レタス畑広がる川上村・梓山から苔むす十文字峠を越えて秩父・川又へ
- GPS
- 25:45
- 距離
- 24.8km
- 登り
- 1,380m
- 下り
- 2,046m
コースタイム
- 山行
- 3:00
- 休憩
- 0:20
- 合計
- 3:20
天候 | 1日目:雨ときどき止む 2日目:晴のち曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
高尾07:06(JR中央本線) 甲府08:43/8:53(JR中央本線) 小淵沢09:43/10:06(JR小海線) 信濃川上10:51 信濃川上駅10:57(川上村営バス)¥550 梓山11:22 復路 川又14:21(西武観光バス)¥640 三峰口駅15:20 三峰口(秩父鉄道・西武秩父線直通) 西武秩父15:44 ※西武秩父駅前祭の湯 西武秩父18:33(西武秩父線・池袋線) 東飯能19:20/19:31(JR八高線) 八王子20:07 |
写真
感想
年末にニュージーランドのミルフォード・トラックへ行くメンバーで顔合わせを兼ねてトレッキングをすることに。
そこでリーダーのK氏が選んだのが、信州川上村の梓山から十文字峠を越えて秩父の川又へ降りるルートだ。
平坦なルートから少しピークを越え、また平坦に長く歩くのでミルフォード・トラックの練習になるだろうという算段らしい。
十文字峠は前からシャクナゲの季節に行きたいと思いつつ、バス終点の梓山から登山口の毛木平までの車道歩きが嫌で行っていなかったので、今回はちょうどいい機会だと思った。
信濃川上駅からの川上村営バスに乗るのは、16年ぶりだ。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-175680.html
その時は、梓山を経て終点の川端下まで乗りそこから廻目平から金峰山を経て大弛峠へ行ったのだが、今回はバス停の一番東側になる梓山で降り、そこから登山口になる毛木平まで歩く。
信濃川上駅でも外国人をたくさん見かけ、このあたりもインバウンドなのかなと思ったのだが、川上村を歩いていてその理由が分かった。
レタスの出荷場で、外国人労働者が働いているのである。
なるほど、さすがはレタスで「平均年収2500万円の村」として有名な川上村だ。
今日は九州に台風が近づいていて、秋雨前線が北上してきて天気が悪い予報だったが、思ったより天気は持っている。
それでも梓山バス停から歩き始めたときには雨が降り出してきたのでレインウェアを着たのだが、結局たまに降ったりやんだりなので樹林帯に入る毛木平からは脱いでしまったくらいだ。
そして毛木平への車道も時折レタス配送のトラックの排気ガスは臭いが、レタス畑の中の道なので気持ちよく歩けた。
これならまたシャクナゲの時期に梓山から毛木平まで歩いてもいいかなと思った。
ひと登りで十文字峠へ到着。
小屋に入ってしまうともう出たくなくなるだろうから、先に今回のルートで唯一のピークとなる十文字山へ。
ここは展望は全くないので、とりあえず記念にピークを踏んだという感じである。
十文字小屋の主人は、74歳の女性。
この方のお話が面白かった。
この日は雨の予報でほかの登山客の予約は全キャンセルとのことで、夕食までや夕食後いろいろお話できた。
山小屋を運営しながらあちこち登山へいらっしゃっていて、北海道の山は50もピークを踏んでいるとのこと。
クマの話やらダニの話やら、ちょっとした不注意で起きてしまった怪我の話など話は尽きない。
ちょうど自分が先月歩いた笠ヶ岳〜双六岳も先月末に登ったとのことで、その時聞いたという最近の20代くらいの若い登山者の無謀な登山についての話が興味深かった。
1日ですごい距離を歩くのだが、結局そうなると日が暮れてからも行動していることになる。
実際今年も暗い中行動したことによって遭難死亡事故も発生してしまっているようだ。
確かにもう下山し終えようとしている14時くらいに、これから登っていく人たちにすれ違うこともあり、そういうことなのかと合点がいった。
きれいなトイレは土足厳禁で「違反者は百叩き」なんて書いてあって、ユーモアのあるこの山小屋の主人にまた会いに来たいなと思った。
翌日は起きると、思いがけず朝日が射しこんでいる。
せっかくなので近くにある「かもしか展望台」へ行ってみる。
十文字小屋の主人は別に行っても大したことないから雨が降る前に早く降りた方がいいという感じだったのだが、確かに西のほうへ少しだけ展望が開けているだけなので大した展望ではない。
まあでも今回のルートの中で唯一の展望が開けた場所だった。
十文字峠まで戻り、そこから川又へ向けて長い下山が始まる。
ルート上は終始、濡れた苔と岩と木の根なので、滑る滑る。
しかも今回、去年守門岳へ履いていって、靴底が減っているので滑りやすくもう捨てようと思っていたのだが捨てきれずにいた登山靴を最後の記念にと履いてきたのでやっぱり滑る。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1518072.html
大したピークに登るわけではないからと思って履いてきたのだが、失敗したなと思った。
結局二度ほど大きく転んだ。
昨夜の十文字小屋の主人の話で、怪我をしたとき初めから自分でもこれはまずいんじゃないかなと思っていることが多く、それを放置したときに事故が発生するというのがあったが、早くもそれを体感することになった。
靴底が減った登山靴ではどんな山でも履いていっては危ないのだ。
登山道は苔に覆われつつあるところも多く、なんども沢を横切るのだが崩壊が激しく、この道はあまり歩かれていないのかもしれない。
ただ途中、柳避難小屋がありそこに「栃本十文字峠線歩道」と名付けられた看板があり、マーキングも多数あるので維持管理はなされているようだ。
沢を高巻きするので何度もアップダウンがあり、距離の割には歩き甲斐のあるルートだった。
朝は晴れていたが、昼近くにはかなり曇ってしまったので、展望が期待できないこのルートなのでそれもあまり気にならない。
それよりも、誰一人として登山者とすれ違わず、沢の音しか聞こえない登山道が気持ちよかった。
最後は廃線になった森林軌道である入川軌道を見ながら入川渓谷を歩ける魅力あふれるルートなので、もっと歩く人が増えるといいなとも思う。
川又へ至り、そこからはバスで三峰口駅へ向かう。
途中、大規模な滝沢ダムを通過。
そういえば19年前の大学生の1年生の時、当時の秩父郡大滝村中津川に実習で来たが、このダムができるとのことで付け替え道路ができたという話を聞いたことを思い出した。
ループ橋から見えたダムはひどく巨大で、しかも古色を帯びつつあり、あれからそれだけの年月が経ったことを実感させられた。
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