吾妻連峰(五色沼−西大顛−西吾妻−弥兵衛平−東大顛−家形山−一切経山−浄土平)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 31.9km
- 登り
- 2,080m
- 下り
- 1,261m
コースタイム
金明水往復(10分+15分)
9月1日 小屋5:30−5:50弥兵衛平分岐−6:00東大顛−東大顛山頂30秒−6:15谷地平分岐−6:50昭元山(靴の水抜きで15分)−7:30烏帽子山(靴の水抜き+乾燥で20分)−8:20ニセ烏帽子山−8:35兵士−8:40堀田新道分岐−9:00家形山−9:10五色温泉分岐−五色沼展望(靴の水抜きで15分)−9:40高湯温泉分岐−10:10一切経山−10:35酢ヶ平小屋−10:40鎌沼北分岐−11:00鎌沼南分岐−11:30浄土平合流−11:40浄土平
(字がコード出しとなるため、大顛 としました。)
天候 | 8月31日 晴れ(夜は時々雨) 9月1日 晴れ(前夜の雨で大露)のちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
9月1日 (バス)12:45浄土平−14:00福島 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山道と、水場について先に書きます。 先に、一言、ひどい登山道でした。 これが、実線であることが、ルートマップの間違いだと思います。 グランデコ〜西大顛は、歩く人も少ないと思いますので、ふつうの登山道です。 西大顛〜西吾妻山〜人形石は、天元台からの登山者が多く、非常に明瞭で、整備されています。 人形石〜東大顛は、歩く人も少ないと思いますので、ここも、ふつうの登山道です。 弥兵衛平は、木道が設置されていますが、その後の整備がされていなく、低い笹で覆われています。(しかし、支障なく歩けます。) 東大顛〜五色温泉分岐は、ほとんどが人の背丈程度、また、背丈を超える笹に覆われ、どろどろの登山道が見えない状態が続きます。 道の確認をするために、少し戻ってみるところが、数カ所あり。 また、笹の中、片側が切れ落ちているところも数カ所有り、注意が必要です。 マップには、明確に、「荒れている。注意!」と書くべきだろう。 五色温泉分岐〜浄土平は、ふつうの観光地です。 水場は、大凹の清水は涸れている。 西大顛−吾妻小屋の最下点の水は、登山道脇に小さな水たまりがあり、冷たい水がちょろちょろ(ほんのチョロ)と湧いている。(見逃さないでください。) 弥兵衛平の金明水は、これも、同様に、冷たい水がちょろちょろ(ほんのチョロ)と湧いている。(10分で500mml採れるかどうか。) 地糖の水は、澄んでいて、トンボも飲んでおり、煮沸、浄水、すれば、使用可能と思われる。 |
写真
大型のバスは4台ありますが、人一人いません。
明るい廃墟のようです。
朝のお弁当を食べ、開くのを待ちます。
8:00乗車券発売開始、8:30ゴンドラ運行開始
小屋には、800mと書いてあります。
やっと着きましたが、見たとおり、水はパイプより、やっと滴っているだけです。
約3リッター汲むのに小一時間掛かりました。
感想
吾妻連峰に行って来ました。
公共交通の便が悪く、どこから登り、どこに下りるか、苦労しました。
夜行バスを使うと、5:10猪苗代駅発の五色沼入口行きのバスに乗れます。
8:30始発のグランデコスキー場のゴンドラは、3時間も間があるため、約8kmを歩いて、向かいます。
まだ、早朝なので、赤トンボも出ていず、ブヨの襲撃を撃退しながら、ただひたすら、舗装道路です。
到着したグランデコスキー場は、閑散として明るく、朝の弁当を食べながら、待ちます。
バスの乗客も、ゴンドラ待ちも、ひとりだけ、−−−
でも、いい天気です。
団体が泊まっているというホテルでも見てきますか、
草付きの丘を登っていくと、立派なホテルです。でも、それだけ、−−
なにもありません。
窓口が開き、切符を購入します。
「片道をください。」
「え!、片道ですか?、どこへ行くんですか?」
「浄土平まで、」
「1000円です。のど飴の小袋、サービスです。」
(サービスはいらないから、安くならないかな?)
ゴンドラに乗ります。一人だけです。
山頂駅で、登山届けのBOXを探していると、山装備のご夫婦が上がってきました。(BOXはありませんでした。)
天気が良く、陽に照らされる中、ゲレンデを登ってゆきます。
ゲレンデの上の端より、登山道の樹林帯に入ってゆきます。
道は、湿気が多く、すべて湿っている状態です。
(山系全体が、湿原に近いことが、後でわかりました。)
長い樹林帯の登りの後、灌木帯に出たとたんに、西大顛が、目の前です。
てっぺんだけ、岩場になっています。
西吾妻山へは、すこしだけ来た登山道を下り、分岐して、東に向かいます。
いったん下り、吾妻小屋、西吾妻山、へ登り返します。
その最下点の、登山道脇に、お盆ほどの大きさの水たまりが3つ、続いてあります。
よく見ると、最後の一つから、少しずつ、水が流れ出しているようです。
手を入れてみると、とても冷たいではありませんか!
その上からの流れはありません。わき出しているのです。
手ですくって、飲んでみるととても冷たく、おいしいです。
水を追加していくことにしました。
登山道の岩の下は、土が十分湿っており、枯れることはないように感じました。
登り込んでいくと、赤い屋根の、吾妻小屋が見えてきます。
ごぎれいに使われているようです。
ここから、西吾妻山に廻ります。小高い丘に登っていくと、低木樹林の中に、西吾妻山があります。(展望なありません。)
天狗岩へのゆるやかなアップダウンを歩き、吾妻神社の岩室に出ます。ここからは、前後の展望がきれいです。
天元台から、多くの登山者が来ます。
にぎやかです。
人形石へは、大凹の清水を経て、ちょっと大きなアップダウンです。
大凹の清水は枯れています。近くには水たまりもあり、また近くの土も十分に湿っているのに、枯れているとは、貧弱な水源と言わざるを得ません。
カモシカ展望台と人形石の分岐で、「もう、天元台へ帰る。」というかたと立ち話。
「帰られるのであれば、余った水があれば頂けませんか?」
「たくさんあるから、500mmlあげるよ。」
「ありがとうございます。」
このかた、人形石まで、同道してしまいました。
人形石からは、また、人がいなくなります。
向かう籐十郎、東大顛、方向は黒い雲が、北側から、どんどん湧いてきます。
「これは、急がないと、雨、雷、あぶないかな!」
突風が吹き、まっすぐに立ち上がる黒雲もあります。
先を急ぎます。
ヤケノママの分岐、籐十郎の標識、菅平の分岐、を過ぎた頃から、雲が消えだし、好転してきました。
木道が完備され、緩やかな東大顛へ登る中、弥兵衛平への分岐が出てきました。
ここまでくれば、降られることもないだろう。
弥兵衛平へ、緩やかに下る中、少しすると、少し先の、地糖のなかの小さな樹林の中に白い屋根が見えます。
あれが、明月荘か!!
木道を笹が隠す中、歩いていくと、池の畔の樹林の中に、小屋がありました。
早速、荷物を置き、水を取りに、金明水へ、−−−
笹が覆う木道を下っていくと、800m(約10分か)、道脇に塩ビのパイプが1本出ています。
そこから、水が、ぽたぽた、滴っています。
なぜか、パイプにつみ取った草が刺してあります。
草を取り、水を受けようとすると、雫がパイプを伝わり、奥の方に却って行くではありませんか。
「そうか、雫を、草の葉で、手元に滴らせるためか!」
10分で500mml程度、小一時間でやっと、2.5リッターを採り、戻ります。
もどって、地糖の水で、タオルを濡らし、体を拭きます。
さっぱりして、木道で昼寝です。
そうこうしている内、若い二人連れが来ました。
「水が細いですよ。」
「天元台で、そう聞いて、運んできました。」
二人は、はしごを登り、二階へ、
夜は、通り雨がよく降り、満月ですが、雲が早く流れていきます。
(ノートを見ると、毎日、一人から3人ぐらいが泊まっているようでした。)
翌朝、5:30 出発です。
雨は降っていませんが、ガスの中です。(雨具着用です。)
小屋に、「お世話になりました。ありがとうございました。」、と挨拶。
ガスの中を東大顛の分岐まで戻ります。
ずっと、濡れた木道です。滑らないように、滑らないように、慎重に歩きます。
もうコバイケイソウが枯れて、腐って、木道の上に張り付いていますので、さらに注意です。
(木道を計画、施工する人は、雨の日に、歩いたことのない人でしょうね!)
東大顛の頂上は、おもしろかったです。笑ってしまいました。
標識があるので、ザックをデポして、登りました。
すると、30秒もしないで、頂上の標識に着くのです。
ザックをおろして、水を持って、貴重品を持って、と、この時間の方が長かったです。
東大顛の下りまでは、道は整備され、きれいでした。
それからが、写真にもあるように、地獄の笹藪こぎです。
昨夜の雨で、笹はびしょぬれ、足下はぐしょぐしょ、
笹のわずかに低いところが、登山道だろうと当たりを着け、歩きます。
足下など見えません。
笹にこすれて、雨具の防水があっと言う間になくなります。
そこら中から、水が進入し、ズボン、足を伝わり、靴の中へ、−−−
ズボズボ、靴の中でと音をさせて、歩きます。
(何年ぶりだろう。)
昭元山、ブヨが急襲してくる中、靴を脱いで、水をこぼし、靴下を絞って、
さあ、出発です。
烏帽子山に来ました。
ここは、岩がごろごろした乾燥地です。
全部脱いで、パンツひとつで、全て岩の上に広げ、乾かします。
休みながら、これからも同じであろうことに気づき、適当なところで、又着ます。
でも、多少は、すっきりし、復活です。
天気、景色は最高、朝出てきた明月荘もよく見えます。
遙か下には、谷地平も見えます。
さらに、笹と、ずぶぬれの地獄は続きます。
ニセ烏帽子山を下ったところで、はじめて若い男性と会いました。
「今日、初めて会いました」
彼が、「よかった。歩いている人がいるんですね。もう、やめようかと思っていたんですよ。」
「まだ、昭元山の下まで続きますが、がんばってください。」
彼が「こちらもかなりありますが、がんばってください。」
と、別れました。
この後、地元の人らしい男性1名、地元訛でした。
その後に短パンの軽装の年寄り男性1名、「その服装ではきついですよ。」
とお教えしましたが、無視されました。
(頑固者!!)
五色温泉への分岐に来ると、藪ももう終わりです。
五色沼の北側に回り込むと、明るい登山道にやっとなります。
もう、整備された登山道に変わるでしょうから、と、
靴を脱ぎ、水切りの大掃除です。
やっと人心地がつき、観光地の五色沼、一切経山へ、
山上へ着くと、黒い雲が、覆ってきて、雨です。
さっさと下りると、ガスは山のてっぺんだけで、下は曇りです。
さすが観光地です。人がたくさん登ってきます。
やまガールの花盛りです。
(もう枯れている人もいますが、−−−)
酢ヶ平の小屋でも、たくさんの人が休んでいます。
このまま浄土平へ下りても、2時間以上のバス待ちですから、
鎌池を回っていきましょう。
高地湿原、さわやかで、きれいです。
これが、浄土平の名前の由来か、−−
浄土平に下ると、早速、多目的トイレをお借りして、水で体を拭き、着替えます。
あ、そうだ、ついでに頭まで洗ってしまいました。
(目的外かもしれませんが、多目的トイレ、有効に使わせていただいております。)
豚汁をいただき、おなかが、多少くちくなったので、バスの乗ります。
出発前、10分で、急にガスが押し寄せ、土砂降りとなりました。
運転手さんが、下りの坂の間中、
「ここは、景色が最高なんです。福島の町まで見えます。
秋は、ナナカマドで真っ赤でです。」
と、ガスの中、説明してくれました。
長い文章、お読みいただき、ありがとうございました。
コメント
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arukiyaさん、はじめまして。
私も吾妻山連山を、逆の東から西に6月に歩いたので、懐かしく読ませていただきました。
先ずは、西吾妻山への登頂おめでとうございます。
そして、東大巓〜家形山の笹漕ぎ、ホントお疲れサマでした。
私が歩いた6月初旬は例年より多い残雪が結構残っており、arukiyaさんも楽しんだ笹ラッセルのオンパレードで、家形山〜東大巓の間で、何度もルートを見失いました。おまけに、途中から雨が降ってきたので、ルートは半ば川状態。結局、雨具はおろか靴の中までぐしょぐしょのまま、友人と待ち合わせている蔵王に行くため、仕方なく西吾妻をスッパリあきらめて白布温泉に下りました。
ルートの印象は人それぞれでしょうが、私は福島の応援のつもりで、安達太良・吾妻・蔵王の飛び石縦走を歩いたこともあり、山深い福島(+宮城)の山に感動して帰ってきました。
西吾妻はそのうちリベンジしたいと思っています。参考になるレコありがとうございました。
でも、次は東大巓〜浄土平は 山ルートではなく谷ルートにするかもしれません(笑)
山容は、穏やかで、とてもよい山だと思います。
また、笹があっても、あれまでの露がなければ、ーー
印象はとても違うものになっていたでしょう。
残念です。
言われる通り、東北は緑深く、優雅で、すばらしく山々だと思います。
朝日連峰、飯豊連峰、の整備作業には心がこもっており、担当されている方に、頭が下がります。
谷地平のルートですが、他の方のレコを見ると、笹藪深く、同じ程度の整備状況のようです。お大事に!!
今後も、よい山旅を!!
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