記録ID: 2392450
全員に公開
ハイキング
磐梯・吾妻・安達太良
残雪期の西吾妻山
2020年06月13日(土) 〜
2020年06月14日(日)



体力度
6
1〜2泊以上が適当
- GPS
- 18:14
- 距離
- 35.7km
- 登り
- 1,478m
- 下り
- 2,163m
コースタイム
1日目
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 8:10
距離 12.0km
登り 1,349m
下り 312m
天候 | ■6/13 梅雨前線が関東南岸に横たわる天気図。 茨城県、 栃木県内は結構雨が降っていたが北上すると雨脚も弱まり、 天元台ロープウェイ駐車場到着時には雨量だと1mm以下の弱い雨。 スキー場上部では雨も上がり曇り。人形石付近は霧で視界不良。 午後3時頃から西の方から明るくなり夕日も見ることができた。 ■6/14 はれ時々曇り 日の出前は雨上がりの薄いベールのような霧が 出ていたが、日が昇るにつれて消えていった。 日中は曇りのち晴れ。 |
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過去天気図(気象庁) | 2020年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■ロープウェイ、リフトは未使用 (ヘリ救助)西吾妻山小屋→米沢ヘリポート (救急車) 米沢ヘリポート→米沢市民病院 ■米沢市民病院→小野川温泉→米沢牛黄木直営レストラン金剛閣→浦和市内 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■天元台ロープウェイ〜吾妻屋旅館 11:30 ロープウェイ乗り場の上にある駐車場をスタート。 登山届のポストを探してみたが、駐車場付近に見当たらず。 気にはなるものの登山開始。 舗装路で歩きやすいが斜度は結構あるので下山時、雨の時は注意が必要。 ■吾妻屋旅館〜天元台高原 雨でぬれた丸い石が多く、足場を確認しながら 一歩一歩上る。谷川の西黒ほどではないが 前半はそれなりに斜度があったので慎重に上る。 ここも下山時は慎重に行ったほうが良い。 ■天元台高原〜北望台 ロープウェイを使って登ってきた人が出すための登山届の ポストがあるのでは?と回りを見たがポストが見つからず。 そのままゲレンデ脇から北望台に向けてのぼる。 このあたりで下山中の3パーティーとすれ違う。 振り返ると米沢市内や残雪の朝日岳方向がきれいに見えていた。 ■北望台〜人形石 この区間は残雪がまだ多く残っていた。 また滑りやすい石も多く、かもしか展望台方面のルートよりも 人が入っていない印象。チェーンスパイクを装着し上る。 人形石付近から霧が出てきた。 人形石付近はチングルマが満開。霧が出てきて 間違って藤十郎方面に行きそうになるが、コンパスで方位を確認し修正した。 ここも濃霧で道を間違えやすいので注意が必要。 ■人形石〜中大巓分岐 このあたり木道が雪の影響か左右に傾いていて歩きにくいので 滑らないように注意しながら歩を進める。水芭蕉なども見られた。 ■中大巓分岐〜山頂 このあたり大凹あたりは残雪が多い。 チェーンスパイクはなくても歩けるが念のため装着。 天狗岩方面はいったんよらずに山頂に向かう。 山頂は樹林に囲まれ展望はゼロ。 山頂標識の前で写真を撮る。 ■山頂〜西吾妻小屋〜天狗岩 滑りやすい下りなので注意して歩く。 苗場より狭いが池塘がみられるフラットな山頂部。 一段下がったところに2階建ての西吾妻小屋。 同行者が汗をかいていたので、小屋に入り着替えてもらう。 吾妻神社を参拝後、天狗岩でひとしきり写真を撮り 下山を開始する。 当初の計画では来たルートを引き返す予定だったがCTが短く早く 下山できると考え若女平に向け下山を開始。 ■西吾妻小屋〜若女平 やはり西吾妻山の北西斜面は思ったよりも残雪が多い。 そしてU字状にえぐれた地形の間に雪や泥、倒木がある 登山道となっており歩きにくい。山頂に上り返して 北望台方面から下山しようかと思い始める。 しばらく下るとU字状にえぐれた地形に倒木があったので 下山方向に見て左側の堤を慎重に歩いていたが、 右足を置いた瞬間、堤が崩れ約2m ほどの高さから落下してしまった。 それでも歩いて降りるつもりだったが、 右顎は擦過痕、右肩、右胸上部、左腰と痛みがあり、 何より落下の衝撃で軽い脳震盪でもあったのか 足を踏み外した瞬間の記憶はあるが、地面に落ちた時の記憶が無くなっていた。(ボクシングでアッパーが入った感じ) 同行者が脳に異常が出ているのであれば危険だと 判断し消防に通報。 消防からの指示は 1.事故現場でビバーク 2.西吾妻小屋に上り返す の二択だった。 一応、ツェルトロングやEscape Vivviも持っているので ここでのビバークも可能だが、残雪がある東北の山だと おそらく気温が0度ぐらいになると判断し、負傷した現場から 300m ほど登り返すことにした。 ■西吾妻小屋 すでに日没時刻を過ぎていたが、西の空は明るかった。 下山開始前からヘッドライトを首からぶら下げていたので 慎重に歩を進め西吾妻小屋に到着。 西吾妻小屋は無人の避難小屋。 下山前に内部を見ていたので、1Fの板の間にて泊めさせていただく。 体温は平熱、SpO2は80%、心拍数は80/min と少し息が上がっていたが 問題はなさそうだったので、着替えを済ませる。 暖かいものでも食べようと思ったが、高度のためか Primus P153 の点火装置からは火花が出ているが 何度やっても火がつかないので諦め、おにぎり2個と水を飲み SOLエスケープヴィヴィに入り就寝。 同行者は消防との定時連絡のため何度か小屋の外で通話をしてくれた。 寝る前に再度血中酸素濃度を測定したら93%、心拍数は60に落ち着いていた。 深夜、コソコソと小動物の歩く音がする。どうやらネズミが住んでいるようだ。 普段7時間睡眠ということもあり、3時半起床。 肋骨にひびが入っているようで寝返りを打つと痛みが出る。 ■救助 午前5時少し前、朝の静けさを破ってヘリの音が聞こえてきた。 ヘリの機体には「もがみ」と書いてあった。 事前の消防との打ち合わせで小屋の中にて待機するように、 という指示だったので小屋内部で待機。 しばらくして若い隊員2名がホイスト降下してきた。 私含め同行者の状況を確認。2名ともホイストで救助されるという。 私のザックは隊員が背負い、股の下から背中にかけて ヘリハーネスを取り付けていただく。 2−30秒ほどでホイストで釣り上げられた。 下を見ると怖いので遠くを見ていたが、 朝日岳をはじめ雪が残った東北の山々がよく見えた。 ヘリに収容された後、バイタルチェックが実施され 15分ほどで米沢ヘリポートに着陸。 そのあと救急車に乗り換え米沢市民病院に運ばれた。 MRI検査やレントゲン検査などが行われたが 脳内の出血も骨折もなかったため解放された。 |
その他周辺情報 | ■小野川温泉 尼湯 米沢市内から車で6km 山形県米沢市小野川町2472-2 温泉は200円で入れます。中に券売機があります。 源泉かけ流しで湯の華も浮いていて、非常に良い湯でした。 ■米沢牛黄木直営レストラン金剛閣 山形県米沢市桜木町3-41 https://www.kongoukaku.com/ 体格のいい警察官におススメしていただいたレストラン。 3フロアー別々の料理だったが、2Fの焼肉を選択。 3Fはすき焼き、4Fはステーキです。 がっつり肉を食べてきました。 |
写真
負傷した現場: 左奥が本来の登山道だが倒木で埋もれている。中央上部の後方が山頂方向。右足を着地した瞬間にストックの先の土壁が崩れ約1.8メートルほど落下。顎、右肩、右胸を強打。コロナウィルスの影響で登山道の整備が追い付いていないようだ。
撮影機器:
装備
MYアイテム |
![]() 重量:-kg
![]() ![]() ![]() ![]() |
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個人装備 |
長袖シャツ(マムート)
長袖インナー
ハードシェル(ブラックダイヤモンド Helio Shell
Teton Brosネオシェルパンツ)
タイツ(ワコールCW-X)
ズボン(ミレー夏用長ズボン)
靴下(Smart Wool)
グローブ(ブラックダイヤモンド:持参したが使用せず)
アウター手袋
雨具
ゲイター
靴
ザック(マムートトリオンガイド45+7L)
アイゼン(チェーン)
行動食
非常食
飲料(プラティパス2L
500mlペットボトル2本)
地図(地形図)
コンパス(Suunto)
腕時計(Suunto Ambit Peak3 HR)
計画書
ヘッドランプ(2個)PETZL(ペツル) アクティック 最大350ルーメン
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット(消毒液・マスク・三角巾・ガーゼ・テーピング・SpO2測定器)
PRIMUS(プリムス) P-153 ウルトラバーナー
簡易寝袋(SOL Escape Bivvi)
エマージェンシーブランケット(SOL)
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感想
今回、出動いただいた山形県の消防・レスキュー・地元の消防団、警察や病院関係の皆様ありがとうございました。
反省点としては
・登山開始時刻が11:30と遅かった。
以後、現地には前泊するなどして早朝出発にするか、小屋泊するなどして無理のない計画を立てるようにします。
・登山届は準備していたがポストを見つけることができず結果として提出できていない状態で登山開始してしまって救助隊にご迷惑をおかけしてしまった。
・初めての西吾妻山にもかかわらず残雪が多い中、
来た登山道とは異なる未整備の登山道を下山し、結果負傷してしまった。
やはり状態がわからない道を進むのは危険ですので、来た道を引き返すようにします。
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