本谷川水系 大棚沢
kamog
yamanao
- GPS
- 16:30
- 距離
- 8.0km
- 登り
- 564m
- 下り
- 555m
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8:50−（本谷川林道）−9:40林道終点（遡行準備）10:00入渓−11:55 F6大滝
着、軽食後登攀準備−13:00墜落。応急処置後、13:45大棚沢右岸尾根（大棚沢
と五町歩沢の間の尾根）を下山開始−17:15本谷川林道終点17:45林道下山開始
（yamanaoには先に下山させ会と県連に連絡することを依頼）−20:00連絡を取っ
て再び登り返してきたyamanaoと合流−26:30塩水橋：raityou、takkieと丁度合流し、
takkieの運転でyamanao家〜kamog家へ。7:00仮眠。13:00心配して来てくれたshimog
とtakkieと共に関東労災病院へ。診断の結果、即入院。
| 天候 | 曇り時々晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2005年05月の天気図 |
| アクセス | |
| コース状況／ 危険箇所等 |
★大棚33ｍは「丹沢の谷110」では登れそうな印象を持つが 流芯右壁は乾いているように見えても、外傾しており、足を置きたい場所は 苔でヌルヌル。半分も登るとその先はもっとツルツルでとても登れるような ものではない。 流芯左側は一見しっかりしていそうだが、ほとんどの岩が不安定でハーケン もあまり効かない。また落ち口手前の左側から流芯を右側へトラバースする 箇所も非常に不安定なので、余程騙しのテクニックを持っている方以外は お奨めしない。 滝基部は釜もなくザレ場に水が少し溜まっている程度だから、落ちれば私の ように大怪我をするか、高さによっては南無阿弥陀仏である。 ●大棚沢入渓点は本谷川林道終点の対岸に入る小沢 ●すぐに見えるＦ１は滝の両壁ともボロボロ。右岸のザレからやや大きく高巻く。 高巻きも脆い。 ●１番目の二俣は左側、しばらく行った三俣は水流のある左側。 ●大滝３３ｍは見かけ上容易に見えるが、意外と悪い。 今回乾いた右側を途中まで登ったが、スタンスはほとんど外傾していた。 他の記録によると、最初真ん中から登り、左側から詰めて、最後は右側に 渡って落ち口に至るようだ。 高巻きは左側の急な小尾根のよう。 ●大滝基部からのエスケープは右岸尾根が使える。尾根に乗るまでが脆いが 尾根自体は所々赤札があり、ほんのりと踏み跡がついていた。 尾根の途中にクマが冬眠用に使ったと思われる樹木の熊穴を見た。 遡行グレード：２級 |
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感想
＜事故内容＞
大棚沢F6-33mは水流も乏しく、下から見る限りガバ続きの印象。『丹沢の沢
110』の記録によると、水流左を登り、最後は右へ渡り直登とあるが、最初か
ら水流右を登った方が岩も乾いており横リスも多そうなので、クライミングシュー
ズに履き替え後藤リード。意外とガバではなく外傾しており3mくらいの間隔で
軟鉄ハーケンを打つが、よいリスは乏しく、浅打ちがほとんど。それでもハー
ケンは多少高い金属音であった。高さ15m?あたりで5本目ハーケン。ほぼ水平
の横リス。ハーケンは半分より少し入った所でそれ以上食い込まない。クリッ
プ後、さらに上を目指すが、岩の上や間は意外と泥状でぬめっており、クライ
ミングシューズのフリクションが利かなくなる。相変わらず外傾しており、ツ
ルツル滑り出す。その上はさらに外傾しており、よいカチもないし、ハンマー
を厳しい体制で打ち続けたのでややパンプ気味。ということで登り直しを決め、
ハーケンにテンションをなるべくかけないよう三点支持によるクライムダウン
を開始。5本目のハーケンにはショートスリングをタイオフし、そこにロープ
を結び替えで降りる。4本目のハーケンを回収（これが結局ミスの一つ）し、
3本目に降りる所のスタンスが乏しく、右足を大きく降ろそうとしたところで、
ロープに自身でテンションをかけてしまい、5本目ハーケンが抜け、そのまま
滝の基部まで5〜8m?くらい墜落。自分では落ちている最中、制動が少しかかっ
たように感じたが、yamanaoによるとノーテンションとのことで結局グランドフォール状態。左足と背中から落ちたよう。滝の基部は落ち葉と水たまり程度。3本
目ハーケンは生きていたので、3〜4本目の間隔3mと少し左上した分で基部まで
の高さをカバーできなかった。 5本目ハーケンの抜け原因は、多少高い利く音
を出していたが、やはり浅打ちであったこと、リスが水平であったし、まだ入
りきらない部分が多く、そこにタイオフ（根元の方に）したが、テンションが
かかった方向が右下だったので、タイオフしたスリングが引っ張られ、ハーケ
ンのヘッドに影響した（あくまで推測）のではないか。
＜ケガの状況＞
左足首を痛めて加重かけられず。左足大腿部外側に痛み。左手中指、薬指、小
指の皮がはがれ出血。
関東労災病院で検診の結果、左足かかと骨折。その場で緊急入院（１１日）
となる。
＜事故後の対応＞
yamanaoがすぐに左手の消毒とガーゼ＆テーピング。クライミングシューズを脱ぐ
と、早くも左足の外側内出血と腫れが認められ、下山のことを考慮してアプロー
チシューズに履き替え、その上からシーネとテーピング。さらに三角巾で固定。
左足を使わなければ、何とか降りられると自己判断し、ルートを検討する。尻
をつきながらが一番良いとし、大棚沢右岸尾根を下降路と決める。地形図で見
ても、下降不能な斜度でもなさそうだし、本谷川林道終点に短い距離で一気に
降りられる。 13:45大滝基部から右岸尾根に乗ろうと、まずはザレ斜面を同じ
高度のままトラバース。所々yamanaoがロープ確保してくれる。ザレを両手と右足
だけで突破するのはとても難儀。尾根に乗ってからは尻セード状態で、斜度に
任せて身体を降ろしていく。最後、本谷川に降りるところが急で、木にロープ
をかけ、yamanaoに確保してもらいながら降ろしてもらう（17:15）。途中でyamanaoが拾ってくれた枝2本とテープで杖を作る。17:45林道を下山開始。遅くなることと、一応安全圏に入ったことから、yamanaoに車のキーを預け、携帯のつながる宮ヶ瀬まで降りて、会と県連教育部に状況を連絡するよう依頼し別れる。昼食に持ってきたご飯とソーセージを今後のことも考えて節約しながら食べる。杖はやはり途中で折れ、１本の枝状態で補助として使う。歩行はガードレールを支えにケンケンするが、50歩も飛ぶと右足だけでなく左足の筋が悲鳴を上げる。ガードレールにお尻をつけながら移動したり、四つんばいの膝歩きにしたりするが、コンクリートの砂や小石が膝や掌に食い込んだり、長くは続かない。足も肩も腕もパンプ状態が続く。息も上がる。20:00yamanaoと再び合流。塩水橋からは25分の登りだったという。（22:00には着けるかな？）
しかし、この牛歩歩行はどんどん体力・精神力を弱らせた。それほど寒くない
し、もうここでビバークしようかとも思った。しかし、きっとこの緊張感を抜
いてしまえば、完全に歩けなくなるであろう。自分に問いかけてみる。まだ余
力はある。yamanaoも「私は全然平気。」と言うし、とても心強い。距離の割に時
間が経つのが早い。走り屋の車のライトがようやく近くに見えた。AM2:30塩水
橋ゲート着。yamanaoが「変な若い男の人がいる〜」と言う。族でも何でも来やが
れ…ともあまり考えずにボロボロ状態で車に行くと、なんと雷鳥＆タッキー。
こんな山中まで申し訳ない。
＜事故原因＞（詳細は後日）
・下からの見た目と現状の違い（分かってはいたが見る目の力不足）
・乾いた岩と思いクライミングシューズを使った。
・記録にある左ルート（濡れている）を行けば良かった。
（最近は乾いたクライミングになれていたという油断）
・登攀グレード�卦蘊紊筏�録だけで甘く見ていたかもしれない。
（実際IV＋以上あった）
・ハーケン打ちの経験・技術不足
・5本目ハーケンの浅打ち、リスの方向と打つ場所の見極めの甘さ。
・下降中、4本目のハーケンをもったいながって回収してしまったこと。
等
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