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Yamareco

記録ID: 2368795
全員に公開
沢登り
京都・北摂

【京都北山】オクノタンと中山谷山(カミギリ谷↑〜ツベタ水谷↓〜 中山谷↑〜 奥ノ谷の東隣の谷↓)

2020年05月30日(土) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
14.0km
登り
1,081m
下り
1,073m

コースタイム

日帰り
山行
8:10
休憩
0:00
合計
8:10
8:00
30
芦生駐車場
8:30
8:30
90
カミギリ谷出合
10:00
10:00
110
オクノタン(奥ノ谷山)
11:50
11:50
20
ツベタ水谷と五波谷川出合
12:10
12:10
100
中山谷出合
13:50
13:50
80
中山谷山
15:10
15:10
60
オクノタン(奥ノ谷山)
16:10
芦生駐車場
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2020年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
芦生研究林事務所手前の駐車場に駐車
コース状況/
危険箇所等
※ 今回のルートは,カミギリ谷も含め,入林制限のある芦生研究林の区域外です。

【カミギリ谷】
 ヒツクラ谷の枝谷で,オクノタン(奥ノ谷山)の山頂に北東から突き上げている谷。日本登山体系に「ほとんど人気(ひとけ)のない谷」等と短く紹介されている以外はほとんど記録を見ない。7mほどの滝と全長20mほどのナメ滝の連瀑帯が1箇所,あとは小滝が数個あるだけで,水量も少なく,沢登りというより沢歩きの谷だが,周囲を取り囲んでいる森は自然度が高く素晴らしい。カツラやトチノキの巨樹が点在し,特に最奥の二俣にある大きなトチノキは,個人的にはこれまで見た中で最大級。

【ツベタ水谷】
 五波谷川の支流で,オクノタンの山頂に北東〜北から突き上げている谷。10mほどの滝を筆頭に,5mくらいまでの小ぶりな滝が数多く連なっている。一部ちょっとしたゴルジュっぽくなっている箇所もあり,記録をほとんど見ない谷の割には意外に変化があって楽しい印象。今回は情報がなかったため下降に使ってしまったが,普通に遡行したほうが面白そう。ただし,流域は植林が目立ち,樹林の美観と雰囲気の良さという点ではカミギリ谷や中山谷のほうが上。

【中山谷】
 五波谷川の支流で,中山谷山の山頂に西から突き上げている谷。京都北山では貴重な登りごたえのある沢の一つとして,ごくたまに記録を見ることがある。五波谷川との出合からしばらくは大規模に皆伐されてしまっており驚愕の眺めだが,伐採は滝場が始まる区間の手前までで終わっており一安心。全段含めれば全長40mほどの美しい連瀑帯が2箇所ほどあり,それらを中心として他にも小滝が多数。滝の数の点ではツベタ水谷のほうが多分上だが,滝の美しさや登りごたえという意味ではやはりこちらの谷に軍配が上がる。また,連瀑が終わってからは,素晴らしいブナやミズナラ,サワグルミ,トチノキの樹林に囲まれた穏やかな散歩道のような源頭部が広がり,気持ちよく中山谷山の山頂に上がることができる。

【奥ノ谷の東隣の谷(正式名称不明)】
 オクノタンに南から突き上げている奥ノ谷(奥ノ谷の遡行記録は2019.6.30の記録を参照)の一つ東隣にある短い谷。源頭部に10mほどの2段の滝があるだけで,下部も堰堤が3つほど敷設されているため,あまりお勧めできる谷ではないが,自然度はなかなか高く,トチノキやカツラの巨樹が散見される。

【中山谷山〜オクノタンの尾根】
 登山道はなく踏み跡らしい踏み跡もない代わりに,藪は全くなく問題なく歩ける。マーキングがない区間がほとんどで一部迷いやすい箇所もあるため,最低限のルートファインディングは必要。

※ なお,ヒルは見ませんでした。まだ時期が早いからかもしれませんが…。
オオルリやキビタキのにぎやかな歌声を聞きながらヒツクラ谷に沿った林道を歩く。ヒツクラ谷の穏やかな流れが美しい。
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オオルリやキビタキのにぎやかな歌声を聞きながらヒツクラ谷に沿った林道を歩く。ヒツクラ谷の穏やかな流れが美しい。
タニウツギの花盛り。
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タニウツギの花盛り。
カミギリ谷の出合い。苔むした石を踏んで細い流れを辿っていく。
カミギリ谷の出合い。苔むした石を踏んで細い流れを辿っていく。
水量は少ないが,時折ナメが現れて目を楽しませてくれる。
水量は少ないが,時折ナメが現れて目を楽しませてくれる。
周囲の自然林の美しさも申し分ない。
周囲の自然林の美しさも申し分ない。
7mほどの滝が現れた。登れそうにも見えたが,ホールドが丸く滑りそうなため,大事を取って左手から巻いていく。
7mほどの滝が現れた。登れそうにも見えたが,ホールドが丸く滑りそうなため,大事を取って左手から巻いていく。
滑り台のようなナメ滝の連続。小ぶりな滝ばかりだが,せっかくなので楽しく直登していく。
滑り台のようなナメ滝の連続。小ぶりな滝ばかりだが,せっかくなので楽しく直登していく。
すると,ナメ滝の奥に小広い樹林の広場がある美しい空間に行き当たった。
すると,ナメ滝の奥に小広い樹林の広場がある美しい空間に行き当たった。
緑が滴るような豊かな森からじかに清冽な水が迸り出てきたような,美しい眺めだ。
流れに足を浸したまま,しばし周囲を眺めて休憩。
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緑が滴るような豊かな森からじかに清冽な水が迸り出てきたような,美しい眺めだ。
流れに足を浸したまま,しばし周囲を眺めて休憩。
見上げるようなカツラやサワグルミの高木。
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見上げるようなカツラやサワグルミの高木。
立派なトチノキの古木もところどころに散見され,目を驚かせる。
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立派なトチノキの古木もところどころに散見され,目を驚かせる。
このトチノキも立派。
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このトチノキも立派。
谷は早くも水切れの様相となってしまったが,周囲の樹林が美しいので,全く寂しい気はしない。
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谷は早くも水切れの様相となってしまったが,周囲の樹林が美しいので,全く寂しい気はしない。
最奥の二俣に到着すると,その中央にひときわ巨大なトチノキが聳えていてびっくり。
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最奥の二俣に到着すると,その中央にひときわ巨大なトチノキが聳えていてびっくり。
これはかなりの大きさだ。腕を広げて取り囲もうと思ったら,大人4〜5人くらいは必要ではないだろうか。京都北山の谷ではトチノキの巨木を時々見かけるが,今まで見たことのあるトチノキの中では,最大級だ。
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これはかなりの大きさだ。腕を広げて取り囲もうと思ったら,大人4〜5人くらいは必要ではないだろうか。京都北山の谷ではトチノキの巨木を時々見かけるが,今まで見たことのあるトチノキの中では,最大級だ。
なにしろ,枝一本だけでもこの迫力。普通のトチノキ一本分くらいはある。
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なにしろ,枝一本だけでもこの迫力。普通のトチノキ一本分くらいはある。
この二俣の周囲には,他にも何本かトチノキの巨樹が点在している。この腕を大きく広げたようなトチノキも素晴らしい。
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この二俣の周囲には,他にも何本かトチノキの巨樹が点在している。この腕を大きく広げたようなトチノキも素晴らしい。
このトチノキもなかなかのもの。
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このトチノキもなかなかのもの。
これは大きめの芦生スギ。
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これは大きめの芦生スギ。
二俣の巨木群をひとしきり堪能したのち,急斜面を上り詰めてオクノタンの山頂に到着。
二俣の巨木群をひとしきり堪能したのち,急斜面を上り詰めてオクノタンの山頂に到着。
山頂付近からの眺め。北西方面がちらりと見える。あれに見えるは,多分先週登った八ヶ峰。
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山頂付近からの眺め。北西方面がちらりと見える。あれに見えるは,多分先週登った八ヶ峰。
静かなオクノタン山頂で小憩ののち,山頂から直接北側の急斜面を滑り落ちるように降り,ツベタ水谷の源頭部へと下降する。周囲は植林であまり感じはよくないが,谷筋はタニウツギの花のトンネルとなっておりなかなかきれい。
静かなオクノタン山頂で小憩ののち,山頂から直接北側の急斜面を滑り落ちるように降り,ツベタ水谷の源頭部へと下降する。周囲は植林であまり感じはよくないが,谷筋はタニウツギの花のトンネルとなっておりなかなかきれい。
次第に滑りやすそうなナメ滝が連続し始め,左右の灌木にぶらさがったりしながら慎重に巻き下りていく。
次第に滑りやすそうなナメ滝が連続し始め,左右の灌木にぶらさがったりしながら慎重に巻き下りていく。
植林の中,たくさんの幹が束になったような異形のカツラの巨木が一本だけ生えていた。
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植林の中,たくさんの幹が束になったような異形のカツラの巨木が一本だけ生えていた。
しばらく下ると,滝が連続し始める。
しばらく下ると,滝が連続し始める。
クライムダウン又は巻き下りで慎重に通過していく。
クライムダウン又は巻き下りで慎重に通過していく。
まだまだ滝が続き,途切れない。
まだまだ滝が続き,途切れない。
と,目の前が突然すっぱり切れ落ちた。左右は岩が立って,ちょっとしたミニゴルジュのようになっており,水はそのほの暗いゴルジュの中に吸い込まれていく。
と,目の前が突然すっぱり切れ落ちた。左右は岩が立って,ちょっとしたミニゴルジュのようになっており,水はそのほの暗いゴルジュの中に吸い込まれていく。
左手から少し大きめに巻き下り,ミニゴルジュの中をのぞき込むと,5mほどの滝が落ちていた。
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左手から少し大きめに巻き下り,ミニゴルジュの中をのぞき込むと,5mほどの滝が落ちていた。
ミニゴルジュの中間の滝。最上段の滝が奥にちらりと見えている。
ミニゴルジュの中間の滝。最上段の滝が奥にちらりと見えている。
ミニゴルジュの最下段の滝。
ミニゴルジュの最下段の滝。
この後も休む間もなく滝が連続する。
この後も休む間もなく滝が連続する。
この滝は立派。10mくらいか。
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この滝は立派。10mくらいか。
ツベタ水谷は,ほとんど記録のない谷なので,あまり期待していなかったのだが,こんなに滝が多い谷とは,嬉しい誤算だ。
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ツベタ水谷は,ほとんど記録のない谷なので,あまり期待していなかったのだが,こんなに滝が多い谷とは,嬉しい誤算だ。
しかもほとんどが直登できそう。これは下降路ではなく,普通に遡行の対象としたほうが楽しかっただろうな…。
しかもほとんどが直登できそう。これは下降路ではなく,普通に遡行の対象としたほうが楽しかっただろうな…。
光り輝くような美しいナメ滝帯。
光り輝くような美しいナメ滝帯。
振り返ると谷の奥に途切れることなく滝が連なっているのが見える。
振り返ると谷の奥に途切れることなく滝が連なっているのが見える。
長いナメ滝をひたひた歩いて下っていく。
長いナメ滝をひたひた歩いて下っていく。
結局,地図の林道の手前まで,小滝やナメ滝が途切れることなく続いていた。予想以上に楽しい谷だった。
結局,地図の林道の手前まで,小滝やナメ滝が途切れることなく続いていた。予想以上に楽しい谷だった。
荒れた林道をたどって五波谷川沿いの舗装林道(ビレッジライン)に降り立ち,少し歩いて中山谷の出合へ。
荒れた林道をたどって五波谷川沿いの舗装林道(ビレッジライン)に降り立ち,少し歩いて中山谷の出合へ。
中山谷の出合に着くと…まさかの大皆伐。しばらく唖然としてしまったが,まさか谷が全部皆伐されてしまっているわけではあるまいと気を取り直し,中山谷の奥へ歩いて行く。
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中山谷の出合に着くと…まさかの大皆伐。しばらく唖然としてしまったが,まさか谷が全部皆伐されてしまっているわけではあるまいと気を取り直し,中山谷の奥へ歩いて行く。
しばらく行くと予想通り伐採は途切れ,次第に深い森に包まれ始めて一安心。それとともに,沢床にも美しいナメが現れ始めた。
しばらく行くと予想通り伐採は途切れ,次第に深い森に包まれ始めて一安心。それとともに,沢床にも美しいナメが現れ始めた。
周囲が自然林に包まれると同時に,滝場が始まった。
周囲が自然林に包まれると同時に,滝場が始まった。
清冽な水を楽しみながら,美しいナメ滝を越えていく。
清冽な水を楽しみながら,美しいナメ滝を越えていく。
端正な連瀑帯が現れた。全段合わせたら,30mくらいはありそうだ。斜滝でホールドも適度にあり,全部直登していくことができる。
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端正な連瀑帯が現れた。全段合わせたら,30mくらいはありそうだ。斜滝でホールドも適度にあり,全部直登していくことができる。
深い緑の中,黒い岩の間を迸る光のような滝が美しい。
深い緑の中,黒い岩の間を迸る光のような滝が美しい。
と,奥にひときわ大きな滝が見えてきた。
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と,奥にひときわ大きな滝が見えてきた。
この谷一番の大きさの滝。10mくらいだろうか。
一見して登れる滝だな,と思ったのだが,高さがあるのと滑りやすそうなのとでここは自重。右手の急斜面から高巻いていく。
この谷一番の大きさの滝。10mくらいだろうか。
一見して登れる滝だな,と思ったのだが,高さがあるのと滑りやすそうなのとでここは自重。右手の急斜面から高巻いていく。
高巻きながら眺めた10m滝。上にも斜滝が続いているのが見える。
高巻きながら眺めた10m滝。上にも斜滝が続いているのが見える。
高巻きを終えて10m滝の落ち口に降り立つと,上にはまだ美しいナメ滝が涼しい瀬音を立てて続いている。ここは楽しく直登させてもらう。
高巻きを終えて10m滝の落ち口に降り立つと,上にはまだ美しいナメ滝が涼しい瀬音を立てて続いている。ここは楽しく直登させてもらう。
小滝をいくつか越えたあと,ふたたび連瀑。小さい斜滝の連なりなので,周囲を眺めながら,散歩するように直登していける。
小滝をいくつか越えたあと,ふたたび連瀑。小さい斜滝の連なりなので,周囲を眺めながら,散歩するように直登していける。
穏やかな平流区間を挟んで,再び連瀑。
穏やかな平流区間を挟んで,再び連瀑。
なるべく水線に沿って,水と戯れながら登っていく。
なるべく水線に沿って,水と戯れながら登っていく。
最後の連瀑を登り切ると,穏やかな源頭の雰囲気に。
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最後の連瀑を登り切ると,穏やかな源頭の雰囲気に。
地図上の三俣に着いた。小広い広場のようになっており,タープでも張って焚火をして一夜を過ごしたら楽しそうなところだ。
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地図上の三俣に着いた。小広い広場のようになっており,タープでも張って焚火をして一夜を過ごしたら楽しそうなところだ。
中山谷山の山頂へは,三俣の左俣に入る。左俣は入り口からちょっとしたナメ滝になっている。
中山谷山の山頂へは,三俣の左俣に入る。左俣は入り口からちょっとしたナメ滝になっている。
ナメ滝を登り切ると,再び穏やかな源頭の雰囲気に。散歩道を歩いているようで気持ちがいい。この辺りはミソサザイがたくさんいて,尾羽をぴんぴん振りながら沢沿いに先導してくれる。
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ナメ滝を登り切ると,再び穏やかな源頭の雰囲気に。散歩道を歩いているようで気持ちがいい。この辺りはミソサザイがたくさんいて,尾羽をぴんぴん振りながら沢沿いに先導してくれる。
周囲は美しいブナとミズナラ,サワグルミなどの自然林に包まれている。ここは本当にいいところだ。
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周囲は美しいブナとミズナラ,サワグルミなどの自然林に包まれている。ここは本当にいいところだ。
トンボが交尾していた。細い水色の体に,先端に赤い斑点のある透明な羽…。シオカラトンボのような,違うような…。
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トンボが交尾していた。細い水色の体に,先端に赤い斑点のある透明な羽…。シオカラトンボのような,違うような…。
いよいよ沢形が斜面に吸収されていく。詰めの斜面の中央には,何かの象徴のような真っ白なサワグルミの巨木が立っていた。
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いよいよ沢形が斜面に吸収されていく。詰めの斜面の中央には,何かの象徴のような真っ白なサワグルミの巨木が立っていた。
この辺りは大きなブナの木が多い。
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この辺りは大きなブナの木が多い。
急斜面を登り切り,中山谷山に到着。明るい自然林に囲まれた,気持ちの良い山頂だ。
静寂の中,ツツドリやジュウイチの声がどこかから響いてくる。
急斜面を登り切り,中山谷山に到着。明るい自然林に囲まれた,気持ちの良い山頂だ。
静寂の中,ツツドリやジュウイチの声がどこかから響いてくる。
北東方面がちらりと見える。
北東方面がちらりと見える。
沢で汲んでおいた冷たい水とパンで食事をしたのち,オクノタンへと自然林に囲まれた快適な稜線を辿っていく。道はない代わりに藪もないので,全く問題なく歩ける。木々を吹き渡る風が気持ちいい。
沢で汲んでおいた冷たい水とパンで食事をしたのち,オクノタンへと自然林に囲まれた快適な稜線を辿っていく。道はない代わりに藪もないので,全く問題なく歩ける。木々を吹き渡る風が気持ちいい。
途中,木の幹に開いた穴からピーピーとかわいい鳥のヒナの声がしたためそばに寄ってみると,一羽のヤマガラがニーニー鳴きながら周囲を飛び回り始めた。どうやら親鳥らしい。小さな体をバタバタ言わせながら飛び回る姿に申し訳なくなり,慌てて退散した。
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途中,木の幹に開いた穴からピーピーとかわいい鳥のヒナの声がしたためそばに寄ってみると,一羽のヤマガラがニーニー鳴きながら周囲を飛び回り始めた。どうやら親鳥らしい。小さな体をバタバタ言わせながら飛び回る姿に申し訳なくなり,慌てて退散した。
P743通過。ここにもあった。さすがだ…。
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P743通過。ここにもあった。さすがだ…。
そして本日2回目のオクノタンに戻ってまいりました。
そして本日2回目のオクノタンに戻ってまいりました。
本日2回目の奥ノ谷山プレート。
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本日2回目の奥ノ谷山プレート。
さて,帰路はオクノタンから東の尾根を少し進み,小ピークひとつ越えたところから南に降りている谷を下降することにする。この谷はまとまった連瀑帯のある奥ノ谷に隣接しているので,もしかしたら何か出てくるかも…とちょっとだけ期待していた。
さて,帰路はオクノタンから東の尾根を少し進み,小ピークひとつ越えたところから南に降りている谷を下降することにする。この谷はまとまった連瀑帯のある奥ノ谷に隣接しているので,もしかしたら何か出てくるかも…とちょっとだけ期待していた。
綺麗な紫の花。何という花だろう?
綺麗な紫の花。何という花だろう?
谷をしばらく降りていくと,目の前がすっぱり切れ落ちた。滝だ。
谷をしばらく降りていくと,目の前がすっぱり切れ落ちた。滝だ。
左岸を巻き下って下に降り立つと,果たして10mほどの2段の滝であった。
左岸を巻き下って下に降り立つと,果たして10mほどの2段の滝であった。
この後は急ではあるもののいたって穏やかな谷が続き,結局大した変化はなかった。
この後は急ではあるもののいたって穏やかな谷が続き,結局大した変化はなかった。
しかし,この谷は小さいながらなかなか自然度が高くて,歩いていて気持ちがいい。立派なカツラの樹もある。
しかし,この谷は小さいながらなかなか自然度が高くて,歩いていて気持ちがいい。立派なカツラの樹もある。
これはなかなか立派なトチノキ。
これはなかなか立派なトチノキ。
大トチノキの傍らには炭焼き窯の跡が。こんな小さな谷にも人が入って山仕事をしていたのだ。
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大トチノキの傍らには炭焼き窯の跡が。こんな小さな谷にも人が入って山仕事をしていたのだ。
ちょっとだけ小滝も出てくるが,大したことはない。
ちょっとだけ小滝も出てくるが,大したことはない。
滝かなと思って巻き下ると,堰堤であった。里が近い。
滝かなと思って巻き下ると,堰堤であった。里が近い。
精霊のような異形のカツラ。
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精霊のような異形のカツラ。
夫婦杉。
最後の堰堤を越えると,芦生の集落にたどり着いた。無事山行終了。
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最後の堰堤を越えると,芦生の集落にたどり着いた。無事山行終了。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用。
・ロープ(20m),ハーネス等の沢登りの基本装備は持ちましたが,結局使う場面はありませんでした。

感想

 今月末まで都道府県をまたいだ移動の自粛要請が継続されているため,今週も地元京都の山めぐり。昨年6月末に遡行してなかなか面白かった奥ノ谷(オクノタン)の周辺にいくつか気になっている沢があったため,一日でできるだけつないで歩き回ってみた。
 今回辿った谷はどれも小さな谷だが,それぞれに嬉しい発見があって印象深かった。カミギリ谷の奥の二俣で出会った大トチノキ,予想外の滝の連続で楽しかったツベタ水谷,深い緑の森の中に端正な立ち姿をした中山谷の連瀑帯,異形の精霊のような大カツラのたたずむ無名谷。今回初めて登った中山谷山も,美しいブナとミズナラの森に囲まれた,思わずゆっくりしたくなる,気持ちのいい山頂だった。稜線上で耳を澄ませると,いつもどこか遠い谷間で,ジュウイチの啼声が響いていた。静かな山と静かな谷の,良い一日だった。

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