穴路峠・秋山村・棚ノ入山・赤鞍ヶ岳・二十六夜山ハイク
- GPS
- 07:54
- 距離
- 18.0km
- 登り
- 1,593m
- 下り
- 1,457m
コースタイム
天候 | 曇時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
無生野から棚ノ入山までの道が不安だった。、急斜面で歩きにくい箇所、わかりにくい箇所もあったが、意外にも新しい道標があるなど予想よりも整備されていた。赤鞍ヶ岳方面も道は明瞭だった。二十六夜山まで誰にもあわなかったが、最後に尾崎方面から登ってくるハイカー二人とすれ違った。遅い時間にどこまでいくのかな?と思ったがーー。 |
感想
穴路峠・秋山村・棚ノ入山・赤鞍ヶ岳・二十六夜山・尾崎ハイク
今年の冬山は雪が多くなりそう。熊倉山のあと、矢岳方面も考えたが、雪のやや少ない秋山村の山に向かった。上野原からのバスが普通だが、始発は遅く、8時28分なので、赤鞍ヶ岳まで向かうための時間節約で鳥沢から穴路峠を越えて無生野の入った。
自宅を始発で出発し、鳥沢に6時48分着。これが通常の最速の接近方法。また藤野駅発、6時20分発奥牧野行きに間に合えば、6時40分過ぎには奥牧野。そこから0.5kmで秋山村だが、無生野までは11km以上ある。ここをMTBで走るのが一番速いアクセス方法だろう。7時半には無生野方面に行けそう。しかしMTBごと山を歩くか、MTBまで戻る周回コースを組まねばならない。
さて、トイレを済ませて6時50分過ぎに出発。ほかにもう一人ハイカーがいたが、おそらく扇山に向かったのだろう。穴路峠に向かって一人旅。すでに太陽は昇って明るくなり始めた。線路をくぐって鳥沢集落を進むと朝日に輝く山々が見える。西のほうの遠くの山はおそらく九鬼山・馬立山から大月に向かう稜線か?あるいは大菩薩方面か?振り返ると扇山にも朝日が当たって大きく美しい。
桂川をわたって小篠集落に向かう。なかなか立派な家並み。駅から30分ほど歩いて、林道ゲートに出た。ゲートの扉を開けて進むとすぐ貯水池。そこから20分ほどで石仏に7時46分到着。1時間弱なのでほぼコースタイム通りだが、予定ではもっと早く歩くはずだった。しかし写真を撮りながらゆっくり歩いてしまった。体も温まったので上着を二枚脱いで、薄いスポーツシャツ二枚と薄いウィンドブレーカーになった。高畑山への路を見送り、穴路峠を目指す。夫婦杉、大栃の木を過ぎ、薄暗い谷筋から明るいトラバース道になった。8時を過ぎ、前方に高畑山・雛鶴峠から連なる稜線が見えてきた。合流地点が穴路峠だ。
8時半過ぎに峠着。一息入れて秋山村無生野に向かって下る。気持ちのよい落ち葉の緩やかな下り。20分ほどで下れるかと思ったが、15分ほどで林業関係者のキャンプ地などを通過、さらに歩きにくい沢の中の道を過ぎると舗装林道に出た。結局9時ごろ、穴路峠から25分ほどで無生野に出た。上野原からのバスが9時10分ころ到着するからわずかに早かった。しかし穴路峠を歩けたのだから一挙両得だ。
35号線を無生野バス停に向かって少し戻ると赤倉岳バス停が(現在冬季休止中)あり、そこから林道が分岐。二十六夜山への入口という看板があった。また角には立派な雛鶴姫(松姫)の石碑があった。林道を進むと5分ほどで人家が途切れ、さらに進むと棚ノ入沢(たんのいりさわ)が西股・東股に分かれるところに出たようだ。ここで新しい林道ができており、その新しい林道が立派なので思わずそちらに向かってしまう。道標もない。ここで間違う人がかなりいるようだ。二万五千の地図には出ていない林道だ。少し新しい林道に入ってみて様子を見ると、やはり東股に向かっているので分岐に戻り、GPSでも確認して古い林道を進んでみる。
西股沿いに進んでいるので安心して林道を進む。赤テープが沢床に見えるが、林道終点まで進むはずなので沢筋の踏み跡にも注意しながら林道を進む。入口から20分ほど進んで林道が途切れる。ここに手書きの道標発見。沢沿いの細い踏み跡を進むと二つ先の堰堤を渡るような指示。堰堤を見ると堰堤そのものは渡れない。その先を見ると道標があり、そこで沢を渡る。9時34分、12月17日に設置された真新しい道標だ。
沢を渡り、古い橋を渡ると急な山道になる。ところどころ、立ち木につかまらないとずり落ちてしまうほどの急な登りだ。傾斜が緩むとFSCの認証を得た森林管理地の表示。こんなところにもFSCかーーと驚いた。さらに進むと沢床に降りて沢の中の踏み跡を歩く。9時56分、再び真新しい道標、「秋山あるこう会」のサインがあった。古い道標もある。そこから再び左側の急斜面を登って、尾根に出る。10時過ぎ、落ち葉の中の尾根道を歩く。やや傾斜が緩むが、20分ほど進むと再び、道が悪くなる。左側にかなり急傾斜の踏み跡、右にもトラバースするような踏み跡があり、はじめ左の急斜面を少し登ったがあまりの傾斜にいったん戻って右側を進んでみた。しかしこの道も半分崩れており、その先を見ると沢沿いの先に道が消えているように見えた。水平道だがその先は沢に突き上げている。最後はやはり急傾斜の沢の源頭をつめることになりそう。左を見ると急傾斜地に踏み跡らしきものも見え、尾根に向かっている。ここで決心して強引に立ち木につかまりながら尾根に向かう。厳しいのぼりだが何とかうまいコースを見つけて尾根に出た。尾根上は踏み跡がはっきりしている。しかし大変急な尾根で立ち木に時々つかまりながら進む。さすが赤点線コースだけあって初心者だけでは大変だろう。10時40分、三度真新しい道標、サンショ平=?棚ノ入山(たんのいりやま)の稜線はもうすぐだ。しかし最後まで傾斜は尋常でないきつさーー立ち木につかまり、ゆるいトラバース道を見つけて何とか這い上がった。10時50分、稜線に出ると目の前に赤鞍ヶ岳を中心とする向こう側の稜線が目に入った。斜面にはかなりの残雪。稜線を少し右に上ると棚ノ入山頂の道標、サンショ平の文字はない。道標の後ろを見ると、無生野に下る道の道標が見えた。おそらく途中で分かれた谷沿いのトラバース道に出るのであろう。いつかこのコースを下ってみたいものだ。検索した記録にも出ていた。昼食を食べて一休みし、これからどうするか地図を見ながら検討。予定ではサンショ平10時15分、赤鞍ヶ岳11時15分、サンショ平に戻るのが12時10分ということで一時間近く遅れた。どうするかーーとりあえず赤鞍ヶ岳に向かって途中まで入って11時30−40分ころ引き返そうと思った。踏み跡を追って進むと赤鞍ヶ岳の稜線が間近に見える。鞍部に出て荷物を置き、身軽になって急坂を上る。残雪の凍結状態もたいしたことなく、ストックなしで11時32分、赤鞍ヶ岳山頂に出た。30分かからなかった。一分ほど撮影し、巌道峠方面や菜畑山方面を見てすぐ引き返した。下りは残雪で滑りやすいので木の枝を拾って杖代わりにし、慎重に下る。25分ほどで棚ノ入直下に出てゆっくり撮影、棚ノ入には12時だった。予定よりここで早くなった。赤鞍ヶ岳の雪の稜線を眺めながら5分ほどで1117mピーク、さらに進むと右前方に何か端のような建設物がある。はじめは何かわからなかったが、地図を開いて確認するとなんとリニアカーの工事だった。トンネルとトンネルの間の谷間の架橋工事だ。近くの林道は二リア工事のため、閉鎖になっている。その林道は大地集落から始まり、王ノ入沢沿いに王ノ入林道となり、上流で折り返して尾崎に下っている。右側後方の奥には赤鞍ヶ岳から巌道峠に向かう残雪の稜線、左前方には権現山の稜線、大菩薩方面などが見えている。所々、秋山村、上野原、藤野方面や猿橋、大月方面の市街地も見えてくる。
12時44分、浜沢への下山路分岐。よく見るとここが三日月峠。峠は日差しがなく寒いので少し進んで日差しのある場所で腰を下ろし、ここで残りの弁当を食べて補給。すぐ出発してすぐ先に再び浜沢分岐。さらに進むと左に高倉山などの秋山村の山々とその下に集落が見え隠れする。13時2分、とうとう二十六夜山分岐に出た。
荷物を置いて山頂に向かう。5分ほどですぐ山頂、古い道標しかなかったが、樹間から周囲が見え、落ち葉の積もった広々とした気持ちのよい場所。その先にもいくつか小ピークがあり、行ってみたが道標はない。すぐ引き返し、13時14分、分岐に戻る。分岐の先には二十六夜塔の道標がある。指し示す方向を見ると石の塔があった。二十六夜と彫ってある。江戸から明治にかけて流行した月待信仰に関する石碑だ。月末新月のころに月待ちの時間に下界と月のよく見える場所でお祈りをすると三尊菩薩が顕れて願いをかなえるという信仰だった。江戸期に爆発的に広がったらしい。江戸のブームは去っても地方の山村では明治になっても残ったらしい。秋山二十六夜塔は明治期の建立だ(1890年ごろ)。道志の二十六夜塔は1850年代らしい。ゆっくりと撮影し、当時の庶民信仰を偲んだ。
13時16分、下山開始。左右の秋山、道志、藤野の山並みを眺めながら気持ちのよい落ち葉の道を下る。MTBでも快適に下れそう。途中、二人連れの男性ハイカーとすれ違った。ずいぶん遅い時間だが、車なら往路を引き返せば問題なしかーー。30分くらい快適な道を下り、最後は急斜面の薄暗い植林地を一気に下って14時前に林道に出た。集落の家並みが見えてきて正面にはおそらく寺下峠、矢平山、その奥に高柄山などがそびえている。35号線まで出たのが14時過ぎ、寒い。周囲を撮影し、残った食べ物などを食べ、上着を二枚着て寒さをしのぐ。30分に上野原から来たバスが無生野に向かい、そのバスが14時45分過ぎに上野原に向かって戻る。それに乗ってようやく寒さから開放された。最近ハイキングを始めたという秋山出身の運転手と四方山話をしながら帰路に着いた。
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