雪を求めて大御影山へ☆白谷コース〜イヤ谷右岸尾根周回
- GPS
- 04:50
- 距離
- 8.1km
- 登り
- 760m
- 下り
- 763m
コースタイム
- 山行
- 4:44
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 4:50
天候 | 曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
前日は京都は早朝から一日中時雨れていたようであり、北の方では降雪が期待できる。コロナウイルス対策として唐突に安部首相が指針による全国小中学校の一斉休校により時間が出来た次男と共に雪の山に出かけることにする。次男が一緒なので山のハードルを下げる。好展望が期待できる山としては野坂山地の岩籠山を考える。
しかし花折峠を越えて安曇川流域に入っても周囲には雪が降った気配がない。福井県に入り、三十三間山にもほとんど雪がなく、笹原が露出しているのを見ると、岩籠山も同様に雪がないことが予想される。急遽予定を変更して大御影山に山行先を変更する。
滋賀県側からはアプローチに長距離を要する大御影山でああるが、福井県側からは驚くほど短距離でアプローチが可能だ。R27から耳川を越えたところで右折すると、右には雲谷山、左には庄部谷山を見ながらその間を松屋を目指して南下してゆく。やはりいずれの山にも雪はほとんど見当たらないが、正面の大御影山だけは積雪した北斜面が見えると
能登又谷の林道の入口に車を停めて林道を歩き出す。わずかに15分程歩いたところで白谷コースの入口の大きな看板がある。林道から見下ろすと能登又谷の左手に見える支流が白谷のようだ。明瞭な踏み跡を辿って谷に下ると能登又谷の本流を渡渉するのだが、次男は飛び石から足を滑らせて沢の中に足を浸してしまう。幸い靴の中には浸水しなかったようだ。
白谷コースとはいえ、実際には尾根道である。白谷左岸の尾根に薄い踏み跡を辿って取り付く。最初の取り付きこそは急登であるが、尾根に乗るとすぐになだらかな自然林となった。尾根にはすぐにも随所に立派な山毛欅の樹が現れるようになる。
下生のない自然林がどこまでも続いてくれることを期待したが、やがてユズリハの藪が行く手を遮るようになる。ユズリハの藪の手前で踏み跡を見失うが、藪を漕いで尾根の左手に出るとユズリハの群落の外を通過してゆく踏み跡を再び見出すことが出来た。
ユズリハの群落を通過するとすぐにも雪が現れるようなる。尾根は樹高の高い山毛欅が次々と現れるようになる。再び背丈以上の高さのユズリハの群落が現れるが、今度はユズリハの藪の中の踏み跡の周囲は切り払いがされており、難なく抜けることができる。
雪に埋もれてはいるものの斜面をジグザグに登ってゆく古道が現れる。樹々の間隔が広く、広々とした山毛欅の林が広がる。やがて尾根は二重尾根となり、その間の谷を登ってゆくと、尾根上のピークca870mに差し掛かると急に雪が深くなり、膝まで沈み込むようになる。いよいよスノーシューの出番だ。
ここからはなだらかな稜線には高い木の代わりにリョウブなどの低木が生えるようになり、展望が開けるようになる。振り返ると北側には庄部谷山のシルエットの向こうにわずかに冠雪した野坂岳、その右手には岩籠山が見え、さらにその右手には敦賀湾の蒼い海が広がっている。日本海の上では青空が広がっているようだ。
稜線を緩やかに辿るとやがて樹木のない広い雪原に出る。雪原の中には美浜トレイルの標識となる杭がポツンと頭を突き出ている。ノロ尾に到着したようだ。雪原の南からは琵琶湖の彼方に山頂部に冠雪した伊吹山や霊仙山の展望が飛び込んでくる。そして西の方角には緩やかに続くなだらかな雪原の向こうに大御影山の山頂が見える。
この日はそれなりに暖かいと思っていたが、大御蔭山への稜線では流石に風が強い。山頂の東側で丁度、風の陰に入ることが出来たようだ。ノロ尾よりも琵琶湖の眺望が大きく広がり、赤坂山、三国岳の彼方に伊吹山の北に金糞岳までの稜線を眺めながらカレーとスープを調理する。これらの山々の上には青空が広がり、山々の雪が陽射しが白く輝いているのが見えるが、この大御影山から西は重苦しい雲がなかなか晴れない。
ランチ休憩をした場所からは大御影山の山頂はすぐそこだ。山名標は全て雪の下に埋もれているのであろう。山頂には巨大な反射板以外には何も見当たらない。山頂から西側には白い山肌を見せる三重獄が大きく視界に飛び込んでくる。
風が冷たく、指先が急にかじかんできたので慌てて厚手のグローブを装着する。山頂を後に大日尾根へと向かうかつての近江坂の尾根に入ると急に風も弱まり、雲の間から日差しが射し始めた。
この尾根も山毛欅の大樹が立ち並ぶ回廊である。三重獄への分岐となる大日尾根の手前で、次男がそろそろ帰りたいと言い始める。大日岳まで行きたいと思ってはいたが、明日も山行を予定しているので、明日のためにも家内の体力を温存しておくのも良いだろう。ca760mからはイヤ谷と茶屋谷の間で尾根が一直線に谷の出合に向かって下降する尾根が程よい下山路となる。
この尾根もしばらくは山毛欅の樹林が続いている。標高が低なるにつれて、他の広葉樹も混じるようになるが、下生の少ない自然林が続く。何箇所かユズリハの藪が現れるが、尾根上の薄い踏み跡は東側をうまく巻いており、藪漕ぎに難儀する箇所はない。
茶屋谷とイヤ谷の出合は二つの沢の間に広い平地が広がっており、テン泊をして見たい誘惑に駆られるところだ。茶屋谷を渡るとすぐにも右岸に小さな炭焼窯の跡が現れる。窯跡の下で対岸に渡渉すると広い岸を歩いてすぐに林道終点に出る。
車に戻ると、R27沿いの酒屋で早瀬浦を「ひやしざけ」と「すずみ酒」を入手する。「ひやしざけ」は昨年の夏の醸造のものであるが、こればまだまだ残っていたのは有難かった。次男はカーブの多い山道では車酔いすることが多いのだが、すぐにも車の中で眠りに落ちたようだ。
気がつくと空は先程までの曇天が嘘のようにすっかりと晴れ渡っている。毎度ながら、もう少し早く山の上にいる間にこの晴天が広がってくれればいいものをと思うところだが致し方ない。明日の好天を期待することにしよう。
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