記録ID: 232912
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無雪期ピークハント/縦走
四国剣山
剣山系の秘峰・中東山
2012年10月06日(土) [日帰り]
- GPS
- 04:48
- 距離
- 9.2km
- 登り
- 660m
- 下り
- 641m
コースタイム
10:03大栃林道63線入口-10:47登山口-11:00二つ目の沢を渡渉-11:45〜12:18シダの平原で大休止&ルート確認-12:27・241番標柱のコル-12:46〜13:18山頂で大休止-13:29・241番標柱コル-14:10登山口-14:51大栃林道63線入口
地形図=北川
地形図=北川
天候 | 晴れのち曇り一時小雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
登山口に続く大栃林道63線入口(奥にゲートあり)前の広場に駐車。その林道分岐には森林管理署の赤い林班境界標「55|63」が建てられているので目印になる。 ※本来、中東山へ向かうには、国道195号を香美市物部町別府まで進み、そこから大栃別府林道を北上するのだが、現在、別府峡北方が土砂崩れのため通行禁止(復旧未定)となっているため、遠回りをせざるを得ない。 但し、石立山登山口までは通行可。竜頭(竜頭山1264.4m)と古敷谷山(1468.7m)韮生越コース登山口へは、中東山と同じルートを走行し、南下するしかない。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪道と笹ヤブが消え、展望山に≫ 中東山(1684.6m)は、ヤマケイの登山ガイドブックに、剣山から石立山への縦走路にある山として紹介され、山名自体は昭和期から知られていた。 しかしダイレクトに登頂する徳島県(治平谷コース)と高知県側(ジルザワ谷コース)、双方のコースが一般に知られるようになったのは、'00年代に入ってからであり、その両コースも未整備の踏み跡程度であるため、高知県側にすれば「高知県の無名峰の最高峰」とも言える。 そんなかつての秘峰だが、登山ルート沿いにはブナを始めとした自然林が豊富で、また、以前の稜線や山頂周辺のヤブ化していた笹が一斉に枯れて消滅したおかげで、近年、展望山へと生まれ変わった。 しかし、それとは裏腹に、この数年の間、7合目辺りから稜線までの踏み跡も消えてしまった。但し、周囲の地形に特徴があり、藪もないことから、最低限の読図ができれば登頂は容易い。 登山口に続く大栃林道63線は、'04年初夏までは悪路なものの、何とか車で走行することができた。しかし同年夏の豪雨により、至る所で土砂崩れと路面崩落を起こし、復旧は永遠に不可能となった。現在、剣山・法螺貝橋コースとして利用されている、「踏み跡化」した槍戸林道と同じ運命を辿ることだろう。 そんな崩壊箇所には全て踏み跡がついているため、難なく通行することができる。 林道からは絶えず中東山の山塊が見えており、登頂欲を掻き立てられる。 林道には野地菊やシコクブシも咲いており、作業車の通行が途絶えたのを喜んでいるかのようだ。 林道の終点が登山口で、道標も建っているが、終始踏み跡程度のもので、時折、その踏み跡自体も消えるので、読図が未熟な方は赤テープを逃さず登られたい。 すぐまたシコクブシの小群落が現れる。剣山系にはよく見られる花だ。 ジルザワ谷の本流は標高1300m辺りで二又に分かれるが、その二つの沢を連続して渡渉する。浅い沢なので難はない。 二つ目の沢を渡った先には白い道標が設置されている。中東山方向と剣・三嶺縦走路方向を示したものだが、ここから三嶺縦走路に登ろうとする物好きはいないだろう。 山裾を少し歩いた後、尾根に取付くが、地形図を見ても分かる通り、急登だ。しかし不思議ときついと思ったことはない。これは前かがみの姿勢と、ザックの背面のカーブによる重心がしっくりかみ合っているせいだろう。 道沿いにはブナやリョウブが豊富で、時折大木も現れる。 標高1540mほどになると、尾根幅が広がり、ルートは尾根の西寄りを進むようになり、不明瞭になる。しかしここで東上の稜線に上ろうとしてはいけない(いけないことはないが)。本来、稜線へ出る地点は、1672mピークと山頂との間のコルだからだ。 踏み跡が不明瞭になった辺りから南方向を見ると、草原のような明るい斜面が見える。まずはそこを目指して行き、周囲の地形を確認すべき。 シダのだだっ広い斜面の中で、平坦になっている箇所がルートだ。シダに混じってウマスギゴケも生息している。 南方を見ると山頂北のピークが見えているから、その向かって左下のコルを目指せばいい訳だ。踏み跡は消滅しているが、ヤブもないから、適当に登って行こう。 コルの下方まで辿り着くと、辛うじて踏み跡が残っていた。コルにも道標が設置されてある。'04年に登った時は、投稿者が手製の指導板を掲げたのだが、やはり森林管理署の道標は頑丈だ。以前、石鎚山系の奈辺良谷山に登った時も、手前の峠に半世紀ほど前のものらしい木製道標が残っていて、驚いたことがある。 コルから山頂までは指呼の距離。'99年に登頂した折は、山頂周囲は笹に覆われ、座ると全く展望が効かなかったのだが、今では笹のサの字もない。まるで人為的に刈ったかのようにきれいに枯れてなくなっており、四囲の展望が欲しいままだ。市販の登山地図を車に置いてきたため、周囲の山座同定があまりできなかったが、それでも次郎笈から派生する新九郎山から杉生山にかけての尾根は分かる。白髪の分かれのピークも笹の色が鮮やかだ。 石立山の山頂部も伺うことができるが、石立山にかけての尾根も、笹ヤブは消えていることだろう。 |
写真
撮影機器:
感想
中東山のジルザワ谷コースについては、別府峡沿いの何ヶ所かに設置されている観光案内板にも記載されており、てっきり入山者が増えているものと思っていたが、踏み跡の何割かが跡形もなく消えていることを考えれば、あまり登山する者はいないのだろう。
まして現在、別府峡沿いの林道が通行止めで、遠回りのアクセスとなれば、更に入山者は減る。が、逆に好展望の山頂を独り占めすることができ、無名峰ピークハンターにとっては好都合だろう。
尚、大栃林道63線入口広場には近年、小屋が建設された。中には薪ストーブと薪がある。だからそこで前夜泊できないこともない。但しトイレはなく、水道も使えるかどうか疑問。
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