春爛漫。高尾に咲く花達〜小下沢から陣馬山〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 877m
- 下り
- 855m
コースタイム
(山野草スポットでは30分以上滞在しています)
天候 | 晴れのち曇り。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
復路:藤野‐東京 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所無。 ただ、小下沢から影信山まで急坂で結構、しんどかった。 |
写真
感想
春になると毎年行くところがある。
北高尾、小下沢林道だ。
首都圏からもっとも近い
山野草の咲くスポットとして知られる。
山野草に興味を持った頃、
山と渓谷社の「花の山、静かな山」という本を見つけ、
ここを知った。
高尾山口から登山者とは反対の方へ歩き、
西浅川へと入り、川沿いを公園まで歩くと
住宅地の脇にある小川に出る。
その周辺に、当時見たことこともない花が咲いているのに
興奮した。
ヤマエンゴサクやハナネコノメが本当に宝石のように見えた。
高尾山の裏で、ひっそりと咲く山野草に癒された。
それから、いろいろなところへ行ったが、
花を見るために初めて来たこの場所は、
今でも毎年、気になる場所の一つだ。
そのときから裏高尾町を歩き、日陰沢へも行ったが、
そこよりも先の小下沢林道に咲くスミレには感動した。
その種類の豊富さ。
スミレにこんなにもたくさんの種類があるなんて知らなかった。
(今でも到底、把握しきれない)
スミレ以外にも花の種類が多く、
全てが珍しかった。
それから数年経った今でも、ここは好きな場所だ。
春、天気の良い日になれば、行ってみようかと思う。
今回は、暇な休日、家にいるよりはいいと思い出かけた。
山に行くにはあまりも遅い8時過ぎの出発だった。
駅から高尾山へ向かう登山者をよそに
西浅川から、裏高尾町へと続く道を歩く。
桜が見事に咲いていた。
川沿いを歩いていくと手前の住宅地に入る直前、梅林の鉄柵の中に
茶色の葉のスミレを発見した。
タカオスミレだ。
意外なところで初めてこの花に出会えた。
いつかは見たいと思っていたが、なかなか時期が
合わなかった。
初めての花に出会うとやはり、感動する。
それは、初めて辿りついた山頂からの絶景とはやや違うが、
心の高ぶりを感じる新鮮な瞬間であることには違いない。
赤ちゃんを抱いた若くきれいな女性に不信な目で眺められつつ、
撮影に集中する。
ここが住宅地の前だということに改めて驚く。
今では貴重な山野草の自生地として
規制ロープが張られるようになったが
数年前までほったらかしだった。
子供たちが普通にこの中で遊んでいた。
それが良かった。なんだか微笑ましかった。
山野草があるからあそこでは遊んじゃだめなんて
言わないでほしい。
子供には関係ない。遊ぶ権利もある。
貴重な植物が減ったのは、子供たちのせいではない。
だったらとうの昔に絶滅しているはずだ。
単純に、ここを訪れる人が増えたせいだと思う。
また、信じがたいが一部の盗掘、そしてカメラの撮影(つまり俺たち)
が原因だと思っている。
だから登山者に大切なのは本当にマナーなんだと思う。
しかし、これがなかなか理解できないのも事実。
「自然は大切です」なんて、実はなかなか理解できないのも事実。
なんて思っていたら、
看板みてびっくり。ここの規制の真実を知る。
業者の下草の刈りすぎで、自生地と道の区別が
つかなくなったせいだという。
そのせいで根を痛め、減少していったと。・・・言葉がない。
ただ、今回、日陰沢のニリンソウ、小下沢のスミレに至ってもあまりに花数が
少なかった。日陰沢に関してはなんだか閑散としていた。
人が入れば、こうなるのか。どちらも駐車場があり、簡単に入ることができる。
沢の傍で立ちションする親父を見ながら、さみしさが募った。
それでも、花数が減っても、花そのもの美しさは変わらない。
林道奥に入るとヤマルリソウがきれいに咲いていた。
これをみるために3年ぶりにここに来たおばちゃんと少し話をした。
「やはり、減っていますよね」
「思い過ごしだといいけどね。心配だよね」
スミレが少ない。この思いは共通していた。
全てを人間のせいにしたくない。
花期や気温が影響しているのかもしれない。
ネガティブに考えたくない。
救いなのは、おばちゃんの好きなヤマルリソウはこれまで見た中で一番、
花数が多く、群生していたことだ。
人間が自然を理解し得るという思いが、そもそも間違っている
のかもしれない。
さて、ここで引き返すのは面倒だ。
ええい、陣馬山まで登ってやれ。下山した場所に用がある。
登山の心に火がついた。
影信山へ登り、陣馬山まで縦走した。
簡単に言っているが、結構、しんどかったのが正直。
あれ、何日か前に谷川・西黒やったっけ。
陣馬山でワンちゃんを連れた御夫妻と一緒に休憩。
今日も静かな山頂だった。
不定休、サイコー。
下山中に、昨年発見した、シュンランに再会。
地味だが、良く見ると魅力的だ。
そのまま落合に下山。藤野駅へ出るトンネルの手前で
小さな奇跡がある。
こんなところにカタクリが。
自生地としては小規模だが、野生のカタクリが咲いている。
小さな斜面にがんばって咲いている。
間にあって良かった。
一昔前では、カタクリなんて花は今より良く見られたのかもしれない。
その生き残りがこんなところに。厳重に守られているわけではない。まだ。
反対側の駐車場の裏にも前に自生していたが、終わったのか、
閑散としていた。
自生地の中にお茶のペットボトルが落ちていたのが少し気になった。
スプリングエフェメラル(春のはかない命)という言葉にふさわしい花。
カタクリ。
今年も美しく気品に満ちていた。
ごぶさたしていますが、あちこちでがんばってらしゃいますね。レコちょくちょく(勝手に)見させてもらっています。
しかし、今回といい、こないだの谷川岳雪の急斜面突破や奥武蔵の秘密の花園といいい、makasioさんは多彩なルートを幅広く歩いてらっしゃいますね。昨年の三つ峠レコでも情報量の多さと遊び心に感心しましたが、文人のような描写力!いつもながら感動ものです。
また素敵なレコを読ませてくださいませ。
makasioさん、こんばんは。
高尾山付近はたくさんの山野草があるのですね。
人が多そうでずっと避けていましたが、ヤマレコを通じてその人気もわかるような気がしてきました。
6月ごろにセッコクを目当てに高尾山デビューしてみようと思っております
スミレは種類が多すぎて同定が難しいですよね
昔チャレンジしてみましたが、あっけなく心を折られ、それからはスミレはスミレだ、と現実逃避をしています
野生のシュンランいいですね。いつか見てみたいな。
人も花も笑顔でいられたらいいですね。
それにしても谷川岳を登ったあとに20キロも歩かれるとは、あっぱれでございます
コメントありがとうございます。
文人だなんて・・。そんなあ。
少し、嬉しかったりして。
文章を書くことは子供のころから好きでした。
ヤマレコは自分の感動を人に伝え、
共有することのできる
素晴らしいツールだと思っています。
正直、自分の考えなんて
だらだらとえらそうに書いてしまって反感を
買っているんじゃないかと
思い、後悔することもあるんです。
(言われたことはないですが・・。)
一人でも読んでくれる方がいる限り、
レコ、全力で書こうと思っているんで、
どうぞ、読んでくださいね。
スミレ、本当に種類が多くて把握しきれません。
でも、本当にきれいですよ。
高尾山、僕もあそこは人が多くて
行くところじゃないと思っていたんですが、
静かなところも実はあるんですよね。
セっコクで高尾山デビューなんて
いいじゃないですか
あそこは確か6号路だったかな、
実は僕もまだ、見たことないんです。
自分も今年は、行ってみようと思っています。
もし、会ったらよろしくです。
こんにちは、makasioさんは里山にも造詣が深いんですね。
ハードな雪山から花の里山歩きへ、その距離感すごくいいですね。
私もそういうのが大好きです。
そろそろ花も楽しめる季節になりましたが、
高山植物に限らず里山でもやはり花が減っているんですよね。
ほんと寂しい限りです。
しかし、これだけ花に集中しながら、少ない時間であの距離を移動するとはさすがですね。
里山こそ、僕の大好きなゾーンです。
僕は東京生まれですが、
両親の家は新潟の津南町。
長野県との県境で、まさに山奥でした。
父方の家の裏ではふきのとうが獲り放題。
母方の家はその高原にありました。
秋山郷という集落も近かった。
自分の血液の中にはそういった景色があるんだ
と思っています。
山や花、風景。
そこの人間の営みに、どこか惹かれるんです。
makasioさんこんばんは!
いや〜お花が綺麗ですね〜〜
GWあたりに、あの周辺を歩こうかと考えていた所なんで、参考になりました!
日本人の心である桜がやっぱり心惹かれますね〜
パッと咲いて潔く散る姿が心を捉えるのかもしれませんね
しばらくです。
コメントありがとうございます!
山歩きの楽しい季節になってきましたね。
あの豪雪の丹沢が懐かしいですね。
春に裏高尾を散策するのが恒例行事に
なっています。
花好き、里山好き人間には本当に楽しいです。
ゴールデンウィークなら、
新緑がきれいでしょうね。
お初の出会いは、3月11日ですからね〜!
だいぶ月日は流れましたけど、情けない事に、被災地の復興復旧は全然進んでないですよね〜〜〜
困ったもんです
これからの季節は、makasioさんもお山で忙しそうですね
私もボチボチ色々と出かけたいと思っております
ちょっと、レコ見てて、谷川岳に興味が惹かれましたよ
私と奥(lon)は、makasioさんの文章、大好きですょ。
ハードなお山と、花レコのアンバランスも。
私たち、花には極めて弱いんですが、それゆえにでしょうか。
心なごみます。
ヤマレコの友人、伊吹の師匠todokitiさんが、伊吹の花レコを上げてました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-186387.html
makasioさんならどのようなレコになるのでしょうか。
お二人に読んでいただけるなんて
嬉しいですよ。
僕もあの冬の丹沢で
初めてコメントさせて頂きましたが、
その前から実はファンでした。
素晴らしいレコです。
todokitiさんのことありがとうございます。
さっそく、コメントさせていただきました。
花好きって以外に貴重なんですよね。
僕も山で花を見るまで
ひまわりと朝顔くらいしか
分からなかったんですけどね。
伊吹のレコの方にコメントありがとうございました。
こちらこそよろしくお願いします。
あちらにも書きましたが、伊吹が花を覚えるきっかけでしたので、どうしても伊吹が基準になるのはお許しください。
伊吹の花を少しだけ多く見たことがあるだけなので、間違っても師匠と呼ぶのはご勘弁を
山の花は良いですよね。
街の花とは違い、多くは人の手を借りずにそこに咲いているのですから。
見た目は控えめでも、造りものでない強さと美しさなどどんなに小さい花でも持っているような気がします。
男が花と言うと、少々引き気味にとらえられる方も中には居ますが、ずいぶんと損をしていると思うのです。
山っていうと、山頂からの景色が重視されがちですが、それってずいぶんと一方的な考えだと思っています。
ガスっていたら真っ白ですから、それを「つまらない」と一言で終わらせてしまうんですから。
伊吹、晴れていれば景色は良いのですが、ガスが多い山でもあるので、そんな時は花を見てました。
花も山の景色の一部と捉えることが出来ますし、極端な話、花によってはその山を特定することすらできます。
花は山の顔だと言えるかもしれません。
あとは、自分が登った山で見た花(ココでも伊吹になってしまうのですが)を他の山でも見られると結構嬉しいもので、槍の西鎌尾根でイブキジャコウソウを見たときの嬉しさは今でもよく覚えていたりします。
もともとは花好きではなくても、山の花を見てきたことで単なる山数を増やすだけでない山歩きができるのは間違いなく、花以外の山への興味(信仰など)も持てるようになっていると思っています。
makasioさんの花や山の自然に対する想いは共感できるところがあり、文章も好感が持て、勉強になります。
スミレは私も苦手な花なのですが、見たことがない花には興味があります。
タカオスミレの写真、見れて良かったです
コメントありがとうございます。
僕は、山ありきより、
花ありきでよかったと思っています。
山に咲く花を愛でることは
すなわち、その山に対する愛情に他なりません。
その山に咲く花に興味が持てれば、
その山の成り立ちや文化的背景にも
興味が持てるようになります。
花に興味が持てれば、もっと
山が好きになれるのに。
そう思っています。
男が花が好きってちょっと、
変なんて思われるのでしょうか。
僕は花屋に咲く花には興味が持てません。
山に咲く花が好きなのです。
todokitiさんなら、分かってくれますよね。
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