記録ID: 218353
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ハイキング
丹沢
浅瀬〜鎌田鉱山跡〜まぼろしの山神〜椿丸
2012年08月23日(木) [日帰り]
knot
その他2人
体力度
2
日帰りが可能
体力度について
- GPS
- 06:20
- 距離
- 14.0km
- 登り
- 904m
- 下り
- 898m
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標高グラフを拡大コースタイム
08:30 浅瀬ゲート
09:00 芦澤橋
09:45 山百合橋
10:30 鎌田鉱山跡
10:35 無名小沢入渓
11:25 山神峠(まぼろしの山神)11:45
13:00 織戸峠分岐(大昼食会)14:15
14:16 椿丸
17:00 浅瀬ゲート(河原水遊び含む)
09:00 芦澤橋
09:45 山百合橋
10:30 鎌田鉱山跡
10:35 無名小沢入渓
11:25 山神峠(まぼろしの山神)11:45
13:00 織戸峠分岐(大昼食会)14:15
14:16 椿丸
17:00 浅瀬ゲート(河原水遊び含む)
| 天候 | 晴 |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2012年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
「まぼろしの山神」とは佐藤芝明氏(感想参考)が付けた仮称です。 もちろん世附山神峠の山神を指します。 |
写真
まずは世附川沿いに水ノ木幹線林道を歩く(不老山へのつり橋があったあたり)。浅瀬ゲート手前に車を止めたが、2010年の台風9号以降訪れる釣り客もなく、駐車場はひっそりと静まり返っていた。それよりなにより、ゲート横に在った湯山商店が消えてしまっているのは寂しい。
まずは世附川沿いに水ノ木幹線林道を歩く(不老山へのつり橋があったあたり)。
浅瀬ゲート手前に車を止めたが、2010年の台風9号以降訪れる釣り客もなく、駐車場はひっそりと静まり返っていた。それよりなにより、ゲート横に在った湯山商店が消えてしまっているのは寂しい。
浅瀬ゲート手前に車を止めたが、2010年の台風9号以降訪れる釣り客もなく、駐車場はひっそりと静まり返っていた。それよりなにより、ゲート横に在った湯山商店が消えてしまっているのは寂しい。
じきに工事関係者の通行止の案内板が出てくる。7月に訪れたときは川沿いの迂回路ができてなく、重機のオペレーターに許可をもらい工事現場脇を通らせてもらった。
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じきに工事関係者の通行止の案内板が出てくる。
7月に訪れたときは川沿いの迂回路ができてなく、重機のオペレーターに許可をもらい工事現場脇を通らせてもらった。
7月に訪れたときは川沿いの迂回路ができてなく、重機のオペレーターに許可をもらい工事現場脇を通らせてもらった。
迂回路は100mほど。
浅瀬橋で分ける地蔵平への大又沢幹線林道は、3�卆茲膿佑蘯屬眥鵡圓魘愡澆垢襪箸琉篤眸弔�出ていた。
浅瀬橋で分ける地蔵平への大又沢幹線林道は、3�卆茲膿佑蘯屬眥鵡圓魘愡澆垢襪箸琉篤眸弔�出ていた。
ここは僕らの若い頃はラリーが盛んにおこなわれてたところで(僕も藤沢の公認ラリーチームに所属していた)、この林道もつなぎで使い、走った記憶がある。
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ここは僕らの若い頃はラリーが盛んにおこなわれてたところで(僕も藤沢の公認ラリーチームに所属していた)、この林道もつなぎで使い、走った記憶がある。
芦澤橋で右岸に渡るとすぐ第一の崩壊地が見えてくる。ここは一昨年の集中豪雨で崩落した場所だ。ここは一見ムッムッと腰を引きたくなるところだが、やはり物好きはいるとみえて、細く踏み固められた道がついている。それを辿れば問題はないだろう。
芦澤橋で右岸に渡るとすぐ第一の崩壊地が見えてくる。ここは一昨年の集中豪雨で崩落した場所だ。ここは一見ムッムッと腰を引きたくなるところだが、やはり物好きはいるとみえて、細く踏み固められた道がついている。それを辿れば問題はないだろう。
とは云うものの、詰めの最後はボロザレ状態なので、このような場所に慣れていない人は少しばかり緊張するかもしれない。
世附川左岸に注ぎ込む悪沢を、湯ノ沢橋で見るとやがて第二の崩壊地に出合う。ここは今年7月の記録的な集中豪雨で崩れたところ。僕は7月16日に偵察で一度来ているが、ここのトラバースは命がけだった。とにかく脆いのだ。そのうえ落石の心配もしなくてはならないし・・・。
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世附川左岸に注ぎ込む悪沢を、湯ノ沢橋で見るとやがて第二の崩壊地に出合う。ここは今年7月の記録的な集中豪雨で崩れたところ。僕は7月16日に偵察で一度来ているが、ここのトラバースは命がけだった。とにかく脆いのだ。そのうえ落石の心配もしなくてはならないし・・・。
そこで今回は連れもいるということで、危険な崩壊地横断は止めて、一旦世附川に下り石伝いに歩いていくことにした。まあ、ここが犬畜生と違うところだな。人間は学習するという知恵をもっている。ヤイ！人を甘く見るなよ。ウー、ワン！
そこで今回は連れもいるということで、危険な崩壊地横断は止めて、一旦世附川に下り石伝いに歩いていくことにした。まあ、ここが犬畜生と違うところだな。人間は学習するという知恵をもっている。ヤイ！人を甘く見るなよ。ウー、ワン！
すばらしい川、世附川。
林道修復工事はしない方がいいのかもしれない。玄倉、世附は丹沢最後の聖域だ。静かに見守ってやりたい。
林道修復工事はしない方がいいのかもしれない。玄倉、世附は丹沢最後の聖域だ。静かに見守ってやりたい。
山百合橋通過。これでふたたび左岸沿いを歩くことになる。浅瀬から馬印(水ノ木)までには浅瀬、湯の沢、山百合、広河原、金山、夕霧などいくつかの橋があるが、世附川にかかる橋は芦澤橋とこの山百合橋だけである。
山百合橋通過。これでふたたび左岸沿いを歩くことになる。
浅瀬から馬印(水ノ木)までには浅瀬、湯の沢、山百合、広河原、金山、夕霧などいくつかの橋があるが、世附川にかかる橋は芦澤橋とこの山百合橋だけである。
浅瀬から馬印(水ノ木)までには浅瀬、湯の沢、山百合、広河原、金山、夕霧などいくつかの橋があるが、世附川にかかる橋は芦澤橋とこの山百合橋だけである。
世附川取水口入口のところに止めてあったユニック付きの特殊キャタピラー車両。尾根への斜面には林道が伸びていて、上部でコンマ2ぐらいの比較的コンパクトなユンボーがチマチマ動いてた。
世附川取水口入口のところに止めてあったユニック付きの特殊キャタピラー車両。尾根への斜面には林道が伸びていて、上部でコンマ2ぐらいの比較的コンパクトなユンボーがチマチマ動いてた。
一人での林道歩きはつまらないが、三人もいるとおしゃべりもできて、このままずっと林道でもいいかなと思えるから不思議だ。そして、あっという間に鎌田鉱山跡。現在坑口はコンクリートブロックで塞がれ、中を窺うことはできない。隣にも同じ坑口がある。
一人での林道歩きはつまらないが、三人もいるとおしゃべりもできて、このままずっと林道でもいいかなと思えるから不思議だ。
そして、あっという間に鎌田鉱山跡。現在坑口はコンクリートブロックで塞がれ、中を窺うことはできない。隣にも同じ坑口がある。
そして、あっという間に鎌田鉱山跡。現在坑口はコンクリートブロックで塞がれ、中を窺うことはできない。隣にも同じ坑口がある。
隙間から撮影。よく分からないが、鉱物の酸化反応のような赤褐色の岩盤が浮かび上がった。
「まぼろしの山神」へは鉱山跡すぐ先の小沢から取り付く。入渓場所はひどく暗く、陰鬱な印象を受けたが、やがては倒木などあるものの、陽射しも差し込み、鎮守の杜を抜けた社殿への参道を歩いているような気分になる。
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「まぼろしの山神」へは鉱山跡すぐ先の小沢から取り付く。入渓場所はひどく暗く、陰鬱な印象を受けたが、やがては倒木などあるものの、陽射しも差し込み、鎮守の杜を抜けた社殿への参道を歩いているような気分になる。
お世辞にも綺麗とは云えない沢水を昼食用(煮沸使用)に汲んでいく。とても飲み水としてはつかえない。手水としてなら云う事なし。
時として四つん這いになるほどの急斜面。風も無い。汗がほとばしり出るとはこう云う時の状態を云うのだろう。幸いだったのはセミの声がほとんど聞こえなかったこと。谷向こうから一匹のツクツクホーシが鳴いているだけだった。
時として四つん這いになるほどの急斜面。風も無い。汗がほとばしり出るとはこう云う時の状態を云うのだろう。幸いだったのはセミの声がほとんど聞こえなかったこと。谷向こうから一匹のツクツクホーシが鳴いているだけだった。
今日の山行の第一本命「まぼろしの山神」。この写真は今回のもので、台座の上に木片をはめ込んだ丸い卵形の神体がみれる。しかし、本来あるべきはずの頭上の置石が見当たらない。
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今日の山行の第一本命「まぼろしの山神」。
この写真は今回のもので、台座の上に木片をはめ込んだ丸い卵形の神体がみれる。しかし、本来あるべきはずの頭上の置石が見当たらない。
この写真は今回のもので、台座の上に木片をはめ込んだ丸い卵形の神体がみれる。しかし、本来あるべきはずの頭上の置石が見当たらない。
こちらは2009年5月15日に訪ねた時のもの。神体の上にはちゃんと置石がのっている。あれだけのものが何故落ちたのかは分からないが、神体を守る屋根や壁は柱ごと社前の方に傾いており、何らかの強い力が置石に働いものと思われる。神体の頭上は平らになっており、少しばかりの力では自重もあるので動かないはずだ。置石を持ち上げようと思ったが、とても2〜3人でどうにかなるという重さではなかった。
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こちらは2009年5月15日に訪ねた時のもの。神体の上にはちゃんと置石がのっている。あれだけのものが何故落ちたのかは分からないが、神体を守る屋根や壁は柱ごと社前の方に傾いており、何らかの強い力が置石に働いものと思われる。神体の頭上は平らになっており、少しばかりの力では自重もあるので動かないはずだ。置石を持ち上げようと思ったが、とても2〜3人でどうにかなるという重さではなかった。
神体、台座、置石はそれぞれ歴史の古さが違うらしい。台座が最も古く、神体、置石と続くらしい(佐藤芝明氏による)。
台座の中心に刻まれた「十六花弁」の菊花紋。この御紋や後醍醐天皇のみささぎ説によって、大正から昭和にかけて起きたあの世附の大発掘ブームに繋がる訳である。
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台座の中心に刻まれた「十六花弁」の菊花紋。この御紋や後醍醐天皇のみささぎ説によって、大正から昭和にかけて起きたあの世附の大発掘ブームに繋がる訳である。
菊花紋章の両脇には唐草模様が刻まれていた。話は飛ぶが、今日同行のムシキノの住む東京都豊島区の旗は、畏れ多くも「十二花弁」の菊花紋で、中心に豊の字をあしらってある。
菊花紋章の両脇には唐草模様が刻まれていた。
話は飛ぶが、今日同行のムシキノの住む東京都豊島区の旗は、畏れ多くも「十二花弁」の菊花紋で、中心に豊の字をあしらってある。
話は飛ぶが、今日同行のムシキノの住む東京都豊島区の旗は、畏れ多くも「十二花弁」の菊花紋で、中心に豊の字をあしらってある。
山神さん祭祀の後の楽しみは蒸し料理を作らせたら日本一、シェフ・ムシキノアキラの手による大昼食会だ。美尾根で献立情報を聞き出そうとする無口(後)の硬い口元もおもわずほころぶ。
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山神さん祭祀の後の楽しみは蒸し料理を作らせたら日本一、シェフ・ムシキノアキラの手による大昼食会だ。美尾根で献立情報を聞き出そうとする無口(後)の硬い口元もおもわずほころぶ。
椿丸手前の織戸峠への分岐で見た今日初めての展望。夏空らしい雲が広がり風も心地良く、昼食会場をここに決めた。
この一等地には、谷から吹き上げる風に、まるでサーファーのようにアキアカネが乱舞していた。それは、夏雲を蹴散らして秋を呼び込んでいるかのように僕には思えた。
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この一等地には、谷から吹き上げる風に、まるでサーファーのようにアキアカネが乱舞していた。それは、夏雲を蹴散らして秋を呼び込んでいるかのように僕には思えた。
感想
今回は丹沢のバイブル的著書を発表されている佐藤芝明さんの
「山の神三部作」の一冊「丹沢・桂秋山域の山の神々」からピックアップ。
山神峠の「まぼろしの山神」(佐藤氏による仮称)を佐藤さんが
見つけ出すまでの行程を同じように歩いてみました。
いまでこそ「まぼろしの山神」はまぼろしでも何でもありませんが、
当時は大変だったと思います。
それはまるで難事件を任された刑事に似ていたかもしれません。
糸口を探しての聞き込み、何度となく踏み入れた現場、資料の調査と
一般市民の佐藤さんには並大抵の苦労ではなかった筈です。
そんな苦労に思いを馳せながら三人仲良く手に手を取って(気持ち悪い)歩いてみました。
「まぼろしの山神」については先述の佐藤さんの著書に
詳しく掲載されていますのでここでは敢て説明いたしません。
「鎌田鉱山跡」については、「丹沢だより441号」に連載されていた
丸福さんの記事を参考にしています。
その丸福さんの調査によると、この鎌田鉱山は
唯一金銀鉱床の項目にでてくる丹沢の鉱山であって(日本鉱産誌による)、
含有量は金50g/t、銀30g/tのとてつもない数値に、昭和26年朝日新聞が
「丹沢金鉱に有望な見通し」の見出しで記事にしていると伝えています。
ちなみに、日本で一番金含有率の高い菱刈鉱山は46g/tです。
しかしながら産出は継続的にみられなかったようで、
昭和37年には登録者が鎌田から日本鉱業となり昭和45年まではその名前で
登録されていたと丸福さんは結んでいます。
それに対して佐藤さんは、古老の話として、鎌田鉱山で掘り出される鉱石は
黄銅鉱ばかりで金などはまったく出なかったと伝えていますが、
民俗学が専門の佐藤さんにとって、金がどれだけ産出して、金の含有量が
どれだけあったなんて、取るに足らないどうでもいいことだったんでしょうね。
参考までに三部作とは
� 崔安堯Ψ暴�山域の山の神々」
�◆峪海凌世量餌�と信仰 丹沢・桂川・足柄」
��「現代に活きる山の神伝承」です。
丹沢の民俗に興味のある方、
これから丹沢のバリエーションを目指す方にはお薦めです。
なお、これら著作品は発売から20年以上経過しています。
よって、入手は非常に困難となっています。
お近くの図書館をご利用になるのが最善かと思います。
最後に、今回われわれは椿丸を経ての山行でしたが、
佐藤さんは山神峠からもと来た道を帰られています。
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鉱山と山神様の探訪、今回も興味深く拝見させていただきました。
この夏、私も金峰山南麓の水晶鉱山跡などを探訪しましたが、付近には同じように山神祠が存在しており、共通性に驚きました。
また、いろいろと疑問が生じましたので書き連ねますと、
1)本文によると「鎌田鉱山」は戦後に採掘開始された新しい鉱山のようですが、今回探訪地の本谷上流には「金山沢」という地名が見受けられますので、上流部ではずっと以前から何らかの採掘がなされていたのではないでしょうか。
2)するとこの山神は、その設置位置から考えてやはりその「鉱山」の守り神として設置させてものと考えて良いのでしょうか。
3)私が先日探索した「芦安鉱山」付近にも「金山沢」という地名がありますが、「芦安鉱山」は主に黄鉄鉱などを産出した鉱山です。
したがって「金山」等の地名があっても必ずしも「金（きん）」が産出されたと考えなくとも良いように思います。
4)鉱山に祀られる「山神」は「大山祇神:おおやまつみのかみ」である可能性が高いと思いますが、この山神様の祭神については何でしょうか。
それとも「ホギリの山神」のようなもっと土着の神なのか・・・。
5)「神体、台座、置石はそれぞれ歴史の古さが違うらしい。台座が最も古く・・」とのこと。確かに写真を拝見すると、そもそも「神体」は花崗岩のようですが、台座や置石は別の岩石に見えます。台座も二段になっていて下は花崗岩のようですし。そのような作りは非常に不自然ですね。
特に台座に掘られた菊や唐草の文様からすると、これはどこか別のものの台座をを流用してきたものじゃないか、という気もします。
6)前回の「ホギリの山神」と今回の山神の位置を合わせると、やはり甲州から小田原方面にむかう一筋の道が見えてくるような気がします。
地元民でもない私ですが、それこそ「難事件を解く探偵」になったような気分。
knot様の今後の探索レポートに期待します。
pasocomさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
参考にしてもらえればと思います。
� ＾焚次峪海凌世量餌�と信仰 丹沢・桂川・足柄」佐藤芝明著より抜粋。
『日本山岳伝承の謎』で谷有二先生は、丹沢山塊の地名や山名に深い考察をされている。
丹沢山域に生まれ育ち、成人になってからも丹沢を歩き回っている私は、強い関心を
もっている。山の神と金属採取や精錬加工についても何かで結ばれているように
考えている。鉱山に山神が祀られることは一般的に容認されているが、この実例として、
西丹沢世附川上流の「山神沢の山神」が挙げられる。山神社の裏手に当たるところに
「金鉱の坑」があり、現在でも坑口が残っている。この山神は金鉱を掘るより遥か昔から
祀られていたが、奥にある金山沢・石保戸山への入口(峠)と見ることができる。
昔は武田金山の一部として、金、銅、鉄などが小規模ながら採掘されていたと考えられる。
(中略)少し上流には鳥屋金沢(とやかねざわ)の黄銅鉱の結晶が露出したところ
があり、大人達の拾って来た「山吹色」の鉱石を見たことがある。ただし、山吹色は
旬日にして色あせる代物であった。村人達は自分の拾って来たものは金に違いない
と思って、旬日の甘い夢にひたっていた。
以上
註・「山神沢の山神」＝「まぼろしの山神」、「金鉱の坑」＝「鎌田鉱山」
金山沢には今でも鉱山跡が残っています。
佐藤氏は東丹沢の鳥屋(とや)村出身です。
�◆＾焚次崔安�桂秋山域の山の神々」佐藤芝明著より古老の話として抜粋。
また「ダイゴ様」と関係の深い「山神」が世附川の東電の取水口の上にあると語って
くれた。それは馬印より下流であり、江戸時代から甲州に通じる路上にあり、その山神
の近くで「金」を掘った坑道が残っている筈だと語った。この山神社には、「弁財天と鉄砲の神様(古老は名称を忘れた)が合祀されていると
話してくれたのである。
(中略)それは、台座の石と神体の石と神体にのせてある大石との三つの石の性質・
種類が異なっていたことである。低地や川に近い場所の山神にはよく見られる
ケースであるが、このような尾根の山中ではめずらしいものである。これは歴史の
古さを示していると考えられる。台座が最も古く、神体、それから頭上の石と
なっている。何回かの改祀が過去に行われた結果からこうなったらしい。
以上
註・「ダイゴ様」＝「後醍醐天皇」、「馬印」＝「水ノ木」、「山神社」＝
「まぼろしの山神」
なにしろ、奥深いっす。
また、よろしくです。
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