【白砂渓谷ライン散歩】白砂渓谷・赤岩集落・世立八滝(金比羅山)・尻焼温泉
- GPS
- 05:55
- 距離
- 22.5km
- 登り
- 995m
- 下り
- 742m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復:花敷温泉バス停〜長野原草津口駅(750円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
道の状況: 国道292号〜国道405号を歩く。交通量がある程度あり、路側帯(準歩道)が狭い箇所があるので、道路横断時や写真撮影時は注意。 世立八滝は急な上りと急な下りに注意。 登山ポスト: 無い。 下山後の温泉・飲食店情報 下山後は知る人ぞ知る尻焼温泉。他にも手前に花敷温泉、道の駅近くに湯の平温泉、赤岩地区に六合赤岩温泉等がある。 |
写真
感想
天高く、紅葉の秋。あちこちの紅葉を楽しみたいが、休みは1週間おき。1週間で「見頃」が「色あせはじめ」になってしまうほど、秋は短い。
幸運なことに11月最初の週末は3日、4日ともに晴れが見込まれた。そこで、二日続けて紅葉散歩に出かけることとした。
白砂渓谷ライン、それは白砂山・野反湖から流れる白砂川に沿って走る国道292号と国道405号であり、夏は新緑、秋は紅葉、集落では歴史的建造物と、自然と歴史を感じられる景勝線である。
まさに紅葉の頃に車で来たことがあるが、切通のような所を抜けてバッと視界が広がった瞬間目に飛び込んだ、山や谷全面に広がる鮮やかな紅葉に驚嘆した。以来その光景が忘れられない。しかし、また行こうにも車ではちょくちょく停まるわけにもいかず、じゃあどうするか?歩いて行こうとなった。
車の交通に注意する必要はあるが、基本的に舗装道路に沿って歩く簡単な散歩である。標高差は300mほどあるが、全く気にならないほど素晴らしい沿線の風景だった。
JR吾妻線の辺りは八ツ場ダムができると水の底に沈むのでsuica対応機を駅に設置していないそうである。電車で行くときは乗車券を購入だ。
駅を出て歩き始めてから彼方此方で山々の色づきを楽しめるが、やはり写真だと見劣りがする。実際の紅葉の鮮やかさは添付画像の数割増し、秋の青空の下の気分込みで倍になる。
【六合村赤岩伝統的建造物群保存地区】
今まで六合赤岩温泉に立ち寄ったことは何度かあるが、その近くに昔ながらの建物群が集中していることには気がつかなかった。そう。要は目の付け所なのだ。視点を変えれば普段何気なく歩いている道でも新しい発見をし得る。都区内でもね。
集落の中心を貫く道路沿いに、入口のコミュニティ施設・水車小屋から奥の赤岩神社まで毘沙門堂と湯本家が、メインストリートから外れたところに東堂、向城の観音堂、上の観音堂がある。
・コミュニティ施設
現地住民、都市と農村の交流の場として平成12年に整備された。観光案内所兼食事処のような感じ。
・毘沙門堂
新潟県南魚沼郡浦佐の毘沙門を祀ったもの。
・湯本家
祖は木曽義仲に仕え、義仲敗北後この辺りに隠れ住んでいたが、その後、源頼朝に草津の地を与えられたという。幕末期は高野長英を匿う。今も人が住んでいそうな感じ。
・東堂
地蔵尊、十王、脱衣婆の木像安置。周囲は馬頭観音、大日如来三界万霊塔、念仏供養塔。
・赤岩神社
赤岩集落の最奥地にある。建物自体は大正3年のもの。
・向城の観音堂
中に三界万霊の位牌がある。床を突き抜けて木が伸びたりして、中は荒れている。心が痛む。
・上の観音堂
1764年建築の赤岩最古の建物。聖観音立像、薬師如来像、不動明王像を安置。赤岩に現存する唯一の茅葺屋根で、住民により葺き替え等の維持がなされている。
【妙全杉】
赤岩集落から少し先に進むと、左手に大きな杉見えてくる。龍沢寺の妙全杉である。一目見ただけで何か由緒ある杉なのだろうと思わせる。1144年に尼僧妙全が寺を開山し、時には遠方まで杖を突いて、お勤めに出かけていた。その杖を刺しておいたら、それがやがて樹齢800年以上の大杉になりましたとさ。そういえば「お山の杉の子」という童謡があったな。
【世立(よだて)八滝】
白砂川支川の八石沢川(仙の滝は尾根を挟んで北側の依田尾川)の八つの滝の総称。大仙の滝より奥に行く際は、一旦尾根に上っていく。かなり急な上り。上りきった所からは天狗の足跡が見える。全ての滝を目の当たりにするには沢登りでないといけないようだ(他の人の遡行記録あり)。
・大仙(おおぜん)の滝
国道からも見える、最も手前にある滝。直下型で落差15〜20m。
・天狗の足跡
八石沢川沿いに屹立する岩の側面に縦10m、横5mの窪みがある。大昔、天狗が岩に飛び移った際にできた左足の足跡とされ、右足は長野原まで届いたといわれている。
・段々(だった)の滝
高さ20mで2段になって流れることから段々の滝と言う。
・箱の滝
高さ4m程の小さな滝。滝壺が四角に見えることから箱の滝と呼ばれる。葉が茂ってよく見えない。
・久内(きゅうない)の滝
高さは3m程だが、滝壺の直径は7m程。久内という人が河童に引き込まれたという民話から。本来なら近くまでいけるのだろうが、ロックアウトされていて近づけず。
・不思議の滝
久内の滝のすぐ上にある高さ5m程の滝で、音は聞こえるが姿をなかなか見ることができないことからこの名がつく。久内の滝に近づけないので、この滝も見えず。
・井戸の滝
不思議の滝の上にある高さ10mほどの滝。不思議の滝のさらに奥なので、この滝も見られず。世立八滝は今もなお遊歩道整備中だが、久内の滝手前をロックアウトしていることから、もしかしたら今後久内の滝〜殺人の滝間を繋ぐ沢沿いの遊歩道を通すのかもしれない。
・殺人(さつうぜん)の滝
八石沢川の最奥にある高さ20mの滝。昔、人が殺されたことから殺人の滝という火曜サスペンス劇場のような展開だが、誰も他の呼び方を考えなかったのだろうか?
最奥だけあって、梯子も使用する急な上りが待っている。梯子の取り付きまでも石がゴロゴロして歩きにくい。梯子を昇って、しばらく急登だが、その後穏やかな尾根道となり、その先の地点から下方に滝を望める。金比羅山頂と諏訪神社の間に下に下りていく道があるが、作業中だったため下りなかった。
・金比羅山
世立八滝尾根部分の最高峰。小さな祠とベンチがあり、北側の展望が開けている。国道からは急なアップダウンの連続で、ここまで来るのは大変だが、実は反対側にも駐車場があり、そこからは楽に来られるようだ。
・仙の滝
八滝の中で唯一、依田尾川にある滝。高さ15mで仙人が発見したという民話から仙の滝という。
【尻焼温泉】
花敷温泉より歩いて十数分奥に行ったところにある温泉。温泉旅館もあるが、ここに来たからには、やはり川の中が温泉という川の湯に入りたい。旅館宿泊者も入浴に来ていた。脱衣所はないので着替えは川の傍で。手前の駐車場で着替えてもよいが川の湯まで2,300mはある。水着でも入れるが湯小屋は水着厳禁。
増水時や水温が低い時には入れないが、この日は大丈夫。常時10名ほどが入浴していた。最も深い所では水深160cmくらいあり、立浴ができる。川中の岩はぬめって滑るので要注意。体を冷まそうと水の部分に足を入れてみたら、この季節は危険なほどの冷たさ。すぐに足先が痛くなる。
バスの時間もあり入浴できたのは20分程度だったが、入浴後は体が軽くなった心地がして大変晴れ晴れとした気持ちで帰還。
以上のように、白砂川沿いの六合地区は山の色づきや大小の滝、道祖神や観音堂に見られる歴史、静かな温泉等々存分に楽しめる地域である。今度は新緑の頃に行ってみようと思う。
〜おしまい〜
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