鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根ルート敗退
- GPS
- --:--
- 距離
- 7.7km
- 登り
- 346m
- 下り
- 335m
天候 | くもり/雪 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■アクセス→長野自動車道あずみ野IC〜車で約50分。 ■駐車台数→普通車100台。 ■トイレ→なし。 ■登山ポスト→なし。 ■水場→なし。 ※シャトルバス乗場の大型駐車場、大谷原登山口駐車場とは異なります。 ★大谷原登山口駐車場(砂利・無料) ★アクセス→長野自動車道あずみ野IC〜車で約50分。 ★駐車台数→20台(登山口側) 10台(登山口ゲート側) ★トイレ→あり。冬季は使用不可。 ★登山ポスト→あり。筆記用具や用紙があります。 ★水場→なし。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■登山ポスト 大谷原登山口(大冷橋の手前)にあり、登山計画書の用紙や筆記用具が設置されています。 ■水場 大谷原駐車場には水場がありません。 地図では、大冷沢が流れる西俣出合と冷池山荘(有料)が水場とあります。 しかし、雪深く大冷池まで降りられず、山荘も閉鎖中で冬季の水場は赤岩尾根ルートではありません。 ■駐車場 上記のアクセス欄を参照して下さい。 12月01日から県道325号線の入口〜大谷原登山口駐車場まで通行止めになります。 ■県道325号線の入口 ここから大谷原登山口まで樹林帯の中を進みます。 途中で分岐点(第1)が1つあり、道標もなく迷いました。 ピンクテープを目印として残し、写真も添付します。 ■大谷原登山口 県道325号線の入口から約20分で大谷原登山口に到着です。 約10m手前にトイレがありますが冬季は閉鎖中です。 大冷橋の手前に駐車場(20台)あり、大冷橋を越えた左側に駐車場(10台)があります。 登山ポストとベンチとテーブルがありますが、雪で埋もれています。登山ポストは開閉式なので、しっかり閉じましょう。 大冷橋の手前で分岐点(第2)があり、登山口ゲート(約100m先)は右側の大冷橋を通過します。 ■登山口ゲート 大谷原登山口から約5分で登山口ゲートに到着です。 途中で、分岐点(第3)の2股があり直進すると雪深い樹林帯を大冷沢川取水堰堤まで進みます。 ■大冷沢川取水堰堤 登山口ゲートから約30分で大冷沢川取水堰堤に到着です。 悪天候時には建物の脇へ避難できますが、川の水深が深いので転落には注意が必要です。 ■大冷第2砂防ダム 大冷沢川取水堰堤から約80分で大冷第2砂防ダムに到着です。 手前には第1砂防ダムもあり、左側に大冷沢、右側に急斜面があります。 急斜面からの吹き溜まりの雪で登山道は狭くなり、硬い雪玉が音もなく斜面を転がる危険エリアです。 ■■西俣出合 大冷第2砂防ダムから約60分で西俣出合に到着です。 二段式の堰堤になり、下部の堰堤の裏側にトンネルがあり右岸から左岸へ渡れます。 悪天候時には、トンネル内へ避難できますが長居は禁物です。 トンネルの出入り口上部には1m以上の雪が積もり、いつ崩れてトンネル内に閉じ込められても不思議ではありません。ヘルメットとシャベルは必須です(写真を添付) 万が一、出入り口が雪で埋まった場合はとても渡渉できる水量ではなく、雪を掘り出すのか解決策が不明です。 ■今回の登山は、積雪期の鹿島槍ヶ岳へ赤岩尾根で登るためのルート工作が目的であり、当日の山頂は断念しました。 本来、テント泊(1泊2日・荷物20kg)登山を予定していましたが天候が悪く、偵察を兼ねて正午まで登れる所まで行くと決めて登りました。 最低でも高千穂平、あわよくば冷乗越を目指しましたが甘い考えでした。 赤岩尾根に登山者の姿はなく、足跡もありません。 万が一、遭難した場合は悪天候が続く時期や登山者の少なさを考えると、救助まで最低2〜3日を生き延びなければいけません。 輪かんでも40〜50cm足が沈み、西俣出合までコースタイムの3倍の時間を消費しました。 ★★その他の注意点 赤岩尾根(西俣出合〜冷乗越)は北アルプスの三大急登の1つです。 高低差1,100m、距離2.7kmの急登になり、冬季では深い積雪量で骨太なルートになり、冬季の日帰り登山は困難です。 6月末まで残雪があり、下山時の滑落事故が多発するルートです。 ★大谷原駐車場まで夜間の車の運転は、鹿や動物の飛び出しが多いので注意が必要です。 ★大谷原駐車場〜西俣出合の区間で、スマートフォンの電波は入りました(機種による) 寒さでバッテリーの消耗はとても早いです。 ★赤岩尾根ルートは、柏原新道ルートに比べてすれ違う登山者が極端に少ないです。 セルフレスキューとルートファインディング能力が必要になり、雪山ではツェルトと地図の携帯が必須です。 ★ストックは登りでは登山口〜西俣出合まで登下山で使用しました。 輪かんは登りでは、大冷沢川取水堰堤〜西俣出合まで利用、下山では西俣出合〜大谷原駐車場まで使用しました。 ピッケル、アイゼン(12本爪)、チェーンスパイクは使用しませんでした。 ★赤岩尾根ルート(県道325号線〜西俣出合)の区間で道迷いする場所はほとんどありません。 今回は、県道325号線〜西俣出合の区間にピンクテープの目印を付けました。 当日は、寒波の影響で正午から強風と降雪の予報が出ていました。下山路では、強風で多くの樹木の枝が折れていました。 今後の降雪や落雪や雪崩で、枝が折れて目印が無くなる可能性が非常に高いです。 ★当日は、赤岩尾根ルートで登山者とすれ違いませんでしたが、2台のスノーモービルとすれ違いました。 減速して追い越してくれましたが、狭い登山道では登山者との接触事故も十分に考えられます。 フルフェイスのヘルメットにナンバープレートがないスノーモービルと山奥で事故に遭って、当て逃げされたら事故の立証は困難です。 県道325号線入口〜西俣出合までしかスノーモービルは入れません。 人の出入りが少なく、パウダースノーを求めて人気のコースと考えられます。 ※スノーモビルは国土交通省の認可を受けていないので、ナンバープレートの取得ができず公道は走れません。 ★当日は、寒波の影響なのか樹林帯でも風が強く吹いていました。地面の雪が風で舞い雪煙があがり、樹木に積もった雪や氷化した雪が折れた枝と共に落下して危険を感じました。 どうしても、雪山では足元ばかり見がちですが風が強い時は上部にも注意が必要です。 落ちる雪は数キロの重さで、ヘルメットをしていないと出血します。帽子だけでは防御できません。 落雪が後頭部に当たった痛みと雪が襟足から入り濡れて不快でした。 折れた太い枝は地面に突き刺さり、下山路は雪面が枝だらけでヘルメットやゴーグルの重要さを感じました。 これで難を逃れたと思った矢先に、左側の急斜面から音もなく雪玉(硬くて80cm四方の塊)が3度も目の前を通過しました。 大冷沢の対岸の雪壁にも多数の亀裂が入り、登山道にデブリ跡が多数あるので注意が必要です。 ★雪山で先行者の踏み跡があるからといって100%安心しないで下さい。その踏み跡が正解とは限りません。 また、雪山では夏山と違って沢や谷が雪で埋まり自由に歩けます。 ショートカットや直登直下などで踏み跡がいくつもあり迷う事もあります。ピンクテープを目印にして、道に迷ったら分かる所まで戻るのが鉄則です。 ★気温、風速、標高、写真撮影、ルート工作、危険箇所の確認をしながら登るので、コースタイムより遅くなります。 登山ルートや歩行時間は参考程度にして下さい。 ★近辺にはスキー場があるので、道路はよく除雪されています。大谷原駐車場まで大町市の一般道には積雪や凍結があります。 雪山装備とタイヤチェーンやスタッドレスタイヤの装着が必要です。 ★01/08(金)現在、長野県の山域では大雪・雪崩警報が出ています。 十分な雪山装備と余裕を持った行動が重要です。 ★大谷原駐車場の10km圏内はガソリンスタンドやコンビニがないので、事前の準備と忘れ物に注意しましょう。 長く細かい説明になりましたが『安全第一』で鹿島槍ヶ岳を楽しんでください。 |
その他周辺情報 | ■湯けむり屋敷『薬師の湯』 ■営業時間→11:00〜21:00(最終受付20:30) ■休館日→年中無休 ■料金→大人750円(中学生以上)、小人300円(小学生)、3歳以上100円、3歳未満0円。 ■マスクの着用義務あり。 |
写真
装備
個人装備 |
バラクラバ
ゲイター
長袖シャツ
インナーシャツ
防寒グローブ2つ(予備含む)
ストック
タイツ
飲料水0.5L
乾電池
筆記用具
温度計
風速計
腕時計
ちり紙
ゴミ袋
コルセット(腰)
熊鈴
救助笛
現金
マスク
アルコール消毒液
道迷い防止テープ
カイロ2個
サングラス
スマートフォン2台
スマホバッテリー
お湯0.5L(水筒)
パンツ(厚め)
ジャケット(厚め)
ヘッドランプ2つ(予備含む)
ツェルト
ヘルメット
アイゼン(12本爪)
チェーンスパイク
ピッケル
ゼリー飲料2ヶ
ソーセージ3本
チョコバー2ヶ
ようかん(小)2ヶ
カロリーメイト2本
バームクーヘン2ヶ
練乳チューブ1ヶ
一口ドーナツ10ヶ
アミノ酸(粉末)2本
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感想
【2021年/鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根ルート/敗退】
■2021年01月06日(水)
実家 22:05 0℃ 1,000m はれ
鹿島槍スキー場駐車場 00:45 -1℃ 1,100m
仮眠 01:00〜06:30
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■2021年01月07日(木)
※鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根ルート・登り くもり/雪
着替え・荷作り 06:30〜07:05
大谷原駐車場 07:05 -1℃ 1,100m
県道325号線の入口 07:10 -1℃ 1,100m
大谷原登山口 07:31 2℃ 1,070m
大谷原登山口駐車場 07:40 2℃ 1,070m
登山口ゲート 07:44 2℃
大冷沢川取水堰堤 08:12 0℃ 1,295m
大冷第2砂防ダム 09:31 0℃
西俣出合 10:25〜10:40 0℃ 1,370m
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■2021年01月07日(木)
※鹿島槍ヶ岳・赤岩尾根ルート・下り 雪
西俣出合 10:25〜10:40 0℃ 1,370m
大冷砂防ダム 11:41 0℃
大冷沢川取水堰堤 11:56 0℃ 1,295m
登山口ゲート 12:24 0℃
大谷原駐車場 12:30 0℃ 1,070m
大谷原登山口 12:33 0℃ 1,070m
県道325号線の入口 12:56 0℃ 1,100m
大谷原駐車場 13:00 2℃ 1,100m
着替え・荷作り 13:00〜13:10
実家 13:10〜16:05 -3℃ 1,000m
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■赤岩尾根は北アルプスの三大急登の1つ。
最短ルートで往復15時間、距離20km。
年末の寒波による降雪で登れる気がしない。
それでも、正午まで登れる所まで行く。
誤算は、登山口までの通行止めと深い雪。
最低でも高千穂平、先の冷乗越を目指したが
わずか、西俣出合までしか進めなかった。
五竜岳や唐松岳はリフトが利用できる。
鹿島槍ヶ岳は1,800mの急登と深い雪が課題。
冬季に赤岩尾根で登る人はいないのか?
扇沢から稜線歩きの方が簡単だろうか?
しかし、雪山は始まったばかり。
次こそは、高千穂平まで何とか進みたい。
そして、冷乗越→布引山→南峰→北峰へ。
やはり、西俣出合の積雪量を見てしまうと
トンネルの出入り口が雪で塞がれそうで
とても、生きた心地がしなかった。
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■ 1日目
体重64.0kg 荷物9.20kg
日の出→06:51 日の入り→17:00
移動距離→7.64km(片道3,82km)
移動時間→05時間40分
(上り→03時間20分、下り→02時間20分)
休憩時間→00時間15分
■赤岩尾根ルートの積雪量
県道325号線の入口→40cm
大谷原登山口→50cm
大冷沢川取水堰堤→60cm
西俣出合→70〜80cm
■風速
県道325号線入口〜大冷沢川取水堰堤→5m
西俣出合→10m
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