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記録ID: 268656
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ハイキング
東海

婆娑羅山(静岡百山)〜歴史あるヤブ山を行く〜

2013年02月11日(月) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
2.2km
登り
387m
下り
382m

コースタイム

11:00婆娑羅峠トンネル発。
11:50婆娑羅山頂上着
12:30婆娑羅峠トンネル着
天候 快晴。西風強し
過去天気図(気象庁) 2013年02月の天気図
アクセス [往路]下田=伊豆急下田駅=婆娑羅峠トンネル
[復路]婆娑羅峠トンネル=天城=寒天橋(登り尾へと向かう)
コース状況/
危険箇所等
<登り>
・婆娑羅峠トンネルを下田側(東側)から松崎町側(西側)に抜けると、すぐに右側(北側)に枝道が分かれる。入口はクサリで閉鎖されており、その入口に数台の駐車が可能。
・枝道は今のトンネルができるまで、昔の峠越えの道であったようであり、その道を登っていくと旧婆娑羅峠トンネルへと導かれる。(トンネルの入り口は封鎖されているが、反対側の出口が見える)
・トンネルの入り口まで行ってしまうと側壁が急で登れないので戻り、適当なところから左側の尾根へと登る(今回、その入口にケルンを作っておいた)
・指導標などは全くないが、ハッキリしたフミアトが続く。周辺にはフミアトが乱れているが、もっとも沢状にあるフミアトがハッキリしたフミアトでありこれをたどる。
・尾根上に出るところに木の枝で、下りに備え「→」を作っておいた。
・尾根を来たに向かう。
・婆娑羅山へは、1つのコブを越え、2つの肩状を過ぎて頂上に至る。
・最初のコブは、左側から巻く。巻いたあとコブの北側から尾根に乗って登り続ける。
・しっかりしたフミアトが続くが、フミアトは乱れている。一番太いフミアトを選びながらいくが、最初の肩へは、ヤブがやや濃い。
・二つ目の肩へは、急な登りが続く。
・頂稜部に至ると平坦になるが、倒木がひどい。できるだけ尾根の左側(西側)を行くと伐採帯となり倒木を避けられる。そこにはフミアトもある。
・そこを過ぎると頂上。三角点と頂上を示す表示板がある。展望はない。あまり静岡百山のひとつという実感がわかない。おそらく山体が立っており目立つピークなのだと思う。

<下り>
・前項で書いたように頂稜部を忠実に行くと倒木に妨げられるので尾根の右側の伐採帯を下る。フミアトもある。
・やがて2つ目の肩に至るが、右側へ下るようなフミアトが乱れている。こうしたヤブ山は下りが難しい。
・赤テープに導かれて左よりにくだる。
・基本的には尾根上を忠実に行くのがよい。(倒木があるときは短く巻くこと)
・やがて1つ目の肩の下りになるが、ここも尾根が明確でなくトラバースするようなフミアトが無数にある。ここも左側のヤブっぽい場所に寄りながらフミアトを探すと良い。やがて尾根もハッキリしてくる。
・フミアトは明確なので、曖昧なまま下るのではなく、行きすぎる前によく探すこと。本道は他のフミアトよりも明らかにはっきりしているはずだ。
・やがて峠手前のコルの分岐点。
・問題なく入口まで下れた。
婆娑羅峠トンネルを抜けてきて枝道(閉鎖)の入口に駐車する。振り返ってトンネルと駐車した車を撮。(トンネルの西側の入口が映っている)
2013年02月11日 10:54撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 10:54
婆娑羅峠トンネルを抜けてきて枝道(閉鎖)の入口に駐車する。振り返ってトンネルと駐車した車を撮。(トンネルの西側の入口が映っている)
駐車場から婆娑羅山の頂上方面を撮。結構あるなーのイメージ。
2013年02月11日 10:57撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 10:57
駐車場から婆娑羅山の頂上方面を撮。結構あるなーのイメージ。
クサリを越えて枝道に入っていく。左側には砂利置き場やクレーンなどがある。ウイークデーは操業していると思われるので駐車場の場所は枝道の出入りを妨げないようにしておく必要がある。
2013年02月11日 11:00撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 11:00
クサリを越えて枝道に入っていく。左側には砂利置き場やクレーンなどがある。ウイークデーは操業していると思われるので駐車場の場所は枝道の出入りを妨げないようにしておく必要がある。
作業場の前を右に90度曲がっていくと急に道が悪くなり、向こう側に旧婆娑羅峠トンネルが見えてくる。歴史を感じさせる遺産だ。今は振り返る人もいない。
2013年02月11日 11:02撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:02
作業場の前を右に90度曲がっていくと急に道が悪くなり、向こう側に旧婆娑羅峠トンネルが見えてくる。歴史を感じさせる遺産だ。今は振り返る人もいない。
トンネルの入り口まで行ってみる。向こう側が見える。この脇は登れないことはなさそうだが急なので少し戻って左側の小尾根の上に乗ることとする。(入口にはケルンを作っておいた)
2013年02月11日 11:02撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 11:02
トンネルの入り口まで行ってみる。向こう側が見える。この脇は登れないことはなさそうだが急なので少し戻って左側の小尾根の上に乗ることとする。(入口にはケルンを作っておいた)
小尾根と見えた場所はその向こう側が小沢状になっており、沢の底をそのままフミアトに従いあがって行く。比較的フミアトはしっかりしているが、ところどころ乱れている。しっかり現状をよく見てフミアトを失わないこと。方向を見ながら進むこと。
2013年02月11日 11:05撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 11:05
小尾根と見えた場所はその向こう側が小沢状になっており、沢の底をそのままフミアトに従いあがって行く。比較的フミアトはしっかりしているが、ところどころ乱れている。しっかり現状をよく見てフミアトを失わないこと。方向を見ながら進むこと。
峠上にあがったところを少し登って振り返って撮。降りる方に向けて木の枝で「→」を作っておいた。
2013年02月11日 11:11撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:11
峠上にあがったところを少し登って振り返って撮。降りる方に向けて木の枝で「→」を作っておいた。
このような比較的しっかりしたフミアトがある。テープなどもときどき思い出したようにある。本道を外れるとフミアトはあるが思わぬヤブ漕ぎを強いられるところもある。またトゲトゲの木も多い。
2013年02月11日 11:24撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:24
このような比較的しっかりしたフミアトがある。テープなどもときどき思い出したようにある。本道を外れるとフミアトはあるが思わぬヤブ漕ぎを強いられるところもある。またトゲトゲの木も多い。
頂稜部に至ると倒木が激しい。実はこの左側には歩きやすいところが広がっていたのだが、忠実に尾根上をいったため、倒木をまたいだり、乗ったりしながら越えていった。
2013年02月11日 11:51撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:51
頂稜部に至ると倒木が激しい。実はこの左側には歩きやすいところが広がっていたのだが、忠実に尾根上をいったため、倒木をまたいだり、乗ったりしながら越えていった。
頂上に着いた!三角点。三角点があると安心する。どういうわけか。
2013年02月11日 11:52撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 11:52
頂上に着いた!三角点。三角点があると安心する。どういうわけか。
婆娑羅山の頂上のカンバン。上のものは明大WV部のものだと思われるが、木に喰われてしまってM型をしていない。
2013年02月11日 11:52撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 11:52
婆娑羅山の頂上のカンバン。上のものは明大WV部のものだと思われるが、木に喰われてしまってM型をしていない。
これも看板。
2013年02月11日 11:52撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:52
これも看板。
下りのときに倒木帯を撮影する。
2013年02月11日 11:55撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 11:55
下りのときに倒木帯を撮影する。
最初のコブのところまで下りてきた。振り返って撮影。右上がコブを越えた小コル。ここを左トラバースしていく道もあるのできちんと尾根上に乗ること。
2013年02月11日 12:20撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 12:20
最初のコブのところまで下りてきた。振り返って撮影。右上がコブを越えた小コル。ここを左トラバースしていく道もあるのできちんと尾根上に乗ること。
峠上の→を作っておいた。ここをこの方向に下れば入口に行ける。
2013年02月11日 12:22撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
2/11 12:22
峠上の→を作っておいた。ここをこの方向に下れば入口に行ける。
枝道から離れる場所に、ケルンを作っておいた。ここから入るとラクだ。
2013年02月11日 12:27撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 12:27
枝道から離れる場所に、ケルンを作っておいた。ここから入るとラクだ。
もう一度駐車場に戻った時に枝道の入口を撮影した。入口にはクサリがあって一般車は入れない。また平日は操業していると思われるので、仕事の邪魔をしないように駐車する必要がありそう。
2013年02月11日 12:29撮影 by  FinePix F770EXR, FUJIFILM
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2/11 12:29
もう一度駐車場に戻った時に枝道の入口を撮影した。入口にはクサリがあって一般車は入れない。また平日は操業していると思われるので、仕事の邪魔をしないように駐車する必要がありそう。

感想

 静岡百山の伊豆遠征2日目の第1山--婆娑羅山。最初この山を調べたときに驚いた。「山と高原地図」に道がないのだ。婆娑羅峠のトンネルから距離は短いし尾根がはっきりしているので思い切って行くこととした。

 伊豆半島の背骨をなすY字の山稜。その横棒Vが天城山稜なら縦棒Iは婆娑羅山脈。婆娑羅山はその主峰として崇められてきた。婆娑羅とは聞きなれないが、サンスクリット語(梵語)で金剛のことを意味する。インド神話の軍神インドラが持つ最強の武器のことである。破壊できないものはないことから転じて鎌倉時代中期ごろから、豪奢な・派手な・驕慢な・乱暴なというような意味で使われるようになったという。その名を付したのが弘法大師の婆娑羅経というお経であり、婆娑羅山の中腹の寺壇には弘法大師が婆娑羅三摩耶を修めた霊場があった。高野山の末寺だったらしい。実際、今回の登る路とは逆側の谷には宝篋印塔(ほうきょういんとう)というお経を収めた塔もある。
http://kodou.lolipop.jp/basara-houkyou.htm
 いまはヤブ山となっているが、実は歴史的にも由緒があり、容姿からいっても目立つ”文武両道”の山なのである。
http://www.japanknowledge.com/contents/journal/interest_chimei/chimei_17_1.html

 伊豆急下田駅でカミさんと別れると、婆娑羅峠トンネルまではそう遠くはない。事前の調査で分かっていた峠わきにある枝道から踏み入れる。角を曲がると旧トンネルが見えてきた。鉄道の廃線跡を訪ねているような錯覚にワクワクする。入口は鉄の網で封鎖されているが、出口が遠くに見える。そのわきから登れないことはなさそうだが、急なので戻って適当なところでフミアトがありそうなところから左側にはいる。(帰りに入口にケルンを作っておいた)いったん石垣を登ったあと沢状になりその沢床状をそのまま上に登って行く。昔の登山道なのであろうか。フミアトは比較的しっかりしている。すぐに峠上に着く。ここは、峠の最低鞍部の少し(北側の)上の地点のようだ。左折して頂上を目指す。

 すぐ目の前にある高みはコブであり左側から巻く。巻いたあとそのままトラバースしていくフミアトがあるがそれを無視して尾根上に登り直登する。一番ハッキリしたフミアトをたどっているつもりであるが、右側のフミアトに導かれてヤブっぽいところを登ってしまった。フミアトがなくなるわけではないが、細いフミアトだ。登ると明瞭なフミアトに出た。やがて緩やかな肩状となりしばらく行くと、また直登の急な登り。そこを登りきると肩状になる。ゆるやかに登ると頂稜部となるが、倒木が激しい。ここは、左側をたどると良かった。

 頂上は静かな樹林の中。どんな山でも頂上には一種独特の気、そう満足感と安堵感、寂寞感、それに下りの不安感がないまぜになった雰囲気があるが、ここにもちゃんとそれがあった。三角点と山名標示板があったが展望は残念ながらない。

 下りは慎重に行く。倒木帯は右を巻いていく(フミアトもある)。2つ目の肩は右に行きそうになるが、左よりに行くのが正しい。急な下りを下ると1つ目の肩でまた尾根が放散してしまいそのあたりも右(西側山腹)側よりに多くのフミアトが乱れている。登りでは問題ならなかった場所が下りではおおいに問題になる。ヤブっぽいが敢えて左側を狙うと太いフミアトに出会った。あとはテープを見ながら来た道をくだって駐車場に出た。

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コメント

こんにちは
静岡百山伊豆遠征ですか、、
聞いただけでワクワクします

山頂の木に打ち付けられている青いM字、、
何のことか気になっていましたが、解決しました。

しかし、、不思議な選定ですね(笑
2013/2/16 20:03
ありがとうございます。
コメントありがとうございます。そうなんです。伊豆遠征…あわただしかったですが、楽しかったです。M字のマークは先週末の突先山界隈でも何個か見かけましたよ。以前は林道もなくヤブ山だったんでしょうね。
2013/2/19 7:29
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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