蓬莱山〜小女郎ヶ池〜法華山東尾根〜薬師の滝☆春霞の南比良
- GPS
- 02:51
- 距離
- 8.6km
- 登り
- 970m
- 下り
- 950m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ホッケ山東尾根は一般登山道なし、ca900mのあたりは倒木集中地帯あり |
写真
感想
この日の朝は完全に出遅れる。いつもの権現山登山口からの出発であれば良かったのだが、薬師の滝の登山口から登り始めた時点でかなり空が明るくなっていた。左手の薄暗い谷間から薬師の滝の滝音を聞きながら植林の中を登ってゆく。
峠の手前で何箇所が展望が開ける地点があるのだが、背後に見える眺望に違和感を感じながらもその理由がしばらくはわからないかった。小女郎峠が近づいたところでその理由がわかる。霞が著しくて、琵琶湖の対岸の景色がよく見えないのであった。
登山口から小女郎峠の展望地までの時間を読め違えていたこともあり、峠にたどり着いた時にはすでに蓬莱山の東尾根の肩から朝陽が昇ってゆくところだった。展望地に到来すると、琵琶湖に朝陽の反射が始まっており、赤銅色に染まった湖面の先には鯨のような沖島が浮かんでいる。ここからは南に法華山、その彼方には比叡山を望のだが、比叡山もシルエットすら朧げだ。いつもは重畳たる北山の山並みの彼方に望むはずの愛宕山は全く見えない。
小女郎峠からはわずかにひと登りで蓬莱山だ。蓬莱山は流石に風が強く、急に寒さを感じるようになる。スキー場の営業が終了した早朝の蓬莱山には人の気配はない。山頂からは伊吹山や霊仙といった山々はおろか琵琶湖の対岸すら霞でよく見えない。百里ヶ岳、三国岳といった江若国境の山々の展望は望むべくものない。武奈ヶ岳、釈迦岳のシルエットを確認すると風も強いので、早々に下山の途につく。
小女郎ヶ池に寄り道すると、ここは普段、風の影となっていることが多いのだが、この日もそうであった。池の水面にはわずかにさざ波が立っている。池を周回するにつれ水面に反射する空の色が移り変わってゆく。池の周辺の草木は相変わらず冬枯れのままではあるがあとひと月もしないうちに色が一変することだろう。
池の南西の丘陵から池と蓬莱山を望むと、丈の低い笹原の中を鹿のトレースを辿って稜線に向かう。この日は法華山の東尾根を辿るつもりなので、まずは法華山のピークを目指す。ところで、この山はなぜか一般的にホッケ山と片仮名で記され、美味しい北海の魚を連想することになるが、どう考えても本来は法華山であった筈である。片仮名に違和感を感じるのは私だけではないだろう。
法華山で地図を確認しなかったせいもあり、南東へ伸びる縦走路を降り始める。登山道を離れて尾根に入ろうとしたところで下降する尾根を間違っていたことに気がつく。東尾根は山頂からすぐに稜線を離れて東に下降しなければならなかったのだ。再び山頂に登り返して、目当ての尾根に入る。
東尾根は最初こそ自然林の尾根ではあるが、すぐに檜の植林となる。微かではあるが、尾根上には薄い踏み跡が続いている。ca900mから850mあたりだっただろうか、尾根には倒木の集中地帯となる。真新しい鹿の踏み跡を追うと倒木の間を抜けることが出来るが、倒木を越えなければならない羽目に陥ると煩わしいところだろう。
Ca680mのあたりから薬師の滝の登山口に下降する尾根が左手に分岐するが、最初は尾根の形がわかりにくい。もう一つ左手の尾根かと思って余計なトラバースをしてしまったが故にGPSのログが乱れることになった。
今回、このルートを選択したのは一月の下旬の山行で失くしたトレッキング・ポールの先端部を回収するという目的があったのだった。山行後、yamapのユーザーの方からポールの先端部が堰堤を渡渉したところにあったとのお知らせを頂き、もう一度同じルートを辿ったつもりが前回はどうやら渡渉した堰堤を間違えていたのだった。今回はドンピシャで堰堤の右岸に下降するのだが、残念ながら失くしものは見つけることが出来なかった。
折角なので再び薬師の滝に立ち寄る。今更ながらに南比良は霊仙、権現、法華、蓬莱と仏教に因んだ山名が多いことに思い至るが、この滝名もその流れなのだろう。一般に薬師の滝として知られるのはその中段の二段の滝であり、さらにその下段、上段にも小滝を従える。いずれの滝にも滝道があるので、滝下にたどり着くのは困難はない。
大津日赤の志賀病院の前を過ぎて途中に向かう県道沿いには桜並木があり、南比良の好展望が広がるところでもある。桜は五分咲きといった感じだが、来週には満開になることだろう。
※ 私の落し物に気がつかれたyamapユーザーの方はその後ご親切にも私が見つけられなかった落し物をわざわざ拾いに行って、届けて下さったのでした。深謝に堪えません。
こんにちは。
朝焼けのきれいな景色ですね。
霧の小女郎ヶ池とはまた違った雰囲気も素敵です。
私も昨日この辺りを通ったのですが、いつも小女郎峠やホッケ山から琵琶湖側へ下るルートが気になっていました。
登山道の状況、登山口あたりの駐車スペースなどどんな感じなのでしょうか?
そのうち行ってみたいな・・・と思っています。
Naojnさん コメント有難うございます。
今回のレコでは小女郎峠への登山道の様子のことなどは詳しく書いておりませんでした。
この谷の両側は植林となっていて、比良の琵琶湖側の登山道と同様、かなり上のあたりまで植林の中を歩くことになります。小女郎峠を越えて葛川側の坂下とを結ぶ峠越えの道であり、古道が所々で残っているのが栗原から権現山への登山道との違いだと思います。
登山口へは蓬莱の駅から西に入る道をすぐに右手に曲がるとあとは一本道で、登山口まで舗装されています。ただし、道には杉の枝葉が散乱しているかもしれません。4台ほどの駐車スペースがありますが、権現山の登山口と異なり、ここから登る人は少ないと思います。
このルートの魅了はなんといっても薬師の滝だと思います。注意深く見れば上段、下段の滝にも滝道がついているので、行かれることがあれば覗いて見られては如何でしょうか。
もしも今回、私が辿ったホッケ山東尾根に行かれるならば、薬師の滝へと下る最後の急下降が厳しいと思うので、登りで使う方がいいかと思います。あるいは先日、私が辿ったように植林の中をトラバースして権現山の登山口に戻る・・・という方法もあります。
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