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記録ID: 186625
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
剱・立山

毛勝山(敗退)

2012年04月28日(土) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
23.7km
登り
1,963m
下り
1,953m

コースタイム

5:55片貝キャンプ場駐車場-7:40-7:50片貝山荘-二股-14:40稜線部(引き返し地点)-18:00片貝山荘-19:45駐車場 所要時間13時間50分
天候 快晴
過去天気図(気象庁) 2012年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
片貝山荘の6.6キロ手前のキャンプ場で通行止め。道路自体は3キロ手間の発電所までは問題なく、自転車があれば時間が稼げる。発電所から先はまだ根雪が多く徒歩のみ。片貝山荘は無人で施錠なし。宿泊環境としては良好。水の流れない水洗トイレなのでバケツに汲んだ水を用意する必要あり。登山ポスト不明。
早朝、富山平野から毛勝三山。
2012年05月02日 22:39撮影 by  XZ-1 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/2 22:39
早朝、富山平野から毛勝三山。
片貝山荘より6.6Kmも手前で通行止めを食らう。5:55仕方なくここから歩き。
2012年04月28日 05:53撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 5:53
片貝山荘より6.6Kmも手前で通行止めを食らう。5:55仕方なくここから歩き。
発電所を過ぎると道路上に根雪が現れ・・
2012年04月30日 11:22撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
4/30 11:22
発電所を過ぎると道路上に根雪が現れ・・
間もなく辺り一面が根雪に覆われた。
2012年04月30日 11:22撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:22
間もなく辺り一面が根雪に覆われた。
吊り橋(渡る必要なし)
2012年04月30日 11:22撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:22
吊り橋(渡る必要なし)
歩き始めて1時間40分、立派な建物が現れた。
これが片貝山荘?と思いきや
2012年04月30日 11:22撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:22
歩き始めて1時間40分、立派な建物が現れた。
これが片貝山荘?と思いきや
それは発電施設で、その隣のちょっと見劣りするこの建物が片貝山荘だった。中を覗かせていただいたが、まあまあきれいだ。
2012年04月30日 11:23撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:23
それは発電施設で、その隣のちょっと見劣りするこの建物が片貝山荘だった。中を覗かせていただいたが、まあまあきれいだ。
片貝山荘から先の車道(左側)は完全に雪の斜面と化し、もはやアイゼン無しでは歩けないほど。
2012年04月30日 11:23撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:23
片貝山荘から先の車道(左側)は完全に雪の斜面と化し、もはやアイゼン無しでは歩けないほど。
阿部木谷の出合。この左岸を詰めていく。正面の山は大明神山。
2012年04月30日 11:24撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:24
阿部木谷の出合。この左岸を詰めていく。正面の山は大明神山。
堰堤を巻いてどんどん登る。
2012年04月30日 11:24撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
4/30 11:24
堰堤を巻いてどんどん登る。
最後の堰堤のあたり
2012年04月28日 08:33撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
4/28 8:33
最後の堰堤のあたり
雪渓の崩落個所はここ1箇所のみ。水量は多い。これから徐々に崩落していくのだろう。
2012年04月30日 11:26撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:26
雪渓の崩落個所はここ1箇所のみ。水量は多い。これから徐々に崩落していくのだろう。
あの山の真下あたりが「出合」
2012年04月28日 09:29撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 9:29
あの山の真下あたりが「出合」
雪崩というより、雪の塊がそのまま滑って来た感じ。
2012年04月28日 09:39撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 9:39
雪崩というより、雪の塊がそのまま滑って来た感じ。
両側の斜面からは絶えず小さな崩落が起きている。
2012年04月28日 09:51撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 9:51
両側の斜面からは絶えず小さな崩落が起きている。
毛勝沢と大明神沢の「出合」付近より。正面の山はやはり毛勝山ではなく、その前衛峰。
ここからは左の毛勝沢に進路をとる。
2012年04月28日 10:13撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 10:13
毛勝沢と大明神沢の「出合」付近より。正面の山はやはり毛勝山ではなく、その前衛峰。
ここからは左の毛勝沢に進路をとる。
氷河の上を歩いているようだ
2012年04月28日 10:16撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 10:16
氷河の上を歩いているようだ
「二股」付近。毛勝山への最短コースは左の沢であるが、堆積物で沢が荒れている様だったので、ここはきらきら輝いて見えた右側の沢を選択する。
2012年04月30日 11:08撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:08
「二股」付近。毛勝山への最短コースは左の沢であるが、堆積物で沢が荒れている様だったので、ここはきらきら輝いて見えた右側の沢を選択する。
巨大なデブリ。
2012年04月30日 11:09撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:09
巨大なデブリ。
もうデブリのお祭り状態。
2012年04月30日 11:11撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:11
もうデブリのお祭り状態。
雪渓の終わりの岩稜帯がかすかに見えてきた。
2012年04月30日 11:12撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:12
雪渓の終わりの岩稜帯がかすかに見えてきた。
「二股」を過ぎると斜度はまた一段ときつくなる。
2012年04月30日 11:13撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:13
「二股」を過ぎると斜度はまた一段ときつくなる。
いくつもの雪の裂け目が口を開けていた。底雪崩が起きる日は近い。
2012年04月30日 11:13撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:13
いくつもの雪の裂け目が口を開けていた。底雪崩が起きる日は近い。
高いところから1本道を描くこの軌条は尻セードの跡ではなく、雪庇の崩落跡だった!
2012年04月30日 11:14撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:14
高いところから1本道を描くこの軌条は尻セードの跡ではなく、雪庇の崩落跡だった!
稜線直下の斜度が一番きついところ。
キックステップとピッケルの刃を突き立てながらかろうじて登ることができた。
2012年04月30日 11:15撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:15
稜線直下の斜度が一番きついところ。
キックステップとピッケルの刃を突き立てながらかろうじて登ることができた。
右のほうへトラバースしていけばただ1箇所雪庇の切れ目から稜線に上がれたかもしれないところがあった。
2012年04月30日 11:16撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:16
右のほうへトラバースしていけばただ1箇所雪庇の切れ目から稜線に上がれたかもしれないところがあった。
振り向くと遥か富山湾が見渡せた。
2012年04月30日 11:17撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:17
振り向くと遥か富山湾が見渡せた。
この雪を越えさえすれば稜線に抜けられるのに・・
2012年04月30日 11:18撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:18
この雪を越えさえすれば稜線に抜けられるのに・・
オーバーハングした雪の壁に完全に行く手を阻まれる。14:40ここで撤退を決意。
2012年04月30日 11:20撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/30 11:20
オーバーハングした雪の壁に完全に行く手を阻まれる。14:40ここで撤退を決意。
下山途中で振り返る。谷は陽が陰るのが早い。
2012年04月30日 11:21撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
4/30 11:21
下山途中で振り返る。谷は陽が陰るのが早い。
飛行機雲はすぐ消えた。明日も天気は続きそうだ。
2012年04月28日 16:48撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
4/28 16:48
飛行機雲はすぐ消えた。明日も天気は続きそうだ。
18時00分、漸く大明神沢出合まで下りてきた。山の頂にはまだ陽が当たっている。左奥には毛勝山らしきピークが見える。
2012年04月28日 18:03撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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4/28 18:03
18時00分、漸く大明神沢出合まで下りてきた。山の頂にはまだ陽が当たっている。左奥には毛勝山らしきピークが見える。
19:45 既に月明かりの中、駐車場に帰着。
2012年05月03日 00:25撮影 by  DMC-GF3, Panasonic
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5/3 0:25
19:45 既に月明かりの中、駐車場に帰着。

感想

今年の積雪期登山締め括りとして、GWの毛勝山を狙っていた。どうも予報によるとGW初日が一番天気が良いらしい。
私は山行きのスケジュールにおいて天気を何よりも重視する。単独行者にとって天気は重要だ。加藤文太郎も松濤明も天気を侮りさえしなければ、遭難せずに済んだのだ。27日は20時まで仕事をしていたが、帰宅してから急いで支度した。
22時横浜発、松本まで高速、安房トンネル経由で富山入り。途中諏訪SAで30分だけ仮眠。
片貝山荘まで車で行けると思いきや、今年は雪が多いせいかかなり手前で通行止めをくらう。山荘に辿り着くだけで片道約7キロ、2時間近くかかる。ほとんど徹夜の身にはこたえるが、6時頃に到着してすぐに出発することにした。
林道途中でBCスキーヤーらしき2人組を追い越す。その後結局、片貝山荘からの往復の間、誰一人ともすれ違わなかった。
片貝山荘で一休みしてを8時ごろ出発。道標は全くといっていいほどない。トレースも全くない。今日は気温が高く、雪はくさり気味でずぶずぶ潜る。
今まで白馬、針の木、石転び沢など、いろいろな雪渓を経験してきたが、楽しいとは感じても怖いとは感じたことは無かった。が、ここ毛勝沢はデブリだらけの本斜面、ところどころ亀裂が走り、絶えず小崩落がおきる左右の斜面と、どこにいても雪崩に巻き込まれそうな雰囲気でなんとも落ち着かず薄気味悪いところだった。
寝不足のせいか、足場が悪いせいか、コースタイムより、大幅に遅れていた。「ここが「二股」という地点に違いない、と思っていたら、実はその1つ手前の分岐だった。
二股より先、左の毛勝谷本谷を登るか、右の南谷を登るか迷った。本谷は終点は見えなかったが、途中は雪崩の堆積物で茶色く汚れて見えた。南谷は終点が雪庇で行止まりになっているように見えたが、斜面は白く、堆積物が少なく歩き易そうに見えたので右側を選択した。雪渓の頂上に近づくにつれ、斜度はどんどんきつくなる。ストックはしまってピッケルに持ち替えた。誰かが尻セードしたような雪の溝ができており、適度に圧雪されているのでこの上を歩くのが楽であったが、良く観てみると、この溝は雪庇が崩落し流れて行った跡だと分かった。稜線部にまだまだ鎮座している雪庇がこの溝を通って落ちていくと考えると、溝の上を歩くのも考えものだった。
雪渓も終わりに近づき、雪庇の張り出しの少ない、灌木の現れたところに到達した。ここを登れば稜線かと思いきや、しかしその奥にまた巨大な雪の塊が立ちはだかり、行く手が阻まれた。この塊の上をよじ登っていけばあるいは稜線に出られるかもしれない。しかし先がどうなっているか登ってみないとわからない。雪塊に取り付いている最中にその塊ごと谷底に墜落する可能性もある。また登ったはよいものの同じ場所から下降できなくなるかもしれなかった。時刻は既に14時20分。二股まで下降して左の本谷を登り直すには時間的体力的にoutだった。稜線に出てしまえば20分も歩けば頂上というところだったが、ここで引き返すことにした。
谷を見下ろすとあまりの急斜面に途方にくれそうになった。慎重に自分が刻んだステップ跡をトレースして後ろ向きに下りて行った。自分が切り開いたルートだからこのままトレースすれば絶対戻れる、というのは大きな安心材料だった。もし稜線に出て山頂を極めた場合、どのルートで下降しようか、きっと迷うことになっただろう。
片貝山荘に到着した時点で既に18時を回っていたが、そのまま駐車場まで歩き続けた。駐車場についたのはすっかり月明りになった頃だった。
こんな天気の良い日に山頂から剣や表銀座を眺められなかったのは残念であったが、安全第一で下山できたことを良しとし、また別の機会にリベンジすることにしよう。

毛勝山登山メモ
毛勝谷は雪崩の巣のような沢なので、今年のような雪の多い年はやめておくに限る。
時間に余裕があれば傾斜の緩やかな猫又谷-猫又山経由にすると安全度は増すであろう。
片貝山荘前泊、早立ちが成功の鍵か。
キャンプ場ー第4発電所間は舗装道路なので、通行止めの場合に備えてMTB持参が便利。

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コメント

ゲスト
日本海側の山は雪深いですね。
natosiさん、こんばんは。
日本海側のお山はまだまだ雪が多く、標高差2000mを登られるのは (驚)凄いです。
尻セードのような後がつく雪崩後をみると、トレースのない、この雪質では急斜の上りも下りも危険も多く大変だったと思います。
登頂できず残念でしたが、安全第一で無事に下山されて本当に良かったです
また、是非、晴天の日に山頂からの剣岳を見るため、リベンジしてください
お疲れ様でした
2012/5/4 21:36
mipomipoさん
こんにちは。
山で撤退する経験は阿弥陀に続いて2度目です。今日の白馬遭難のニュースでも語られていましたが、適切なタイミングで引き返す判断を下すというのはとても重要なことですね。それから私は前回の駒ヶ岳で装備不足を感じ、今回はロープやツェルトを持参してきました。セルフレスキューの備えを持っているというのも単独行の難しい局面でパニックにならないための要素だと思います。
2012/5/5 19:39
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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