また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 2944890
全員に公開
山滑走
妙高・戸隠・雨飾

焼山 -イグルー泊は再試験-

2021年02月20日(土) 〜 2021年02月21日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
11:46
距離
19.8km
登り
2,022m
下り
2,016m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
2:26
休憩
0:05
合計
2:31
12:09
47
スタート地点
12:56
13:01
37
13:38
13:38
62
14:40
宿泊地
2日目
山行
6:55
休憩
2:20
合計
9:15
6:58
100
宿泊地
8:38
8:51
99
10:30
10:55
115
2020m(板デポ地点)
12:50
13:06
31
13:37
14:02
12
2020m(板デポ地点)
14:14
14:14
14
14:28
15:28
22
宿泊地
15:50
15:50
10
16:00
16:01
12
16:13
ゴール地点
天候 1日目:晴れ→みぞれ・暴風、2日目:ピーカンしかし暴風
過去天気図(気象庁) 2021年02月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
笹倉温泉龍雲荘の駐車場に停めさせてもらった。フロントに報告。登山届け代わりに記名など行った。帰りに入浴・お土産購入。
コース状況/
危険箇所等
笹倉温泉-770m林道つづら折り:
右の谷を見るようにショートカットでよい。帰りは林道に沿って適当に滑ってよしショートカットしてよし。行きも帰りもビシャビシャの雪。
770m-アマナ平:
どうしても登り返しができてしまうが、帰りは我慢で漕ぐ。同じくビシャビシャの雪。
アマナ平-1250m:
低いところを進めば自ずと台地に水を吸った重い雪。デブリが転がりまくっている。
1250m-大曲-1750m:
大曲を過ぎて右に溝の切れ目があるのでそのあたりを目指していく。1750mを超えて右折。雪は徐々に軽くなる。最高のゲレンデ。
1750m-溶岩溝超え:
樹木の立ち並ぶ溶岩溝右岸から無理やり降りる。そして左岸の雪庇を壊しつつ無理やり登る。帰りは一番上からトラバースして簡単に通過。急ではあるが2040mくらいまで登って超えた方が楽なのかもしれない。雪はサラサラ。強風で再配分されて吹き溜まっている。
溶岩溝超え-火口:
右上に見える岩峰の左に入るようにひたすら登る。今日は樹林の切れ目で板をデポしアイゼンピッケルで登ったが、膝ラッセルの苦行。スキーで岩峰まで上がれただろうが、急でジグ切りは忙しくなるだろう。
岩峰を超えてからようやく固くなり歩きやすくなった。しかし時折5cmくらいの厚みのスラブが落ちていく。右に落ちると下から見える喉の部分に落下。左に落ちると登ってきた岩峰の狭まったところに落下。どちらにしても体はばらばらか。
火口-外輪−ピーク:
夏道の鎖・ロープ場を偵察に行ったが、岩場自体は着雪は少なく登れそう。しかし強風で取り付きにたどり着けない。断念した。ピーク直下の斜面を膝ラッセルで登りあげると外輪。雪は少なく夏道の岩砂利と少雪のミックス。強風で立っていられないことも多々あり。
その他周辺情報 笹倉温泉。
除雪終点から雪上に上がる。
2021年02月20日 12:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/20 12:07
除雪終点から雪上に上がる。
10分歩いてから、ビーコン忘れを取りに帰るの図。
2021年02月20日 12:18撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/20 12:18
10分歩いてから、ビーコン忘れを取りに帰るの図。
暑い日差しの中重荷で頑張る。今日はトレース泥棒させてください…
2021年02月20日 13:00撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2/20 13:00
暑い日差しの中重荷で頑張る。今日はトレース泥棒させてください…
快調にトレースを辿る。
2021年02月20日 13:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/20 13:48
快調にトレースを辿る。
次第に景色が広がる。
2021年02月20日 14:26撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
2/20 14:26
次第に景色が広がる。
台地に上がると爆風予報なのでアマナ平で宿泊とした。
整地中。奥に焼山。
2021年02月20日 14:50撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/20 14:50
台地に上がると爆風予報なのでアマナ平で宿泊とした。
整地中。奥に焼山。
円を描きます。
2021年02月20日 14:55撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/20 14:55
円を描きます。
完成! しかしこのあと悲劇が…
2021年02月20日 16:52撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
6
2/20 16:52
完成! しかしこのあと悲劇が…
内部はこんな感じ
2021年02月20日 17:38撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
8
2/20 17:38
内部はこんな感じ
Nishidenもご満悦、この時は。
2021年02月20日 17:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7
2/20 17:39
Nishidenもご満悦、この時は。
翌朝、崩壊跡に立つシンモンさん。
2021年02月21日 06:47撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/21 6:47
翌朝、崩壊跡に立つシンモンさん。
朝の高松山。
2021年02月21日 07:27撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 7:27
朝の高松山。
焼山どーん。
2021年02月21日 07:34撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
4
2/21 7:34
焼山どーん。
朝日の出る火打山。
2021年02月21日 07:44撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 7:44
朝日の出る火打山。
少しずつ近づいてくる。
2021年02月21日 07:44撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 7:44
少しずつ近づいてくる。
本日貸し切りでございます。
2021年02月21日 08:19撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 8:19
本日貸し切りでございます。
いい日になりそうだ、風をのぞけば…
2021年02月21日 08:19撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 8:19
いい日になりそうだ、風をのぞけば…
雪煙舞ってます。
溝の根本で右折。
2021年02月21日 08:19撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 8:19
雪煙舞ってます。
溝の根本で右折。
さらに右奥の溝の根本を目指す。
2021年02月21日 08:19撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 8:19
さらに右奥の溝の根本を目指す。
台地を振り返る。
2021年02月21日 08:25撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 8:25
台地を振り返る。
大曲の施設のアンテナ。
2021年02月21日 08:31撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 8:31
大曲の施設のアンテナ。
一本木立。
2021年02月21日 09:09撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 9:09
一本木立。
右に回り込んで…
2021年02月21日 09:09撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 9:09
右に回り込んで…
火口入り口の岩峰が見えてきた。
2021年02月21日 09:20撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 9:20
火口入り口の岩峰が見えてきた。
溶岩溝に降りる。
2021年02月21日 09:55撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 9:55
溶岩溝に降りる。
坊々抱岩の向こうに裏高松。
簡単に稜線にでれそう。
2021年02月21日 10:11撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2/21 10:11
坊々抱岩の向こうに裏高松。
簡単に稜線にでれそう。
台地も遠くなった。
まだ滑走できる斜面はあるがここで板デポ。
2021年02月21日 10:31撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 10:31
台地も遠くなった。
まだ滑走できる斜面はあるがここで板デポ。
ツボ足での膝ラッセル。
2021年02月21日 11:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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2/21 11:07
ツボ足での膝ラッセル。
火口への入り口。
2021年02月21日 11:39撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2/21 11:39
火口への入り口。
乗越して休憩。
2021年02月21日 11:39撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 11:39
乗越して休憩。
火口内から火口壁へ。
2021年02月21日 11:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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2/21 11:48
火口内から火口壁へ。
2021年02月21日 11:51撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
2/21 11:51
火口への斜面は固くてアイゼンがよく効いて歩きやすい。
2021年02月21日 12:06撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 12:06
火口への斜面は固くてアイゼンがよく効いて歩きやすい。
2021年02月21日 12:17撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 12:17
火口の縁に乗り上げて対面のピークを眺める。
結果的に右の斜面を斜行し外輪に乗り上げた。
2021年02月21日 12:17撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2/21 12:17
火口の縁に乗り上げて対面のピークを眺める。
結果的に右の斜面を斜行し外輪に乗り上げた。
雪の少ない頂上直下。
2021年02月21日 12:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
5
2/21 12:46
雪の少ない頂上直下。
外輪に乗り上げたNishidenさん。
ビクトリーロードです。
2021年02月21日 12:47撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 12:47
外輪に乗り上げたNishidenさん。
ビクトリーロードです。
妙高、ひょっこりはん。
2021年02月21日 12:53撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 12:53
妙高、ひょっこりはん。
金山とかかな。
2021年02月21日 12:53撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 12:53
金山とかかな。
高妻とか乙妻とか。
2021年02月21日 12:53撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 12:53
高妻とか乙妻とか。
そんな元気ありません…
2021年02月21日 12:54撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 12:54
そんな元気ありません…
Nishidenさん到着!
2021年02月21日 12:55撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
4
2/21 12:55
Nishidenさん到着!
風が強くて這っていないと居られない。
2021年02月21日 12:56撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 12:56
風が強くて這っていないと居られない。
火打山をお尻に乗せて、
2021年02月21日 12:59撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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2/21 12:59
火打山をお尻に乗せて、
2021年02月21日 12:59撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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2/21 12:59
火口に下行。
2021年02月21日 13:13撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 13:13
火口に下行。
見下ろす。
素晴らしい眺め。
2021年02月21日 13:27撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 13:27
見下ろす。
素晴らしい眺め。
大雪原。
2021年02月21日 13:37撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 13:37
大雪原。
爆風なのです。
2021年02月21日 13:37撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
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2/21 13:37
爆風なのです。
ご褒美タイム!
2021年02月21日 14:06撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
3
2/21 14:06
ご褒美タイム!
滑る斜面を眺めるNishidenさん。
2021年02月21日 14:09撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 14:09
滑る斜面を眺めるNishidenさん。
シンモンさんもスキー発進。
2021年02月21日 14:11撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
3
2/21 14:11
シンモンさんもスキー発進。
シュプール!
2021年02月21日 14:11撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
5
2/21 14:11
シュプール!
貸し切りゲレンデです。しばしNishidenさんの滑走。
2021年02月21日 14:12撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
4
2/21 14:12
貸し切りゲレンデです。しばしNishidenさんの滑走。
2021年02月21日 14:12撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
3
2/21 14:12
2021年02月21日 14:12撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 14:12
見納めか…
2021年02月21日 14:21撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 14:21
見納めか…
おまたせ!
2021年02月21日 14:28撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2/21 14:28
おまたせ!
重荷…
2021年02月21日 15:16撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
1
2/21 15:16
重荷…
ほんとに見納め。
2021年02月21日 15:16撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
2
2/21 15:16
ほんとに見納め。
さらばじゃ。
2021年02月21日 15:16撮影 by  PENTAX K-30 , PENTAX
3
2/21 15:16
さらばじゃ。
もう直ぐ温泉街が見えてくる。
2021年02月21日 16:05撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2/21 16:05
もう直ぐ温泉街が見えてくる。
雪上を止まり切れず、露出道路にスキーで出てこけるの図。
実は同じ過ちを先に起こし、後続もこけたので、倒れたまま写した、目糞鼻糞笑うの図。
2021年02月21日 16:11撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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2/21 16:11
雪上を止まり切れず、露出道路にスキーで出てこけるの図。
実は同じ過ちを先に起こし、後続もこけたので、倒れたまま写した、目糞鼻糞笑うの図。

装備

個人装備
長袖シャツ 長袖インナー ハードシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ アウター手袋 予備手袋 防寒着 雨具 ゲイター マフラー ネックウォーマー バラクラバ 日よけ帽子 毛帽子 着替え ブーツ ザック ビーコン スコップ ゾンデ 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 針金 ガムテープ 常備薬 日焼け止め 保険証 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック ナイフ カメラ ビンディング スキー板 シール ピッケル ポール テント テントマット シュラフ

感想

1日目: 夜勤明けのシンモンさんとお昼前に笹倉温泉に到着。この時点で天気は良いのだが、樺太辺りに強めの低気圧があり、そこから伸びる前線が夜にかけて通過の予定。そして気温が高く、全国的に風が強く、北陸では春一番になっていた。イグルー作りには気温はマイナスであることが望ましいとのこと。いや、標高1000mを越えて夜間でもそうなりそうにない...

トレースは出来ていたので順調に進み、標高1000mを越えてアマナ平。まだ午後2時半ほどで時間的余裕はあるのだが、焼山山頂には雪煙があがり、予報でも強風なので、台地にはあがらずここで泊まろうと、トレースを外れて緩い丘に上がって宿泊地を定めた。

イグルー作りは、僕が内側、シンモンさんが外側を担当して進行。僕は足元からブロックを切り出しながら掘り下げるが、踏み固めた雪からの1層目、その下の2層目はブロックが取れたが、その下はザラメ層で固まらない。早々に資源枯渇してシンモンさんからのブロック補給を待つ。シンモンさんにしてもなかなかいいブロックが掘り出せず、取れても割れやすい。上部へとすぼめて行くのも技術不足で上手くいかない。こんな調子で2時間位かけてやっと完成。一応形にはなり、中も快適、夕食宴会も楽しく、立派なベッドで就寝についたのだが...

真夜中に顔が冷たく感じて起きたらば、雨が降ってきている。イグルーの中なのに何で?? え、屋根がない、ライトを点けると、僕の下半身は雪に埋まっていた。イグルーは崩壊したのだ。崩壊の原因は、先ず雨で雪の構造が緩んだことだが、初心者2人の作ったものにも弱点が多々あった。断面真円でなくゆがんだ部分があり、ブロック間の隙間も沢山あり、作ってはいけない十字の継ぎ目も随所にあった。結局保険で持ってきたシンモンさんのテントに逃げ込むことになった。

2日目: 翌朝テントを置いて出発。湿り雪に昨日のトレースを辿って行くが、台地に上がり、標高1300mを越えると乾いた良い雪になって来た。焼山に火打山も見えて気持ちいいが、昨日以上に派手に雪煙が上がっている。そして僕らにも強い風が当るようになってくる。標高1500mを越えて大曲辺り、先行トレースは薄れて辿る意味がなくなる。標高1800m辺りで大きな溶岩溝に近づき、堅雪も出てクトー装着。溝を越えて標高2000mで樹木限界、そこでアイゼン・ピッケルに換装。シートラでは風に煽られるのでスキーデポとした。

これより上でスキー無理となっても換装・デポ作業が難しくなるだろうとの判断だったが、その後標高2150mの火口壁までツボ足ごぼりまくりで、ここまでスキーで来れて火口壁一端の窪地にデポもできたのだが、結果論。火口内もごぼり箇所はあったが、アイゼン快適斜面も増えて、最後は露出夏道を辿って2400mの山頂に達した。

ここまでスキー、ツボ足とも相当のラッセルがあり、休憩後一度は僕が先行するが、交代してからはラッセルのシンモンさんに僕が追いつかないために長々と引いてもらうというパターンの繰り返しだった。シンモンパワーに感謝。

山頂でも絶景だったが、爆風で長居は禁物。しんどかった深雪登り道も下りはズボズボキックステップで楽々。そしてスキーに戻れば快走が続く。焼山がどんどん遠ざかり、標高1300m辺りまで下りてくると、軽くクラストしているが緩斜面でゆっくり曲がれば大丈夫。台地端からアマナ平に下りるところは、朝はレインクラストだったが、すっかり緩んで曲がれる雪になっていた。標高2000mのデポ地から1000mのテントまで30分足らずで到達。

テント撤収+コーヒーブレークで1時間ほど過ごし、最後の下り。重荷になって腐れ雪でどんなに苦労するかと心配していたが、ここも最悪雪ではなく、そう破綻せずに笹倉温泉へと帰り着いた。

冬にどうしても行っておきたい山。火山活動が活発になりいつまた登山禁止となるともしれない。
気合を入れればワンディも出来るのかもしれない。
折角の好天続き、泊まりに行きたい。しかし自分が土曜夜勤明けということもあって土曜は中途半端な時間しかない。相談の結果、台地でのイグルー泊を試してみようとなり、そのうち風の加減から台地ではなくアマナ平での試行となった。

さてイグルー泊。それぞれネットなどで学習しNishidenさんは試しに麓で作ってみたと言う。自分は先日ザラメ雪で積み上げてみたが、崩れやすいザラメ雪では傾斜をつけることができず屋根まで至らず。
今回作ってみて分かったことは、二人以上(中1、外2くらいが理想か)で作ることと良い雪が取れる場所を選ぶことが肝心だと分かった。
あとは傾斜は二段目からすぐに付けなくてはいけない。5-6段で球体にするのだから一回で15度くらいは傾斜が必要。また円周は狭まっていきながら角度が付くのでブロックは微妙な角度のついた六面体になる。

完成したイグルー内で無事に夕食を終えて就寝。風は強いがびくともしない(ふさがっていない小穴から隙間風は入る)。おーさすがだーと思いながらうつらうつらしていると、ぽちゃん、ぽちゃんと音がする。どうも水滴がシュラフに落ちてきているようだ。煮炊きしてる訳でもないのにどうしてかなーと寝ぼけながら考えて居たら突然バサーっと屋根雪が落ちてきた。と、同時に雨・みぞれ・強風のコンボ。雲が出るとは聞いていたが降るのか…しかも雨!
テントと違いイグルー内では雨音は聞こえないらしい。水滴は隙間から雨が漏れてきていたようだ。
自分はシュラフから抜け出せたが、Nishidenさんは顔は出ていて喋れるが動けない。雪をどかして埋まった荷物の確認をして、すぐにイグルーの横を新たに整地して予備で持ってきていたテントを立てた。ビシャビシャになったシュラフを抱えてとりあえず避難し、1.5人用テントに身を寄せて夜を過ごした。雨音と風はうるさいがテントが上から崩れることはない(笑)。

さて、翌朝。5時半に起きて崩れたイグルーの残った壁の中で風よけをして煮炊きし朝食。テントはデポして出発。
快晴だが、春一番が吹き荒れている。天候はいいので特に問題なく進む。
大曲で休止。ここより上ではさらに風も強まるだろうから、電熱線ゴーグルに変えて一枚ミドルを加える。
溶岩溝を超えて火口への入り口の岩峰下の樹林が切れるところでスキーはデポした。
このあたりの判断はNishidenさんに従う。斜面途中でクトーも効かないカチカチ斜面になってスキー登行不能となった時に、吹きさらしの斜面ではスキーはデポ出来ないし強風下でシートラでは歩行も困難。このデポ地が今日の風では正解だった。
アイゼン・ピッケルに換装して岩峰へ向かう。
アイゼンラッセルは慣れていないのと急斜面のピッケルワークもいまいち。Nishidenさんに指導してもらいつつ登った。岩峰下に入るまでの斜面が膝ラッセルと爆風でとにかく心も体も削られた。
岩峰から先は比較的固く締まった雪で登行は楽になった。しかしこの滑り台は落ちるとほぼ間違いなく外輪の一部の岩にぶつかって命取り。気を付けて一歩、一歩…
火口に降り立つがさてどこから登ろうか。一応夏道の岩場を偵察に行った。雪付きは少なく登れそうだが、近寄ると強烈な爆風で立って居られない。これは危ない。
引き返して外輪直下の斜面をまたまた膝ラッセルで登りあげてようやく外輪にたどりついた。
外輪に出ると夏道の地面と雪のミックスになる。あぁ楽できると思ったが、ピーク近くではこれまた爆風で這って進むところも出てくる。
ピークでは雲ひとつなく360度の展望が得られた。が、落ち着いて写真を撮れるような状態ではない。
なんとか撮影し(しかし水滴でボケたものばかりになってしまった…残念!)下山へ。
アイゼンでも下りは早い。あっという間にデポ地にたどり着きスキーに換装する。
溶岩溝は一番上をトラバースすると段差なくあっさりと台地の真上に復帰できた。
ここからはご褒美タイム。1450くらいまでは雪が生きていて楽しく滑走できた。
宿泊地に戻りテントや宿泊装備を片付け、Nishidenさんにコーヒーとおやつをごちそうになった。
下山は20kgを超える装備での滑走で膝がガクガクになりつつも無事笹倉温泉にたどり着いた。
とてもよい登山になった。

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