雪山恐るべし(ノートレースで遭難未遂) 峰谷〜鷹ノ巣山(避難小屋1泊)〜キャンセル:石尾根〜奥多摩駅


- GPS
- 26:50
- 距離
- 20.5km
- 登り
- 1,502m
- 下り
- 1,568m
コースタイム
8:36発→11:01奥多摩駅着
11:40発奥多摩駅(峰谷行き)→
12:20頃峰谷着12:30→
14:00浅間神社14:10→浅間尾根〜
16:30鷹ノ巣山避難小屋泊
★17:22日の入り
2日目
◎06:26日の出
鷹ノ巣山避難小屋08:15
09:05鷹ノ巣山09:20→
石尾根で六石山分岐から奥多摩駅のルートで下山し始めたが、10:15頃、
雪で下山ルートを見失い、水根山先の巻き道分岐の標識まで戻る。
戻った道標からは倉戸山へ抜けようと思ったが、途中に開けた箇所が数カ所ある事を思い出し、
本日は先行者がいるとは思えず、GPSも持参していない。
同じ日にもう一度同じ目に遭ったら心折れる可能性が大きい為、昨日、来た道(峰谷へ)を下山する事にした。
11:25鷹ノ巣山避難小屋11:55
15:08峰谷橋バス停[バス便ないので峰谷バス停から更に40分(約3km)歩き、峰谷橋まで]
★17:23日の入り
天候 | 1日目:曇りのち雪(避難小屋内:−5℃、外:−10℃) 2日目:晴れ(避難小屋内:−5℃、外:−10℃) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
○浅間尾根(浅間神社〜鷹ノ巣山避難小屋) 積雪は10〜15cm程度ではあるが、アイゼンの土踏まず部分に雪と土がくっ付いて天狗の高下駄状態になり、非常に歩き難い。常に雪や土を叩いて落としているとペースが上がらない。 但し、本日下山時(昼頃)はかなり融けていました。 ●石尾根(2/16 am時点) 防火帯部分(尾根筋)は遮るものがない為、南側(富士山が見える方向)では、股下くらいの積雪あり。 場所によってはラッセルを強いられ、気軽に雪山ハイキングという状態ではない。 六ツ石山方面へのトレースはなし。(私が本日付け始めたものの途中で引き返したりしている為、途切れています。) 特に上りで使用する場合は、時間的に余裕を持った山行計画を立てないと遭難してしまいます。 (パウダースノーで踏ん張りが効かず、かなり体力を消費してしまいます。また登山道で小さく巻いていた箇所が雪で見分け付かず、ショートカットしようとすると積雪が足の長さ以上あったりと危険箇所多数あり) 一方、並行する巻き道は木や草に囲まれている為、10cm程度の積雪。 移動時は巻き道を有効に使用した方が良さそうです。 (全ての巻き道を歩いた訳ではないので保証の限りではりませんが、鹿も巻き道を使って移動しています。巻き道は鹿や小動物の足跡でいっぱいでした。) ●奥集落〜峰谷橋バス停 車も走る舗装路であるが、日当りの悪い場所では路面が凍結。 アイゼンは当然はずしているので、全行程で一番滑り易く、油断すると危険。 道路両脇の雪が残った所を歩いた方が良い。 |
写真
感想
まだまだ経験不足から2日間で2回、身の危険を感じるハメになりました。
1.往路(浅間尾根)
2日目(土曜日)の晴天狙いだったので、1日目(金曜日)は天気が悪い事を承知で登りました。
積雪は10cmくらいと聞いていましたが、最悪、日の入りまでに避難小屋に付かない事も考慮して
テント持参でした。
小屋へ行っても寝るだけなので早く行っても仕方ないと思ったのがそもそも誤りでした。
12時半頃、峰谷バス停を出発。15時半には小屋に着く計画でしたが、登り始めると、
雪が本格的に降り始め、雨混じりで水分が多い為、アイゼンの土踏まず部分に雪や土がくっ付き、
天狗が履いている高下駄の様になり、歩きづらくペースが上がりません。
おまけに雪が降ると、距離感(今どの辺りで、あとどれくらいで着きそう等)が狂ってしまい、
普段の経験値がほとんど生かせません。
なんとか日没までには着きましたが小屋でも寒さで震えて寝れなかったくらいなのに、
テントで1泊と思うとゾッとします。
やはり早出早着は登山の基本中の基本ですね。
2.復路(石尾根で奥多摩駅に向かうが・・・遭難未遂)
・雪の白と木の黒の世界では雪無し時の記憶(色や周辺の景色)がほとんど使い物にならない事。
・迷ったら確実な所まで戻る事がいかに正しい事か
を痛感しました。
これまでも何回も使用したルートですが、積雪時は初めて(しかもノートレース)でした。
積雪時は別物と考えた方が良いでしょう。
計画時にもそんな事を全く考慮していませんでした。
既に避難小屋から山頂までの急登で体力を消費した状態でしたが、ルンルン気分で
足跡一つない尾根の急登を尻セードで下ると、真ん中が少し小高くなった開けた所に出ました。
確か雪がない状態でも登山道が分かり難い所が何カ所かあったと記憶しています。
登山道は右から巻いていた記憶があったのですが、雪でただの崖になっています。
トラバースしようと試みましたが、足を滑らしピッケルのお世話に。
なんとか渡り切り、その先に行ってみるが登山道らしき道が判別出来ない
きっと自分の視界内(雪の下)に正解の道がある事は分かっていましたが、
最低でもワカンでもないと雪の深みにハマり体力を浪費するなら戻ろうと思いました。
昨夜の寒さも身にしみているので、こんなところでテントで一夜過ごす気にもなりません。
しかし、ここまで飛ぶ様にかなりの距離を下りて来た坂を振り返って見て、
再び登らなければならない現実を目の当たりにし、心が折れそうになりました。
降りる事は出来ても登る事が出来るのか?
後から誰か来る気配も全くなく、家族の顔なんかも浮かび始めやばい気持ちに。
まさか馴染みの道でこんな目に遭うなんて。いかに普段ボーッと歩いて、
道に歩かされているかを知らされました。
人間がどうあがこうが、自然相手に勝ち目がありません。
雪山で遭難に遭うプロセスも少し理解できたと思います。
(気持ちが折れると、いとも簡単に遭難してしまいます。)
最高の景色で空は抜けるような青空の下でも積雪が腰近くまであれば簡単に遭難してしまうのです。
時間はあっいう間に経過し、ゆっくり考えている余裕もありませんでしたが、気がついたら無意識に
踏ん張りの効かないパウダースノーの坂を無心に登っていました。
始めは最悪のケースをいろいろ考え始めキツかったのですが、途中から苦しさがなくなっていました。
結果、目標としてた地点が以外と近かったのには救われました。
自分の準備不足とバカさ加減を思い知らされました。
ほんの2時間くらいの間の出来事ですが、非常に長く感じました。
踏み跡も無い雪山での単独行は非常に危険です。
ほんの数メートルの距離、雪が腰近くあるだけで身動き取れなく事もあるのです。
経験が少ない者は、気力、体力だけに頼るしかありません。
身体は鍛えておいて損はありません。
少し冷静になってみて追記
0.目的地に着き、小屋やテントで寝るだけであっても早出早着は基本
雪山では予定通りに着かない事が想定されます。
目的地に着いて寝るだけであっても早着は基本中の基本でした。
1.パニクったまま行動しない。
パニック状態のままの行動は次の深みにはまる可能性が高いと思います。
何か食べる、飲むなどして一度、心を落ち着かせた方が良いと思います。
私は普段は嫌いな酸っぱい飴で正気に戻りました。
2.今回もしGPSを持っていたら・・・
今回、GPSは持参しませんでしたが、もし持参していたとしても、
道を大きく外れていない事は分かっており、ただ先の道に雪が深くて、
辿り着けない事が問題であった為、前述のケースでの効果はなかったと思われます。
荷物の重量を度外視すれば持参するにこした事はありません。
3.当たり前ですが、水は凍る。▶→テルモス等にお湯を
いくら装備としてストーブ、水を持参していてもパニックに陥った時に
お湯を湧かしている気持ちの余裕など、ほとんどの人がないと思います。
今回、ハイドレーションやザックの中の水までことごとく移動中に氷付き、
ハイドレーションは下山時まで使い物になりませんでした。
きれいな雪が周りにあるかと思いきや、都会の海や地面の水蒸気が空から
降って来ているわけで、口に入れても湿らせるくらいにした方が良いそうです。
実際、全然おいしくありませんでした。
今回、横着して持って行きませんでしたが、テルモスに温かい飲み物は必需品かと思いました。
○鷹ノ巣山避難小屋。1名ご宿泊
この小屋で休憩は何度もあるが、泊まるのは初めてです。(中も綺麗です。小屋内はー5℃でした。)
流石に金曜日の天気では誰も来るハズもなく、真っ暗な部屋に一人は寂し過ぎ〜。
ラジオは朝迄付けっぱなし。正直、家が恋しくなりました。
また先日、奥多摩小屋のテン場で不思議な体験をした為、絶好のシチュエーションである今回も
何か起きそうと気になり全身が霊感レーダーのようになってしまいました。
この点ではテントの方が自分の家なので熟睡出来たかもしれません。
また、あまりの寒さに水や干した衣類が翌朝、凍ってました。(フリースの上着が床に立ちました)
シュラフ内にも携帯カイロをありったけ入れて寝ましたが、身体が活動を停止する丑三つ時には、
寒さで目が覚めました。(バラクラバ、手袋も就寝時に必須です)
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
2/25(日)に峰谷から浅間尾根を経由し鷹ノ巣山へ、その後、
石尾根を歩き奥多摩駅まで行ってきた者です。
山行計画を立てていくなかでLastM588さんのこのレコが
大変役に立ちました。
そして、単独でのラッセル、本当にお疲れさまでした。
そしてそして、本当にありがとうございました。
そしてそしてそして、無事の帰還本当に良かったですね。
LastM588さんのファーストトレース、それ以降のトレースのお蔭で、
大変楽しい山行にさせていただきました。
この場をお借りし、改めてお礼申し上げます…
ありがとうございました。
このコメで「なんだよ!テメーだけ!!」とお気を悪くされましたら、
本当にごめんなさいですが、このレコに私も助けられたのも事実です。
雪の鷹ノ巣山、本当にお疲れさまでした
初めまして、masabowwさん。
私のレコが山行いや、参考になったなんて光栄です。m(_ _)m
24日のレコ拝見させて頂きました。コメントといい、写真といいエンターテイナーですね。見ていて楽しくなります。(奥集落のマチュピチュのくだりは最高です。高い位置から見た時の感じはまさにマチュピチュに匹敵する景観ですよね)
誰も歩いていない雪原を歩く事は雪山歩きをする人にとっては小さな夢でもあると思いますが、私は慣れによる気持ちの緩みから奥多摩の山をナメていた為、気づいたら自分の実力以上の事をやってしまい失敗しました。
多分、今後雪のない時に行くと、なんでこんな所であんな目に遭ったのか自分でも不思議に思うと思います。
1分前は鼻歌歌っていたのに、しまったぁ。と思う瞬間は予告もなく突然訪れます。
特にmasabowwさんも単独行が多いとお見受けしましたが、お互い気をつけましょうね。
(今回も始めはカミさんと行く予定であった為、もし一緒だったらカミさんは泣き叫んでいたかと思うと・・・。あっ、それは私でした。結構、こういう状況では女性の方が強かったりしますよね)
蛇足ですが、私もIT業界です。また息子はマサ坊です。(笑)
水色のカリマークーガー50-75を背負って奥多摩や丹沢に出没しています。
お会い出来る日を楽しみにしております。
LastM588さんの仰る通り、山は一瞬で状況が一変する場合あるので、
本当に気を付けないとですね!
私も丹沢、奥多摩、高尾周辺に出没していますので、
水色のカリマークーガー50-75、お見かけしましたら、
是非ご挨拶させていただきます。
これからもケガ・事故のないようお気を付けて楽しい
山行を続けて下さい
P.S.息子さんによろしくお伝え下さい(笑)
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する