので、たいへん見えにくかったものの、日山からの帰りに福島市の南
部の地域から(3日)、東北道の帰路に吾妻PAから(4日)、家族であ
れこれ意見を出し合って、捜索をしてみました。
写真は悪条件でしたから、カラーは全然ぼけてしまっていますが、時
間ができたらモノクロ、赤フィルターで撮影した分を焼いて見ようと思
います。
無理なこじつけ的見方で、私が聞いた情報とは違うものだと、もちろ
ん思っています。妻は、「ウサギがいるとしたら、あれしかないよ」と
言いきりました。小富士のウサギの優雅さにくらべれば、ちょっと、紹
介するのは、恥ずかしいようなもので、お口よごし、お目目よごしのよ
うなものですが・・・。期待はされないで、写真(写っていればです
が)をお待ちください。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する