命の存在を意識させる山 御嶽山 (長野 王滝 田の原ルート) 剣ヶ峰〜ニノ池〜摩利支天乗越
- GPS
- 09:44
- 距離
- 13.4km
- 登り
- 1,211m
- 下り
- 1,200m
コースタイム
06:25 大江権現
06:37 あかっぱげ
07:00 八合目避難小屋
08:30 王滝頂上
08:36 御嶽教御神火祭斎場
09:00 剣ヶ峰(小休憩) 09:15
10:15 ニノ池(昼食、小散策) 11:15
12:00 摩利支天乗越(散策) 12:30
13:00 ニノ池本館前
13:35 御嶽教御神火祭斎場
13:40 王滝頂上
14:00 奥ノ院(勘違い)
ライチョウ観察
14:35 登山道合流
15:08 八合目避難小屋
15:24 あかっぱげ
15:35 大江権現
15:50 登山口
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
木曽町の[b]元橋[/b]交差点を左折し、[b]県道20号線[/b]を進む。 [b]黒沢[/b]交差点を左折し、[b]県道256号線[/b]を進む。 通常ならば、この先は標識等に従って田の原駐車場まで問題なく行けますが、 現在、県道256号線で工事が行われており、御岳湖手前に迂回路の案内看板が設置してあります。 看板に従ってその場で左折、御岳湖南の湖岸道路を進み(5〜6km?)赤い橋を右折、 王滝中心部にて県道256号線に合流します。迂回路は問題のない走りやすい道です。 その後は通常通り、案内標識等に従って目的地まで行けます。 自分と同じく、夜に現地まで行かれる方も多いと思われます。 案内看板を見落とさないよう、気をつけてください。 田の原駐車場は無料。敷地面積は広く、何台まで停められるかは分かりませんが、 停められないことはなさそうです。 当日は2:00に到着しましたが、埋まり具合は六〜七割だったと思います。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●コース図● GPS端末が拾ったルートです。 ●登山ポスト● 登山口右手のトイレ前に登山ポスト・記入用紙が設置してあります。 ●トイレ● 田の原駐車場に複数、各山小屋にトイレがあります。 山小屋のトイレ使用には協力金が必要です。 ●登山道の状況● 【登山口〜森林限界(金剛童子手前)】 大江権現までは斜度も低く、比較的歩きやすいです。 それより上は木材を使った階段が所々に設置してあります。 ザレているので、雨の有無に関わらず滑りやすいです。 【森林限界(金剛童子手前)〜王滝頂上】 火山岩を含む大型の岩がごろごろしています。 スリップ(特に下山時)や浮石に注意が必要です。 【王滝頂上〜剣ヶ峰】 ガレキの道です。何だか長く感じます。 最後の階段が何だか疲れます。 【剣ヶ峰〜(一ノ池周回)〜ニノ池】 大型の岩がゴロゴロしているところを進みます。 大きい割りに浮石だったりもするので要注意です。 意外に急な下りや登りもあり、転倒がそのまま滑落になる恐れがあります。 ガスが出そうな時は通らない方が無難です。 【ニノ池〜賽の河原〜摩利支天乗越】 ガレキの道です。ニノ池新館から賽の河原にかけて急な下り(岩)があります。 賽の河原から魔利支天乗越にかけては坂道になっており、下りはよく滑ります。 賽の河原とその周辺は濃いガスに覆われたら、かなりの率で進路を見失いそうです。 【ニノ池〜御嶽教御神火祭斎場】 ガレキの道です。途中、何箇所か分岐があります。 間違って黒沢方面へ進んでしまうと、戻るのが大変なので注意してください。 王滝・田の原方面へ進むと、御嶽教御神火祭斎場の脇に合流します。 そこまでの道中、左側は崖なので注意して進んでください。 【王滝頂上〜奥ノ院(の手前)〜本ルート合流】 ガレキの道です。ロープが張ってありますが、ガスが出そうな時は通らない方が無難です。 人気が無いので、根拠なき予感はありましたが、この道中でライチョウに遭遇しました。 ●コース全体の印象● 天候に恵まれた場合は問題ありません。ロープ、ペイントもあり、道も分かりやすいです。 ただ、一旦ガスに覆われると状況は一変すると思われます。 最低でも地形図、コンパスは必要です。 ●下山後に立ち寄った温泉● [b]おんたけ休暇村 こもれびの湯[/b] 鉄分を多く含んだ黄土色の炭酸泉で、見た目のインパクトも強いです。 http://ontake-kyukamura.net/spring/ |
写真
感想
かつてこの山は、富士山に匹敵する標高の成層火山だった。
太古の時代、火山活動による大爆発で山の上部が崩壊し、現在の姿が形成されたのだという。
それから何万年も経過し、現在に至る...
実は、帰りに寄った温泉でその類の話を小耳に挟み、気になっていた。
少しだけ調べ、それを初めて知った。あの独特の山容には、それ相応の成り立ちがあった。
無知だからこそ、知り得たときの感慨は大きかったのだと思う。
先回は小坂から摩利支天山まで歩いているので、今回の目標は摩利支天乗越に建っている御社とする。
実は三日前に伊吹山を歩いた翌日から、左膝に違和感が生じている。
昨日の時点で大して気にならないところまで治まったので、痛み止めテープを貼り、
『少しでも悪化を感じた時点で下山』を自分との約束として決行することにした。
いつもよりもゆっくりめのペースで、久しぶりに2本の登山杖を駆使して左膝をかばいながら歩く。
高山病の予兆もなく順調な滑り出し。青空と王滝頂上山荘を見上げつつ歩を進める。
ただ、天気は悪くないのだが景色が霞んでいる。昨年のような見事な雲海がないのも残念ではあった。
特に問題もなく剣ヶ峰に到着。実感する様な疲労も痛みも今のところはない。
小休憩後に一ノ池方面からニノ池を目指す。
急な岩場は、不安を有する今日の自分に躊躇をさせる存在だったが、やはりこちらを周って正解だった。
右手に広がる一ノ池。だだっ広い荒涼な空間に、こちらまで空っぽにされそうな感覚...
何もないはずの空間に感じる巨大な存在感が不思議だった。
そして左手に広がる地獄谷の様相、それはおおよそこの世のものと思えぬ荒々しさ、険しさ...
自分の持ち得る語彙で、この程度のありきたりな表現しか出来ないのがもどかしい...
他に具体的な表現が思いつかない。それでもあえて言うならば...
視覚によるものだけではない圧倒的な何かに全身を鷲掴みにされた様な...そんな気がした。
小坂の大森林を母と例えるならば、こちらが父なのだと思う。
ニノ池に到着。万年雪の存在がこの池の水をたたえている。
豊かな池の周辺には多くの花が咲き、景色に彩りを添えている。
何となく気持ちの落ち着くこの場所で昼食休憩を取った。
休憩後、賽の河原を経由し、摩利支天乗越の御社に到着。
先月歩いたルートとの合流地点だが、意外に感慨めいたものや達成感は少ない。
左膝が万全だったなら継子岳や三ノ池、それに先月行き忘れた飛騨頂上にも出向きたかった。
だが今回はここまで。楽しみは来年以降に取っておくことにする。
しばらく辺りを散策してから引き返した。
ニノ池本館前を通過し、王滝頂上方面へ向かうルートを辿る。
予定よりも時間に余裕が出来たので、急遽、王滝の奥ノ院を目指すことにした。
御社のある場所で引き返したのだが、今回も帰宅後に判明することになる...
まだ奥があった!前回の飛騨頂上と同じパターンだ!
が、この寄り道は結果的に無駄足ではなかったみたいだ。
ここは人が居なくて静かなのが良い。目を閉じて耳を澄ましてみる。
風の音、鳥のさえずり、少し離れた登山道から遠くに聞こえる人々の声すらも心地良い。
かつて溶岩が流れた跡と思われる谷筋を渡ったところにザックが放置してある。
先に目をやると、一眼レフを構えて座り込む男性の姿が...
ライチョウだ。
実はこの道を歩きながら、ほんの少しだけ期待はしていたが、まさか本当に見られるとは思っていなかった。
それだけに、込み上げてくる嬉しさも大きい。
ところが...人を恐がる様子がない。見る側からしたらありがたいことなのだが、その状況は自然と言えるだろうか?
それとも、人を含めた上での自然の形と考えるべきだろうか?
どちらが正解かは自分には判らない。
こんなことを書いたら鼻で笑われるかもしれないし、バカだと思われるかもしれないが、
実は先月の小坂ルートを下る際、それまでの山行で経験していない特別な何かを感じた気がしていた。
あくまで『気がした』だ。思い込みや気のせいだったかもしれない。
実は今回訪れた理由として、同じ山を反対側から登ってそれを確かめたかったというのも少なからずあった。
そして今回、地獄谷を見下ろした際にも確かにそれを感じた。
昨年には『凄い』以外、特に何も感じていなかったはずなのに。
自身が持つ単体としての命が、この山の持つ集合体としての命とリンクする...
などとおかしな想像までしてしまった。
何だかこの山が巨大な世界に見えると同時に、一人格(間違った表現かもしれないが、他の的確な表現が見つからない)
にも見えた気がした。
(自分でもよく分からないことを長々と書いてしまいました。すみません。)
木曽御嶽山...自分の中で特別な山になりました。
最後まで目を通していただき、ありがとうございました。
雷鳥、かわいいですね。
親子で会えるとは、うらやましいです。
人格としての、御嶽山
わかる気がします。
いろんな命を育む
母性的な存在と、険しい火山みたいな
男性的な側面。
それらの多様な区別すら、全部含んだ上に
超越した存在だなと思ってます。
komakiさん、こんにちは。
早速のコメントありがとうございます。
普段、標高の高い山を登る機会が少ないこともあり、
ライチョウの生息域が含まれる山で訪れたことがあるのは、
この御嶽山だけだと思います。
それを考えたら運が良かったかもしれませんね
雌だったからでしょうか?思っていたよりも小さい印象でした。
それに人を恐れないという話も少なからず認識はしていましたが、
あそこまでとは思っていませんでした。
撮影中の方は、1mまで接近して居られましたよ
小坂からの山行より一ヶ月しか経っていませんでしたが、
今回訪れてみて、本当に良かったと思っています。
言葉や文章だけでは表現し難い、この山の魅力を再認識
することができました。
完全周回もしてみたくなりました。
けど、その場合は山小屋宿泊が必須でしょうね。
今晩は!!
ルート連結制覇おめでとうございます
鈍感な私でさえ、白山と御岳は特別な山という感じがします。
遠くからも、近くからも、人々に強烈な印象を残す山。
登山道を変えれば、別の個性になる山。
興味は尽きませんね 。
写真2:そんな山も恥ずかしがるのですね
写真3:このあけ方、憧れましたが、一度開けてからでないとできなかったです。
写真9:スライドショーで回していてこの解説はやっぱり吹きました。
ライチョウ:何か人間から貰っているかのように人なっこいですね。
写真21:またお会いしましょう。
おはようございます(2:45)yuconです。
なつかCM、思わず噴き出しました
メジャーな山はいいですね、スケールの大きさが全然違います。人間的にも好みの山もマイナーな私なぞは名前と標高を聞いただけで着ていく服まで悩みます(笑)
何万年か前の爆発で上部が吹っ飛び今の姿でしたか。
最近思うのですが「山」って崩れる運命のような気がします、究極は「平」でありそれに向かって少しずつ進化?(退化?)しているのではないかと御池岳のコグルミ谷を見て思いました。
重力と風雪雨により、何万年、何十万年単位で隆起したものが同じぐらいの時間をかけ崩壊するものかと思います。
だからどうした?といわれるとどうもしませんけどね
fuararunpuさん、こんばんは。
ありがとうございます。
やっぱりあの開け方、試されました?
開栓後に出来たとしても、何か不完全燃焼ですよね
前回の小坂の森の時も、今回の地獄谷にしても、
何故か身体が先に反応していました。
感情が後まわしになるかの様な、少し不思議な感覚に
特別な印象を持ったのかもしれません。
まだまだこの山には、気付けていない魅力が数え切れないほど
あるはずです。
興味は確かに尽きません
yuconさん、こんばんは。
ありがとうございます。
あのCMに反応される方が居られるとは思いもしませんでした
さすが、マイナーを自負されるだけのことはありますね
『崩れ行く山の最終形が平なのでは?』という考え方、
とても興味深いです。
地殻変動による大地の隆起をイレギュラーとするならば、
それを正す現象が崩壊ということなのかもしれません。
そのイレギュラーの状況に関わることで、驚くほどの
魅力を感じてしまうというのも不思議なことですね
私も初雷鳥はこの道でした。
登りと帰りに8合目石室避難小屋のところでご対面でして、登りのときは降りてくる人を先導するかのように現れ、帰りの際には食事中に現れて、足元1m未満をヨチヨチ歩きまわったり、砂浴びをしたりしてました。
何かあげたいような、でもやっちゃいけないような・・・結局は悩みながら見ている間にどこかに行ってしまいました。
大きな瞳とコロンとした姿がとっても可愛らしいですね。
チビッ子は見たことがないので、大変羨ましい!!
雷鳥、オオルリ、カモシカ、リス、キツツキあたりは見れると凄く特した気分ですね
最近は昆虫ばかりですので、なんか可愛い生き物見たいなぁ〜
techikoさん、こんばんは。
ありがとうございます。
ライチョウを見られたことはどうやら、高い山域まで赴く
機会が少ない自分にとって、とても運の良かったことのようです
こちらが逆にびっくりするほど人馴れ(?)しているんですね
嬉しかった反面、少し複雑にも感じた部分でした。
珍しい生物、可愛らしい生物、何となくこちらも意識していないと
なかなか出会えない気がします
ニホンザルや鹿はよく目にしますが、イノシシやツキノワグマは
今のところ遭遇していません。
これもある意味、運が良いのかもしれません。
彼等の生息域に踏み込む以上は、こちらも謙虚さを忘れず、
出会った時にもそれなりの知識、対策、行動で最善の行動を
とれるように意識を持つべきなのでしょうね。
ライチョウ、また見たいです。
自分も日本全国に沢山いるファンのひとりに
なってしまったでしょうか
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