(北)面白山（かもしかコース〜西尾根） 丹沢回顧と雪庇三昧
宮城県
山形県
derakkuma
体力度について
- GPS
- 09:18
- 距離
- 9.0km
- 登り
- 921m
- 下り
- 903m
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| 天候 | 晴れ、曇、−5〜0℃ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2013年02月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
電車
仙山線上り「面白山高原駅17:02発」 |
| コース状況／ 危険箇所等 |
現在のかもしかコースは雪庇の連続なので、踏み抜かない自信のある方のみ推奨です。 西尾根コースも積雪が激しいので、西尾根自体を歩いたほうが楽です。 山スキー用と思われるピンクテープが天童高原から三沢山まで続いています。 |
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感想
面白山に行って来ました。
以下、回顧風に。
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先日、面白山でプチ遭難をやらかして、周りの人々に少々迷惑を掛けた。
そういうこともあって、そもそも何故自分は山に入るのか、なんでこんな遊び方なのかと、考えざるをえない日々が続いた。
普段はあまり深く考えないタイプだが、一度考え出すと粘着質の虫が収まらない。
大抵のことについては既に結論が出ているから、普段は考えなくて済んでいるだけなのである。
何故山に登るのか。
昔の自分はどうだったのだろうかと思い、短気で神経質な日記を読み直した。
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2005年5月29日（日）
4:40自宅発。武蔵中原5:00の立川行きに乗り5:39立川着。さらに5:55発の高尾行きの中央線に乗り、さらに高尾で松本行きに乗り換え、6:23相模湖で降りる。すでに三ヶ木行きのバスは停まっていた。2リットルを2本積んでいたが、DAKARAの500mlを1本購入して、バスに乗車。3人しか乗っていない。車内で売店のようにお菓子を売っていることに驚く。三ヶ木まではあっさり15分ほどで着いた。月夜野の出発時刻は6:51となっているのだが、定刻になっても発車しない。おそらく橋本からバスが着くのを待っていたのだろう。相模湖からの2人の他に、途中から3人が乗ってきていよいよ出発。全員が山行き支度である。「今日は何処へ行かれるんですか？」「蛭ヶ岳のほうに」「私もそうですよ」「焼山からは長く歩かなきゃいけないので、もっと先までバスで行こうとと思っています」という会話を聞きながら、焼山登山口入り口で降りたのは私と夫婦連れの3人だけ。夫婦連れは明後日の方向に消えていき、私だけが残った。ちなみに、ここまでの所要金額だが、武蔵小杉〜相模湖がJRのみで950円。三ヶ木までが290円で、焼山登山口までが320円だった。さて、ここで私は早速ミスを犯す。地図を良く見ていれば登山口はバス停よりも東側だと分かるはずなのだが、「東海自然歩道」とかいう標識に騙されて西のほうに歩いてしまう。気が付くと西野々のバス停まで来ていた。幸い西野々からも登山口があったので事なきを得たが、結局10分くらいロスしたのではなかろうか。7:20頃、気を取り直して登り始める。何処の登山口も最初がツライ。最初は調子が出ないモノだが、焼山までが勝負だと思って、ガンガン登る。この登山道は案外登りやすい。「大倉〜塔ノ岳」や「大山三峰山〜不動尻」のように石が多い登山道は歩きにくくて大嫌いな私にとっては好都合である。8:25焼山頂上への分岐点に到達し、8:30焼山頂上へ届いた。頂上には仏果山や宮ガ瀬高取山にあるような金属製の見晴台が設置されており、霞がかっているもののなかなかの景色だった。遠く仏果山や経ガ岳らしきものが見え、丹沢三峰山らしきモノも分かる。丹沢も五度目にしてようやくそれぞれの山が分かってきた気がする。焼山の由来が江戸時代に将軍の狩り場だったということを知った後、8:40歩き出す。先程の分岐からの合流点で判断する限り、焼山は頂上を通過しても大したロスにはならないと思う。9:00平丸からの合流点を通過。黍殻山頂上への道は人通りが少ないことを物語っていたが、黍殻山頂上が9:12頃。ココは何もないかと思いきや、降雨量か何かを計測する施設がデンと構えてあるだけの実に面白みのない山だった。少し頭に来たのですぐさま降り始める。正規ルートに合流後、水沢川や早戸川林道方面さらに水場が複合する場所まではすぐで9:20、上青根からの合流点である八丁坂ノ頭が9:42、姫次到着が10:00。
焼山からは素晴らしく歩きやすく、なるほど確かに自然歩道として認定されているだけのことはあると思ったが、すれ違ったのはわずか2人で、途中で中型の野鳥に出くわした。尾根沿いに歩いていき、下はしっかりした地面で文句なしのハイキングコースである。姫次は深田久弥を引くまでもなく素晴らしく見晴らしの良いところであり、さっそく左手に今日のメインである蛭ヶ岳を拝むことができた。これは順序が逆になるが、蛭ヶ岳は姫次側から眺めるのが正しい。丹沢山や不動ノ峰側から見ると、岩肌が露出しており味も素っ気もない山に見えるのだが、姫次側から見れば木々の緑に囲まれた美しい山であることが分かる。姫次には休憩をとっている客もすいぶんいたが、そこはサッサと取り抜ける。袖平山には向かわず、蛭ヶ岳方面はいったん下ることになるのだが、藪の中を突き進むようでこれまでとは打って変わってやや道悪となる。さっそくバテ気味の初老の3人連れとすれ違う。「蛭ヶ岳からいらしたのですか？」「ええ、丹沢山からね」「じゃあ、みやま山荘に泊まられたんですか？」「ええ、そうです」。六十過ぎらしき男性に一瞬笑顔が戻った。後の祭りだが、私はそこで「それは良かったですね。羨ましいです」とか付け加えるべきだったのだ。地蔵平が10:30。登りが始まると、木製の階段が用意されている箇所が多く、やや戸惑った。途中、丹沢五度目にしてついに富士山を拝む。「頭を雲の、上に出し」という唄のように、確かに優雅な姿である。蛭ヶ岳山頂は丁度11:00。焼山登山口からは実に3時間40分ほどで登ったが、寄り道しないで集中していけば3時間20分くらいでは行けると思う。同じバスに乗っていた人よりは速く到着できたようだ。山頂からは富士山が望めずややガッカリしたが、丹沢山塊が広く見渡せた。
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結局、この日は丹沢山経由で本谷橋から上煤ガ谷のバス停まで歩いていた。
限界前後まで歩こうとする姿勢は変わっていないようである。
そもそも山歩きを始めたのは、郷里の父親が肺がんを告知されたからだったと思う。
心の苦しみを身体の苦しみで制しようとしたのか、それとも病に苦しむ父親と山で苦しむ自分を重ねようとしたのか。
ただ、仙台に戻る度に丹沢の話をした。
父親は、山と言えばいつも最後に船形山に触れた。
ちなみに祖父は雁戸山が好きだったらしい。
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「晴れろ、晴れろ、晴れろ」
面白山トンネルに入るといつも心で念じてしまう。
県境を越えると、全く異なる天気になっていることも多いので、信仰心もないのに祈ってしまう。
その甲斐はなかったのだろうが、なんとか晴れた。
待合室で準備を済ませて外に出ると、面白山高原駅の階段が雪庇になっている。
今日の行程を暗示しているかのようだ。
前回偵察したとき、かもしかコースの入口から、尾根に出るまでが分かりにくいと思った。
夏道だと100m以上涸れ沢を歩いてからグルッと回るらしい、という情報だけは入れていたが、結局右側の斜面を直登する。
時間は掛かったがいつの間にか尾根に出ることができたようで、快調に歩き始めた。
クラストして歩きやすい場所もあるにはあるが、基本的には先日の大雪の影響でヒザくらいまでしっかり沈む。
尾根道には雪庇も目立ち、気をつけて歩いていたつもりだった。
ドッ、ザザザーッ！
いきなり視界が揺れ動いた。
何が起こったか分からない。
「木のそばを踏み抜いたにしてはずいぶん大げさだなぁ」
そう思うが、実際には50cmほど落下して、腹ばいになって止まっていた。
ただの踏み抜きではなく、雪庇を踏み抜いたのだった。
「木と木の間を歩いていたから、雪庇を踏み抜くハズはないのに・・・」
自分の浅い経験則から生まれたルールなど、アテにならない。
木と木の間が、空洞になっている場合があることを、このとき初めて身に染みて分かった。
幸いダメージはゼロだったので、気を取り直して再び歩き始める。
雪庇は極力風上側を慎重に通行した。
山でこんなに臆病になった自分は、初めてではないだろうか。
そんな私に遠慮無く、かもしかコースは雪庇を次々と送り出してくれる。
雪庇通行でなければ急登ラッセルが待っており、体力と神経が自然にすり減った。
結局、長左衛門道との出合まで登山口から3時間掛かった。
果たしてここから山頂まではどれくらい掛かるのか。
1月にHITOIKIさんが2時間50分で登っていらっしゃる。
積雪が多くない時期なので、地面が不安定で非常に歩きにくかったろうと思う。
ここからさらにもう3時間掛かるとすれば帰りが心配になるので、ペースを上げることにした。
南面白山、大東岳、中面白山、面白山の西尾根などを見渡しながら高度を上げる。
だが、山頂が近づくにつれて風が出て、天気が悪くなってきた。
なんとか面白山には辿り着いたものの、即座に帰ることにする。
かもしかコースを戻る度胸はないので、迷わず西尾根を下った。
それでも積雪が多く、クラストも激しく、今までとはかなり雰囲気が異なる。
雪の量次第で山の姿がこうも変わるのかと驚いた。
帰る始めると天気が好転するのはもはやお約束だ。
三沢山を経由して、長命水には降りずにそのまま西尾根を辿り、天童高原から面白山高原駅まで、山頂から結局4時間掛かった。
すべては積雪のせいである。
今日に限っては、西尾根から登っても、望むようなスピードは得られなかっただろうと思う。
簡単に荷物をまとめて電車に乗ると、雪庇ショックのせいで何も考えていないことに気づいた。
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2005年7月9日（土）
月夜野で長又行きバスに乗り換えて、8:05に久保吊橋からアタック開始。入り口付近で一度脇道に逸れてしまい迷ったが、茅ノ尾根は歩きやすく最高。土山峠から辺室山に向かうイメージに近いのではないかと思う。先週トレイルランのレースと重なって苦労した大室山9:50。今日はカリマーのRUNにパンパンになるまで詰め込んで9キロくらいなので、先週の半分くらいの重量。快適な旅を阻害したのは雨だった。大室山山頂通過ごろから降り始め、犬越路途中のテーブルでレインウェアに着替えて、犬越路10:55。ずっとガスったり、ちょっと晴れたりという微妙な天気で、尾根道から隣の山は見えない。熊笹ノ峰の手前で小休止し、靴下を2枚にする過程でおにぎりやビスコを補給する。檜洞丸12:45で5分休憩。鹿が2頭おもむろにたたずんでいる。鹿の反応はいたってゆったりとしており、「こんなに慣れているのか」と少し驚いた。いったんガスが消えて晴れ間になるが、14時過ぎからガスが再び現れて蛭ヶ岳15:10頃から降り始める。蛭ヶ岳手前は道が崩れてて歩きにくかった。10分休憩して、丹沢山16:25。個人的には、ここで1時間5分掛かったことが悔しいが、意外に時間が掛かるようだ。丹沢山に行く途中で風が強くなり始め、吹きっさらしの稜線を体感する。同時に、ボケッとしていると稜線から滑落する危険も知る。疲れてきたときこそ、集中力が大切である。丹沢山はすぐに通過して、塔ノ岳17:15。ここを50分で乗り切ったのは成功と言えるだろう。雨のおかげで虫が消え、体温が下がるので運動能力は上がっているように思える。ヘッデンを装着し、10分休憩して17:25下降開始。途中から、集中豪雨となり、泥と石が滑る。途中、金属の上に乗って左手から尻餅を付くが、事なきを得る。やはり集中力が大事。視界も悪くなってきたので、スピードを犠牲にしてでも安全に下降することを優先する。初使用のヘッドランプ、ティカXPは大活躍する。ヘッドランプは軽いほうが首が疲れないので良いことも知る。脚はクタクタになったが、2時間予定のトコロ、2時間半掛かって下降し、大倉バス停19:58。最後は思いっきり集中していたので、トレッキングポールを使うことをすっかり忘れていた。己と戦い抜き、安全に帰ってくるという責任を果たした土曜日だった。
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今はここまでアグレッシヴなことはできない。
自分と戦うのは嫌いではないが、疲れが早く来るので、流すところは流す適当な中年になった。
ただ、今でも共通して、山歩きで得られる妙な緊張感が好きだ。
アルピニズムとか、実存主義とか、アドレナリンとは異なる、独特の何かである。
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ということで、かもしかコースを登ることで、プチ遭難の借りを返すことができたような気がしました。
GPSのログも部分的に乱れていますが、そのままにします。
以下、まとめです。
�＼稟漾〔擇般擇隆屬砲盍躙韻△蝓�
��大雪 山の姿が変わる。
��山に登る理由 まだ不明。
�っ飜滅鮖魁’鬚�美しき山。
�ッ安堯，笋呂蟒珍�こそが丹沢。
次は、面白山から関山峠への縦走を試みたいです。
こっそり拍手
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こんばんは、derakkumnaさん。
先日の面白山プチ遭難のリベンジ、無事達成ですね。お疲れ様でした。前回の泉ヶ岳行は、あれderakkumnaさんには珍しく、淡白なコース取りだなと思っていましたが、今回はまた「熊パワー」全開といったところですね。でも、冬眠のまねは流石にしないでくださいね（笑）
odaxさん、おはようございます。千歳山、初めて知りましたが鳥居が面白いですね。スーツで登る人は、全国でも100人いないんじゃないでしょうか？(笑)
先日の泉ヶ岳が余りにも不完全燃焼だったので、身体が疼いて仕方がなく、面白山に向かってしまいました。
冬眠しない熊は「穴持たず」といって凶暴なんだそうです。これはこれで問題があるので、雪洞を掘ってビバークくらいはしてみたいと思う今日この頃です(笑)
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