三峰山沢〜富良野岳
- GPS
- 16:00
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 1,883m
- 下り
- 1,368m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
十勝岳温泉駐車場に自転車デポ |
コース状況/ 危険箇所等 |
全体的に雪渓が残っていた。不安定そうなのは少なく、使っていたが中央は薄いものもあったので不用意に渡ったりするのは危険だろう。 全体的に非常に脆い。また、ナメっぽいのでフリクションに慣れていないと苦労しそう。 ちょっとした段差も小巻きを心掛けないと、上へ行き過ぎて沢身に下ろすのが難しくなるので注意がいる。 雪渓で埋まっているところもあったので、全ての滝が見れたわけではないが、シュリンゲなど補助したらスムーズなこともあるだろう。 |
写真
感想
今回は、沢と高山植物の2本立てということで、十勝連峰の三峰山沢から富良野岳へ。
札幌を出たことは天気が悪く少し心配だったが、富良野までくるとすかっぱれ。期待が高まる。
十勝岳温泉への道は勝手知ったるものだが、この時期に来るのは初めてだ。緑が映える山々に胸躍らせつつ、ところどころ残る雪渓は少し心配だ。
十勝岳温泉駐車場に自転車をデポして、バーデンかみふらのに駐車。
少し下ったところにある林道入口から入山。去年の富良野北尾根と同じところだ。
入山してしばらくは左岸に続く林道を歩いていく。フキに覆われているのと、気温が高いので暑苦しくて仕方ない。
途中でてくる堰堤はすべて左岸からまく。
co1170m二股は広い河原。左岸側に大きな滝が見えるが、左股より規模の小さい右股へと歩みを進める。
少し進むと九重ノ滝であろう連瀑の手前に雪渓が現れる。
ひんやりと冷気が出ていて気持ちがいいのだが、薄くなっているところもあるので、端のほうを選んで、パーティを離して進んでいく。
九重ノ滝は巨大なナメ滝の連瀑だ。
1段目は雪渓の末端から左岸に取りつくが、非常にもろく注意が必要。
最初に上った味噌パンが出してくれた細引きが非常に助かった。
雪渓を渡るのを警戒していかなかったが、右岸のほうがホールドスタンス豊富で登りやすそうだ。
それ以降の滝はだいたい右岸で登っていける。
そこまで難しいわけではないが、ペロリとしたところをフリクションを効かせながら登る感じとなる。
スリップしたら下まで落ちる可能性もあるので気が抜けないし、高度感もある。
最上部の滝も右岸から行った。ガバなのだが、ここも脆いので落石には注意が必要。
滝上からも雪渓によって磨かれたナメが続いて心がときめく。雪渓も所々に出現する。
ちょっとした段差も、ペロリとしていて登るのが難しいこともあり巻くこともあるが、小巻きを心掛けないと沢身に戻るのが面倒になることもあるので注意がいる。
一か所どうしても直登できない滝があり、左岸から巻いた。
トップの味噌パンは狭いバンド状を慎重に突破。
後続は、4mくらい登ったところにあるブッシュを掴みつつ巻いた。
雪渓が残っているせいでとても水は冷たいが、水自体は温泉成分が混じっているのか鉄の味がする。行動水を持参するのがいいだろう。
その後も美しい岩盤の沢は続き、ひときわ大きい雪渓に乗って歩き、どんずまったところで大きな華雲ノ滝が迎えてくれる。
2段25mといったところか。しかし、岩肌を嘗めるような水流からは大きさほどの迫力はなく優しい印象の滝だ。
ここで一休み。それにしてもいい天気。入渓時は暑過ぎはしないかと心配したが、雪渓や冷たい水のおかげで気持ちがいい。
華雲ノ滝の巻きは手前左岸の微沢状。人が良く入っているのかしっかりとしていてわかりやすい。途中、熊の糞がありびっくりする。
ブッシュが増えて登りづらくなるかと思ったところに小さなデポ旗があり、そこから下るとブッシュの抜けた砂礫の斜面を超快適に沢身に戻ることができる。
快適さもさることながら、ここから見える富良野岳の北面の迫力も素晴らしい。
ここからもナメは続くが規模は小さくなるが、雪渓もちょぼちょぼ。
co1530mの右岸の砂礫の斜面からは水が湧き出している。ここをちょろっと登って微尾根にでると、十勝岳方面が一望できる。
相変わらずの荒涼として迫力のある山々だ。
co1570二股はどっちにいくか迷ったが、右股はピーク直下の岩にぶち当たりそうなので避けて、肩下にタラ地にでる左股を選択。
上から見た感じ右股でも稜線に出れそうだし、実際登っている記録もあった。
面白いかどうかはわからない。
このあたりから高山植物がちらほら。チングルマやエゾコザクラなどがちらほら咲き始める。
沢はというと、完全に雪渓が優先する。沢足袋でも意外と雪渓を登れることに驚いたが、軽アイゼンをつけるのが快適だろう。
沢水の温泉臭さはココらへんではなくなる。
ハンマーバイルをピッケル代わりに登り、ハイマツ帯へ突入。
ハイマツのなかでもアオノツガザクラがひょっこりと顔を出している。
腰下くらいのハイマツを漕いで、夏道に出た。
開けた休憩所には人が多く、話を聞いてみるとウスバキチョウがいたらしい。なんとも見てみたいものだが、結局しっかりとは確認できなかった。
富良野ピーク方面はお花畑が綺麗とのことで期待が高まる。
少し登って行くとチングルマやハクサンイチゲの群落が姿を表した。
いつもチングルマは時期を逃し、綿毛ばかり見せられていたのでこれは嬉しい。
白い花々の中には、コイワカガミやエゾコザクラ、ウズラバハクサンチドリ、エゾヨツバシオガマ、エゾヒメクワガタなどの紫の花やメアカンキンバイ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイなどの黄色い花がいろどりを添えている。
植物好きにとってはもちろん、わからなくても心躍る風景だ。この時期におつづれてよかった。ちなみに今年は高山植物は早めなようでなおさらラッキーだ。
そんなこんなで、ゆっくり目にピーク着。ちょうどお昼だ。
おにぎりやダブルラーメンを食べながら、夏の十勝を眺める。
実はこのころ、十勝岳でいろいろ起きていて、翌日には登山禁止になるような自体など知る由もない。
思い思いに晴れたピークを楽しんでピーク写真とって下山開始。
同じ道を引き返しているのに、行きでは見つからないものがみつかるから不思議なものだ。
夏道はトラバースルーを行く。分かってはいたが暑い。
標高を下ろすに連れてサンカヨウなどの樹林内の花が出てくるが、ちらほら高山植物もまじり、Zポイント付近では再びイソツツジなどが出てくるから不思議なものだ。
荒々しい富良野の山並みや、相変わらずの迫力の安政火口などを眺めつつ、十勝岳温泉に下山。
下山写真とって、デポしてあった自転車でバーデンまで下る。
実はひそかにこのイベントを楽しみにしていた。思った通り、ぐんぐんスピードが出て夏の風が気持ちいいが、ちょっとスピードで過ぎて怖かった。
そんなこんなで自動車を回収し、バーデンで汗を流し、富良野の魔女のスプーンで、おいしいカレーを食べて今山行は幕を閉じた。
コメント
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いつも質問ばかりで申し訳ありません。雪渓を歩く時もフェルト底のままで歩くのでしょうか?それともピンソールをつけたり、ゴム底にするとか?
今回は斜度も硬さもなかったのでフェルトのままいけましたが、本来なら軽アイゼンなどを装着したほうが、楽ですし安全だと思います。
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