荒島岳・九頭竜川支流ハナウラ谷
- GPS
- 07:06
- 距離
- 5.3km
- 登り
- 956m
- 下り
- 931m
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
ずっと好調だった天気が、よりによって週末に下り坂。降水確率は70%。予定していた某谷の遡行は断念して、支流の谷へと転向することにする。
雨天時の谷を選ぶ場合は、これまでの経験からいくつかの条件をオレはあてはめる。入渓地の時間雨量が1〜2mm以内であること、エスケープが容易なこと(ツメに登山道がある)、本流では無いこと、本流を渡って入渓するような支流ではないこと、などだ。
雨の日の遡行など、とても尋常な精神ではない印象も受けるだろうが、正直、入渓出来るのならどこにでも入りたいというのが本音で、それ以外の理由は何もはない。簡単に言えば"週末がもったいない"というだけだ。
今回入渓したハナウラ谷の遡行記録は見当たらないが、隣の七反滝谷同様、きっとこの谷にも先行者の足跡があるに違いない。
いつも思うことだが、谷の遡行記録はやはりきちんと後世に残すべきだと、常日頃から思っている。記録を残すことで未知の領域が公に晒されるという一面は拭えないが、遡行の記録を見ることで、遡行当時における、この谷を志した先行者の心意を窺い知ることができる。これは同じ沢屋としてもたいへん興味ある部分であり、しかも同じ谷に目を付けた人間としては、いちばん察したいところでもある。
さて、荒島岳東陵には近年新しく登山ルートが切り開かれた。この登山ルートのおかげでこれまで難儀だった遡行のルート取りがかなり簡便になったことは事実である。これまでは谷を突き上げても上部には道がなく、そこから濃密な藪と下降としても険しい谷を再び辿らなければなかったからだ。
荒島岳の東陵北面、東面、そして南面。今後これらに点在する幾つかの谷が、登山道の開拓によって、多くの入渓者によって切り拓かれるのは時間の問題だろう。
ハナウラ谷は荒島(岳)特有の荒れ谷である。先頃遡行した七反滝谷に渓相が類似しており、中流域はガレで埋まっている。滝も小振りで難易度も小さく、流程の長さ相応の谷だった。
しかし谷の要点は井然と整っており、遡行の楽しみは十分に味わうことはできた。
10時を過ぎることから、雨は小雨と本降りを繰り返すようになった。谷間一面にはガスが立ち込め、視界はどんどんと狭まった。そんな谷を詰め上げ、転げ落ちそうな源頭斜面を木登り状態で抜け上がると、いきなり新しく切り開かれた登山道(下山(しもやま)ルート)に飛び出した。
登山道では雨は本降りとなり、静かなブナの森も、まるで谷中のような甚だしい雨音に包まれていた。
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