根子岳・四阿山〜花の百名山と本家百名山の周遊コース
- GPS
- 06:13
- 距離
- 9.9km
- 登り
- 966m
- 下り
- 968m
コースタイム
【実働】4時間48分
天候 | 曇り一時晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
駐車場は菅平牧場の各駐車場が利用でき、最上部の第一駐車場は登山口のすぐ脇。 途中、料金に関する看板があるが、登山に向かう上では徴収施設らしきものはない(オフシーズンのためか?)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【コース状況】 登山道は全コース明瞭で、道標も随所にあり問題ない。 ただ、四阿山山頂付近の道は、環境再生のため最近一部付け変えられたようで、鳥居峠や四阿高原へ下る分岐も以前とは違っている。 現時点ではまだほとんどの地図でその辺りが反映されていないものと思われるが、道標に従って行けば目的地を誤るようなことはなさそう。 道は牧草地沿いや笹原など樹林帯以外の部分が多く、見通しが利きやすい反面、風や直射日光の影響をストレートに受けることになる。 大部分が岩混じりの黒土の道で、極端な段差は少なく総じて歩きやすいが、黒土は濡れているとかなり滑りやすいので注意。 なお、根子岳から四阿山への稜線上、特に四阿山へ登る樹林帯で、最大5cmくらいの積雪があった。 【水場・登山ポスト等】 水場は最後の大明神沢のみ(導水管で水を引いているので飲用可能と思われる)。 登山ポストは菅平牧場登山口に、登山者カウンターは菅平牧場登山口とダボス牧場登山口にそれぞれ設置されている。 【周辺施設・温泉】 日が高いうちなら牛乳やアイスクリームなどが牧場の売店で味わえそう。 飲食店は国道沿いに数軒。 下山後に一風呂浴びるなら、ダボス入口の菅平プリンスホテルに日帰り入浴(21時まで、500円)の案内看板が出ている。 他にも近辺には「天然温泉の宿」と看板を出している宿泊施設も多い。 日帰り立ち寄り湯となると、いずれも国道をかなり下ることになるが、須坂側には"湯っ蔵んど"、上田側には"ふれあいさなだ館"がある。 【根子岳山頂からのパノラマ展望図】 http://www.kashmir3d.com/panomaga/htmlview.cgi?20010404 |
写真
感想
早朝にチェックしたピンボイント天気予報では、上田市・須坂市は朝一からずっと晴れのはずだったのに、9時半頃の登山口上空は一面に雲が広がり青空は全く見えない。5年前に同じコースを歩いた時は、ずっとガスがかかって全く展望に恵まれなかったので今回こそはと思ったのだが、予報とは所詮当てにならないものだ。
駐車場には先に7台の車がありほとんどが県外ナンバー。百名山としてはかなり容易に登れる四阿山は、オフシーズンといえどもそれなりの人気がある。
登山届を書いてまずは真正面の根子岳を目指す。しばらくは菅平牧場の有刺鉄線の囲いに沿ってのほぼ直線的な登りで、なぜか不思議にみな同じ方向を向いている牛たちを横目に、自分のリズムを作りながら足を進める。実は5年前に来たときは、まだいくらも歩いていない段階で自分で自覚できるほど血圧が上がってしまい、足は進まないわ、途中で吐いてしまうわで、休み休み何とか全コース完踏はしたものの、ずいぶん同行の仲間たちに迷惑を掛けてしまっていた。そのリベンジトライでもあるのだが、今回も少々頭痛がする。ここでの気圧変化の度合に余程体が馴染まないのだろうか…。
牧場の敷地を過ぎると、ほぼ落葉しきったシラカバの中の道となる。何日か前に降ったのであろう雪の解け残りが、高度が上がるにつれしばしば見られるようになる。出発から1時間弱で推定1,992m標高点の小ステージに着き、無理をせず休憩を入れる。頭痛は治まってきたが、空はまだ一向に雲が切れず気分は高揚してこない。
また歩き始めてまもなく、早くも上から下りてくる3人パーティーと出会う。雪の状況を尋ねると、根子岳まではいいが、その先はかなり雪があるので、諦めて下りてきたのだとのこと。一応スパッツは用意してきたが、この話を聞いて少々心配になる。
だんだん周りが笹ばかりになり、一本木の立った偽ピーク脇を過ぎると、程なく平たい石が支配する広い根子岳頂上に到達する。雪の量は大したことないが、風が冷たいので久しく使ったことのなかった雨合羽を着込み、ついでにスパッツと軍手も装着する。次に目指す四阿山の頂上は未だガスの中で、周囲の展望も近いところだけなのは残念だ。天気予報の早期実現を願いつつ早々に出発する。
稜線上の巨岩地帯を過ぎると鞍部までは一面の笹の原で、先の道がしっかり見えて足取りも軽やかになる。だが、スキー用のスパッツのゴムが経年劣化しており、すぐにずり落ちてくるのが誤算でどうにも邪魔くさい。
コメツガ樹林の四阿山への登りに入ると、再び雪を踏むことが多くなる。男性3人のパーティーとすれ違った際、この先雪の量は3倍くらいあると言われたが、1〜2cmの3倍くらいならたかが知れているということか?実際、北西向きで樹林帯の中の道はその先ずっと雪道ではあったが、すでに何人もの登山者に踏まれていることもあり、普通に歩くのには全く支障なかった。
傾斜が緩やかになるとすぐに帰路となる中尾根分岐前に飛び出す。その先は樹木の陰にならないので雪は少ない。やがて頂上直下に立派な木段が現れる。登り始めるとすぐ右に木段が分岐し、鳥居峠へのルートであると示す道標があるが、手持ちの地図上ではこんなところに分岐はない。以前来たときには記憶にないため、どうやら近年になって造られたコースらしい。理由は山頂付近の環境再生を図るためのようだ。
木段を登りきると間もなく頂上の一角にある信州祠、次いですぐに上州祠と2,354.9米の山頂標柱が立つ四阿山頂上に達する。
稜線上では計6人の登山者とすれ違ったが、頂上には誰もいない。登っている間に頂上付近のガスは払われたようで、後方の根子岳の全容、南東側に田代湖をはさんで噴煙を上げる浅間山も何とか見えている。根子岳ほどではないにせよ、ガスを吹き払った風は結構強い。昼食にしたかったが、風を遮る所がないのでもう少し我慢することにする。
荷物を置いて、すぐ先の2,332.9m三角点ピークを往復する。途中の露岩部にコース唯一の鎖を見るが、もとより頼ることもなく、片道5分程度である。細長い頂上の四阿山は、三角点ピークから見ると均整の取れた三角錐に見える。それとこれまでの稜線の向きから知らぬ間に90度折れているせいか、群馬側の方向に違和感を感じる。方向感覚の違和感は、NHK百名山のビデオで「信州祠は長野県側を、上州祠は群馬県側を向いている」と言っていたのが先入観としてあったせいもあると思う。実際には「両祠はそれぞれの県に背を向けている」というのが正しい。つまり、拝む側が対応する県の側を向くというわけだ。
もう少し遠望が開けないかと寒い中30分ちょっと粘ってみたが、あまり変化がないので下山を開始する。来た時は気づかなかったが、信州祠は観音開きの扉が両方ともはずれてしまっており、中が剥き出しだ。もっとも上州祠の方も扉は付いてはいたものの、朽ちかけているには違いない。少しはお賽銭を置いてくるべきだったか?
中尾根分岐に入った頃、根子岳の上空辺りにようやく少し青空が見えてくる。そして下るにつれその面積は大きくなり、ついには中尾根にも日が射してくる。ガスさえなければ下山路は総じて先の見通しが利き気持ちよい。が、もう1時間早くそうなってほしかった…。
中尾根分岐から少し下ったところに、これも地図にない四阿高原コースへの巻き道がある。四阿高原コースへ合流する分岐はもう一ヶ所中四阿の下にもあって、こちらは地図にあるとおりである。その2つ目の分岐を過ぎ、両側にシラカバとダケカンバが混生する平坦な場所で遅い昼食休憩を取る。地点としては、地図上の1,992m標高点の少し手前辺りだと思われる。風はなく、日差しは温かい。下からはのどかに牧場の牛の鳴き声も聞こえてくる。
ここで雨合羽とスパッツをはずす。合羽はウィンドブレーカーとして役割を果たしたが、スパッツはずり下がってばかりで泥まみれになっただけで結局何の役にも立たなかった。紅茶を沸かして飲み終えた頃、また雲がかかってきて薄ら寒くなってきたので、最後の下りに取り掛かる。
シラカバ樹林の中の下りはさほどきつくはないが、先日の妙高山からの下りで痛めた右足小指がまた痛み出した。絆創膏を巻いてあったのだが、帰宅後見てみると、小指の爪が完全に浮き上がり剥がれ落ちる寸前であった。今後の山行意欲に少なからず影響しそうである。
やがて道は右に折れ、一旦緩やかで車の通れるような広い林道状となる。途中その道を半分ふさぐように中途半端な木柵のようなものがあり、その手前から左の大明神沢の方へ下る。沢の橋を渡りしばらく沢沿いを進むと、牧場の柵、次いで四阿山の頂上からも双眼鏡で見えた牧舎の右上を通り、ダボス牧場登山口に下り着く。駐車場へは舗装された牧場内の管理道路をわずかの距離だ。
出発が遅く、のんびりもしていたため、駐車場に残っていた車は自分の車だけだった。また完全に曇って16時頃ともなると、周囲はもう結構薄暗さを増している。雲が空をふさいでいたせいで街の騒音がこもっていたのか、今日は終始雷のようなゴローンゴローンという不思議な音が聞こえていた。天気予報には裏切られたが、登り始めに心配した体調もその後は問題なく、前回よりは景色も見えたしまずまずだったかと思う。
自分には雪山に登ろうなどというズクはないので、2,000m級の山に登るのは今年はもうこれで最後だろう。まあ雪山を眺めて楽しむことができる適当な里山を探すのも、これからの季節また楽しかろう。
こんにちわ。
根子岳は近いので一年を通じてよく登りますが
冬以外の料金徴収がちょっとネックです 。
レポを見ますとsogenさんは今回は徴収されなかったですか?
こんにちは。コメントありがとうございます。
賑わうシーズンにはやっぱり料金が徴収されるのですね?
徴収施設が見当たりませんでしたが、車を停めると係員がやってくるのでしょうか?
根子岳は2回目で、以前2003年10月28日にも仲間と登ってますが、その時も看板はあれど料金の徴収はありませんでした。
10月はもうシーズンオフということなんでしょうかね…。
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