峰床山〜八丁平☆静寂の湿原と霧氷の森へ


- GPS
- 06:30
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 933m
- 下り
- 979m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
しばらく季節外れの暖かい日が続き、年末年始で降った雪もかなり少なくなったことと思われるが、この日は再び冬型の気圧配置となる。京都市内は午後からは晴天が見込まれるが、高島市のあたりでは雪の予報だ。峰床山のあたりが天候の境界となるだろうと読んで、2週間前に訪れたばかりではあるが、再び峰床山を目指すことにする。
二週間前は年末の寒波により新雪が深かったのだが、既にその雪はかなり融けてしまったことだろう。前日からも積雪はほとんどないだろが、夜の冷え込みにより山の上では霧氷が期待される。R367を北に向かうと権現山、伊賀谷山の上の方はかなり白くなっている。
前回は北側の久多からオグロ谷林道を経てアプローチしたのであるが、この日はオグロ坂の東に連なる無名峰を経て東側からアプローチすることにする。無名峰といっても、比良山から眺めると確かに一つのピークがあるように見えるが、実際には明確なピークがあるわけではなく、実際には狭い山域の間に930mから950m台の小さなピークがいくつも寄り集まって一つの山塊を形成している。
国土地理院の地図では標高点がつけられているのは南端のp935ではあるが、ここに標高点が記されているのは単に他の三角点から標高を計測しやすかったというだけの話だろう。他のピークのほとんどがこのピークよりも標高が高いからだ。
江賀谷林道の入口に車を停めて林道を歩き始める。林道には雪はない。林道のすぐ右手の尾根に取り付く。最初はかなりの急斜面ではあるが、少し登ると驚くほど平坦な平地が広がるようになる。さらにその先には登りやすそうななだらかな尾根が続いている。この植林の斜面は今の季節は安心して歩くことが出来るが、夏の時期はここは蛭の猛攻を覚悟しなければならないところだ。
植林はca700のあたりでナラの樹が目立つ自然林に変わる。果たして山の上には雪があるのだろうかと思うほどに尾根上には雪はまだ現れない。途端に尾根が明るくなるのだが、パラパラという乾いた音とともに霰状の小雪がぱらつく。尾根は次第に傾斜が緩やかになり、斜面には雪が増えてゆくが、それでもスノーシューを装着するほどの積雪ではない。尾根を登るうちにすぐにも雪は止んでくれる。
Ca850mあたりで再び植林となるが、山塊の南東端のピークca930mに出ると再び自然林が広がり、つぼ足で歩くとようやくズボズボと足が沈むほど雪も深くなる。ここでスノーシューを装着し、まずは北東端の展望地に比良山地の雪景色を眺めに行く。ca940mのピークから北東に突き出した尾根の上部からは東側に斜面が大きく切れ落ちて、180度の展望が広がるところだ。
展望地にたどり着いたところでそれまで雲の中に隠れていた武奈ヶ岳の山頂が姿を表す。下の方はこの1週間でかなり雪が少なくなったが、上の方は霧氷で真っ白になっている。北には蛇谷ヶ峰、南には蓬莱山を経て権現岳に至るまで比良の主だったピークの眺望が広がり、比良の全体を俯瞰する展望地という点では北山の中でも随一のポイントに思われる。
比良の眺望を堪能したところで、峰床山を目指して尾根を西に進む。この密集したピークを縫って複雑に蛇行を繰り返しながら尾根は西に進む。期待したほどの霧氷はみられなかったが、自然林のアーケードの尾根はアップダウンは緩やかで快適に進む。
鎌倉山からの尾根と合流すると途端に尾根上にはいくつものトレースが現れる。尾根の北側は雪が風に飛ばされてほとんどないのだが、南側になると30cmほど積雪している箇所が多く、積雪の深さの差が激しい。トレースはワカンを履いているものが多いようで、雪のあるところを選択して歩いている。我々もオグロ坂まではスノーシューを履いてトレースの上を歩くが、スノーシューではどうしても歩行速度が遅くなるので、スノーシューを外し、尾根の雪の少ない箇所を選んで歩くことにする。
峰床山が近づくと樹々に霧氷が現れる。折しも雲の切れ目から光が差し、霧氷がキラキラと陽光に煌めく様が美しい。尾根からは随所に北側の展望が開けるが、白倉三山を始め尾根から眺める山々はかなりでも雪が少なくなったように思う。
峰床山の山頂に到着するとわずか二週間ばかりの間にいかに雪が少なくなったに吃驚する。前回は山頂のケルンや山名標は前回は完全に雪に埋もれていたのだった。しかし、前回とは異なりすっかり白い樹々が重畳たる山並みの景色に美しいコントラストを添える。
山頂からは一度、尾根を南に下って展望台から蓬莱山や皆子山の展望を確認する。皆子山もかなり黒々としており既に雪がかなり少なくなっているようだ。ここからはクラガリ谷への谷道を下降して八丁平に向かうことにする。ここも多くのトレースの跡があるが、谷道に入ると急に雪が深くなるのでスノーシューを履く。
八丁平の湿原に至ると、雪原の中をたおやかな円弧を描いて流れる小さなせせらぎが雪の下に湿原で埋もれていることを教えてくれる。無雪期には八丁平の湿原の中を歩くことは出来ないのだが、積雪した八丁平の中を歩いてみると中には防鹿柵による多数の囲いがある。囲いの中では一様に低木が密集して育っている。
八丁平を周回し、南側のp916へと伸びる尾根の取付きは草木のない斜面が広がり、八丁平を俯瞰する好展望地となる。無雪期はイワヒメワラビの草原が広がるところだ。いつしか雲の間から青空が顔を覗かせ、八丁平が明るく輝く。
八丁平を横断し、川を徒渉して中村乗越への分岐点に出る。先ほどまでは晴れ間もあったのだが、オグロ坂への六尺道は雪がかなり少なくなっており、再びスノーシューを脱ぐ。
を辿ると急に雲が陰り、小雪が舞い始める。
下山はca950mから南東に伸びる北兄谷の右岸尾根を下降する。この尾根はであり、これまで登りでは二度ほど辿っており、前回は昨年の春先にmichikusaさんとHB1214さんとの山行で歩いたのだが、下降に使うのは今回が初めてだ。
最初は植林の中のなだらかな尾根を下降することになる。ca830mのあたりから急下降となるが、植林が南に延びる尾根を下降してゆくのでつられてこの尾根に踏み込みかけるが、南東に延びる自然林の尾根が辿るべきルートであったことを思い出す。
ca730mのあたりではかなりの急下降となり、尾根の形が不明瞭であるが、方向を信じて尾根を下降すると次第に緩やかになり、尾根の形も明瞭となる。最後は再び植林の中を作業道を歩き、無事、林道に着地する。
結局、八丁平を歩くためにスノーシューを携えていったようなもので今回の行程の大部分ではスノーシューは不要であった。前回はスノーシューでもラッセルがかなり重たかったと思えば今回は雪が少なく、程よい雪の頃合いを見計らうというのは意外と難しいものだ。しかし、わずかではあったものの静かな霧氷の樹林を堪能出来ただけでも良しとしよう。
京都の市街に戻るとやはり雲はほとんどなく、綺麗な夕空が広がっているのだった。
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