谷戸入沢左俣[イセ沢]遡行・谷戸入沢(右俣)下降
- GPS
- 07:21
- 距離
- 6.5km
- 登り
- 553m
- 下り
- 551m
コースタイム
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:21
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年07月の天気図 |
アクセス |
写真
感想
谷戸入沢左俣[イセ沢]遡行・右俣[本流]下降記録
作成者:丸山
■日程 2019/7/15(月)
■山域 西丹沢
■天候 曇り・上部霧
■メンバー
L丸山(35/OB)、山本(37/OB)、梶原(40/B2)
■総評
すっきりしない天気の中で選んだ転進先だったが、登れる滝が多く、程よく増水し
ていて楽しめた。景色の良い沢に行くには向かない天気だったので、ちょうどよい
転進で、天気の割には充実した山行ができた。
■ヤマレコ記録
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1933266.html
■時間
8:56 出発
9:44 二俣
11:28 15m大滝下
11:39-12:34 ゴルジュ内8m滝
13:02 詰め終わり
13:33-49 右俣下降開始点で休憩
15:29 二俣
15:58 帰着
■ルート概況(敬称略)
※滝の落差等は丹沢の谷200ルートに基づく。この遡行図では落差は過大評価傾向
にある。
※ヌメリが激しくフェルトソール推奨。
○遡行(谷戸入沢イセ沢)
・半堰堤状3条7m滝は、右の凹角を登れる(III+)。明瞭な巻道があるので通常は巻
くが、意外と大巻になるしヒルが多い。
・5m滝(実際は4m)はホールド・スタンスが細かくIV程度。
・その上の小滝(1m程度)はつるつるで意外と難しい。右岸をへつって越える。
・2段5mは水流を跨いで突っ張りで登る(III+)。
・ヒョングリ状7m滝は右から登れる(III+)。
・石積堰堤(4m)は楽しく直登できる。
・滝上に小堰堤のある5m滝は水線左がIII+程度。
・15m大滝(実際は2段2+10m程度)は登れそうになく、右岸から巻く。小さく巻こう
とすると横に張った根に頼る微妙な巻きになるが、大きく巻くと容易。
・ゴルジュ内8m滝(実際は6m程度)はこの沢の登れる滝では最も難しい。ハーケンを
2枚打ってA0も交えて水線右を登った(IV+)。
・三俣で水はほぼ消える。中俣を遡行したところ、岩床が続き比較的良い詰めだっ
た。ただし林道の法面が登りにくかった。
※特記した滝以外は全てIII以下で快適に登れる。
○下降(谷戸入沢本流)
・右俣の林道との接続部分は残土捨て場になっていて、人工的地形で下りやすい。
奥秩父のトーバク沢下部に似ている。捨て場から沢床に降りる部分が垂直であり、
右岸の立木で懸垂下降。遡行の場合は左岸の凹角を登れそう。
・右俣最上部の2条15m滝は実際は10m程度で、左岸立木から30mロープで余裕をもっ
て懸垂下降可能。立っている上に脆く、登るのは難しそう。
・これ以降の右俣はかなり平凡。所々にそれなりに綺麗なナメがある。
・堰堤群には巻道がついていたようだが、部分的に崩壊して不明瞭である。それほ
どヤバい地形ではないので適当に歩けるが、ヒルが多い。
・堰堤群の下はナメ小滝が多く、割と美しい。
・右俣で一番下の4m滝は「右III+」とされているが、左がIII程度で登降可能。
■行動記録
□出発まで
3連休最終日、天気が相変わらず微妙なので、ジム転進も検討したが、何とか行け
そう。念の為ジム転進装備も持って出発。集合場所はセブンイレブン伊勢原桜台一
丁目店としたが、伊勢原駅周辺にはセブンが3店舗もあって分かりにくい。梶原が
間違え、遅刻。山本の超安全運転で、小雨の中、西へ向かう。山北町に入ってそろ
そろ止んでほしいな?と思う頃にちょうど止んでラッキー。人気のない皆瀬川沿い
の県道を走って人遠に至る。如何にも僻遠の地というような地名で興味深い。出合
を少し通り過ぎたところで道が広くなっておりここに駐車。
□遡行
○二俣まで
遡行準備後歩き始め、県道を少し戻ると皆瀬川に降りる道があって、楽々の入渓。
平凡な河原を歩いていくと堰堤があり、右から巻く。少し進むと上部が堰堤の滝
で、通常は巻くようだが右凹角が登れそうだったので、ロープを出して丸山がリー
ド。根に頼りながらの如何にも沢らしいクライミングで堰堤上へ至る。後続を待っ
ていると、ヤマビル発見。うっかり失念していたが、この辺りが既にヤマビルの支
配地域だったことを思い出す。1.5mの滑りやすい小滝を越えると二俣。
○堰堤まで
イセ沢に入るといきなり小滝の連続。いずれも楽しく登り、多くのパーティが巻い
ている5m滝に至るが、登れそうである。丸山が最初に登り、後続にはお助け紐を出
した。続く1m滝は釜が深く、最初左岸からへつろうとしたが難しかったので、一見
難しそうだった右岸に挑戦したところ、意外と越えられた。続く2段5mは山本がフ
リーで取り付いたが踏ん切りがつかずに降りて、改めてロープを出し、丸山がリー
ドした。すぐに次のヒョングリ状7m滝があり、これも丸山がリード。セカンドの山
本はヒョングリ附近で滑ってテンションをかけ、滝で初めて落ちたと嘆いていた。
○大滝まで
一瞬だけ沢が平凡になったところに現れる堰堤も直登し、続く5m滝も左を直登。3m
滝を登ると大滝で、いかにも登れないので右岸から巻く。小さく巻くことを考えた
が、丸山が微妙だと言うと、山本が大巻きのルートを先導してくれて容易に巻け
た。
○三俣まで
随分滝を登った気がするがまだまだ終わらず、沢がゴルジュ状になって最後の連瀑
帯となる。下の方の滝は適当に登って目にする8m滝は、結構難しそう。まずは山本
が取り付いたが、ホールドが乏しくて登れず、しかも降りれないとのこと。いわゆ
るセミである。仕方ないのでロープを出し、丸山がその横から登っていくが、確か
に厳しい。悪い体制でハーケンを2枚打ち、効きが悪そうなので軽くA0して、何と
か登攀。ロープ固定後、山本はアッセンダーで登ったが激しくA0。意外とハーケン
はよく効いていたらしい。梶原がハーケンを回収してラストで登ったが、ロープで
激しくゴボウ。続く6m滝は快適。最後にナメを堪能して三俣。
○林道まで
後藤さんの遡行図ではここから右岸を詰めているが、まだ沢筋が行けそうなので、
一番まともそうな中俣を選択。顕著な谷筋が続き、比較的快適な詰めだったが、林
道直下に至って問題発生。林道の法面が急で上がりにくい。丸山は無理やりクライ
ミングして登ったが、梶原・山本はお助け紐を使用しても登れず。山本は林道沿い
にトラバースして上がりやすい場所を探し、梶原は3トライ目くらいで漸く上がっ
た。山本も結局別の場所からお助け紐を使用して上がった。三俣の中俣の詰めはこ
の林道に上がる部分が微妙である。
□八丁神縄林道
林道は開けていて景色がそれなりに良さそうだが、濃霧のため何も見えない。下降
点を探しながら北へ行くが、結局右俣の沢筋に降りれそうなのは1か所だけだっ
た。ここで昼食休憩。梶原は行動食を忘れたとのことで、非常食を食べたり山本や
丸山から分けたりした。なお、ここの堰堤には「ヤイトリ沢」と書かれていたが誤
記であろう。
□下降
○沢に降りるまで
この谷筋は残土捨て場となっていて、現在は後藤さんの遡行図に描かれているよう
な滝はない。3面張りの谷筋の右岸側斜面を下っていくと、最後は垂直な壁となっ
ていて降りられない。幸いにも立ち木が1本あり、ここから懸垂下降で沢に降りら
れた。
○2条15m滝まで
ガレた沢を少し下ると滝出現。クライムダウンは出来ないが、左岸にちょうど良い
立木があるので懸垂下降を選択。降りてみると10m程度で、これが2条15mなのか疑
わしいと思ったが、他に滝は無かったので間違いなかったようである。
○堰堤群まで
左俣のイセ沢に比べるとこちらは本当に滝のない沢で、快調に下れる。結構下った
ところで堰堤が出てきて、これを左岸から巻くと、また堰堤が見えてくるので沢筋
には戻らずに巻き続ける。これを繰り返して5基程度の堰堤を巻いた頃には、我々
はヤマビルまみれになっていて、慌てて引きはがしにかかった。
○二俣まで
堰堤群の下はそれなりに綺麗な沢で、ナメ小滝が多く癒される。最後のIII+の滝は
如何ほどだろうかと思っていたら、反対側から簡単に降りられて拍子抜け。
○帰着まで
遡行時には登った半堰堤状滝も巻いたが、意外と大高巻きで、遡行時は登攀してお
いてよかったと思った。この巻きでまたヤマビルが憑き、山本と梶原は大騒ぎしな
がら除去していた。これ以上憑かれる前に、と急いで下って駐車スペースに帰着。
□解散まで
駐車スペースでも入念にヒルチェックをし、帰りは新松田まで梶原の運転。慣れて
きているようで、特筆なし。
■備考
・容易な滝から難しい滝まであるが、巻きは難しくないので、登攀力に応じて楽し
める。
・残置支点は見当たらなかった。
・人との遭遇なし。
・ヤマビルがいる。特に下部に多く、右俣の堰堤群の巻きでは多く確認された。
・普段の水は少なそうなので増水時が良さそうだが、そういう時はヤマビルも出や
すいのが問題である。
・一応山北町なので西丹沢としたが、岩質は表丹沢と同じで、フェルトソールが良
い。
■CL感想
・期待以上に良い沢だった。アプローチや詰めも短く、内容も表丹沢の代表的な沢
と比べて遜色ない。
・山本と梶原のヤマビルに対する反応が過激で面白すぎる。腹筋攣りそうになっ
た。
■山本感想
2週連続でセミになるとつらい。簡単な滝をフリーで登って調子に乗らないよう
に。
■CLコメント
・言ったそばからセミにならないように。
■反省
+適切な決行判断をした。
+適切にハーケンを打った。
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