井戸沢〜奥新左衛門窪〜東仙波〜惣小屋谷下降


- GPS
- 32:00
- 距離
- 17.4km
- 登り
- 1,420m
- 下り
- 1,410m
コースタイム
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 8:45
- 山行
- 9:27
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 10:35
天候 | 7/18 晴れ /19 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
自転車
・荒沢橋まで自転車、往路から見て、どちらかといえば下り加減が長かったような。 林道は一部ダート、700Cのタイヤでも許容でした。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・荒沢ゲートから先は自転車あっても、あまりメリットないかも。MTB乗りこなせるなら別ですが… ・釣り師が多く入っているため、キンチジミも含め高巻き道がはっきりしています。 ・トラロープも多く設置されている。 ・天場はキンチジミ越えた先から多く出てくる。翌日下山を考えれば、前新左衛門窪先の右岸がいい。広い。自分はさらに上部の左岸にしましたが、河原が削られ、余りいい所ではありません出した。 ・奥新左衛門窪は滝が連続する暗めのゴルジュ。登れない滝は巻ける。東仙波へのショートカットにちょうどいい。伏流してから笹の斜面を行く。けものみち多くコンパスで方角定めて登ること。 ・惣小屋谷は芋の窪という沢を下る。(東仙波を白石山方面に下った広く明るいコルから下る。) ・惣小屋谷本流に出合うと焼小屋沢から下は巨岩の滝となる。巻き道はトラロープ設置されていても足元不安定箇所あり。 ・目印を見落とし、きっと井戸沢出合まで本流通しに行けると思って下ったら、大きな堰堤出てきて行き詰るので、惣小屋谷下部、左岸の大きな土砂崩れ付近で確実に林道に上がること。 ※私は戻り、沢から見上げて林道基部の擁壁(排水の大きな穴がある)が露出した辺りで、ザレの尾根状を詰めて林道に上がれました。 |
その他周辺情報 | ♨は白龍閣まで我慢 ¥500 |
写真
感想
シーズン一発目、毎年そうなのだがもっと早く沢に入りたいと思っているのだが、なんだか休みに天気が合わなかったりする。日帰りというよりも焚火なんかしてゆっくり過ごしたいタイプなので、数日前から晴天が続いてくれないと焚火も燃えず、気持ちも燃えてこない。そんなこと言ってれば、タイミングが合わないのも当たり前かもしれない。
普段、奥秩父入川支流に入渓することが多いけれど、久々に大洞川流域に行ってみたいと思っていた。和名倉沢は下山が難、市ノ沢下降すること多いが、ラストの登り返しが地獄の印象。井戸沢はかなり昔に入渓して、雨だったこともあり、なんだか時間がかかった印象が残っていた。でも今の力なら多分こなせるだろうと信じ、そして調べるうちに浮上してきた支流の『奥新左衛門窪』がよさげだったのでチャレンジしてきた。そして東仙波から派生する尾根もルーファイが面白そうな感じだったけれど、これは次回に取っておいて、沢本数稼げる沢下降で、前回と同じく惣小屋谷下降してきた。
今、記録を書いていて、昨今のコロナ患者桁違いに爆増中なことから、今緊急事態宣言は外出を控えなくてはと強く思うわけで、もしかしたら今シーズンはこれがラスト沢だったりして…
/18 しっかり仮眠したいと思っていたので21時には家を出た。帰りは塩山周辺で温泉だなと思っていたが、念のため現場までの距離を確認すると、なんと飯能経由の方が30キロくらい近いことが判明。そうはいっても山梨モードは変えられず、いつも通り雁坂TNを選択した。大洞川流域かなり久々、標識に従って車を走らせるが、なんだかすごく遠回りをしている感じ。マップルで確認するとその通り。やはりナビはだめだなぁと強く思った瞬間だった。日曜なのでゲートまで行った方が駐車スペースを確保できることはわかっているが、他人の乗降や会話で起こされるのも嫌だったので、三峰神社の分岐を過ぎて林道が広くなっているところで眠った。
健全な出発をしてきたにもかかわらず、当たり前のように二度寝。樽沢ゲートに着けば10台くらい停まっていた。辛うじて退避スペース(すぐにゲート)に1台分空いていた。
本日は荒沢橋まで自転車利用、まるで林道の状況を覚えていない。ただ以前は、橋まで車で入った記憶がある。とても広い駐車スペースでテントも張れる良いキャンプ地(?)だった。はじめ緩やかに登り、泊り荷物でもケツ負担はない感じ。もっと平坦かなと思っていたら急に下り始めた。楽ではあるけれど帰りのことが心配になってくる距離感だ。
先行自転車が2台停めてあり、さらに荒沢ゲートから先にバイクを含めたタイヤ痕が複数あった。大洞川を渡るとすぐにガレの押出で、自転車なんて使えない感じになる。結構歩いたところで上から自転車2台が下りてきた。すごい根性だ。聞けば先に入られてしまったから帰るとのこと。かなりいい天気なのにもったいない。下り加減の林道跡に入り、一段下の広場から山道に変わる。右下に枝沢と大きな堰堤を見ながら下るとすぐに本流。本流にはかなり埋まって高さのなくなった堰堤がある。といって越えるのに面倒くさい高さなので、右岸に渡渉して越えた。まるで記憶にないけれど、ガイドの橋はなくなっていた。
なんとなく水が多いかなといった感じ。右へ左へと称しながら進む。カワクルミ沢が入ると狭くなる。高巻くこともなく本流伝いに進むと、左岸岩盤に長いロープが垂れ下がる直角に流れが曲がるところで釣り師2名と遭遇、極力場を荒らさないようにするといって先行させてもらう。よくこの沢には入るようで、本流を山抜けしてこの沢を下降するらしい。椹谷出合で泊まるとのこと。水は多いそうだ。つまらないしがらみがあるから、やっぱり平日が気楽でいいな。
はじめの岩小屋はわからないまま進み渓相がナメチックなところに出る。とてもきれいなところだ。その先、大岩2段滝を越えると大釜に本体の見えない水しぶきが…8mが噴き出しており、ここがキンチヂミだ。右岸をやや戻るように巻き始める。ワイヤーが残るルンゼを登り、平坦になってさらに上部へ尾根が続いているところで、足元をよく見れば下りのトラが見つかる。トラバースしながらたどれば水の流れるルンゼをまたぎ、ワイヤーに沿って進む。すると下りトラのあるかなり急な下りとなる。沢床まで下りられたがゴルジュの真ん中、先はロープがつけられているので、頼りにしながらうまくへつって突破する。ないと結構渋いと思う。ゴルジュラストの小滝を越えると枝沢が入る河原、日当たり良好なのでここで休憩した。
しばらく開けたままと思っていたが、すぐに薄暗くなってしまう。しばらくで椹谷が右岸からT字路みたいな感じで合わさる。井戸沢は右、すぐに巨岩帯になる。右岸を進むと水線から離れたところに岩小屋を発見。デポもある立派な場所だ。
河原に変わり4m2条の右壁を空身で登り、荷揚げした。次に現れたのは井戸の底のような10m直瀑、右岸ルンゼを巻くとあったがいまいちそうなので、皆が失敗している左岸から巻き始める。とても上りやすい尾根状を注意して歩くと、4m2条に付いていたロープがつながっているのではという踏み跡に1190くらいで合流、そこからは踏み跡ばっちりでなんということもなく河原に出た。
少し先でスダレ状の前新左衛門窪、ここから連瀑帯が始まる。門のような岩盤になっている滝を水線際左から登り、2つ滝をこなすと河原になる。右岸にきれいな幕営適地があったが先に進んだけれど、これはここに泊まるのが正解だった。もう滝は出てこないと思っていたら5mが出てきて、自分の現在位置が違っているのではと不安に思い始める。これは思い過ごしだったようで、左岸の高い河原に確か前回泊まったところが出てきた。到着!なんて思ってみたら以前の大雨により洗堀され、いい所がほとんどなくなっていた。戻るのも面倒だったので、一人寝るのがやっとなところにタープを設定した。斜めだし大きい岩があるし…寝る時間を充実させるなら下っとけばよかった。焚火も梅雨明けは早かったものの、雨が結構降っていた感じだったので薪は湿っぽく、久々にダメダメな焚火だった。
/19 翌朝もいい天気。ナメエリアを抜けると本流は左折するようになる。正面が奥新左衛門窪、こちらに進路をとる。急に狭くなりすぐに二俣になる。左俣が目的で出合奥に20m大滝があり、左壁から登れそうだったけれど、記録通り右から一部外傾したフェイスを登る。ビビりが入り、少し巻き気味に越えた。先は深いゴルジュ状で滝が連続しつつ蛇行しており、先がわからない。2段目の水が噴き出している滝は右岸ルンゼから巻く。そのまま詰めすぎないこと。これを越えれば登れる小滝オンパレード、楽しく登れるが滝が多すぎて覚えていられない。倒木が詰まった区間もある。
谷が開けて再び倒木エリアになると、右岸からルンゼを合わせた先で再びゴルジュに突入する。狭いゴルジュ出口の滝は左から登った。上流部はナメ&小滝の繰り返しで、結構当たりな感じだ。しかし、時遺産のワイヤーが流れの中に残っており、写真にならない。倒木のアスレチック区間を抜け、ガレのひどい流れに変わると1678mで顕著な二俣になる。
1730〜1750でガレの中に水流が消える。水を補給し胸高くらいのクマザサ帯に突入、1800くらいから真北へ進路をとる。鹿道を拾ってなるべく直線的に登ると、東仙波西側ガレピークの西コルに出た。足が滑って疲れた。東仙波は眺めがとても良いピーク。伐採され白樺が生える若い林だ。時間があればゆっくりしたかった。
いよいよ沢下降、白石山方向へ進んだ最初のコルから沢に入る。芋の窪というらしい。藪は薄く、鹿道を拾って進むとすぐに水が出てくる。大雨の影響だろう上流部でも大ザレが多く、ここに入ると足が止まらなくなる。ひたすらに下り、左岸に伐採小屋跡が出てくる。古い釜や鍋、一升瓶、一斗缶…こんな産業遺産的なものが奥秩父には多い。ドラム缶なんかも流れの中に出てくるときもある。1600辺りで惣小屋谷に出合い、焼小屋沢を合わせると水量も増える。ここで休憩。
この先は巨岩滝の連続で右岸巻き道を下る。トラで作った梯子があり、それを登るとトラバースとなるが、補助ロープあるも足元が不安定でなかなか怖い。テープなんかも頼りに下ってゆき、ゴルジュ内もよく見れば通過できるところもある。大岩滝群は先でどう通過するかがわかりづらい。両岸から大崩壊地が出てくると林道も近い感じ。左岸に目印がうるさくなってくると林道が近いらしいが、それらしい場所があったけれど確証が持てなかったので、左岸崩壊地を通過して本流を進んだ。左岸上部に人工物は確認できており、急に人が入った雰囲気がなくなってきたのはわかったけれど、暑さでめんどくささが出て、ヘロヘロになりながらさらに下った。すると目の前に大堰堤が…あの左岸崩壊地まで戻るのか…1時間以上プラスを覚悟し、とりあえず休憩。
いずれにしても林道に乗らなくてはならないので、気持ちを切り替えて出発。少し上流に戻った小尾根状のところで林道に上がれそうな場所があったので、ザレた鹿道を登り林道復帰できた。気温が高く、牛歩戦術を駆使しながら、崩壊が激しい林道をやっと自転車までたどり着いた。林道の登りがきつかったけれど、春先の片貝林道を思い出せば耐えられた。駐車スペースは自分と井戸沢で抜かせてもらったペアのものと思われる2台だけになっており、早く風呂へ!という気持ちが白龍閣へと導いた。
帰路で山を見れば、大洞川・滝川の谷が深く山深いことに驚いた。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する