そこつ者のお泊まりデビュー 小秀山
- GPS
- 22:20
- 距離
- 6.9km
- 登り
- 1,329m
- 下り
- 1,319m
コースタイム
二ノ谷口駐車ポイント10:20 - 12:11夫婦滝12:28 - 14:45二ノ谷・三ノ谷分岐 -
15:49兜岩 - 17:42避難小屋(泊)
25日
避難小屋7:20 - 7:47夫婦滝 - 8:40二ノ谷口駐車ポイント
天候 | 24日:雨時々曇り 山に入ると雪に、大降りにはなりませんが、少しずつ小刻みに 降ったり止んだりを繰り返していました。 25日:夜中には一時星が輝く時間もありました。 そのあと朝まで雪が降ったようで、前日見えていた登山道の岩や地面も全て雪に覆われていました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
舞台峠から右に入って乙女渓谷へ。 「乙女渓谷キャンプ場」駐車場に車を停めます。 (駐車料金の表示がありますが、この時期不在のようで呼んでも誰もいませんでした。) |
コース状況/ 危険箇所等 |
二の滝登山口にポストがあります。 夫婦滝までは見事な桟道が通っていて安全に歩くことができます。 (雨や雪で木は滑りやすくなっていることに注意してください。) 桟道の途切れているところは雪の上を歩きましたが、この時期雪の下がカチカチの氷のことが多く、ひどく滑ります。 夫婦滝から上は積雪の状況によって危険度が変わります。 初日は見えていた岩や木を頼りに登れたのですが、一夜明けて雪に覆われたルートは危険を感じて撤退しました。 |
写真
感想
楽しみにしていた小秀山。
昨年大雨による増水で撤退をしてから
ずっと次の機会を楽しみにしてきました。
レコで知ったこの山ですが、管理をされている方々の気持ちが見える山です。
山頂にある山小屋のこともレコから教えてもらい、
山での初お泊まりはここと勝手に決めていました。
積雪量を心配していましたが、好日山荘の店長に聞くと「登れますよ〜」と
軽〜く言われてその気になしました。
無理やり連休を作って計画を進めます。
しばらく前から少しずつそろえていたアイテムたちの出番です!
シュラフにカバー、大型ザック等々・・・
テン泊を想定して少々負荷をかけて歩いてみようとザックの重量は14kg。
食事も日帰り山行よりは多少でも凝ってみよう。
夜の過ごし方は・・・
イメージばかりが膨らんで破裂しそうな準備段階!
当日は6時前に自宅を出て名神、中央道を順調に進み、毎度おなじみの道の間違いもなく(驚)、10時に現地に到着しました。
いつものザックから付け替えるのを忘れたコンパスと高度計。
コンパスだけはないでは済まないと車につけていたものを代用します。
前半は木の桟道を歩きながら二ノ谷の渓谷と滝を巡ります。
前回も感じていましたが、この風景と桟道に癒されながらのんびり歩くのは
本当に癒されることです。
歩いては立ち止まり、水を眺めては鳥の声に耳を澄ませ・・・至福の時間が過ぎていきます。
そう、時間が過ぎていくんです!
1982mの山頂を目指す歩き方じゃないことに気付いていません。
夫婦滝から先は自分にとって未踏のルートです。
雪の状況も所要時間もわからないのに何をのんびりしていたのか・・・
夫婦滝を見上げながらおにぎりを食べて腹が落ち着くと、
さすがに時間が気になりだします。
流れ落ちる滝の水を横に見ながら急勾配を登っていきます。
その先は雪に覆われた全くの冬山の様相です。
雪の量は比良あたりと比べると少ないのですが、
予想していなかったのが雪の下の固い氷でした。
積雪は少なくても気温は低いようで、
岩のつもりで雪を踏んで滑るシーンが続きます。
さすがにツボ足ではまともに歩けずアイゼンの出番です。
さらにこのルートの難所「カモシカ渡り」に差し掛かると今度は
ストックを縮めてザックに付け、両手をフリーにして登ります。
文字通り両手両足をフルに使って崖をよじ登っていきます。
しばらくは快調に歩を進めていたところ、
雪が深くなってくると踏み抜きがやたらと増えてきました。
一歩ごとに時間を食うようになってワカンに履き替えます。
(この判断の遅さで余計な時間を食っているんですね)
三ノ谷分岐に着いて、下りるルートを見ておこうと少し探したのですが
見当たりません。
とすると、今登ってきたルートを下るのかと初めて緊張を覚えます。
下るのはかなり危険に思えます。
足元の状況が厳しくて思ったほど進めていません。
ワカンのバンドの金具が外れて結びなおす時間まで取られ、
焦りがどんどん大きくなってきます。
兜岩までやってきました。
最大の私の失敗は、この先の距離や時間の感覚を持っていなかったことです。
(あとで地図を見直すとここから1時間程度の行程です。)
時間は16時に近く、雲に隠れた空は気のせいか余計に暗く感じます。
あとは稜線を辿るだけで迷う心配も少ないし高低差もあまりない。
それがわかっていながらここで戻る判断をしてしまったのです。
明るいうちに急勾配を下り終えてしまいたい。
これが大きく頭の中を占めていました。
ヘッドランプであの崖を下りるのは遭難への早道ですよ!
自分がつけたトレースを辿って山を下ります。
雲の厚みが変わると空の明るさも変わり、心の余裕も比例して・・・。
カモシカ渡りを下りられたのは余裕のなさが幸いしたかも知れません。
あれこれ考える間があると、かえって足がすくみそうです。
登りのときとは逆にワカン、アイゼンと履き替えながら下りますが、
前もって履き替えることで時間の無駄を省くことができました。
下の小屋に着いてザックを下ろすと18時です。
相変わらず危なっかしい行動をしている自分に大きくため息をつきました。
小屋は変わりましたがここから今回のもうひとつのメインイベントです。
どんな夜を過ごすことになるのかかなりワクワクしながら・・・
ザックの中身を全部出して寝床のセットをしておきます。
気温は氷点下1度。
思いついて靴下の土踏まずにカイロを貼ってみました。
これは大正解です!!
翌朝出発時まで足は一度も冷たくなりませんでした。
柔らかい青竹踏み効果もあって(?)お勧めですよ!
食事はまず最近はまっているちからうどん。
そしてお湯で温めるレトルトの酢豚。
そして、気分だけは暖炉の横のソファに寛ぎながらの赤ワインと生ハム!
いつもの食事パターンからは考えられないパーティーメニュー(?)
実際には雪の上で焼いた餅とうどんをその場でしゃがんだまま掻き込み、
食べ終えたうどんの鉢に酢豚を空けて小屋に入るとやっと座れたのです。
普段だと缶ビール一本で真っ赤になって寝てしまう私ですから
ワインの小瓶を飲むうちにいい気分で温まって寝てしまう筋書きでした。
ところが氷点下の室内ではワインごときで温まるどころか
酔いを感じる間もなく飲み干してしまい、
食べ終わるや否やシュラフに潜り込んだという絵にならない話(汗)
防寒の足しになればとシュラフにアルミ蒸着のシートを巻いてカバーを被せていたのも失敗で、通気性を塞がれたダウンシュラフが夜中にびっしょり濡れていたんです(汗)
両足裏のカイロのおかげもあって寒さに震える夜にはなりませんでした。
ただ床の固さはあたりまえですがなかなか対応できず、
熟睡することなく朝まで過ごしたのです。
時計が5時を指すのを待ちかねて起きだすと夕べの片付けです。
明るくなったところで朝食準備。
厚切りベーコントースト2枚とほうれん草のポタージュスープ。
コーヒーとオレンジ。
食べ終えると一気にテンションアップです!
昨日行けなかった山頂にもう一度向かおうと準備をして出発します。
ところが明け方に降った雪が周辺の景色を一変させていました。
昨日見えていた岩や地面はすべて真っ白に覆われ、夫婦滝の横の急勾配を
登ることは諦めざるを得ませんでした。
その代わり今度こそは時間の制約のない散策を楽しみながら、
ゆっくりゆっくり登山口まで下りてきました。
まだまだ時間の過ごし方も上手じゃないと反省しきりの一夜ではありました。
この山にはまた来ます。
歩くペースにしても、過ごす時間にしても、次にはまた別の経験を積めそうです!
今回最後の失敗は、車のキーを見失ってJAFを呼ぶのに携帯の電波の通じるところまで歩いたことかな・・・
コメント
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いやぁ〜、読んでいるとハラハラドキドキですが、
笑ってしまうのは何故でしょう〜?
これって私だけ?
ps、ひょっとしてmonsieurさんドMですか?
冗談はさておいて、今度こそは・・・と
きっとヤマレコユーザー皆が祈願しておりますよ〜。
それと、JAFのその後がきになりますが・・・
いつもmiyaさんには笑われている気がするのですが
miyaさんのツボはしばらくは解けそうにない研究課題です
私はドSのまったく逆ですよ
突っ込みキャラでもないですし・・・
強いて言えば突然ボケのセルフ突っ込みでしょうか?
この山はいい山ですよ
また違う楽しみも味わえそうです。
JAFは来てくれましたよ・・・
鍵も開けてくれました・・・
車の中にキーはなかったんです。
ザックの中にありました
教訓:失くし物は、いちばんありそうなところにある。
Mと書いてますが?
それと〜、もしザックにもない場合はどうなるんでしょうかね?
私の目が反抗期のようで・・・えらい勘違いをしてました
ごめんなさい m(__)m
ならばその分析はたぶん当たっています。
(ただ自分で決めたことに従っているので、その場合Sも自分のキャラなんでしょうか?)
判断はお任せします
キーがザックになければ工場までレッカーで運ばれてキーを丸ごと取り替えて「えらいことになりますよ」とは来てくれたおじさんのセリフでした。
誰が見ても「そこを見なかったの?」と言われそうなところからキーが出てきて赤面しながらも心底ホッとしたことです。
大型ザックなど、避難小屋装備のデビューおめでとうございます
お食事、頑張りましたね〜。テン泊時の食事が楽しみですネ
お写真だけ見ていると、大きい温度・湿度計などもあって、自宅にいる様な雰囲気です
これからの山行の幅が広がるから、楽しみが増えるかと思います
鍵は見つかって良かったですね。えらいことになったらテン泊も遠のきますからね
おみくじ 小吉
失せもの 近くにあり…
週末に行かれたのですね、小秀山
ディナー、朝食、どちらも美味しそうです〜。
また餅をうまく焼かれてましたね、今回は長方形〜
兜岩まで辿りつかれていたので、山頂の避難小屋まであと一時間。
16時で天候が思わしくなかったとのこと、
引き返されたの無事に下の避難小屋に着いて何よりでした。
カモシカ渡りをそのような状況でササっと下りられてすごいです
次回、御嶽山の見える山頂、お花 の見られる時期にでも、ぜひリベンジしてくださいね
本文にもちらっと書いたのですが、歩いていても何かに心が動いたとたんに時間の感覚が消えるんですね
いつも人に抜かれるし道草寄り道あたりまえの困ったハイカーです
食事にしても日帰りのような時間制限がないとなると好きなように時間をかけてしまう、もし団体行動だと大迷惑ですよ
温度計は自宅を出るときに目に付いて深い考えもなくザックに放り込んで行きました。
歩きながら出して見るのは不便ですがね
車の鍵のことはもう忘れました
この手の失敗を並べて本にすると何巻のシリーズになるやら・・・
slowlifeさんのレコで見た避難小屋に入れなかったのは少し心残りですが、また少し冒険をしてしまった子供の心境ですよ
花の時期に歩こうともう心に決めています
三ノ谷がどんなのかも一度見てみたいものです
自宅からは少し遠征になりますが、ここは苦になりません
僕の自宅周辺から、御嶽山は見れるので、
週末、ちょこちょこと、御嶽山方面を
見ていました。
monsieurさん、ご無事かな?と思いまして。
「降っても、雨」だと思っていましたが、
景色が変わってしまうくらいの大雪とは。
でも、泊まり登山を、存分に堪能されたようで
安心しました。
いい経験を、いっぱいされてるようで
羨ましく思います。
兜岩からの撤退はあとから振り返るとちょっともったいなかったですかね
自分の頭の中だけのイメージでそろえていた新しいアイテムですが、持って行って出して使って初めて現実に役に立つものだと理解したことでした。
シュラフの耐用温度が−6℃とカタログでは見ていても、使用してみて自分の感覚ではどうだとか
荷物の重さと背負って歩く感覚も何もかも初体験でした
ものに自分で命を吹き込むようで嬉しいものですね
やっぱりこの山は好きですね。
ちょっと無理したら日帰りで歩けそうですが、勢いで行ってしまうより少し大事に歩いてみたい山です。
いろいろあった様ですが、無事に帰ることが出来ればそれで良し。
経験積んでも忘れるものは忘れます。
致命的な忘れ物だとマズイので、忘れ物がないのが一番かもしれませんが。
シュラフカバーがあると良いかと。
透湿性がないシートでは、中から蒸れてしまうので。
耐用温度は体感温度に個人差があるので、当てになりません。
下からの冷えを防ぐと効果的なので、マットは断熱性が高いものが良いです。
睡眠の快適性を取ると、重量と嵩が増える傾向になります。
軽量化すれば、寒いかもしれません。
何処で妥協できるかは人よって違うので、いずれも、経験しないと分からないことです。
装備は重いですが、テント泊、小屋泊を楽しめれば、幅が広がりますね
シュラフカバー、ゴアテックスのを使ってたんです
その内側にアルミのシートじゃあ透湿性がなくなるのあたりまえですよね
ちょっと考えれば誰でもわかることなのに・・・
今回の−2〜−3度のあたりでは、寒さで困るまでは行かなかったです。
眠れなかったのは自分の精神状態のせいだとそのときにもわかっていました
「自分のモノ」にするまでは何度か連れて行って使ってみないと
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