新緑と石楠花:三国岳から焼尾山へ【巡視路とマニアックルートを組み合わせて】


- GPS
- 07:50
- 距離
- 8.8km
- 登り
- 1,028m
- 下り
- 1,029m
コースタイム
- 山行
- 6:09
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 7:42
天候 | 快晴 風も無く暑い一日でした。 【気温】登山口:15℃ 三国岳最高点:24℃ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
移動。7時の段階ですでに満車のため、路肩に駐車しました。 |
その他周辺情報 | クマガイソウの群生地にて、監視員らしき方と逢いましたが、 離れた場所で見られた4〜5株が盗掘された跡があると嘆いてみえました。 絶滅危惧II類(VU)に登録されている貴重な花です。 見に行かれる方は、場所の公開は控えるなどの配慮を望みたいものです。 |
写真
感想
G/W前半に開き始めた石楠花も、ここ数日は夏日のような陽気で
一気に満開を迎えたのではなかろうか?
そのタイミングで石楠花を巡る縦走計画のお誘いメールが届いた。
集合場所の簡易パーキングふじわらから、乗り合って向かった
鞍掛トンネル東口の駐車場は、予想通り7時の段階ではすでに
一杯だった。
登山口近くの路肩に僅かな駐車スペースを見つける。
鞍掛峠へ向かう道を左に見送り、破れたネットを跨いで巡視路に
入り、細谷から昨年の秋に歩いた逆コースでR21鉄塔に出る。
「新緑もきれいだろうねと」と話しながら歩いたコースは
想像通りだった。朝陽を透かして歩く新緑の森は、全身が緑に
染まるようだ。
R21鉄塔から尾根筋を僅かに進み、急な山腹を滑るように北へ
下るとやがて緩んで、浅い谷地形を越えるとシロモジに囲まれた
等高線の空白地帯となる平坦地に出る。
阿蘇谷に広がる「ダイラ」に近い規模からなのか「ミニダイラ」と
呼ばれる場所だろう。木漏れ日が美しいコバは何処も特徴の無い
景色だ。幹に付けられたテープを尾根筋への下降点目印として、
北東寄りに下るとやがて現れた明確な尾根筋に従って急降下すると
明るい三国川右岸に着地だ。
降り立った地点の僅か上流で西から合流する南谷出合で、
これから始まる登りに備えて行動食の少休止とする。
登山口の標高が630m、現在地が380m。わざわざ標高を下げて
三国岳まで登り返すというのも、珍しいコース計画だろう。
南谷出合からほぼ西向き一直線で三国岳最高点へ延びる左岸尾根の
取り付きは厳しいものだった。山肌に張り出した根を掴み、
補助ロープを掴んで大岩を捲き終えると、やっと足元は
落ち着いてきたが登りは相変わらずだった。
植林の手が入っていない100%自然林の美しい新緑に慰められ
高度を稼ぐとやっと緩んで平坦部に出た。750m地点だろう。
聞くとこの先からが石楠花ゾーンらしいので楽しみだ。
息を整え一息登ると傾斜も緩み、いよいよ石楠花が現れると
もう満開の石楠花が次々と現れる。これほどの群生が続く尾根は
初めてだ。先日歩いた三国〜烏帽子の縦走尾根を凌ぐ規模だが
尾根筋を邪魔するうるさい藪も比較にならない。
(5年間に歩いたメンバーに聞くとこれでもかなり歩きやすく
なったらしいが。)
長く続いた頭上の花と目先の藪が消えてケルン?の先に平坦地が
見えたら三国岳の最高点に到着だ。
梢の間に鞍掛尾根、鈴北岳〜桜峠が見える程度で余り展望は望めない
山頂だが、メンバー全員が食事をするには十分な広さだ。
G/W前半はシロモジの黄一色だが、今は緑一色だ。
石灰岩が散乱する山頂を後にして南谷の源頭となる最低鞍部から
登り返しにかかると焼尾山の北斜面に鮮やかなピンクの軍団が目に
飛び込んできた。アカヤシオかと思ったら石楠花の群生だった。
鞍掛峠分岐から先ほど眺めた石楠花や霊仙山〜伊吹山を望みながら
焼尾山に出る。
三国岳〜焼尾山と石楠花を巡る縦走も後は下るだけだが、
東へ延びる尾根を僅かに進んだ小ピークから僅かな尾根形状の
斜面をショートカットしてL22鉄塔へ下るルートは短いが
実にワイルドだった。
リーダーは「踏み跡があるよ」と言うのが信じられないコースだ。
強いて尾根芯と思われる場所を強引に下ると、崩れた鹿除けネット
を跨いだ記憶が残る巡視路に合流した。
【南谷の左岸尾根は三国岳〜烏帽子岳の縦走路で見られる石楠花を
凌ぐほどの群生が見頃を迎えていた。三国岳〜焼尾山で出会った
見飽きるほどの石楠花に興奮が抑えきれず、帰宅するメンバーと
別れた後、おまけとして向かったコグルミ谷のクマガイソウも
これまた見頃! じつに贅沢な一日の締めくくりだった。】
コメント
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「クマガイソウ」は、まだ見た事有りません。絶滅危惧種なんですか、知りませんでした。自然にあってこその、草花で大切にしたいものですね。せめて盗掘者がヤマレコユーザーでは、ない事を願いたいですね。では、また。
komarikuさん、コメントありがとうございます。
昨年はタイミングを逸して見られませんでしたが、今年はバッチリ。
整然と並んだ母衣を見せてくれました。
情報が一気に拡散する時代ですが、いつまでもあるべき場所で見られる事を
願います。
こんにちは。
鈴鹿の春の花、第2ステージも満開ですね
新緑にピンクの群生、密度がとても濃いです。
これほどの石楠花は見応えがあります
さすがにバリルートを駆使して歩かれただけのことはありますね。
上がって下がって、マニアックなコース取りです。
反対側の谷のクマガイソウ群生地も、満開、見事なものです。
わざわざ足を運ばれるとはonetotaniさんらしいです。
あそこの群生地も見に行ったことがありますが、盗掘ですか!
本当に困ったものです。
あるがままの自然の中で咲いているのが、一番素敵なのに!
貴重種の花は、記録用に日記にしたりログや写真情報を削除したりするように心がけたいです。
ホントは多くの人に、自然の中で素敵な花を見てもらいたいんですけど、なんとも、寂しいことです
totokさん 今晩は。
「藪もうるさいが見応えも充分だよ」と聞いていましたが、その通りでした。
木も花も大きく、今まで見たものとは規模が違いました。
日を追って濃くなる新緑も、より楽しい気持にさせてくれました。
そんなハイテンションのまま帰るのは惜しかったので、クマガイソウの
群生地まで足を延ばしましたが、悲しい事実を知りました。
数日前には有った株が消えて、穴を埋めた形跡まであったそうです。
見物に行った私たちまで何か悪いことをしているようで複雑な気持ちに
なってしまいました。
新緑に、花の彩が加わって
華やかですね。見飽きるほどとは、なんとも
気分がいいですね。
シャクナゲは、開花したては
ピンクが濃くて、徐々に色が薄くなります。
今回、ご覧になられたのは、ホンシャクナゲだと
思います、開花時期によって、違う種類に
見えますね。
ハクサンシャクナゲは、時期がもう少し遅く
標高が高い山ですね。
クマガイソウは、絶滅危惧種の指定に加えて
種の保存法で、盗掘に関して
罰則が設けられてる花です。
こぅそり持ち帰る行為は
許しがたく思います。
komakiさん 今晩は。
ご指摘有難うございます、スッキリしました。
きつい登りが緩んだ後に、次々と現れる石楠花は
大げさに言えば圧巻でしたし、
新緑の自然林に覆われた尾根は、しつこい藪も含めて
大変魅力的でした。
このまま帰るのが惜しいので、暗く感じるコグルミ谷へ
向かいましたが、群生地に向かってうっすら踏み跡ができていました。
多くの方が訪れるようになると、やはり心配していた事が起きますね。
私達もコグルミ谷で話題の花を見てこようと思っていた所、ちょうどonetotaniさんにレコをアップして頂き、参考になりました。
盗掘は許し難いことです。大勢の皆さんがネットにアップしてますので、犯人も情報を探しやすいのでしょうね、注意が必要です。
三国岳付近はシャクナゲが見事なのですね、全く未踏のエリアなので、ダイラも含めていづれ歩いてみたいと思います。
teppanさん 今晩は。
僅かに登っただけでこれほどの花が見られる。
やはりコグルミ谷は花の谷ですね。
クマガイソウの群生地は登山口から近い事が、
こんな事件が起きる要因にもなるんでしょうか。
いづれにしても過剰な情報は控えたいと思います。
石楠花の群生エリアは三国岳最高点から東に向かって
尾根を下り始めた辺りから始まりますので、鞍掛峠起点で焼尾山を
含めたピストンでも見応え充分だと感じました。
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