帰雲山(過去レコです)。
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.0km
- 登り
- 1,120m
- 下り
- 1,125m
天候 | 晴れ。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2005年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
深雪、ツボ足、もう3月とは云え舐めてはいけませんでした。 |
写真
感想
中高年山歩きの会で、2005年3月27日に帰雲山(かえりくもやま)へ行くことになった。余裕があれば猿ガ馬場山(さるがばんばやま)にも行くとの事である。猿ガ馬場山は藪山で積雪期にしか登れない事を知っていたし、一度は登ってみたいと思っていた山である。前日は白川郷の合掌造りの民宿「文六」に宿泊。リーダーの堀井さん以下男9名、女2名で、当日参加が男女それぞれ1名の計13人のパーティーである。最高齢は72歳の女性で、ほとんどが60歳以上の高齢者である。
朝5時半に起床。6時から朝食をとり外に出ると、真っ白な三方崩山が正面に荒々しい姿を見せている。7時に合掌造りのお寺である明善寺の横の、てかてかに凍った歩道を転ばないように進み登山道に入る。前々日の大雪のため、登山道には柔らかい雪が積もっている。堀井さんはしまった雪の上を歩くつもりであったのだが、予期せぬ春の大雪のため予想は全く違ってしまった。踏み跡をたどって登り、林道をしばらく歩き、途中から尾根に取り付く。杉林の中の急坂を登り、途中、山スキーで登っている3人を追い抜く。狭い踏み跡は新雪の為固まっておらず、時々ズブズブと足が入り込んでしまう。1時間程登って溝状の踏み跡で立ったまま休憩していると、8名程のパーティーが登ってきて我々を追い越してゆく。変わりばえのしない杉林の中の道を先のパーティーに続いて登り、徐々に登る速度が落ちてくる。彼らは輪かんじきを履いているが、先頭の者はラッセルしながらの登りで、スピードが落ちるのはいたしかたが無い。ぴったり付いては嫌がられるというのでしばらく間を開けるが、登り始めるとすぐに追いついてしまう。彼らが休憩を取ると今度は我々がラッセルしなければならなくなった。唯一人だけ輪かんじきを持参してきた者がいて、これが先頭にたって登り始める。輪かんじきを履いている者は順調に登るが、輪かんじきの踏み跡はフカフカで、結局、次に従うものがラッセルすることになる。雪を踏み込んで腓腹筋がちじこまり、こむら返りを起こす。杉林から出て雲ひとつ無い晴天のもと、宮谷林道に合流した頃にはクタクタになっていたが、これで少しは楽に歩けるだろうとひと安心する。しかし大間違い、このたらたらの林道は一層雪深く、歩くのもひと苦労である。ひと山迂回したところで谷に入る前に休憩をとる。スキー板をザックに差し込んで登る男女が追い抜いて行く。谷に入ると雪はさらに深さを増し、深い靴跡に足を入れながら登る。先の男女は輪かんじきを取り出しこれを付けている。われわれのようにただの登山靴で登っている人は誰もいず、みんな輪かんじきかスノウシューを履いている。谷から尾根に取り付くと益々雪は深くなり、体重が一番重いわたしは人の踏んだ靴跡でもズボズボと膝より上まではまり込む。やっと足を抜き出しても這い上がれない。膝で雪を固め、階段を作って、ようようの体で這い上がる。繰り返しこんな状態が続き、人の倍以上のエネルギーを消費する。急登の続きで足が重くなる。休憩をとるも、登り始めるとすぐに休みたくなる。勾配が緩やかになっても深い踏み跡をたどるのは、急坂を登るのと同じエネルギーが必要である。日頃は元気な堀井さんも、昨晩飲み過ぎたせいか少々疲れ気味である。杉林はいつしかブナとダケカンバの林に変わり、段々と緩やかになって広々とした平らな尾根に出る。登り始めてから5時間が経ち、12時であった。堀井さんは今日はここまで、ここで昼食をとって帰るという。反対するものは誰もおらず、青空のもと、右手に帰雲山、正面に猿ガ馬場を眺めながら雪の中に腰を沈める。帰雲山はすぐの所に見え、僅かな登りで行けないこともないが、あくまで目的は猿ガ馬場。今までの行程を考えるとそこまでは到底行き着く事は出来ない。たとえ行ったとしても今日中に帰って来ることは出来ない。堀井さんは「5時間あれば猿ガ馬場まで行っていた筈なのだが」と誤算を嘆く。スキーで登って来た人達もここでギブアップし、いつもの年と全然違うと嘆いている。昨日コンビニでオムスビを3個買ったが、1個食べたらもう受け付けない。たっぷりと休憩し12時45分、下りにかかる。ズボズボと雪にはまり込むのは同じだが、足を引き出して歩き始めるのは容易である。途中の休憩で雪をボールにし、これにコンデンスミルクをかけて作った即席のかき氷の旨かったこと。先頭をきって調子良く下っているといつしか一人になってしまった。登山靴の踏み跡とスキーの踏み跡が交差し、間違ってスキーの踏み跡に入ると腰までつかってしまう。転びながら、時には1回転し、雪に足をとられながら下る。休むと脚のあちこちの筋肉が微妙にピクピク引き攣れるので休む事も出来ない。いつしか谷の中を下っており、登りと違う道であると思ったが、赤いリボンも踏み跡もあるし、まあいいかとそのまま下る。はるか後ろで女性の呼びかける声がする。その女性を待って一緒に下りながら話しをすると、後の人が声をかけていたとの事である。いずれにしても白川郷に出ますと励ましながら進み、明善寺から続く林道に出る。ここで後続組を待ち、10分後に合流して合掌村に帰り着いた。下りは2時間40分であった。 さすが世界遺産、こんな時期でも合掌村は観光客で賑わっていた。
冬山である。ちゃんとした装備を用意して来るのが当たり前であろう。天気が良かったので何とか持ったものの、これで雪や雨でも降っていればどんなことになっていたのだろうか。翌日は雨だった。
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