婆娑羅山(静岡百山)〜歴史あるヤブ山を行く〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 2.2km
- 登り
- 387m
- 下り
- 382m
コースタイム
11:50婆娑羅山頂上着
12:30婆娑羅峠トンネル着
天候 | 快晴。西風強し |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
[往路]下田=伊豆急下田駅=婆娑羅峠トンネル [復路]婆娑羅峠トンネル=天城=寒天橋(登り尾へと向かう) |
コース状況/ 危険箇所等 |
<登り> ・婆娑羅峠トンネルを下田側(東側)から松崎町側(西側)に抜けると、すぐに右側(北側)に枝道が分かれる。入口はクサリで閉鎖されており、その入口に数台の駐車が可能。 ・枝道は今のトンネルができるまで、昔の峠越えの道であったようであり、その道を登っていくと旧婆娑羅峠トンネルへと導かれる。(トンネルの入り口は封鎖されているが、反対側の出口が見える) ・トンネルの入り口まで行ってしまうと側壁が急で登れないので戻り、適当なところから左側の尾根へと登る(今回、その入口にケルンを作っておいた) ・指導標などは全くないが、ハッキリしたフミアトが続く。周辺にはフミアトが乱れているが、もっとも沢状にあるフミアトがハッキリしたフミアトでありこれをたどる。 ・尾根上に出るところに木の枝で、下りに備え「→」を作っておいた。 ・尾根を来たに向かう。 ・婆娑羅山へは、1つのコブを越え、2つの肩状を過ぎて頂上に至る。 ・最初のコブは、左側から巻く。巻いたあとコブの北側から尾根に乗って登り続ける。 ・しっかりしたフミアトが続くが、フミアトは乱れている。一番太いフミアトを選びながらいくが、最初の肩へは、ヤブがやや濃い。 ・二つ目の肩へは、急な登りが続く。 ・頂稜部に至ると平坦になるが、倒木がひどい。できるだけ尾根の左側(西側)を行くと伐採帯となり倒木を避けられる。そこにはフミアトもある。 ・そこを過ぎると頂上。三角点と頂上を示す表示板がある。展望はない。あまり静岡百山のひとつという実感がわかない。おそらく山体が立っており目立つピークなのだと思う。 <下り> ・前項で書いたように頂稜部を忠実に行くと倒木に妨げられるので尾根の右側の伐採帯を下る。フミアトもある。 ・やがて2つ目の肩に至るが、右側へ下るようなフミアトが乱れている。こうしたヤブ山は下りが難しい。 ・赤テープに導かれて左よりにくだる。 ・基本的には尾根上を忠実に行くのがよい。(倒木があるときは短く巻くこと) ・やがて1つ目の肩の下りになるが、ここも尾根が明確でなくトラバースするようなフミアトが無数にある。ここも左側のヤブっぽい場所に寄りながらフミアトを探すと良い。やがて尾根もハッキリしてくる。 ・フミアトは明確なので、曖昧なまま下るのではなく、行きすぎる前によく探すこと。本道は他のフミアトよりも明らかにはっきりしているはずだ。 ・やがて峠手前のコルの分岐点。 ・問題なく入口まで下れた。 |
写真
感想
静岡百山の伊豆遠征2日目の第1山--婆娑羅山。最初この山を調べたときに驚いた。「山と高原地図」に道がないのだ。婆娑羅峠のトンネルから距離は短いし尾根がはっきりしているので思い切って行くこととした。
伊豆半島の背骨をなすY字の山稜。その横棒Vが天城山稜なら縦棒Iは婆娑羅山脈。婆娑羅山はその主峰として崇められてきた。婆娑羅とは聞きなれないが、サンスクリット語(梵語)で金剛のことを意味する。インド神話の軍神インドラが持つ最強の武器のことである。破壊できないものはないことから転じて鎌倉時代中期ごろから、豪奢な・派手な・驕慢な・乱暴なというような意味で使われるようになったという。その名を付したのが弘法大師の婆娑羅経というお経であり、婆娑羅山の中腹の寺壇には弘法大師が婆娑羅三摩耶を修めた霊場があった。高野山の末寺だったらしい。実際、今回の登る路とは逆側の谷には宝篋印塔(ほうきょういんとう)というお経を収めた塔もある。
http://kodou.lolipop.jp/basara-houkyou.htm
いまはヤブ山となっているが、実は歴史的にも由緒があり、容姿からいっても目立つ”文武両道”の山なのである。
http://www.japanknowledge.com/contents/journal/interest_chimei/chimei_17_1.html
伊豆急下田駅でカミさんと別れると、婆娑羅峠トンネルまではそう遠くはない。事前の調査で分かっていた峠わきにある枝道から踏み入れる。角を曲がると旧トンネルが見えてきた。鉄道の廃線跡を訪ねているような錯覚にワクワクする。入口は鉄の網で封鎖されているが、出口が遠くに見える。そのわきから登れないことはなさそうだが、急なので戻って適当なところでフミアトがありそうなところから左側にはいる。(帰りに入口にケルンを作っておいた)いったん石垣を登ったあと沢状になりその沢床状をそのまま上に登って行く。昔の登山道なのであろうか。フミアトは比較的しっかりしている。すぐに峠上に着く。ここは、峠の最低鞍部の少し(北側の)上の地点のようだ。左折して頂上を目指す。
すぐ目の前にある高みはコブであり左側から巻く。巻いたあとそのままトラバースしていくフミアトがあるがそれを無視して尾根上に登り直登する。一番ハッキリしたフミアトをたどっているつもりであるが、右側のフミアトに導かれてヤブっぽいところを登ってしまった。フミアトがなくなるわけではないが、細いフミアトだ。登ると明瞭なフミアトに出た。やがて緩やかな肩状となりしばらく行くと、また直登の急な登り。そこを登りきると肩状になる。ゆるやかに登ると頂稜部となるが、倒木が激しい。ここは、左側をたどると良かった。
頂上は静かな樹林の中。どんな山でも頂上には一種独特の気、そう満足感と安堵感、寂寞感、それに下りの不安感がないまぜになった雰囲気があるが、ここにもちゃんとそれがあった。三角点と山名標示板があったが展望は残念ながらない。
下りは慎重に行く。倒木帯は右を巻いていく(フミアトもある)。2つ目の肩は右に行きそうになるが、左よりに行くのが正しい。急な下りを下ると1つ目の肩でまた尾根が放散してしまいそのあたりも右(西側山腹)側よりに多くのフミアトが乱れている。登りでは問題ならなかった場所が下りではおおいに問題になる。ヤブっぽいが敢えて左側を狙うと太いフミアトに出会った。あとはテープを見ながら来た道をくだって駐車場に出た。
コメント
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静岡百山伊豆遠征ですか、、
聞いただけでワクワクします
山頂の木に打ち付けられている青いM字、、
何のことか気になっていましたが、解決しました。
しかし、、不思議な選定ですね(笑
コメントありがとうございます。そうなんです。伊豆遠征…あわただしかったですが、楽しかったです。M字のマークは先週末の突先山界隈でも何個か見かけましたよ。以前は林道もなくヤブ山だったんでしょうね。
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