記録ID: 2522198
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沢登り
大峰山脈
【大峰】芦廼瀬川本流
2020年08月22日(土) [日帰り]
奈良県
hillwanderer
- GPS
- --:--
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 336m
- 下り
- 5m
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日帰り
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 6:50
5:50
10分
七泰ダム
6:00
20分
七泰の滝
6:20
60分
槇滝
7:20
70分
百間��
8:30
30分
焼��淵入り口
9:00
220分
8m滝（核心部）
12:40
自転車デポ地
今回は水量が少なく渡渉等が比較的容易でした。水量が多いときはもっと遡行に時間がかかると思われます。
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2020年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| コース状況／ 危険箇所等 |
【芦廼瀬（あしのせ）川本流】 ・ 8/22現在，連日の猛暑でかなり減水しており，多くの箇所で渡渉が容易になっているうえ，普段ならば泳ぎになる区間も足が立つ箇所が多い（例えば，焼��淵の100m長淵も完全な泳ぎとなるのは全体の1/3くらいで，残りは胸位の渡渉やヘツリで通過可能）ため，平水時にくらべ遡行は容易になっている。 ・ 核心部は焼��淵の後に出てくる8m滝。淵を泳ぎ渡った後に滝の少し手前の左岸側の小さな凹状部に取りつき，そのままスラブ面を直上した後，最後はスラブの上部を落ち口方向へトラバースして抜ける。淵を泳いだ後の上陸は，水面下に小さいスタンスがいくつかあるため，それさえ見つけられればそれほど苦労せず立ち込める。取りついてから1段上に上がる箇所が少し壁が立っておりホールドも細かく苦労するので，クラックに打ってある残置ハーケンにスリングを掛けてアブミにして乗り越えると手っ取り早い。その後はホールドが薄く滑りやすいスラブを直上するが，ここも結構いやらしい。右手のクラックに残置ハーケンが連打してあるため，適宜スリングを掛けて手掛かりにすると心強いと思う（後述するように，今回はこの箇所に倒木があり手掛かりにできたため，あまり苦労せず登ることができた）。ある程度スラブを登ったら落ち口方向へとトラバースに移るが，少しでも平らに足を置ける箇所を選びながら通過すればそれほど苦労はしないと思う。 ・ 他には特に通過に困る箇所はなかったが，あくまで減水時の話。水量如何でいくらでも難易度が変化すると思われるため，ご注意を。 ・ ヒルは見なかったが，アブ，ブヨが少しうっとおしい。苦手な方は対策を。 【下山】 ・国道425号の白谷トンネル手前に出てくる林道（白谷林道）との分岐点に自転車をデポしました。芦廼瀬川からこの地点へは，枝谷を伝って簡単に上がることが可能。自転車だと駐車地まで小一時間ほどのサイクリングで戻れます。複数人で遡行する場合は，この地点に車を1台デポするとなおよし（かなり広い駐車スペースあり）。ちなみに，歩きで駐車地まで戻る場合，4時間ほどかかるそうです…。 |
写真
ダムからしばらくは明るい河原が続く。やはり連日の猛暑の影響で，水量は少ないように感じる。この谷では，2018年9月に2人の方が沢登り中に亡くなっている。その報道の記憶が深く残っていたため，手を合わせて黙祷してから，流れの中に入っていった。
ダムからしばらくは明るい河原が続く。やはり連日の猛暑の影響で，水量は少ないように感じる。
この谷では，2018年9月に2人の方が沢登り中に亡くなっている。その報道の記憶が深く残っていたため，手を合わせて黙祷してから，流れの中に入っていった。
この谷では，2018年9月に2人の方が沢登り中に亡くなっている。その報道の記憶が深く残っていたため，手を合わせて黙祷してから，流れの中に入っていった。
すぐに七泰の滝に到着。圧倒的な岩壁に囲まれ，大きく深い釜を従えたその姿は，名にし負う大渓谷・芦廼瀬川の入り口を飾るにふさわしい貫禄だ。
この滝は右岸から小さく巻く。フィックスロープや岩に打ち込まれたアングル（写真）などがあり，簡単に落ち口の横に出ることができる。
しばらくすると谷はどっしりとした丸い岩壁に塞がれ，左手に滝が落ちている。左岸側から簡単に巻く。
少し進むと，深い淵の奥に槇滝10mが美しく掛かる。右岸側の目立つ箇所にフィックスロープが下がっているが，左岸のほうが地形が穏やかで容易に巻けそうだったため，左岸から巻いたが，実際容易だった。
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少し進むと，深い淵の奥に槇滝10mが美しく掛かる。右岸側の目立つ箇所にフィックスロープが下がっているが，左岸のほうが地形が穏やかで容易に巻けそうだったため，左岸から巻いたが，実際容易だった。
狭い水路を何段もの滝となって落ちる水を見下ろしながら岩盤の上を進んでいく。
この辺りは，水量が多い際は難しいヘツリとなるそうだが，今回は水量が少なく，容易に左右に渡渉しながら進むことができた。
谷中にある岩も巨大なものばかり。この岩は一軒家くらいある。巨大な�瑤飽豸�家サイズの岩，なんだか台高の東の川本流を彷彿とさせる。
百間�瑤鯣瓦韻襪函い茲�発達した岩盤と深い淵が複雑に入り組んだ迷路のような区間。へつったり，ジャンプで次の岩に飛びついたり，ちょっとした泳ぎを交えたりしながら進んでいく。
百間�瑤鯣瓦韻襪函い茲�発達した岩盤と深い淵が複雑に入り組んだ迷路のような区間。へつったり，ジャンプで次の岩に飛びついたり，ちょっとした泳ぎを交えたりしながら進んでいく。
少し谷が落ち着いたが，相変わらず岩盤が良く発達しており，美しい渓相が続く。
深い淵の向こうに，大きな岩の張り出しに隠された滝が落ちている。左岸側から慎重なトラバースで抜ける。
振り向くと岩の回廊。今は穏やかで美しく見えるこういう区間も，水量が多いときは流れの中を進めず，苦労するのかもしれない。
少し両岸が狭まり，長い淵が現れる。雰囲気的に神童子谷のへっついさんに似ている。胸くらいまでの渡渉で通過できた。
更に進むと，ついに焼��淵。先ほどの淵よりも更に両岸が高くそそり立ち，その中を暗い淵が奥まで続いている。美しい光景だ。
淵の中に歩を進めていくと，次第に足が立たなくなり，ついに泳ぎとなった。水はそれほど冷たくなく，水流も強くないため，ゆっくり泳いでも十分前進できる。写真は泳ぎながら撮影。
淵の中に歩を進めていくと，次第に足が立たなくなり，ついに泳ぎとなった。水はそれほど冷たくなく，水流も強くないため，ゆっくり泳いでも十分前進できる。写真は泳ぎながら撮影。
水量が多いときは100m近い水泳になるそうだが，今回はやはり減水しているようで，このように石が堆積して川底が露出している箇所もあり，泳ぎは全体の1/3程度で済んだ。
水量が多いときは100m近い水泳になるそうだが，今回はやはり減水しているようで，このように石が堆積して川底が露出している箇所もあり，泳ぎは全体の1/3程度で済んだ。
焼��淵の出口の5m斜滝。淵を泳いで滝の右岸側の壁に取りつく。階段状で，容易に滝上に登ることができる。
前の写真の奥に見える岩壁の右端に，傾斜が緩くなった弱点があり，そこから上陸して登ることができる。
この谷の核心である8m滝が登場。ここまでの連続泳ぎで少し体温が低下していたため，行動食を食べて少し休んでからトライ開始。左岸側の壁に沿って淵を泳いでいく。
この谷の核心である8m滝が登場。ここまでの連続泳ぎで少し体温が低下していたため，行動食を食べて少し休んでからトライ開始。左岸側の壁に沿って淵を泳いでいく。
滝の少し手前の左岸側に浅い凹状部があり，そこに上陸。そこからもう一段上に上がりたいのだが，壁が立っており，ホールドも少なく，フリーだとちょっと難しい。目の前のクラックに打たれている残置ハーケンにスリングを掛け，アブミにして上に這い上がった。（写真中央の少し上にハーケンが写ってますが，カメラが水に濡れて写りが悪いですね…すみません。）
滝の少し手前の左岸側に浅い凹状部があり，そこに上陸。そこからもう一段上に上がりたいのだが，壁が立っており，ホールドも少なく，フリーだとちょっと難しい。目の前のクラックに打たれている残置ハーケンにスリングを掛け，アブミにして上に這い上がった。（写真中央の少し上にハーケンが写ってますが，カメラが水に濡れて写りが悪いですね…すみません。）
一段上に上がったところにあるレストポイントから8m滝を撮影。よく磨かれた岩盤の上を滑り落ちる美しい滝だ。
続いて，ホールドの薄い嫌らしいスラブを直上しなければいけないのだが，何と，この部分に「手掛かりにお使いください」と言わんばかりのおあつらえ向きの倒木が。この倒木を使って難なくスラブを登っていくことができた。（運が良かったとも言えるが，この倒木のせいでこの谷の一番面白い部分が台無しになっていると言えなくもない…）
続いて，ホールドの薄い嫌らしいスラブを直上しなければいけないのだが，何と，この部分に「手掛かりにお使いください」と言わんばかりのおあつらえ向きの倒木が。この倒木を使って難なくスラブを登っていくことができた。（運が良かったとも言えるが，この倒木のせいでこの谷の一番面白い部分が台無しになっていると言えなくもない…）
さらにスラブのわずかでも平らな部分を慎重につないでトラバースし，無事，滝上に抜けた。写真は滝上から滝つぼを見下ろしたところ。
核心部をクリアしてだいぶ気分が楽になったが，まだまだアトラクションは続く。再び現れたゴルジュの底の淵を泳いでいく。
右岸からは美しい簾状の滝が掛かっている。この滝はどうやら湧水のようで，この淵の水は何だかやけに冷たく感じられ，再び体温を奪われて寒くて仕方がない（下界の猛暑に比べれば，贅沢な話かもしれないが…）。
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右岸からは美しい簾状の滝が掛かっている。この滝はどうやら湧水のようで，この淵の水は何だかやけに冷たく感じられ，再び体温を奪われて寒くて仕方がない（下界の猛暑に比べれば，贅沢な話かもしれないが…）。
淵の奥には3mほどの滝が掛かるが，右岸側の岩壁の適当な切れ目から上に這い上がり，トラバースして進んだ。
ゴルジュが終わり，谷がようやく開けた。この頃には陽も高く登って，谷中が夏の光に溢れてまぶしいほどになった。
谷を覆う幽邃な森の影と，夏の眩い日差しが織りなす光と影が遡行していくにつれて交互に入れ替わり，思わず足を止めてしまう風景。
もう谷は完全に開けたかと思っていたら，時折急に両岸が立ってゴルジュ状になり，淵を泳がされる。夏日の河原を歩かされて火照った体にはちょうどいい。
谷に戻る箇所は壁が立っており，懸垂下降が必要かと思ったが，よく観察すると，慎重に足場をつないで歩いて降りることができた。写真は淵の奥にあった滝を上から見下ろした図。
谷に戻る箇所は壁が立っており，懸垂下降が必要かと思ったが，よく観察すると，慎重に足場をつないで歩いて降りることができた。写真は淵の奥にあった滝を上から見下ろした図。
白く美しいナメの連続。谷が開けてからも，随所にはっとさせられるような景色が配されていて，飽きさせない。
滝や淵が詰まった下部のゴルジュも面白いが，こういう明るく開けた大らかな渓相も，何とも言えず良い。
今年は仕事が忙しくてお盆休みを全く取れなかったのだが，冷たく澄んだ渓水に足を浸しながら夏空を見上げていると，夏休み，と言う感じがじーんと湧いてきた。今日一日だけでも，自分だけの夏休みだ。
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今年は仕事が忙しくてお盆休みを全く取れなかったのだが，冷たく澄んだ渓水に足を浸しながら夏空を見上げていると，夏休み，と言う感じがじーんと湧いてきた。今日一日だけでも，自分だけの夏休みだ。
その先には大きな釜を従えた2mほどの狼返しの滝。右岸をトラバースして抜けた。この滝が本日最後の滝であった。
少し進んで，行く手に堰堤が見えたところで，遡行終了。堰堤の手前の左岸にある小さな枯れ谷（写真）を登って自転車デポ地を目指す。
装備
| 備考 | ・フェルトソール沢足袋使用。かなりぬめりが強い岩が頻繁に出てくるため，ラバーよりフェルトのほうがいいと思う。 ・40mロープ携行（不使用） |
|---|
感想
夏は暑くて当然だが，それにしてもこんなに暑かったっけ？ と思わず疑問を覚えるくらいの今夏の酷暑。こういう時に普通の沢に行くと渇水で非常に寂しい思いをすることが多いため，なるべく水量の多い大渓谷で泳ぎまくるに限る。ということで，今回は，豊富な水量を誇る豪快な谷として有名な芦廼瀬川を訪問することにした。
連日の猛暑でさすがの芦廼瀬川も減水気味のようで，普段だったら大迫力の早瀬や渦巻く釜に阻まれそうな箇所も割と楽に渡渉できてしまい，何だか芦廼瀬川の優しい面だけ見せてもらったような遡行だったが，それでも普通の沢に比べたら水量はずっと豊富で，随所で昼なお暗く涼しい淵での泳ぎを楽しむことができた。また，白く磨かれたような美しい岩盤が本当に良く発達しており，それがそそり立つようなゴルジュになったり谷底一面のナメになったり，様々な造形で目の前に現れてくれて，普通だったら退屈になりそうな平流歩きの区間も飽きることがなかった。その美しい岩盤にぺたぺたと濡れた足袋の跡を記しながら大渓谷を遡っていくのは，何とも言えず楽しい。
また，悪場を抜けきって谷が開けた後，ひたすら単調な河原歩きが続くのだが，この部分も個人的にはとても印象に残った。おおらかな流れが見渡す限り真っすぐに流れ，空が大きく開けて，正面には遠くの山々も見えている，こういう大きな風景は，大渓谷でないと出会えない。冷たく澄んだ流れの中に足を浸しながら，どこまでも青い夏空と，遠い山並みの背後から湧き上がる真っ白な入道雲を見つめていると，「夏休みだなー」という，久しく忘れていた，どこか懐かしい感じがじんわり湧いてきた。今年の夏は仕事が忙しくお盆休みを含め休暇を全く取れなかった。でも今日一日は，自分だけの夏休みだ。
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こんにちは。初めまして。
hillwandererさんの投稿は、行かれる場所が自分の好みに似ていたり、書かれる文章の雰囲気が好きでいつも拝見させて頂いております。
３台の車は、まだ未投稿ですが、自分たちのパーティーです。
終了点に自転車があったのと開始地点にも車が１台あったので、誰か先に入っているなぁと皆で話していました。
こちらは、予定より出発時間が遅くなったり、総勢１１人と言う大所帯でしたので、追いつく事は到底ありませんでしたが、１度リアルにお会いしてみたかったので残念です。これからの投稿も楽しみにしております。
いきなりのコメント失礼いたしました。m(__)m
はじめまして！まさかshiba-wankoさんのお車でしたとは…よく記録を拝見しているので、びっくりしました。
11人ですか！にぎやかで楽しそうですね。もしかして泊まりでしょうか。羨ましいです。
shiba-wankoさんの記録は楽しそうな雰囲気のものばかりで、よく拝見させていただいております。私も（最近はちょっとサボり気味ですが）釣りが好きなので、釣りの記事も楽しみです。幅広い山域に行かれているので、大変参考になります。
今回はニアミスでしたが、もしどこかの谷でばったりお会いしましたら、よろしくお願いいたします。コメントをいただき、ありがとうございました。
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