鷹ノ巣山、稲村岩尾根から奥多摩駅、ガケ登りのオマケつき
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- GPS
- 09:18
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 2,107m
- 下り
- 2,244m
コースタイム
8:20-8:33 道迷い1
8:37-9:15 道迷い2
9:52 稲村岩へり
12:20 鷹ノ巣山頂
13:00 発
14:03 将門馬場
14:33 六ツ石山分岐
15:26 三つ木戸山そば
16:52 一旦車道に出る
17:35 奥多摩駅
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り JR奥多摩駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
先々週に奥多摩三大急登のひとつの本仁田山に登ったので、今週は次の日が休みということもあり、三大急登の長男坊、鷹ノ巣山の岩村尾根に挑戦することにした。しかも下りは奥多摩駅までの長い下り、さていかなる事になるか。ここをこなせれば、テント担いでのアルプス挑戦も現実味を帯びる、と思って勇んで出かけたが、結果は出だしから躓きちょっとトホホな結果に。 コース状況は、登りは確かに緩みがなく大変だが、急登箇所には木段もあり危険なところはない。下りはゆるやかな長い下りで迷うところもない。中盤以降、一部U字の道の中央がぬかるんで歩きにくいところがあった。 |
写真
感想
<テーマ>
初めて鷹ノ巣山に登ったのが今年の2月、峰谷から雪の道で、少し足がつったりして苦戦したが、山頂は絶景で富士山、南アルプスがくっきり見えた。鷹ノ巣ファンになったかもしれない。5月には雲取山の帰りに寄ったので今回は3回目。急登で名高い稲村岩尾根からのトライ。テントを担いで鳳凰三山に挑戦したいと思っているので、その試金石になるかどうか。
<道すじ>
奥多摩駅から7:25の東日原行きのバスに乗るため、三鷹駅を5時半ごろの高尾行きに乗る。しかしまたしても寝不足だ。普段12時だいぶ過ぎに寝るのに早く起きるからといって早く寝ることが出来ない。皆さんどうするのだろう。電車の中でも例によって目がさえてあまり眠れない。
奥多摩駅に着くと梅雨も明けた、ということか、連休の中日ということか人出が先々週よりずっと多い。トイレに行って戻ると東日原行きのバスの前には長蛇の列だ。1台目に結構詰め込んだ後、2代目増発のコール、2代目はほぼ全員着席状態でスタート。
川乗橋で半数近くが降りられたが後はほとんど終点まで。日原に来るのははじめてである。ここから三ツドッケの稜線に行くのもいいよ、とも教えてもらったが、今日はともかく鷹ノ巣へ。東日原のバス停にはトイレもあり、自動販売機も近くにあった。降りた人たちもポツポツと鷹ノ巣方面へ。少し車道をさらに奥へ進むと良く見た稲村岩の特徴のある形が目に入る。ただ、記憶ではもっと岩の柱のような印象が残っていたが、夏となって結構緑に覆われている印象。その肩からむかって左手にスーッと斜めに上がっているのが稲村岩尾根だろう。あそこを登っていくのかな、と。斜角30度ぐらいであろうか。
<2度も道を間違える>
さらに少し車道を歩くと左手の川のほうに降りていく道の入り口に「鷹ノ巣山方面登山口→」の看板がある。そこを入って日原川の流れまで下り「巳の戸橋」と言う橋を渡って稲村岩の向こう側に回る。そこから山沿いの登山道を登っていくのだが、、、。
橋を過ぎて少し行った辺りで3人連れのパーティに追いついた。女性がいるのでゆっくり行きますから先にどうぞ、とおっしゃったのでお先に、といってまえに行かせてもらう。しかしどうも後から思うとこの辺りで頭がボーッとしていたようだ。また、稲村岩尾根コースのことは前から何度もヤマレコなどで読んでいたが、つい直近の確認をせずに来た。ただ、稲村岩に行くコースと、山頂に直ぐ行くコースがどこかで分かれている、という今から思うとちょっと誤った理解がぼんやりと有った。ふと顔を上げると案内板がある。稲村岩と言う字が目に入った。そこに分岐があって上に登る道がある。後から見ると案内には鷹ノ巣山も同じ方向に書いてあるのに、早合点して上に上るんだと思ってしまった。
しかも入った道が結構急な登りだがきれいに整備された道。いかにも人気コースにふさわしい。つづれ降りに折り曲がっている。疑いもなく登ってしまったが、ふとGPSを見るとルートを徐々に離れている。どうも八丁山方向に上っている。あわててきた道を引き返して登り口に戻り、さっきの案内を見るとちゃんとまっすぐが鷹ノ巣と書いてあるではないか。ほとんど寝ていたようだ。
気を取り直して漸進する。さっきの3人は先にいかれただろうな、と思いながら進んでいくと、何やらまたちょっとややこしいところに。道が行き止まりのようになっていて、右手に急な坂と言うか崖がずどんと立ちはだかる。なるほどこの登りは奥多摩3大急登の筆頭にふさわしい。GPSの方向もこの向きのようだ。相当急である上に石が結構ごろごろして転がったりする。しかしどうみても人手が入っていてただの斜面ではなくルートだと思われる。山と高原地図のiPhone版ではちょうどルートに乗っている。もう少し登ったところで左にトラバースするように思えたのでさらに登った。しかし登っても登っても左には行く道が出てこずまだまだ登るコースが続く。さすがにおかしいな、と思い25000分の一の地図のGPSに変えてみる。これで見るとはっきりコースアウトしている。
アチャ、と思いながらしょうがないので下りにかかる。しかしこんなところ登ることは出来ても下るのは本当に苦手だ。結局2回ほど転んだ上に右手のひらをすりむき血まで出て来た。このときはほとんど、「もう帰ろう」モードとなっていた。すりむいたところを治療して、手袋を引っ張り出して装着、ようやくまた登り口まで戻ると、そのまま進む道があることにようやく気づく。何とか気持ちを立て直して進んでいくと小川のほとりに出た。そこに4人ほどの別のパーティが休んでおられた。少し挨拶して話をしたが、「道間違えてしまって」と言うと、「赤いテ−プが有りますから分かりますよ」とおっしゃっていた。こちらはちょっと傷心状態?なので何となく少し一緒に歩き、小川の橋を2,3回わたった。ようやく道もはっきりしてき、4人はゆっくり行かれる、と言うことでお先に、と言ってまた進んでいった。
ここからようやく本来の山歩き。そこからはちょうど先々週の本仁田山に良く似ていた。稲村岩はちょうどアルファベットのAのような形をしているが、稲村岩尾根はそのAの斜面の上3分の1のところ辺りから大体斜角30度ほどで右に上っている。先ずその3分の1のところまで上るのが急斜面の腹をジグザグに上ることになる。(本仁田山の大休場までと同じだがむしろ本仁田山の方が急だった)ふうふう言いながら何とかこの稲村岩のヘリまでたどり着いたがこの時点で10:00ごろ。1時間近くロスしたようだ。
<頂上まで>
ここで少し休んだ。ほかにも7,8人休んでおられ、岩に取り付いて上る人もいる。小生はとんがった岩を見るとテレビでも背筋がぞくっとするので、もちろん近寄らない。しかし、長丁場と思いながら出だしでロスしたのでやはり気持ちが重い。少し休んで歩き出した。ここから尾根だがここも本仁田山に似ている。急で単調な尾根のぼりだが、本仁田山が尾根のコースタイム1時間に対しここは2時間、長く緩みがない。少し休みながら行ったが、ようやく少し緩むであろう「ヒルメシクイノタワ」の少し前辺りから足が全然でなくなってきた。エンジン使い切ったような感触。そこから先はよたよたとまだかまだかと休み休み進む。
ヒルメシクイノタワの少しの緩みを過ぎたところで、朝追い越した3人のパーティに追いついた。メンバーの女性に合わせてゆっくり上ってこられたようだ。そこで行ったん追い越したが、また上りで動かなくなり休んでいると追いついてこられたりしてほとんど同時に頂上に着いた。12:20である。
<よたよたと下る>
前の2回に比べても今回は頂上に着いたときに余裕がなかった。倒れるように座り込む。天気は雲の合間に青空も見え、富士山は見えないが奥多摩の山々は美しい。風が涼しくふもとの蒸し暑さとは比べられない気持ちよさだ。
しかし疲れた。
座り込んでから3、4分してそばに別のグループが座られた。見るとさっきの3人の方々である。「これは、これは。」といってお昼を食べながら少し話させていただいた。月末に北アルプスに行くのでその予行練習のためにこられたようだ。話を聞くと男性二人は私と同年代か少し先輩のようだが、若いころ大分山で鳴らした人たちのようである。最近になってまた山歩きに戻ってきたそうである。こちらは、アルプスに足を踏み入れるかどうか、迷っている子羊なので、いろいろ話を聞かせていただいた。
それにしてもこれからの長い下り、足が持つだろうか。何かの本で登りに3分の1、下りに3分の1、非常用に3分の1と思って配分しろ、と書いてあったが、このときの感じでは足の能力を9割がた使ってしまい残り1割、昼食で休んで3割ぐらいに回復と言うところか。唯一の頼みは下り長丁場、標高差1400mだが、下りがゆるいと言うこと。何とかだましだまし行こう、と。
3人の方たちはゆったりとお昼を楽しんでおられる。小生は足に余裕がないと思っているので、もっと休めばいいのかもしれないが気持ちが焦る。3人の方も同じコースで下る予定だと言っておられたが、それでは、と言ってお先に出ることにした。「もう、お会いすることはないかとは思いますが。」と男性の一人の方がおっしゃった。
さて、石尾根を下りにかかる。足はやや与太ついているものの下りなので何とか足は進む。この前2月にここから栢の木尾根を下った時は雪道をチェーンスパイクで歩いてすごく気持ちが良かった。今回はよたよただが石尾根の気分のよさは変わらない。しかしバテている。大体昼食を採ると別足のように戻るものだが、この日はそう行かず30分ごとに小休止を入れていった。
水根山、城山と過ぎ、将門馬場の広場のところで座り込んで少し休み、六ツ石山への分岐を過ぎ田辺りまでちょっと短い急な下りを交えながらほとんどゆるやかなくだりが続く。分岐を過ぎて30分ほどのところに下に下る分岐があって、道標に「三ノ木戸林道を経て奥多摩駅」上のほうも「絹笠を経て奥多摩駅」と書いてあった。しかし地図にはこの下の道はなかった。ちょうどカップルのハイカーが先にそこにいてどうしようか考えておられた。地図には無いが下向きの看板のほうが新しいので新しく道が出来たのかもしれない。カップルの方たちは、「林道の方がすっといけるかも」と言って下る道を選ばれた。小生は間違え続きでリスクを取れず地図にある道をいくことに。
この辺りを過ぎてから人と会うことがほとんどなくなった。少し下りも急になってきて休み休み黙々と歩いた。三ノ木戸山(さぬきどやま)のわきを過ぎて少し行ったところで、下り道が溝のようになって道の真ん中が泥になっているところが出てきた。なるべく泥を避けて歩いたり両側の乾いたところを交互に飛ぶように歩いたりしたがなかなか苦戦した。ふと横を見るとそばの高台の方が返って歩きやすそうにも見える。ここを歩くかとも思ったが、リスクをとらない気分になっており、地味に泥道を歩いて降りていった。ところが上のほうから声がして、高台の方を降りてくる人たちがいる。「そっちの方が歩きやすいですか。」「ええ、そこは泥で歩きにくいでしょう。」と答えてくれた人は、何とさっき頂上で一緒に話した3人のうちの一人の方だった。追いつかれてしまったのである。
やあやあ、と言うことでまた少し話をしたが、多分20分近く後に出られたのではないかと思うが、登りではゆっくりのペースだった女性がさっさと歩かれて、よたよたの小生に追いつかれたようだ。(後のお二人は、もともと走ってでも降りられそうだが。)そこから少しご一緒したが、どうもやはり小生のほうが遅れがち。お先にどうぞ、と言うことで、先に行ってもらったが、結構つらかった今回のコースで、楽しい出会いとなった。
そこから3、40分さらに下ってようやく奥多摩の町が見えてきた。先々週そばを通った日原川のほとりのジブリの要塞のような工場も木の間から見えてきた。そして5時前にようやく林道にたどり着く。
<林道に出てから>
林道に出たところで、最後のほうですれ違った若いカップルの方が休んでおられた。ようやく着きましたね、とねぎらいあった。朝から同じコースを来られたという。ただ5月にも来られたそうで、「ここからまだ結構あるんです。」との事。確かヤマレコでも、林道からが長かった、というコメントを見た記憶が有った。そこからおふたりとぶらぶらとご一緒させてもらった。林道をしばらく下った後、少し登山道があって林道をショートカット、また林道を歩き、今度はちょっと長い登山道下り。一旦林道にたどり着いてほっとした足にはつらい下りだった。最後に神社の裏にたどり着き、何とか無事?の戻りを感謝し、最後の参道の山道を下りたところでようやく町に出た。
この間若いおふたりと楽しく話させていただき、また励まされもして、足の痛みを忘れさせていただいた。前回5月にはじめてこられたときには何とおふたりもスタートで間違えて例の崖を登られたという。「ここじゃないよ、という看板かけてほしいですね。」と、にわか被害者の会を結成して盛り上がった。もっとも看板にかいてもらっても小生は間違えるかもしれないが。
しかしおふたりは5月に一度このコースにチャレンジして、そのときは「2度と来ない」と思ったというが、この日には再チャレンジされている。立派なものだ。小生も、懲りずに再挑戦の機会をうかがおう。今度はもう少しスマートにやりたいものだ。
車で帰るお二人と駅の近くでお別れして、5:30過ぎにようやく奥多摩駅に到着。電車が直ぐに有ったが、空席もなさそうで、服も汗でぬれているので一本見送り着替えて水分補給もし、次の電車で帰路に着いた。
まあ、いいトレーニングにはなったが、相変わらず課題の多いことである。
もう20年近く前、冬場に同じコースをたどり、最後の最後の神社の凍てついた階段で思いっきりこけて尾てい骨を強打したことを思い出しました。
何とかたどり着いた、という感じです。
もう一回近々行って、余裕を持って歩きたいと思います。
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