伊予ヶ岳〜富山 南総里見八犬伝を読み始めたばかりに


- GPS
- 05:08
- 距離
- 13.8km
- 登り
- 901m
- 下り
- 948m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
写真
感想
ある山に登ろうと計画している時、資料として読む本とは別にその山が出てくる小説なんかを読むことがたまにあります。作品によって描写の幅は千差万別ですが、とにかく気持ちが上がる効果は確実にあると思っています。
今回読んでいたのは、「南総里見八犬伝」現代語訳でした。この物語は完全に曲亭馬琴の創作ですが、舞台の関東の山々(変名も含み)がいくつか登場します。最初の目的はその中の化け猫が出てくる某山でしたが、読み進むうちに‘そもそも物語の中でも一番重要な富山(とみさん)に行かないのはどうなのか?’という疑問が湧き始めたら止まりません。とうとう時間を作り、夏近い暑さの中での低山登山を敢行してしまいました。それと単独だとあまりにも味気無いので、以前勧められていた伊予ヶ岳が隣接しているので繋げて歩いてきました。
‘八犬伝’後半を読みながら、電車を乗り継ぎ那古船形駅へ。残りはあと数頁。山上で終わらせる為に数頁はとっておく。駅から平群地区まではバスを利用する。
麓の平群天神社からスタート。40分ほどで比高200mを踏破する。これくらいだと山城跡のレベルか。それと明らかに違うのは最後の登り。鎖場ならぬ長々とロープ場がある。かなりアスレチック度が高く、途中ザレている箇所もあり案外気が抜けない。登り降りのすれ違いも慎重になる。
一気に登ると南峰山頂。下から見えていた岩場の上が鎖柵に囲まれた一人分の展望場になっている。少し頑張れば誰でも登れる山ならではの安全対策なのだろう。その証拠に次から次へと人が登山者がやって来るので、早々に場所を譲って先を進む。
三角点のある山頂の北峰は誰もいない。南峰がよく見える。少し下がった場所に祠があるのでお詣りする。このまま来たロープ場の道を戻ってもよかったが、山頂部を巻く道があったのでそちらを行く。ぐるっと廻って肩の東屋に戻り、そこから富山へ向かって山を下る。
六地蔵登山口を抜けると、富山の鞍部までずっと舗装路歩き。ちょうどお昼時の炎天下でとにかく暑い。緩やかな丘を越え、入口を少し迷ったりしながら、九十九折の車道を登る。
案内板がある鞍部を通って、富山山頂到着。三角点からは西側の山々の景色が眺められる。一段下がった広場は中学生らしき団体のランチタイムで占拠中。その横を通って展望台に上がる。そこからは東側、すなわち岩井の街を眼下に東京湾が一望出来る。空気が澄んでいれば富士山や伊豆大島も望めるらしい。
鞍部に戻る。東屋があり岩井の街が望める。脇に‘里見八犬士終焉の地’が。東屋で残り数頁を読み切る。確かに最後に富山に隠遁して終わっている。自分的にも一応の大団円。
予定していた籠穴コースが道の崩落の為に通行止めになっていたので、仕方なく福満寺コースから降る。(後から山頂から尾根コースが最短だったのを知る)丁寧に合目標石が設置してある。
登山口からはまた炎天下の車道歩き。せっかくなのでぐるっと廻って伏姫籠穴へ。あくまでも八犬伝は創作なので後付けなのだが、現代のアニメなんかの聖地巡礼の先駆けのように思えてくる。
伏姫八房の像がある岩井駅にゴール。
岩場好きとしては、いつか伊予ヶ岳は行こうと思っていましたが、まさかこんなタイミングになるとは思わなかったです。夏の低山はやはり厳しいですね。とりあえず八犬伝の衝動も一旦収まり、次の某山の計画を立てております。
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