海外登山デビュー キナバル山 Mount Kinabalu

- GPS
- 15:29
- 距離
- 15.9km
- 登り
- 2,366m
- 下り
- 2,373m
コースタイム
- 山行
- 3:58
- 休憩
- 0:08
- 合計
- 4:06
- 山行
- 9:19
- 休憩
- 1:56
- 合計
- 11:15
天候 | 1日目 曇り→雨→晴れ 2日目 晴れ→時々ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
コタキナバル空港→コタキナバル市内 (grab) コタキナバル市内→キナバルパーク (バン) コタキナバル市内のホテルに6:30に迎えに来てくれました。キナバルパークまでは、1時間40分ほどのドライブです。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※コースタイムの時間は1時間ずれてます。 多分日本との時差の関係です。 実際は出発は9時頃でした。 かなり整備されていて、迷うことは一切ありません。 階段の段差が大きいこと、手すりがやたら高いこと以外は、日本の登山道のようです。 ◼︎トイレ コースは1キロおきにシェルターがあり、水洗トイレがあります。 トイレは汚くはありませんが、トイレットペーパーはありません。 かわりに洗浄用のホースがついてます。 トイレは無料です。 小屋より上にはトイレは1カ所しかありません。 山頂手前でもし行きたくなったら、コースから外れたところでしてね、とガイドに言われました。 ◼︎ゴミ箱 日本と違い、シェルターや小屋にはゴミ箱があります。不要なものは都度捨てられます。 |
その他周辺情報 | ■利用したエージェント:NCT http://www.nctravel.co.jp/Kinabalu/viaferrata.htm ■加入した保険:AIG損保保険 https://www-429.aig.co.jp/ota/ ■持ち物メモ ◇持って行くか迷ったけど持っていかなかったもの (なくて大丈夫なもの) ・シュラフやシュラフカバー 寒いかもしれないと思い、迷いましたが、実際は、小屋で用意されている寝袋で充分。むしろ夜中暑くて、シュラフから体を出して寝ました。 ・必要以上の水 登山中に飲む量はもちろん必要ですが、小屋(ペンダントハット)では水は飲み放題でした。ペットボトルや水筒があれば、水を補充できます。 ◇持って行くべきもの、あったら便利なもの ・トイレットペーパー ・スープや飲み物やカップ麺などお湯で作れるもの (小屋のコーヒーは飲み放題ですが、その他お茶やスープなど、お湯で作れるものがあれば、飽きないと思います) ・GOPRO (ヴィアフェラータ体験時にヘルメットに装着するといい!) |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
|
---|
感想
※長文注意
思い立ったが吉日。
海外登山をしてみたくて、入門編としてオススメされていた、マレーシアはボルネオ島にあるキナバル山に行くことにしました。
結論から申しますと、
思い切って実行して本当に良かった!です。
日本の山では見られない景色や体験をすることができました。
自分にとっての「自信」にもつながり、また、山がさらに好きになりました。
興奮冷めやまぬまま、今現在日本への帰国フライトの機内で、この文章を綴っています。
長文になりますが、記録を残したいと思います。
ご興味があれば、お付き合いくださいませ。
まずは、仕事の都合をつけるところから始まりました。
立場上、休みが取りづらいので、本当は三連休で挑みたかったのですが、下山時間が読めないため、登山の前後1夜ずつ、つまり登山日数にプラス2日を要するため、最低でも仕事四連休は必至となりました。
※キナバル山のコース的には日帰りができてしまいそうですが、
・登山口のゲート開閉時間が決まっている
・ガイドを必ずつけなくてはならない
という理由により、1泊2日の山行を余儀なくされます。
入山許可や小屋の手配など、なかなか複雑で、個人で手配に時間をかけても、エージェントに頼んでも、結局金額的には大差がないことがわかり、現地発着のエージェント経由での手配にしました。
私が利用したのはNTCという日本の会社です。
小屋の空きがないと、いずれにしても入山できないとのことでしたので、まずは小屋の空き状況を確認してもらい、その後航空券を手配しました。
せっかくならばということで、登頂のみのプランではなく、Via Ferrata(ロングコース)付のプランにしました。
1人での参加なので、少し割高で、8万円弱のツアー料金でした。
(これからキナバル山登山を計画されるようでしたら、ヴィアフェラータは是非体験していただくことをオススメします。)
登山当日は、宿泊先のホテルのロビーに6:30集合→バンにて1時間40分ほどかけてキナバルパークに移動します。
今回の参加者は私1人だったようで、バンは貸し切りでした。
キナバルパークに着くと、まずは入山手続き&ヴィアフェラータの手続きです。
ガイドが全てやってくれるので、サインだけして他は待ってるだけ。
ちなみにガイドは全部で300人弱いるそうです。
私のガイドはInusさんという方でした。
英語を話せますが、あまり上手ではありませんでした。
でもとても丁寧で、ペースも合わせてくれ、安心して頼らせていただきました。
諸々の手続き後、9時過ぎにゲートを出発!
・標識が英語
・階段の段差がなかなか激しい
(登山口と山頂の標高差は約2200m)
・登山道の手すりが高い
(身長150cmの私の顔あたり)
・日本人がほとんどいない
(私より1日早く下山されている1組しか出会いませんでした)
・ゴミ箱が設置されている
・登山道のトイレにペーパーがない
上記以外は基本的に日本の山を登っているような感覚で登れました。
0.5kmおきに標識があり、1kmごとににシェルター&トイレがありました。
トイレは各シェルターに1つのみです。
基本的にトイレットペーパーはなく、洗浄用ホースがあります。
(小屋のトイレは、洗浄用ホースとペーパー両方ありました)
登っている途中で雨が降ってきてしまったので、往路はほとんど写真が撮れませんでした。
登山道には登山客以外に、ポーターの方々がたくさんいらっしゃいます。
歩荷さんのように飲み物や食料を運んでるわけではなく、おそらく大体が登山客の荷物を有料で運んでいると思われます。
私は日本からの荷物全部を自ら背負ってましたので、荷物は推定13Kg。テン泊装備並みの重量です。
私のような大きな荷物を背負っている登山客は1人も見かけませんでした。
9時頃にゲートを出発し、13時過ぎに小屋に到着しました。
(おそらく通常6時間ほどのコースかと思います。)
コース上、シェルターやトイレはありますが、途中に小屋があるわけではなく、もちろん飲み物や食べ物の販売もございません。
ランチは、朝、ガイドさんが用意してくれたものを受け取り、それを道中で食べました。
※本当は自分のランチを自分で持たなければなりませんが、私のザックがあまりにもパンパンだったのを見兼ねたガイドさんが、持ってくれました。
ランチは、水、ゆで卵2つ、チキンと野菜の蒸し料理、パン、りんご、エナジーバー的なもの2種、という内容でした。
蒸し料理は薄味にみえましたが、ちゃんと味付けされていて美味しかったです。
少し早めにランチ休憩を済ませ、残りはほぼ休憩なく登りました。
途中で雨が降ってきてしまい、着たくない雨具を着ての登山となりました。
ちなみにガイドさんやポーターの方々は、レインウェアではなく、傘を利用してました。
ほぼ無風なので、両手が自由なら傘も良いなと思いました。
小屋はヴィアフェラータ体験者専用の小屋「ペンダントヘッド」に泊まりました。
通常の宿の少し上にあります。
夕方に、ハーネスなどの説明および同意書の署名のため、小屋を分けていると思われます。
この日の宿泊者は合計20名ほど。
そのうち私を含めた5名のみがロングコース、他がショートコースの方々でした。
小屋の到着時間がまちまちで、全員集合せぬまま、17時頃に説明会が開始しました。
(夕飯が19時までのため、全員の到着を待たずして説明会がスタート)
説明は英語で行われます。
簡単な英語なので問題ないですし、丁寧に説明してくれますので、分かりやすいです。
説明後、実際にハーネスを装着し、カラビナの操作方法の実践になります。
ロングとショートコースとで、カラビナの種類が異なります。
実践後、同意書にサインをして完了です。
同意書に、仲間のサインも必要なのですが、私のように1人の場合は、他の参加者にサインをしてもらいます。
(今回、1人での参加者は私のみでした。)
夕食は少し下の小屋へ移動して取ります。
ブッフェスタイルです。
美味しかったです。
お酒が飲みたければ、別料金で買うことができます。
ビールとワインしか種類がなく、ワインはボトルのみしかなかったので、やむなくビールにしました。
ビールはハイネケン?とギネスの2種類。
ギネスにしましたが、冷えておらず、飲み干せませんでした。。。
ペンダントハットに戻り、20時頃には就寝しました。
早すぎて、正直ほとんど眠れませんでした。
翌日は1時半起床、2時軽食、2:45出発となります。
軽食はトーストとジャムのみのシンプルなもの。
ちなみに、粉のインスタントコーヒーや水やお湯は飲み放題です。
水ははペットボトルに入れてもOKです。
レストランでの食事以外は食べ物がないので、インスタント麺やアルファ米を持参するのもありだなと思いました。
午前3時前、真っ暗闇の中、ヘッデンをつけてスタートします。
ペンダントヘッドのすぐ上にゲートがあり、そこから登ります。
3200mをこえてますが、しばらくは樹林帯です。
山頂で日の出を待つ時間があるため、汗をかいて体を冷やしたくなかったので、ゆっくりとしたペースで登りました。
小屋〜山頂間には最後のゲートのところにトイレが1箇所のみ。そこ以外はありません。
感覚的には、富士山のご来光を目指して登山しているものに似てました。
時にはガスで真っ白くなることもあるらしく、森林限界を超えてからは、道標として、白いロープがはられています。
ロープに沿って進めば、迷うことはありません。
滑落してしまうような痩せ尾根はなく、広い稜線を進んでいきます。
途中、富士山と同じ標高、3776mのところに標識があります。
後ほど参加するヴィアフェラータのロングコースのスタートポイントになります。
写真を撮りながらかなりゆっくり登りましたが、5時過ぎには登頂。
真っ暗闇の中山頂で写真を撮りました。
山頂は狭く、写真撮影も順番待ちといった感じでしたので、撮影後少し降ったところでご来光を待つことにします。
気を遣ってガイドさんが席を外されましたので、一人ご来光を待ちました。
自分の10年もののデジイチで、星空撮影に挑戦します。
自分的には数枚上手く撮れましたが、やはり肉眼が一番ですね!
雲海の上には、ものすごい星空が広がっており、流れ星もたくさん見られました。
言葉にできないくらい素敵な時間でした。
山頂付近は、場所にもよりますが、ほぼ無風です。
とはいえ、6℃ほどでしたので、持ってきた防寒具を全部着込みました。
6:15頃、ご来光でした。
雲海のため、焦らしながらの日の出でした。
朝焼けがとても美しかったです。
ご来光後、ヴィアフェラータ参加のため、7:00までに3776mのスタートポイントへ移動します。
登っている時は真っ暗で、どんな場所にいるのかわかりませんでしたが、日が登って明るくなってから見ると、そこはまるで地球ではない別の世界に来たかのような風景でした。
山は完全に雲海の上にぽっこり頭だけ出しており、下界が見えない状況でした。
稜線が広いため、日本では見られない光景かと思います。
さて。
これよりヴィアフェラータ。
クライミングの経験のない私ですし、富士山と同じ標高の岩場なんて、想像するだけで怖いのですが、実際は安全が保証させれていますし、雲海のせいか、標高をそこまで意識せずに体験することができました。
安全のため、自分のカメラや携帯をザックにしまっていたので、ほとんど写真がないのが残念です。
(ヴィアフェラータのガイドさんが撮ってくれたものが、後日、Facebookにアップされようです。)
ヴィアフェラータのロングコースは、スタートしてから700m下ります。
岩場をトラバースしたり、吊り橋を渡ったり、かなりスリリングですが、ハーネスをつけている安心感からか、怖さを全く感じませんでした。
5人の参加者が2組に分かれて、私はカナダ人の男性カップルと一緒でした。
みんなはじめての体験で、スタートはドキドキでしたが、始まってからは楽しんでました。
カナダ人の一人は、ヘルメットにゴープロをつけており、持参すべきマストアイテムだと思いました。
ガイドさんも撮ってくれますが、そんなにたくさんは撮ってくれないので。
途中で休憩を挟みながら、ラストは300m登り返します。
えええ、300mも登るの!?と最初はビビりましたが、全然苦ではなく、あっという間の300mでした。
ヴィアフェラータ体験時は、標高3000m以上の高所にも関わらず、日差しが強く、なんと21℃もあり、かなり暑くて、汗をいっぱいかきました。
水や軽食は持参すべきです。
ヴィアフェラータのロングコースは4時間くらいを要するものです。
かなり長くの休憩をとりましたが、小屋に戻ってきたのは11時頃。休憩で時間を調整されていたように感じます。
小屋には昼食が用意されてました。
朝の軽食レベルかと思い、期待してませんでしたが、ちゃんとしてました。
ソーセージやスクランブルエッグ、マッシュポテト、スープなど、洋食でした。薄味で、少し味付けに物足りなさを感じました。
その後、パッキングして下山開始!
11:50頃にペンダントヘッドをスタート。
序盤はずっと雲海の上を下ります。
かなり絶景です。
登山時は雨が降っていて見えていなかった山の全貌が見え、改めて感動させられました。
日差しが強く、結構汗を書きましたが、順調に降りて行きます。
ほとんど休憩せずに進んだら、ペンダントヘッドから登山口のゲートまで2時間15分ほどでつきました。
(本当は4時間くらいのコースだそうです。)
登ってる時にはあまり感じませんでしたが、結構な傾斜のある登山コースだったことに気づかされます。
片道8キロで標高差2200mということは、単純に考えて、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根よりも全然急登なのではないでしょうか。
登山ゲートから車でキナバルパークの管理棟まで戻ります。
管理棟で登頂の証明書を受け取り、無事登山終了!
最後にランチをし、コタキナバル市内まで送ってもらい、ツアー終了。
あっという間の、しかし濃い山行となりました。
キナバル山は他の海外の有名な山に比べて、アクセスも良く、レベルも高くなく、入門に本当にぴったりだと思いました。
本当にとても良い経験となりました。
ただ、もしまた挑戦する機会があれば、やはり一人ではなく、誰かと一緒に参加したいなとも思いました。
他にもソロの方がいればナンパしようかと思ったのですが、私が見る限り、国籍関係なくソロの方はいなかった気がします。
兎にも角にも、無事に下山できたことに一安心。
帰りのフライトが予告なしにキャンセルになっていて、ラストに大変なトラブルがあったことは、ここでは割愛させていただきます。
完
ご精読、ありがとうございました。
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