玄倉の渓の美術館(モチコシ沢大滝、同角沢F1)
- GPS
- 05:32
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 2,680m
- 下り
- 2,604m
コースタイム
玄倉林道ゲート-1:00新青崩隧道-1:30モチコシ沢出合2:00-2:30玄倉ダム(玄倉林道)-3:00同角沢出合(同角沢F1)4:00-青崩隧道経由-5:45玄倉林道ゲート
実測:
08:23玄倉林道ゲート-09:01新青崩隧道-9:25モチコシ沢出合9:50-10:22玄倉ダム(玄倉林道)-10:41モチノキ沢出合-10:54同角沢出合(同角沢F1)11:35-11:50玄倉ダム-新青崩隧道経由-12:00仏岩の川原-12:32モチコシ沢出合(二度目)13:00-13:27新青崩隧道-14:03玄倉林道ゲート
(全行程14.1km/5時間40分)
※GPSが大きくぶれているため実際にはもっと短く11kmほど。
モチコシ沢出合及び同角沢出合へのアプローチ以外は全て林道を通過。
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
玄倉林道ゲートは15台+α バスならば新松田駅から富士急バスで玄倉へ。ゲートまでは30分程度か。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・林道メインのため危険箇所は川原歩きと登り下りを除き、ほぼない。 ・川原ではダムの放流がありうるのでサイレンに注意すること。 ・モチコシ沢への巨岩帯は水に入るつもりであれば難しくはない。 ・モチコシ沢から玄倉ダムへは一箇所だけ残置紐で岩から降りる部分がある。 ・新青崩隧道は曲がり角は真っ暗闇のため、少なくとも人に発見してもらえる程度の明かりは必要。ぶつかったり足踏んだりします。 |
写真
感想
玄倉川へ流れ込む沢でも、F1に見応えのあるモチコシ沢、同角沢の両方を林道メインで気軽にアプローチという脱力系山行の計画がもちあがりました。
久しぶりの、しかもシーズン初回からそんな体たらくでよいのか、という疑問もありながらあっという間に当日の朝になっていました。
事故渋滞:
順調に常磐道、首都高と通り過ぎ東名に入ったところで渋滞情報。町田あたりで渋滞ということで大和トンネルか海老名SAかと思っていたらどうやら事故の様子。緊急車両が道路端を抜けてゆきます。今日は近場で脱力系ですので焦らずいたらあっさりと抜けれて予想よりも早く着いてしまいました。
林道終点のゲート前にはすでに10台以上の車が。朝の早いシーズンですし当然かも知れません。シーズン初回ということでどうもカンが戻らずバタバタ準備します。
暑くも寒くもないので水は1.5l。いつもの沢靴&着たきりスズメのfinetrack装備で歩き始めます。
まだまだ工事中:
ゲートを通り杉の林のなかを進みます。川原は明るいですが林道は調度よい日陰で早々に上がってきた呼吸でも汗をかかずにすみます。途中のかれ沢では車道を確保するためのシェルター工事が行われていました。人様が仕事してるのに遊び呆けているという状況がなんだか申し訳ない気分になりますが、天気もいいので自然とカオがにやけます。
集中力を試される:
歩き始めて20分、境隧道につきました。予想より登った感があるとmiyasan3。地形図では横縞が詰まりすぎててわかりづらく、もっと平坦だと思ってたようです。
さらにテクテク歩くこと10分、新青崩隧道に到着しました。なるほど車が普通に通行できそうな立派なトンネルです。ですが今日はモチコシ沢へゆくのでここは帰りのみ通過なのでした。左手に続く旧隧道へと緑に染まる道をゆきます。
旧隧道に入ってすぐのシェルター部分から下降を開始します。と、ここでバタバタ準備のツケが。手袋を忘れていました。まぁ手の皮面の皮の厚さには自信があるのでヨシとすることにします。降り口すぐのところに真新しい花崗岩があって蹴り落とさないよう慎重に歩を進めます。涸れ沢なので新しいザレ、古いザレ、浮石、枯葉のミックスで『覚悟もせんと山に入ったらアカンで』と言われている気分になります。なぜ関西弁なのかは謎ですが。
明るい河原と仏岩:
暗い涸れ沢の端から河原へ降り立ちます。角のとれた石の転がる河原は広く眩しいほど明るいです。広い屈曲部から隧道側を見上げると仏岩がそそり立っています。河原は広く、水は浅くのんびりした気分でバシャバシャすすみます。
白い花崗岩、緑の閃緑岩、入り混じった河原を5分ほど進むと突如巨大花崗岩に出会いました。大足振り上げながらエッチラオッチラ登りこします。と、またしても巨岩そして緑の淵。白と緑で構成される不可思議な迷路に入った気分です。
花崗岩はまとまって現れるようで、2度ほどのりこえるとまた元のような河原に戻りました。柱状節理の壁を見ながらゆったりと曲がります。しばらく進んだところで写真班が谷の奥を撮影しています。モチコシ沢出合です!
U字の底でV字の奥へ:
V字に深く切れ込んだ流れのむこうに緩やかに滑り落ちる水が見えます。まだまだ遠いのですが高さはかなりありそうです。中央付近に段があるようで、明るい斜面をスルスルと力強く流れています。
出合部分の淵は左から回り込み、V字の底をつっぱりながら越えます。狭い河原から奥の高台へ登りたいのですが、フィクスロープはどうも手前過ぎかつ高すぎて淵を越えたいだけの我々にはちょっと、、という状態です。試しに淵に入ると2歩目で股下まで来ることがわかりました。朝イチで面倒だったこともあり、とりあえず淵の手前から撮影してもらいます。パシパシやってる写真班の後でフィクスロープを使ったターザン方を検討していると、右1mほどの部分でパシン!という水音が。続けて少し離れた部分にもカラカラと音がしました。壁から離れ右岸の上を警戒しつつ覗きます。しばらく観察しましたが動く影も音も無く、地震の気配もなさそうです。少し安心して写真班が撮り終えるのを行動食を食べながら待ちます。
V字をまたエッチラオッチラ本流の河原へと越え、本流の、こちらはU字の底部分を回りこむように進みます。どうやら曲がり角部分はあまり巨岩は多くないようですが、それでもポツポツある巨岩を乗り越え乗り越え、深い緑の淵を回りこみます。
蛇:
巨岩を越え、河原部分にようやくついた〜と一息ついていると、またしても右1mほどのぶぶんにボトリ、と何か枝のようなホースのようなものが落ちてきました。明るい花崗岩の上で灰緑色のなにかがこちらを黄色い目でみています、、蛇ですね。特に信心深いわけでもないですが、『おまんら気ぃ抜いたらイカンぜよ』と言われているような気がして、気合を入れ直します。ただし、なぜ土佐弁なのかは謎です。
大きな淵を越え右岸の巨岩から回り込もうとしていたmiyasan3が振り返っていました。どうやら高さがあって下までいけるかわからないということのようです。
さてどうするか、淵は相当深そうですし、、などと考えているうちに残置のシュリンゲを発見、あっさりと向こうへ抜けていました。準備のたりないガイドより、役に立つのは残置物。トホホ。
写真班は今回新兵器のV1で道中も撮れる(というか撮りやすくなった)とあって色々なところで構えに入っているのですが、進む速度が低下するでもなく進む方向も迷いがないようです。この調子では先輩面できる日も長くはなさそうです。
大淵を超えてだんだんと広くなってきた河原の奥に林道と段状の滝が見えてきました。どうやら合流点のアッチ沢のようです。屈曲部の先に水門が見えますが、ダムの邪魔になるのは本意では無いのでトンネル際の岩を登りさっさと林道へでます。
と、先に林道に出ていたmiyasan3がご老人と会話中でした。
滝を求めるご老人:
なにやら雑誌でこのあたりの滝を紹介していたので、ボウズクリの滝を見た後、こちらにいらしたとか。ところが地図もないし足は弱いしでどうしようか考えているとのこと。うーん、どうしましょう。足に不安があって地図なし。といって林道沿いに滝があるかは不勉強かつチェックしていませんでしたので、ガイドのしようもありません。足に不安があるなら戻られたほうが良いのでは、とお伝えすると「やはりそうかねぇ」とのこと。一応、西丹沢自然教室のことをお教えして、別れました。
玄倉ダムの青緑の水を眺めつつ林道を進みます。足場がしっかりしているためペースも早まりますが気温がちょうどよく、汗ひとつかかずにすみます。
玄倉ダムを超えた曲がり角を曲がった地点で、右から合流する流れが5~6mほどの滝になっていました。ありゃ、ここならば先ほどの方にも来られたかも、と思いつつ樋状に流れる滝(モチノキ沢)を記憶します。不勉強のツケはいつになっても後悔の元ですね。
同角沢へ:
いくつか短い隧道を抜け、そろそろかな、と思っていると曲がり角の電柱に赤ペンキのマークが見えました。同角沢への降下点です。左岸沿いに降りますが、どうも林道歩きが長かったせいか気が抜けていてバランスを崩しそうになります。危ない危ない。ヒヤヒヤしながら真っ白い一枚岩の上に降り立ち振り返ると、川の対岸に滝が見えました。同角沢F1です!
遠くから見るとそれほど大きく感じないのですが、近寄ってみると奥行きと落ち口の襟の高さがあり、階段上になった部分の上からでもそれなりに登らないと巻くのは難しそうです。右岸にはトラロープなども設置されているのですが、潅木の強度がよくわからないのでゴボウにするのも、などと考えながら昼ごはんです。
左岸のスラブと逆層の岩壁の間を最小で巻くのが一番楽そうに見えるのですが、三重の滝に行った後、戻ってこなければならないとすると残置を使わなければならない、、となって右岸の大巻きを出きるかにかかってそうなのでゴチソウサマ後はそちらを見にゆきます。あ、写真班は勿論ぱちぱち中です。
結局、登るのはそれほどでもないにせよ、下るのは我々には技術も装備も根性も足りないということで諦め、純粋な滝眺めタイムに入ることにしました。張り出しがあって襟も高いのでやや狭いながら、お屋敷の門のようにも見えます。天気もよく、本流の流れは浅く緩やかでのんびりした気分になります。
またしても仏岩:
お昼休憩もすんだので、林道に戻ります。歩きながら、時刻が予定よりも早いということで再度モチコシ沢へ行き、淵に漬かってでも奥を目指してみようということになりました。そうとなればとっとと戻ってしまうに限ります。ダムを越え、トンネルを抜け、真っ暗な新青崩隧道ではmiyasan3の足を踏み再び旧隧道前から川原へ下ります。
午前中も通った場所なので少しは覚えているかと思ったのですが、本当に特徴のある部分以外は記憶から早々と抜け落ちていることがわかり、途中からは完全に知らない道の気分で進んでいました。新鮮な気持ちをいつまでも。と言い換えればごまかせる気がしたのですが、今考えるとそうでもないですね。
仏岩も三度:
さて問題の淵ですが、腰までつかれば対岸はあっさりと登れることがわかったので、写真班が撮影している間、ずっとへつり練習をして遊んでいました。足の交差が体の硬さのせいで難しくなっているのを感じ、少し止まっただけで尻の筋肉が震えそうになることで体重の増加を感じます。とはいえ、いい岩遊び水遊びで、ファイブテンソールの天敵の赤苔すらも楽しみつつ明るい滝を眺め過ごしました。
帰りはわざわざ水を選んでWWを楽しみつつ、仏岩も三度まで、などと考えながらザレザレの涸れ沢を登り、あっさりと林道へ。ほとんど汗をかかずに気持ちよく帰路につきました。
番外編 断水:
帰り際、普段ならば手や顔を洗うのに使って後は捨ててしまう水を、なぜか仕舞いこんだのですが、帰宅してみれば断水という状況だったため結果的に助かりました。多分玄倉の山神さまに『水は大事んせぇといけんのー』と言われたのだと思います。なぜ播州弁なのかはやはり謎です。
・準備にぬかりがあったことに現地で気づくというのは、場合によっては致命的なのであらためたい。
・動きが硬く重くなっているので、少しずつでも解消してゆきたい。
・感想を書くのが久しぶりすぎて、2日もかかった(その割に大したことを書いてない)ので今後は早く振り返ることにしたい。
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