比叡山東麓〜無動寺〜大文字山北斜面☆紅葉の谷と滝を訪ねて
- GPS
- 07:09
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,467m
- 下り
- 1,489m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山は白川今出川(銀閣寺道)に |
コース状況/ 危険箇所等 |
蓬莱峡、蟻ヶ滝への道はもたて山への登山道より踏み跡がある 蓬莱峡〜蟻ヶ滝は道はなく、滝を高巻いています 弁天谷は登山道はなく、滝の高巻きは困難(記録参照) 地蔵谷は大きの倒木により荒廃 |
写真
感想
京都市内から見上げる比叡山や大文字山は山麓まで紅葉が下りている。無動寺谷、地蔵谷や大文字山北斜面のあたりの紅葉がきになるところだ。無動寺を訪れるなら東側の坂本から入り、四ツ谷川の弁天谷を遡行して無動寺に至ることを考えるが、その前にHBさんが最近の日記で紹介して下さった蓬莱峡、蟻ヶ滝を訪ねてることにする。
坂本の街は楓が美しく色づいている。朝早いせいか街の中はまだ人影もまばらではあるが、比叡山へと登るケーブルカーの駅にはかなりの人が集まっている。
叡山高校のグランドの隣を抜けてもたて山への登山道へと入る。蓬莱峡へと下降する踏み跡を下る。踏み跡は途中で不明瞭となり、斜面をジグザグに下降し、谷に降り立つ。狭いゴルジュへと入ってゆくが、このあたりが蓬莱峡と名付けられたところだろう。
細い水流の流れるゴルジュを奥へと辿ると滝が現れるが、到底、越えることが出来ない。ゴルジュの入口まで戻り、右岸を高巻く。先ほどの滝の上にももう一つ滝があるようだ。ゴルジュを過ぎたところで再び谷に下降すると谷の奥に滝が見える。蟻ヶ滝だ。
滝の右岸には登山道に戻るための踏み跡が見える。薄い踏み跡があるので、右岸の斜面を登ると藤見台と標識がある場所に出る。流石にここから富士山が見える訳はないが、展望があるのかと思って辺りを見渡すが、樹々が眺望を遮っている。おそらく新緑の季節には藤がよく見える場所なのだろう。
もたて山の方に進むと無動寺谷の方へ下降する道の分岐がある。無動寺谷への参道に出て、ほぼ水平な広い参道を進む。、紀貫之の墓への分岐の直下には好展望地があり、
無動寺への参道を進み、次の尾根を下って弁天谷に下降する。谷の奥には三段の滝があるが、残念ながら多くの倒木が滝の景観を損なっている。
弁天谷を上流に遡行する前に四ツ谷川にあるコグリの滝に立ち寄る。谷の下流の堰堤は右岸の踏み跡を辿って堰堤を越える。四ツ谷川を渡渉して林道に出るとすぐ下から滝音が聞こえてくる。林道の下の狭いゴルジュに下降すると、すぐにその奥に滝が現れる。四ツ谷川はそれなりに水量が多く、大きな岩の左手から流れ落ちる直瀑はそれなり迫力がある。
再び弁天谷に入り、左岸の斜面に登ると古道の跡が現れた。道を辿るとすぐに左下に布引の滝が現れる。大きな岩の上を幾筋にも別れて落ちる分岐瀑だ。
古道に戻り、左岸から滝の落ち口を越えると道は不明瞭となる。この古道は果たしてどこへ続くものだったのだろうか。谷には忽然と高い堰堤が現れる。踏み跡を辿って堰堤を越えると、今度は倒木の集中地帯が現れた。
この谷の奥に滝があるというHBさんの情報がなければ、到底、奥に入ろうとは思わないようなところである。次の堰堤を越えると谷の奥には集中する倒木の陰に隠れるように小さな滝が現れる。
この滝を超えて上流に進むには左岸は急峻であり無理がある。右岸の斜面は多数の倒木と共に崩落しており、かなり大きな高巻きを強いられることになる。なんとか苦労して高巻くと、上流には小さな四段ほどの蓮瀑が現れる。ここは滝を直登する。
その後も谷が広がり小さな滑滝がいくつか現れて、渓相は綺麗なところだ。しかし、驚いたことに谷には様々なゴミが散乱しており、美しい。おそらく上流から廃棄されたものであろう。上流に再び大きな堰堤が見えてきたところで、堰堤を左岸から越えると、再び無動寺への参道に合流し、すぐ前方には何組かのハイカーが歩いておられる。
無動寺にたどり着くと境内には人影はなく、意外にも閑散としている。まずは明王堂にお参りを済ませ、弁天堂に下るとさすがに周囲の紅葉が美しい。谷を渡って東海自然歩道に入ると、水平な歩道を黙々と辿る。一本杉の手前で鳥居のある広場にくると、突然、雲の間から光がさし、楓の黄葉が美しく輝き始めた。
一本杉のある駐車場に到着すると車で訪れた多くの人がいる。当然ながらカップルが非常に多い。展望地の雑踏を辞し、早々に比叡アルプスの稜線に入る。稜線上は延々といくつもの自転車の轍が続いている。ご当地アルプスというのは大概、アップダウンが激しいところが多いが、その点、この比叡アルプスは穏健な尾根が続く。
比叡アルプスからは石鳥居に向かう尾根の分岐を過ぎると自転車の轍は急に薄くなる。自転車の多くはてんこ山の尾根に入り、曼殊院の南側に向かって下るのだろう。
石鳥居への尾根の一筋南の尾根を西に向かう。尾根の分岐を大きな倒木が完全に塞いでいるが、左手から倒木を巻くと尾根上には薄い踏み跡が現れた。尾根を辿ると送電線鉄塔への分岐が現れる。その先にはほとんど踏み跡はないようだ。
送電線鉄塔から谷に下ると、地蔵谷にかけられた橋を渡る。そのまま北に向かうとすぐに石鳥居であるが、ここは地蔵谷を下降する。紅葉の時期の地蔵谷を見てみたいと思っていたのだった。
地蔵谷は相変わらず倒木でかなり荒れている。以前は無動寺へのメジャーな参道の一つだったらしく、所々にかつての古道が現れるものの、その荒廃ぶりは甚だしい。楓の葉はすでに散ってしまった樹が多いが、残っている葉はそれほど綺麗に紅葉していないように思われた。
地蔵谷を下降し、北白川ラジウム温泉に出ると、しばらくは車道を歩く。大文字山の北斜面の谷の分岐にたどり着くと、橋は錠がかけられているので、橋の横に渡されたレールの上を渡って川を越える。
谷の左岸を歩いたことがなかったので、尾根に乗ると最初の小ピークには子鹿山という真新しい木製のプレートが現れる。尾根を南下して、次のピークは同様の木製プレートに鹿山とある。果たしてこの名称には由緒があるのだろうか。最近は大文字山の小ピークには様々な山名標が溢れているようだ。
尾根を辿ると出逢坂と呼ばれる地点にたどり着くが、再び左手の谷に降りると対岸に紅葉の綺麗な平地がある。ここからは羊歯が繁茂し、踏み跡の不明瞭な谷を上流に辿る。二俣の出会いを右俣に入ると、明瞭な踏み跡が現れて、樹高の高い樹の多い広々とした谷となる。
谷の上流で出逢坂を越えて西隣の谷に移動するとすぐに幻の滝の上流に出る。幻の滝の周囲は美しく色づいた紅葉を期待していたが、色づいていない楓が多いのは意外であった。谷を下降して中尾の滝に至るが、ここでも今年はどうも色づきが良くないように思える。早朝に冷え込む日が少ないからだろうか。
中尾城址から出城跡とされる北西の尾根を下降する。ここでも紅葉よりも色づいていない青紅葉がついつい気になる。記録的な暖冬であった昨年、一昨年とは異なり、今年は寒い冬が到来するという長期予報もどうやら怪しくなりつつあるという。果たしてあの青紅葉が紅く色づく日が来るのだろうかと心配しながら、観光客で大賑わいの銀閣寺道を歩いて白川通のバス停に到着するのだった。
コメント
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yamanekoさん、おはようございます。
比叡山にもひっそりといいところがまだまだありますね。
京都側もまたしかり、八瀬の手前のなんやら谷の滝には一度行ってみないとと
思いつつまだ実行できていません。
弁天谷の倒木滝を高巻きされたのですね。わたしはあれをみて気が滅入り引き返してしまいましたが、まだ上流にも小滝があると聞いては、また俄然これは行ってみないとと思いました。
それにしても比叡山から下りてきてそのまま仕伏町方面と思いきや、そこからまた大文字に登られるという荒技、感服いたします。
本日のみなさんの山行のレコ楽しみにしています。
HBさん コメントを頂けるのを期待しておりました。
比叡山といいい、魅力的な山に取り巻かれている京都に住んでいることを嬉しく思わない日はありません・・・とはいえ、京都にいる日は少ないのですが。
>八瀬の手前のなんやら谷の滝
桂谷ですね。忘れないで下さい・・・実は私も忘れておりましたが(^^;)
>わたしはあれをみて気が滅入り引き返してしまいましたが
登山中はHBさんがここを高巻きされたと勘違いをしていて(-。-;
この勘違いが無ければ、撤退していたところでした。
>俄然これは行ってみないとと思いました。
是非に。ゴミが散乱しておりますが
>そこからまた大文字に登られるという荒技
いえ、山頂手前で引き返しております
>本日のみなさんの山行のレコ楽しみにしています。
私達もHBさんのレコを楽しみにしております。今日はきっといっぱいクシャミをされたことでしょう
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