スイス ブライトホルン登頂などハイキングの日々
天候 | 晴れ |
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感想
スイスでのハイキングの日々を、とりあえずまとめて載させていただきます。
詳しい旅行記などは、
http://www.asahi-net.or.jp/~nm3k-tgc/swiss/index.html
をご覧ください。
8/17 ムットホルンヒュッテ(MutthornHutte)ヘリ&結婚式 - メンリッヒェン(Mannlichen )- グリンデルバルド(Grindelwald)
8/18 ファウルホルン(Faulhorn)登頂 - シーニゲプラッテ(ScynigePlatte)ハイキング - グリンデルバルド(Grindelwald)
8/19 ユングフラウヨッホ(Jungfraujoch) - ミューレン(Murren)
8/20 アルメンドフーベル(Allmendhubel) - シルトホルン(Schilthorn) - トゥルンメルバッハ(Trunmmelbach)滝 - ブリエンツ(Brienz)湖 - ブリエンツァロートホルン(Brienzer Rothorn)
8/21 ロートホルン(Rothorn)ハイキング - ゴルナーグラート(Gornergrat)
8/22 リッフェルゼー(RiffelSee)ハイキング - ウンターロートホルン(Unterrothorn) - スネガ(Sunnegga)ハイキング - ツェルマット(Zermatt)
8/23 ブライトホルン(Breithorn)登頂 - マッターホルン(Matterhorn) ヘルンリ(Hernli)小屋泊
8/24 ツェルマット(Zermatt)下山 - チューリッヒ(Zurich)
【ブレイトホルン登頂(前日)】
お土産でも買おうと町中を歩いていると山岳ガイド協会のインフォメーションセンターがあったので試しに入ってみる。すると、手頃な値段で Breithorn登頂ガイドの案内が書いてあったので「私たちはアルプスに比べたら全然低い日本の夏山にしか登ったことがないけれど、それでも登れる?」と聞いたところ「大丈夫」とのこと。今から思うとあの山で登らしてくれなかったら雪山の練習はどこですればいいの?という気がしないでもないが、そのときは「本当に自分たちが登っても問題ないのだろうか」とかなり不安だった。
私たちは当然夏山の装備しか持ってきていなかったので、協会が必要装備としているアイゼンを持っていなかった。そこで「私たちは軽アイゼンしかないけどそれでも大丈夫?」「だめ。そこにレンタル屋さんがあるから借りなさい」とのことで、お店に向かうが、間抜けな私たちはそのような展開になるとは全く考えていなかったのでサンダルを履いていた。お店に着くと「登山靴を履いてこないと合わせられないよ。でも今からホテルに登山靴を取りにかえったらうちは閉店してるよ。明日の開店時間はそのツアーには間に合わないよ」。もう一度閉店した協会に戻って事情を話すと明日ガイドをしてくれる人に電話をしてくれてアイゼンを貸してもらえることになった。めでたしめでたし、と思っていた私たちは次の日に大きな後悔をすることになる。。。
今日泊まるホテルMatterhornBlickに着く。ここの受け付けの人は親切な人で「Zermattの駅はどっちですか?」と荷物の引換券をちらちらさせて訪ねたところ「後で私が車で駅まで行くから取ってきてあげましょうか」と期待通りの対応をしてくれた。次の日の朝食に関しても早朝に出発してBreithornに登ることを伝えると「サンドイッチを作っておくから食べていってね」とのことで食事で悩んでいた私たちには大助かりだった。
【ブライトホルン(Breithorn)登頂(当日)】
Breithornは高さは4163mだが、すぐ近くのKleinMatterhornのロープウェイが 3883mまで届いているので、 4000m峰の中で最も簡単に登頂できる山、と言われているが、あそらくヨーロッパでのことだろう。ヒマラヤであれば普通の登山道がこの高さを通っている。
ZermattからKleinMatterhorn方面に向かうゴンドラ乗り場で山岳ガイドの Mr.Fuxとおちあった。昨日のアイゼンの話が心配だったので「アイゼンは大丈夫?」と聞くと「大丈夫君の分は確かに持ってきた」「もう一人の分は?」「そんなの聞いてない」「じゃぁ登れない?」「大丈夫、大丈夫」とのこと。「軽アイゼンだったら、、、」「軽アイゼンならあるのか?それでも十分だ」「いや軽アイゼンだったら持ってきてたんだけど、いらないって言われたから Zermattの駅に置いてきた」「、、、OK,OK」。しかしBreithornからの下りはアイゼンなしでは何度も滑りザイルでMr.Fuxに引っ張りあげてもらうことになった。後から登ってきたヨーロッパ人に「オー、ノーアイゼン」と呆れられてしまった。
同行するのは私たち二人とMr.Fuxとドイツ人のおじさん一人。ドイツ人のおじさんは英語はさっぱりらしかったが、こちらの「どこから来たの?」というドイツ語の質問には快く答えてくれたが、それ以上は答えのドイツ語が理解できないという既にあっちこっちで経験した展開にならぬよう特に話はしなかった。
しかし、こちらの「Hochzeit」という英語の中のドイツ語には微妙に反応して奥さん(一緒に登ることはしなかった)とともに私たちを祝福してくれた。
KleinMatterhornからBreithorn頂上まではおよそ登り2時間。お互いをザイルで結んでから、 KleinMatterhorn付近にあるほとんど平らな夏スキー場(Tバーあり)を通り抜けて登り始める。一人だけアイゼンを借りるが、一人はアイゼンなしの軽登山靴のみ。この装備でBreithornに登頂できたのだから、先頭を歩いてザイルで引き上げ続けてくれたMr.Fuxに感謝するほかない。ドイツ人のおじさんはかなり歳らしく、こちらが「さぁ次の一歩を踏み出すぞ」と思うと後ろでグィっとザイルを何度か引っ張ることがあった。びっくりしてみるとぜぇぜぇと息を整えているか、鼻をかんでいた。悪い人ではなさそうだが、、、
この登山はおじさんのペースダウンによる体力的余裕もあり、今までで最高の2時間だった。頂上はあいにく曇っていたけれど、他の知らない登山者と一緒に握手したりしてすっかりヒマラヤ登頂者気分。昨日の「自分には技術的に難しいからやめようか」などという迷いは全くばかげたものだったとつくづく思う。この一瞬を体験するだけでもスイスに来て良かったと感じた。雪山にはまってしまう人の気持ちがよく分かる。
下りはドイツ人のおじさんが先頭になり、登りの汚名を返上すべく後ろの人たちのことなど考えずにどんどん下っていく。しばらくして足を引っかけて転倒されたときには次を歩いていた私が(初めての雪山にも関わらず)ザイルでおじさんを支えるはめに。雪山登山の雰囲気を味わえたといえばよいかもしれないが、正直ちょっと迷惑なおじさんだった、、、
Mr.Fuxは思った以上にちゃんとした登山家でEverestも頂上付近までいったことがあるそうだった。彼のような登山家であれば「Breithornガイドなどは退屈だろう」と聞くと「普通は午前と午後と2回登る」そうだ。 Matterhorn登頂などはガイド一人に客一人と書いてあったから今回のようにガイド一人に客が3人つけばバランスはとれているのかもしれない。どのくらいの頻度でガイドをするのかと聞くと毎日ということだった。日本人の登山家は8000m峰を登った人でも日本の低山のガイドをしたりするそうだから、それに比べたらまだ良いのかもしれない。次に来たときにはCastorとPolluxまで一緒に行こうと約束をした。
今回用いた雪山用装備(夏山ハイキングで用いない装備)はガイドが持ってきてくれたアイゼンとザイルだけだった。時間のかかる山ではないので防寒具も少し余分に持っていけば十分だと思う。登山用具のレンタルはZermattの登山用具屋で可能なのでピッケルなどの装備を借りるとよいのでは。
高山病の症状は全く表れなかった。それほどの高度差がなかったのと同行したおじさんの遅さのおかげだろう。山の難易度としては、天気が良ければ普通の標高差300mと考えていれば十分だと思う。
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