毛勝山(敗退)
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- GPS
- --:--
- 距離
- 23.7km
- 登り
- 1,963m
- 下り
- 1,953m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
片貝山荘の6.6キロ手前のキャンプ場で通行止め。道路自体は3キロ手間の発電所までは問題なく、自転車があれば時間が稼げる。発電所から先はまだ根雪が多く徒歩のみ。片貝山荘は無人で施錠なし。宿泊環境としては良好。水の流れない水洗トイレなのでバケツに汲んだ水を用意する必要あり。登山ポスト不明。 |
写真
感想
今年の積雪期登山締め括りとして、GWの毛勝山を狙っていた。どうも予報によるとGW初日が一番天気が良いらしい。
私は山行きのスケジュールにおいて天気を何よりも重視する。単独行者にとって天気は重要だ。加藤文太郎も松濤明も天気を侮りさえしなければ、遭難せずに済んだのだ。27日は20時まで仕事をしていたが、帰宅してから急いで支度した。
22時横浜発、松本まで高速、安房トンネル経由で富山入り。途中諏訪SAで30分だけ仮眠。
片貝山荘まで車で行けると思いきや、今年は雪が多いせいかかなり手前で通行止めをくらう。山荘に辿り着くだけで片道約7キロ、2時間近くかかる。ほとんど徹夜の身にはこたえるが、6時頃に到着してすぐに出発することにした。
林道途中でBCスキーヤーらしき2人組を追い越す。その後結局、片貝山荘からの往復の間、誰一人ともすれ違わなかった。
片貝山荘で一休みしてを8時ごろ出発。道標は全くといっていいほどない。トレースも全くない。今日は気温が高く、雪はくさり気味でずぶずぶ潜る。
今まで白馬、針の木、石転び沢など、いろいろな雪渓を経験してきたが、楽しいとは感じても怖いとは感じたことは無かった。が、ここ毛勝沢はデブリだらけの本斜面、ところどころ亀裂が走り、絶えず小崩落がおきる左右の斜面と、どこにいても雪崩に巻き込まれそうな雰囲気でなんとも落ち着かず薄気味悪いところだった。
寝不足のせいか、足場が悪いせいか、コースタイムより、大幅に遅れていた。「ここが「二股」という地点に違いない、と思っていたら、実はその1つ手前の分岐だった。
二股より先、左の毛勝谷本谷を登るか、右の南谷を登るか迷った。本谷は終点は見えなかったが、途中は雪崩の堆積物で茶色く汚れて見えた。南谷は終点が雪庇で行止まりになっているように見えたが、斜面は白く、堆積物が少なく歩き易そうに見えたので右側を選択した。雪渓の頂上に近づくにつれ、斜度はどんどんきつくなる。ストックはしまってピッケルに持ち替えた。誰かが尻セードしたような雪の溝ができており、適度に圧雪されているのでこの上を歩くのが楽であったが、良く観てみると、この溝は雪庇が崩落し流れて行った跡だと分かった。稜線部にまだまだ鎮座している雪庇がこの溝を通って落ちていくと考えると、溝の上を歩くのも考えものだった。
雪渓も終わりに近づき、雪庇の張り出しの少ない、灌木の現れたところに到達した。ここを登れば稜線かと思いきや、しかしその奥にまた巨大な雪の塊が立ちはだかり、行く手が阻まれた。この塊の上をよじ登っていけばあるいは稜線に出られるかもしれない。しかし先がどうなっているか登ってみないとわからない。雪塊に取り付いている最中にその塊ごと谷底に墜落する可能性もある。また登ったはよいものの同じ場所から下降できなくなるかもしれなかった。時刻は既に14時20分。二股まで下降して左の本谷を登り直すには時間的体力的にoutだった。稜線に出てしまえば20分も歩けば頂上というところだったが、ここで引き返すことにした。
谷を見下ろすとあまりの急斜面に途方にくれそうになった。慎重に自分が刻んだステップ跡をトレースして後ろ向きに下りて行った。自分が切り開いたルートだからこのままトレースすれば絶対戻れる、というのは大きな安心材料だった。もし稜線に出て山頂を極めた場合、どのルートで下降しようか、きっと迷うことになっただろう。
片貝山荘に到着した時点で既に18時を回っていたが、そのまま駐車場まで歩き続けた。駐車場についたのはすっかり月明りになった頃だった。
こんな天気の良い日に山頂から剣や表銀座を眺められなかったのは残念であったが、安全第一で下山できたことを良しとし、また別の機会にリベンジすることにしよう。
毛勝山登山メモ
毛勝谷は雪崩の巣のような沢なので、今年のような雪の多い年はやめておくに限る。
時間に余裕があれば傾斜の緩やかな猫又谷-猫又山経由にすると安全度は増すであろう。
片貝山荘前泊、早立ちが成功の鍵か。
キャンプ場ー第4発電所間は舗装道路なので、通行止めの場合に備えてMTB持参が便利。
コメント
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natosiさん、こんばんは。
日本海側のお山はまだまだ雪が多く、標高差2000mを登られるのは
尻セードのような後がつく雪崩後をみると、トレースのない、この雪質では急斜の上りも下りも危険も多く大変だったと思います。
登頂できず残念でしたが、安全第一で無事に下山されて本当に良かったです
また、是非、晴天の日に山頂からの剣岳を見るため、リベンジしてください
お疲れ様でした
こんにちは。
山で撤退する経験は阿弥陀に続いて2度目です。今日の白馬遭難のニュースでも語られていましたが、適切なタイミングで引き返す判断を下すというのはとても重要なことですね。それから私は前回の駒ヶ岳で装備不足を感じ、今回はロープやツェルトを持参してきました。セルフレスキューの備えを持っているというのも単独行の難しい局面でパニックにならないための要素だと思います。
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